「えー、5時間も市内パレードやっていたんだ」そんな風に私が驚愕していたのは月曜日、午後5時にカンプ・ノウを出発したバルサのリーガ優勝祝賀パレードは始めだけ、ネット中継をチラ見していたものの、エスタディオ・コリセウムに行く時間が来たので、そこで画面を閉じることに。それがラージョvsジローナ戦のハーフタイムに再び見たところ、まだオープンデッキバスに乗っていたのにまずビックリだったんですが、試合が終わって、メトロを待つ間に読んだ記事では、バルセロナ中心部を一周して、再びカンプ・ノウに戻ったのは午後10時頃だったと言うんですよ。
だってえ、2年前のCL、リーガ2冠優勝の時も含めて、レアル・マドリーなど、いつもサンティアゴ・ベルナベウからシベレス噴水広場までの4km程しかパレードはせず、広場に簡易ステージを設けてのお祝い、更にスタジアムに戻ってお祝いというのが定番ですからね。祝賀行事そのものが少ないお隣さんなど、最後のタイトルとなった2021年のリーガ優勝の時なんか、コロナ禍のせいでパレードはなし。2018年のヨーロッパリーグ優勝の祝賀行事はトータル4時間ぐらいになったものの、市内パレードとなったのは市庁舎、大聖堂、州庁舎、ネプトゥーノ広場の間を結ぶ道だけで、簡易ステージのある広場でのお祝いも入れてなんですよ。
それをどこかに祝賀用の舞台があるという訳でもなく、カンプ・ノウで最後に祝うという訳でもなく、延々、5時間もバスに乗り続けて、沿道のファンの声に応えていたバルサの選手たちって、相当体力ない?いえ、この先、彼らにはCL決勝の予定もありませんし、W杯もまだ先なので、今は好きなだけお祝いしていればいいんですけどね。え、今季もそんな祝賀行事には縁のなかったシメオネ監督が、「昨日、クラシコを見ていて、唯一、自分が思ったのは、ウチがこのチームを2度も倒したなんて凄いってこと」と言っていたのは、ちょっと自分たちへの慰めも入っていなかったかって?
そうですね、結局、リーガを捨てて、バルサを準決勝で倒したコパ・デル・レイでは決勝でレアル・ソシエダに負け、準々決勝で倒したCLでは準決勝でアーセナルに負けと、どちらも優勝することができず。逆に相手はそのダブル敗退ショックを乗り越えて、ちゃっかりリーガの方でトロフィーという形あるものを手に入れていたのが羨ましかったのかも。何にしろ、これで今季、あとトロフィー獲得の可能性があるスペインのチームはコンフェレンスリーグ決勝に進出した弟分のラージョだけ。
こちらはいつだか、私が1部昇格祝いを見に行った時、オープンデッキバスでのパレードはエスタディオ・バジェカスから1.2km程離れたアサンブレア噴水広場までの短いルートオンリー。マドリッド中心部にあるお役所関連の表敬訪問は普通のバスだったと思いますが、ヨーロッパのタイトルとなると、もっと盛大なお祝いになるんでしょうか。
まあ、そんなことはともかく、先週末のマドリッド勢がどうだったか、お伝えしていかないといけません。リーガ35節の先陣を切ったのはアトレティコで、うーん、火曜にCL準決勝2ndレグでアーセナルに負けて、中3日で試合するのもどうかとは思ったんですけどね。クラブも失意のファンのため、土曜のセルタ戦前にはメトロポリターノ周辺でDia del Nino/ディア・デル・ニーニョ(子供の日)のアクティビティを開催。少しでも盛り上げようとしたんですが、それも雨が降ったり止んだりの不安定な天候のせいで、とても成功とは言えず、スタンドもぱらぱら空席が目立ったかと。
ちなみに負傷者が多かったのもあって、チームA、B混合メンバーでスタートした前半、ほとんどの時間、攻めていたのは意外にもアトレティコの方。ただねえ、セルロート、グリーズマンを筆頭にルックマン、ジョレンテと揃ってシュートに精度がなく、その上、開始20分にはボルハ・イグレシアスからボールを奪った際にヒメネスが足首を捻挫して、ル・ノルマンと早々に交代することに。ようやくふくらはぎの負傷から復帰したというのにまたしてもこれでは、やっぱりヒメネスも今季限りとなっても仕方ない?
ただ、バエナのラストパスからのセルロートのtaconazo(タコナソ/ヒールキック)もGKラドゥにparadon(パラドン/スーパーセーブ)で防がれ、0-0のままだった後半15分、メトロポリターノでプレーするのはもう来週のジローナ戦しかないグリーズマンを早くも代えてしまったのは、ちょっとシメオネ監督の配慮が足らないような。当人もこれには少々、不服そうな顔をしていたんですが、最悪だったのはその直後で、うーん、やっぱりグリーズマンとマブダチのコケも来季はMSLなどに活路を見出した方がいいんですかね。17分、自陣でパスをイリアスに出してしまい、そこから繋がったボールをスウェドベルクがボルハ・イグレシアスに供給。最近、好調なパンダが見事なvaselina(バセリーナ/ループシュート)でGKオブラクを破ってしまうんですから、困ったもんじゃないですか。
その後もほぼ守っているだけだったセルタに対して、シメオネ監督は24分にはすでに交代枠を完全消化。セルロートが何度目かわからないヘッドを外す中、前日、アトレティコ・マドリレーニョのサダベル戦で10分程、プレーしていたクボだけガッツを見せ、2度程、チャンスを作ったんですけどね。バレンシア戦に続いての2本目のゴールは挙げることができず、前後半通じて20本(枠内4本)ものシュートを撃ちながら、終盤は疲れのせいか、何をやっているのかわからない選手もいる始末で、そのままアトレティコは0-1で負けてしまったんですが、はあ。
まあ、弟分ラージョのコンフェレンスリーグ決勝出場のおかげで、来季も5位までCL出場権がもらえることになり、完全目標喪失となった彼らですからね。ELを準々決勝で敗退した後、2連敗していたセルタのヒラルデス監督も「Es normal que haya un tiempo de cicatrización/エス・ノルマル・ケ・アジャ・ウン・ティエンポー・デ・シカトリサシオン(傷が癒えるのに一定の時間がいるのは普通)」と言っていましたし、シメオネ監督は「Al perder parece todo mal, pero jugamos bien/アル・ペルデル・パレセ・トードー・マル、ペロ・フガモス・ビエン(負けた後は全てが悪かったように見えるが、ウチはいいプレーをした)」と主張していたものの、残り3試合、もしかしたら1つも勝てないかも。
それでも次はリーガミッドウィーク開催週で、火曜午後9時30分(日本時間翌午前4時30分)にオサスナ戦となるため、相変わらず、バリオス、ニコ・ゴンザレス、フリアン・アルバレス、ジュリアーノ、そして新たにヒメネスとモリーナも欠いたチームは休むことなく、翌日から練習再開。といっても鬼門のアウェイゲームとあって、私もあまり期待はしていないんですが、バエナも出場停止のため、トップチームの選手が15人しかいないのではまた、カンテラーノ頼みになるんでしょうね。
そして翌日曜はクラシコ(伝統の一戦)の前座として、まず弟分のヘタフェがカルロス・タリアテレでオビエド戦に挑んだんですが、またしてもビッグチャンスを逃してしまったんですよ。というのもこの日、負ければ2部降格が確定という相手が後半9分にはハビ・ロペス、そして33分にもシボをレッドカードで失い、最後は9人で戦っていたにも関わらず、「Nos ha faltado claridad, calidad/ノス・ア・ファルタードー・クラリダッド、カリダッド(ウチは明確さと質が欠けていた)」(ボルダラス監督)ヘタフェは22本もシュートを撃ちながら、ゴールがまったく入らず。オビエドを月曜まで生き長らえさせるスコアレスドローで終わってしまったから。
いえ、それでもこの節はコンフェレンスリーグ出場権を争うアスレティックがバレンシアに負けてくれたため、引分けで勝ち点を45にしたヘタフェは7位のままでいられたんですけどね。元々、ヨーロッパの大会出場がプランに入っていない彼らだけに、シーズンのこの時期は疲労蓄積もあって、選手たちが腹の底に力をこめられないのは仕方ない?水曜のコリセウムでのホームゲームも、まだ残留争い渦中にあるマジョルカが相手なだけに勝つのは難しいかもしれませんが、せめて3試合ぶりにファンにゴールを見せてあげることができるといいんですが。
続いて始まったのが、今日こそリーガ優勝を決めてやろうと手ぐすね引いているバルサがカンプ・ノウで待つクラシコだったんですが、ええ、マドリーは勝つ以外、ライバル戴冠の現地目撃証人になってしまいますからね。先週はバルベルデとチュアメニのバルデベバス(バラハス空港の近く)での諍いが日の目を見たり、その結果、前者が頭部挫傷で2週間の安静となって、この試合に出られず。
更には前日セッションでチーム練習に参加していたエムバペも終了5分前に再び太ももに痛みを覚え、遠征に参加できなくなった上、試合前のアップではハイセンに風邪の症状が発覚。急遽、先発をアセンシオと代わるといった逆境のオンパレードだったアルベロア監督のチームですが、それにしたって、まったく意地を見せることもなしにシナリオ通り、バルサにリーガ優勝を差し出してしまうって、もうこのチーム、終わってない?
そう、先にシュートを撃ったのはビニシウスで、GKジョアン・ガルシアにあっさりセーブされてしまったのはともかく、彼だけは2本ゴールを決めた前節のエスパニョール戦に続いて、戦闘モードだったんですけどね。前半9分にはもう、ペナルティエリアから50cmも離れていない位置からのFKをラッシュフォードが決めて、バルサは先制。18分にも今度はフェルミンが入れたクロスをダニ・オルモが踵で落とし、それをフェラン・トーレスが蹴り込んで、2点目を入れられているって、これじゃ、満を持して、GKクルトワが復帰した意味がないじゃないですか。
いえまあ、このフェランとオルモの動きを止めるために動いていたのがリュディガーだけで、アセンシオが傍観者になっていたのも頂けないんですけどね。そのアセンシオのロングパスからのチャンスをゴンサロもビニシウスも決められなかったマドリーは、残りのシュートはクルトワが弾いてくれたため、ずっと2-0のままをキープ。ええ、後半7分にベリンガムがエリック・ガルシアにエリア内でcodazo(コダソ/肘打ち)を受けて、顔から出血してもペナルティを取ってもらえませんでしたしね。
実際、負傷者が多いため、チームのリフレッシュにもせいぜい、マスタントゥオノ以外、カンテラーノのピタルチとパラシオスを入れるぐらいしかできないのではねえ。それも途中出場でラフィーニャ、デ・ヨング、レバンドフスキらが出て来たバルサに大きく差をつけられていた気がするんですが、幸い、それ以上のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)は喰らわず、ロスタイムもなしに試合は終了。
もちろん、マドリーの選手たちはすぐにピッチを引き揚げたんですが、TVをつけっぱなしにしていた私は、その日の朝、父親の訃報を受けながらも試合の指揮を執ることにしたフリッツ監督の胴上げ、恒例の皆で手を繋いでセンターサークルを回るお祝いのバルサダンス、優勝の予定が確実だったため、スペイン・サッカー協会会長とラ・リーガ会長が持って来たトロフィーの授与、スアタジムの空を彩る花火など、祝賀風景の諸々を目撃する破目になりましたっけ。
ちなみに試合後のアルベロア監督は「もう自分たちのシーズンが終わったのはわかっているが、私たちはレアル・マドリーの紋章を守らないといけない。Tenemos que hacer tres grandes partidos y tres grandes victorias/テネモス・ケ・アセール・トレス・グランデス・パルティードス・イ・トレス・グランデス・ビクトリアス(偉大な3試合をして、偉大な3勝利を挙げないと)」とコメント。消化試合にはしないという意志を表明したんですが、それでもエムバペがいつ戻れるかはわからないのだとか。
ええ、このクラシコ中、マドリッドでお留守番していた当人は前半、マドリーが2点取られた後にインスタに「Hala Madrid!(アラ・マドリッド)」のコメント付きで試合のTV画面の写真を投稿。バルセロナ遠征に行かないことがわかった瞬間から、クラシコをバックレた説が囁かれていたこともあって、マドリーファンの間で炎上していたんですが、まさしく次の木曜午後9時30分からの降格決定済みのオビエドとの試合はサンティアゴ・ベルナベウ開催ですからね。戻って来るにしても週末アウェイのセビージャ戦、もしくはもう無理はせず、フランス代表合流までに体調を完璧にすることに努めるんじゃないでしょうか。
そして35節のトリを飾ったのがラージョで、先週木曜のストラスブール戦勝利でコンフェレンスリーグ決勝進出を果たした余韻がまだ残る中、エスタディオ・バジェカスで月曜にジローナ戦に挑むことことに。いやあ、前半はどちらもチャンスをモノにできず、後半もかなり遅くまでゴールの遠い展開だったんですけどね。とうとう41分、ウナイ・ロペスのエリア外からのシュートを、コンフェレンスリーグ準決勝ストラスブール戦勝利の立役者、この日は途中出場だったアレモンが軌道を変え、ゴールに流し込んでくれたから、どんなに場内が沸きたったことか。
でもねえ、45分にはラージョに先制点が入る1分前、ピッチに投入されたストゥアーニに同点にされてしまったんですよ。そう、ツィガンコフが蹴ったCKの落下地点で大勢に囲まれていた39才のFWがヘッドでバタージャを破ったから、早くもお祝い気分だったファンたちもガッカリしたの何のって。結局、6分のロスタイム中にもラージョは勝ち越し点を奪えず、1-1の痛み分けとなり、勝ち点3積み増して、弟分仲間のヘタフェに並ぶという野望は果たせないことに。
それでも7位とは勝ち点2差になったため、木曜のバレンシア戦の結果次第ではどうなるかわかりませんけどね。バジェカスで未だに愛されているミチェル監督のジローナもこの勝ち点1増で、降格圏と2差になり、というか、エルチェ、マジョルカ、エスパニョールと勝ち点39で並ぶことに。一番災難だったのは、これで17位との差が勝ち点10になり、2部降格が確定したオビエドでしょうが、何か今季は最終節に何チームもが関わるドロドロポッチャンが起きる気がして仕方ありません。

