なぜ佐野航大は日本代表に選ばれたのか?万能型MFの実力と役割に迫る プレースタイル・評価と選ばれた理由を解説

日本代表のイギリス遠征メンバーに佐野航大(NEC/オランダ)が選出された。中盤の戦力として注目を集める中、「どんな選手か」「なぜ選ばれたのか」への関心も高まっている。本記事ではプレースタイルや特徴、代表での役割から選出理由を解説する。

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佐野航大のキャリアは?ファジアーノ岡山からオランダ・NECへ

2003年9月25日生まれ。岡山県津山市出身。兄・海舟(現:マインツ/ドイツ)と同じく地元のFCヴィパルテでサッカーをはじめ、小中を過ごす。高校も(在校期間に被りはないが)兄を追いかける形で鳥取県の米子北高校に進学した。1年時から背番号10を託され、3年連続で全国高等学校サッカー選手権大会に出場。2021年のインターハイでは決勝で青森山田高校に敗れて準優勝に終わったものの、自身は大会優秀選手に選出された

高校卒業後は当時J2のファジアーノ岡山に加入。開幕戦に途中出場してプロデビューを飾ると、木山隆之監督に技術の高さや器用さを評価され、サイドハーフやトップ下、ボランチなど様々なポジションでプレー。地元出身の中心選手として活躍する中、高卒2年目の夏にオランダ1部のNECナイメヘンに完全移籍で加入した。

念願の海外挑戦を果たすと、加入から半年後に定位置を確保。1年目は岡山で磨いた突破力を武器にウイングとして活躍し、2年目からはボランチやインサイドハーフでの起用が増加。展開力、守備力、推進力を発揮してゴールやアシストを記録。在籍3年目にして、絶対的な主軸としての地位を確立している。進境著しい22歳のMFは欧州市場での評価も急上昇中。アヤックスやPSVといったオランダ国内の名門クラブをはじめ、各国の強豪クラブが争奪戦を行うほどの存在へと進化している。

佐野航大のプレースタイルは?複数ポジションを高水準でこなす万能型MF

最大の強みは、中盤のあらゆるポジション(6番、8番、10番、両サイド)でハイレベルにこなすマルチロール(万能性)にある。岡山在籍時代に木山監督とのボードを使った二人三脚での戦術指導、プロ1年目から様々なポジションを任され、トライ&エラーを繰り返してきた経験が「MFならどこを任せてもパフォーマンスを発揮してくれる」と期待したくなる力を育んできた。また、NECナイメヘンでは怪我人続出の状況の中、3バックの中央でプレーした試合もあり、万能性は欧州の舞台でも進化している

どのポジションでもそつなくプレーできる特徴を支えているのが、回避能力の高さだろう。幼少期にフットサルを通して磨いたドリブルで相手のプレスをいなす。「後ろにも目がついているのか」と思わされるほどの視野の広さを生かしたターン、ワンタッチパスを巧みに使いピッチ中央でプレスを空転させることができる。

渡欧後に最も進化したのが守備の強度だ。相手とのフィジカルコンタクトでも戦いながら、足を伸ばしたりボールと相手の間に自分の身体をねじ込ませたりするタイミングが鋭敏になったことで、単なるテクニシャンではなく激しい球際でボールを「絡め取れる」ボランチへと進化を遂げている。

オランダではキック技術の高さも披露しており、40m級のロングパスでアシストしたり、ボックス外から強烈なミドルシュートを突き刺すなど、一気に局面を変えられる一振りも持っている正確なキックを左右両足で繰り出すことができ、中盤の底で司令塔の役割をになっている試合も。パスやドリブルを巧みに使い分け、ボールを相手ゴールに運ぶことができる総合力の高いMFだ。

なぜ佐野航大は日本代表に選ばれたのか

ボランチのポジションでは最もA代表キャリアが薄いと言えるが、航大は「動的なゲームメイク」をチームにもたらすことのできる存在と言えるだろう。守備強度を保ちつつ、攻撃時には中盤の底で展開力を発揮しながら、高い位置まで顔を出して厚みを加える。遠くの味方とも近くの味方ともコネクトすることができる。相手の守備戦術を察知し、豊富な引き出しの中から最適なプレーを選択し、チームの攻撃に流動性とダイナミズムをもたらす働きが期待できる。

さらに試合展開に応じて、自分のプレー選択だけでなくポジションも変化させられる。2ボランチの一角からトップ下、あるいはサイド、もしくは3ボランチであればインサイドハーフへとポジションを移せる器用さは、交代枠の限られた代表戦において極めて貴重な存在だ。攻撃の停滞を感じた際に投入することで、チーム全体の配置をスムーズに変更できる「戦術的な潤滑油」としての役割も担うことができるだろう。W杯本大会まで準備期間は長くないが、岡山でもオランダでもすぐさまチームの輪に溶け込み、ファン・サポーターの心を瞬く間に鷲掴みにしてきた。天性とも言える自己表現とコミュニケーションの上手さを持つMFの台頭は、文字通り森保一監督の采配に小さくない幅をもたらすに違いない。

まとめ

超WORLDサッカー! なぜ佐野航大は日本代表に選ばれたのか?万能型MFの実力と役割に迫る プレースタイル・評価と選ばれた理由を解説

佐野航大は、複数ポジションを高いレベルでこなす万能型MFだ。

ドリブルによる回避能力、状況判断の速さ、そして欧州で磨かれた守備強度と展開力。それらを兼ね備えた総合力の高さが、日本代表選出という結果につながった。

代表においては、ポジションや役割を柔軟に変化させながら、チームに流動性と安定感をもたらす“戦術的な潤滑油”としての働きが期待される。

W杯メンバー入りをかけたサバイバルの中で、この万能性がどこまで評価されるのか。

佐野航大のパフォーマンスは、日本代表の可能性を広げる重要な鍵となりそうだ。

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超ワールドサッカー編集部
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