元なでしこジャパンの羽座妃粋、万屋美穂、市瀬菜々が現役生活に幕 前十字じん帯断裂を乗り越えるも今季限りで引退

2023.05.30 21:55 Tue
Getty Images
元なでしこジャパンのDF羽座妃粋(アルビレックス新潟レディース、27)、DF万屋美穂(マイナビ仙台レディース、26)、DF市瀬菜々(マイナビ仙台レディース、25)が、今季限りで現役を引退することとなった。29日から30日にかけ、各所属クラブが発表している。

兵庫県出身の羽座は日ノ本学園高校で2冠を達成し、日本体育大学へ進学した。2018年にINAC神戸レオネッサへと加入し、スペインのAEMレリダへ。I神戸へ復帰後、今季から新潟Lに所属していた。
年代別の代表では常連で、2014年9月にはなでしこジャパン WORLD MATCHのガーナ女子代表戦にて、日体大在籍中の19歳でA代表デビュー。続くアジア競技大会のメンバーにも名を連ねたが、前十字じん帯断裂の影響などもあって以降は難しいシーズンが続いた。WEリーグでは通算17試合、なでしこジャパンでは4試合のキャップを残している。

左利きのサイドバックである万屋も、同じく日ノ本学園出身。2015年にマイ仙台の前身であるベガルタ仙台レディースへと加入して以降、在籍9年目を迎えていた。

なでしこジャパンには2017年7月のTournament of Nationsブラジル女子代表戦でデビュー。WEリーグでは通算28試合に出場し、代表戦では7試合に出場した。
市瀬は徳島県出身で、常盤木学園高校から2016年にベガルタへ加入。万屋と同じ仙台一筋で。在籍8年目を迎えていた。

2017年4月に開催されたキリンチャレンジカップ2017 ~熊本地震復興支援マッチ がんばるばい熊本~にてなでしこジャパンデビューを果たし、2019年のフランス女子ワールドカップ(W杯)にも出場。WEリーグ通算34試合1得点、代表では19試合に出場している。

3名はそれぞれ各クラブを通じ、次のようにコメントしている。

◆羽座妃粋
「この度、2022-2023シーズンをもちまして、プロサッカー選手を引退する決意をしました。共に戦ったアルビレックス新潟レディースのチームメイト、スタッフ、チーム関係者の皆様、スポンサー企業の皆様、ファン・サポーターの皆様、ありがとうございました」

「1年間という短い間でしたが、とても熱く、共に戦ってくれ、どんな時も応援してくれる人達がいる、この新潟という地でプレーできて、とても幸せです。今シーズンは中々勝てず、リーグ戦9試合勝利なし、新戦力として入団したにも関わらず、戦力になれず、副キャプテンとしてチームをまとめることもできず、とても苦しく、悔しい思いをしました。なんとか、チームを立て直すために全力を尽くしましたが、思うような結果が出ず、ファン・サポーター、スポンサー企業の皆様には本当に申し訳なく思っています」

「しかし、私自身前十字靭帯断裂、半月板損傷の怪我からこのチームで復帰し、ピッチに立てたことで、支えてくれたトレーナーや病院の先生方、支えてくれた多くの方々に少しでも感謝の気持ちを表せたのではないかと思っています」

「また、スペインから初の女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)でプレーするため、再び受け入れて下さった、INACの関係者の皆様、ファン・サポーターの皆様ありがとうございました」

「開幕戦出場することができていた中での、怪我による10カ月のリハビリ生活。リハビリも順調に進まず、どんどん伸びていく復帰予定日。アルビレックス新潟レディースに移籍してようやく復帰しても、膝の痛みや炎症がすぐにおき、思うようにトレーニング出来ない日々。そんな中、再び膝の怪我。ずっとずっと怪我に悩まされ、練習をまともにできないシーズンでした。そのことで、チームにはとても迷惑をかけてしまい、申し訳ない気持ちや、色々な葛藤が私の中にあり、悩む日もありました。でもそんな私の状況を理解し、支えてくれたチームメイト、スタッフには本当に感謝しています。引退するラスト1年、何とかプレーできたのは、たくさんの人のおかげです。これまで関わってくださった全ての方々、支えてくださった全ての方々、本当にありがとうございました」

「サッカー人生はここで終止符を打ちますが、私の人生、まだまだ通過点です。これからも、更なる成長を目指し、自分らしく歩んでいきます」

「ラスト1試合、全ての想いを胸に全力で戦います。応援宜しくお願いします」

◆万屋美穂
「いつも応援してくださる皆様へ。今シーズンをもって引退する決断をしたことをご報告させていただきます」

「2015年に高卒で宮城に来て、その時にはすでに膝の怪我を抱えた状態でしたが、それでもいいと迎えてくれた当時のベガルタ仙台レディースに関わるクラブの皆さまに大変感謝しています」

「2回目の前十字の怪我を乗り越えたと思った矢先に右膝の前十字を断裂し、宮城に来て約2年間は皆さまの前でしっかりとプレーした姿をお見せすることができず、膝と向き合う毎日でしたが、たくさんの方々の支えのおかげで復帰することができました。初めてのユアスタでの試合、アップへと向かう時の太鼓の音とサポーターの皆さまの声援に鳥肌が立ったことを今でも覚えています」

「WEリーグになる前まで勤務していた株式会社高速の皆様にも本当に温かく迎えていただき、応援してもらい、社会人としても勉強させていただきました。ありがとうございました!」

「サッカーを始めてから色んな人たちと出逢い、サッカーという競技を通して、人との繋がりや競技を通してたくさんの価値観や考えを知り、そして多くの感情を経験しました。楽しいだけではもちろんなくて、その中に苦しいことも悔しいこともありました。それでもここで経験したことや感じたことはこの先に繋がると思うし、またさらに自分自身を成長させてくれるなとも思っています。どんな状況でも共に戦ってくれたファン、サポーターの皆さま、各スポンサーの皆さま、いつもチームをサポートしてくださるクラブスタッフ、ボランティアの皆さま、私たちを応援する姿やたくさんの声援に背中を押され、支えて下さる皆さまのおかげで毎シーズン戦い抜くことができました。本当にありがとうございます」

「たくさんの支えや応援があったからこそここまで続けてこられたサッカーですが、私の中で1番に感謝したいのは両親であり、家族です。立ち止まったり、悩んだ時、いつも味方でいてくれてありがとう。感謝の気持ちでいっぱいです」

「サッカー人生の18年間で出逢った指導者の皆さま、チームスタッフ、膝の手術をしてくれた先生、ケアをしてくれたトレーナー、フロントの皆さま、そして多くの仲間に出会うことができ、その仲間と一緒にサッカーをすることができて幸せでした」

「たくさんの方のおかげでサッカーを楽しみ、難しさを知ることができました。サッカーをしていなかったら今の自分はないですし、サッカーが出会わせてくれた出逢いに感謝したいです。この経験は私にとってのかけがえのない時間であり宝物です」

「残り2試合、チームの為になれるよう最後まで自分らしく頑張りますので、引き続きマイナビ仙台レディースの応援よろしくお願いします!」

◆市瀬菜々
「今シーズンをもって引退することにしました」

「どんな時でも支えてくださったファン、サポーターのみなさん、そしてクラブの関係者のみなさんに心から感謝しています」

「私にはもう一つの夢があり、新しい一歩を踏み出す決断をしました。サッカーとは離れることになりますが、温かく見守っていただけると幸いです」

「15歳の時に仙台に来て、約10年。仙台で学んだことはほんとに多く、言葉で言い表せないくらいたくさんの成長をさせてもらいました。そしてサッカーを通じて多くの方と出会うことができ、幸せでした。仙台は私にとって第二の故郷です」

「仙台の地でプレー出来るのはあと1試合!そしてこのチームでプレー出来るのはあと2試合!」

「みんなで笑って終われるように自分に出来ることを全力で頑張るので、応援よろしくお願いします」
関連ニュース

S広島R、WEリーグ平日ナイターでも約3000人!新スタジアムで週末と同等の集客力

18日、2023-24WEリーグ第15節、サンフレッチェ広島レジーナvsINAC神戸レオネッサがエディオンピースウイング広島で開催され、2-0でホームのS広島Rが勝利を収めた。 平日木曜日の19:03キックオフ。男女通じてもEピース初のナイトゲーム開催となった一戦には、S広島Rのホーム開催試合としてはクラブ史上3番目となる2834人の観客が詰め掛けた。 S広島Rにとって、これまでのホームゲーム最多入場者数は、新スタジアムでの初陣となった第7節アルビレックス新潟レディース戦の4619人。以降のEピースでは、第10節で2352人、第13節で2836人と、いずれも2000人超えを記録していたが、いずれも土日のデーゲームだった。 広島広域公園第一球技場時代は、解放エリアの関係もあるが、2000人を超えたのは2度のみで、うち1度は開幕戦。新スタジアムの効果は、集客力に数字となって表れている。 ホームの大声援にも後押しされたS広島Rは、優勝争い中のI神戸に球際の勝負で圧倒。藤生菜摘がWEリーグ初ゴールを含む2得点をマークし、今季初の連勝を飾った。 <span class="paragraph-title">【動画】平日ナイトゲームでもこの熱気!S広島Rがホームの後押し受けI神戸に快勝</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="_FUWyhJatCw";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.19 19:25 Fri

逆転勝ちの東京NB・松田岳夫監督、先発6人変更し交代選手も結果残す「限られた選手だけでは戦っていけない、全員の勝利」

日テレ・東京ヴェルディベレーザの松田岳夫監督が、勝利したノジマステラ神奈川相模原戦を振り返った。 東京NBは18日、2023-24 WEリーグ第15節でノジマステラ神奈川相模原を味の素フィールド西が丘に迎え、3-1と逆転勝ちを収めた。 前節は2位のINAC神戸レオネッサと引き分け、首位三菱重工浦和レッズレディースを追うのであればこれ以上足踏みは避けたい中で、37分に失点。追い掛ける展開となったが、ハーフタイムの3枚替えでスイッチを入れると、途中出場・松田紫野のクロスがオウンゴールを誘発し、74分に追い付く。 トップ下での先発から最前線にポジションを移した藤野あおばが80分に逆転ゴールを奪い、その4分後にはこちらも途中出場・山本柚月がカットインからの左足を沈め、リーグ戦では5戦5勝中のN相模原を寄り切った。 松田監督は、「なかなかゴールが遠く、リズムが作れない中で失点をしてしまいました。そういう意味では、前半はなんとなくふわっと入ってしまったなというイメージはあります。ただ、ゲーム全体を考えた時に、交代選手も含め、1試合しっかりと進めることができたという意味では、全員で戦った結果だと思いますし、負けている中でもゴールを目指しながら、しっかりと成果を出せたことは、色々な形で自信に繋がっていくと思います。連戦の中、限られた選手だけでは戦っていけないですから、普段出場機会の少ない選手も含め、全員の勝利だと思っています」と、90分のマネジメントを振り返る。 連戦を加味して前節からスタメンを6人変更。これまで全試合先発の坂部幸菜をベンチに置き、柏村菜那が8試合ぶり、岩﨑心南が7試合ぶり、岩清水梓が5試合ぶりの先発出場と、フレッシュな組み合わせとなったが、前半はやや最終局面での怖さを欠いた。 指揮官は、「ゲームへの意欲や積極性はしっかり出せたと思いますが、ボールに関わろうとして、逆に寄りすぎて落ちてきたりとか、ゴールを目指す上で相手の(背後ではなく)前でプレーしていた機会が多かったとは感じます」と評価した。 とはいえ、後半はアタッキングサード深くまでえぐる場面が増加。「相手の背後に入るよう、落ちてこないで、1つ前のポジションをイメージしてプレーするようにと伝え、機能していったと思います」と、選手交代とハーフタイムの指示で後半は粘るN相模原を力でねじ伏せた。 ポジションのイメージに関しては、なでしこジャパンの藤野であっても、囚われがちだと指摘する。 代表活動から戻り、2試合ぶりの先発出場は[3-4-1-2]のトップ下。だが、「トップ下と指摘をすると、前方向のプレーを持っている選手ですけど、後ろにも関われなければと、ボランチのところまで落ちたりと、どうしてもプレーエリアが低くなってしまう。そういう意味もあって、前半の途中から土方と変えてフォワードにしました。やはりゴールを目指すところで非常に力を発揮する選手ですから、ゴールから遠いプレーが増えてしまったこともあり、1番ゴールに近いところでプレーするようにと、ハーフタイムも含めて話をしました」と、試合途中から最前線へ。結果、見事な逆転弾を挙げた。 また、前々節までは3試合連続で途中出場選手がゴールを奪い、今節も3得点すべてに交代選手が絡んでいる。ウインターブレイク後は初出場となった松田紫野も果敢な攻撃参加を披露し、松永未夢も仕掛けから逆転ゴールの契機に。山本はチームトップとなる5得点目を挙げた。 「普段のトレーニングで彼女たちがしっかりと高めているので、どこかでその力を発揮する機会を与えてあげなければいけないですし、そういう意味ではこういう連戦はすごくチームにとってプラス、成長するいい機会だと感じています。リスクを恐れず、ミスは積極的なミスならオーケーと、選手たちにも話をしています。その中で積極性がうまく機能してゴールにも結び付いているし、それぞれのプレーの良さを引き出していると感じます」と、松田監督は連戦をポジティブに捉え、総合力が上がってきたことを実感しているようだ。 <span class="paragraph-title">【ハイライト動画】途中出場選手が絡み東京NBがN相模原に逆転勝ち!</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="z-82AU8q9-I";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.18 23:57 Thu

パリ五輪前の7月13日になでしこジャパンの試合が開催! 「能登半島地震復興支援マッチ」として石川県で実施

日本サッカー協会(JFA)は18日、7月13日(土)に石川県の金沢ゴーゴーカレースタジアムでなでしこジャパンの試合を開催することを発表した。 なお、「MS&ADカップ2024 〜能登半島地震復興支援マッチ がんばろう能登〜」として開催される。 この試合のチケット収入は、JFAがチケット収入と同額を加え、能登半島地震で被災した地域や避難生活を送っているサッカーファミリーが、これまで通り、サッカーを楽しむことができる環境の復旧と復興を目的に使用される「サッカーファミリー復興支援金」として拠出されることとなる。 なお、試合のキックオフ時間や対戦相手は現在未定。テレビ放送も未定となっている。 なでしこジャパンは7月25日から開催されるパリ・オリンピックへの出場が決定しており、日本での五輪前最後の試合となる。 2024.04.18 23:05 Thu

なでしこFW浜野まいかがチェルシー初ゴール! 初先発での一撃にチームメイトも喜び爆発「素晴らしい笑顔」

チェルシーのなでしこジャパンFW浜野まいかが初ゴールを記録した。 INAC神戸レオネッサから2023年にチェルシーへと完全移籍し、そのままスウェーデンのハンマルビーでプレーした浜野。17試合7ゴールを記録した中、今シーズンからチェルシーへと復帰した。 その浜野は、なでしこジャパンの一員として2023年のオーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)に出場。W杯後には肩の手術を受けて長期離脱となっていた。 ケガも癒えて復帰した浜野は、2023年12月17日にチェルシーの選手としてFA女子スーパーリーグ(FAWSL)のブリストル・シティ戦でデビュー。その後しばらくプレーしていなかったが、3月3日のレスター・シティ戦にも出場していた。 なでしこジャパンにも復帰した浜野は、先日行われていたSheBelieves Cupに参加。アメリカ女子代表戦、ブラジル女子代表戦と2試合とも45分間プレーしていた。 代表活動から復帰した浜野は、17日に行われたFAWSLのアストン・ビラ戦で初先発。開始早々に相手GKが退場する中、1-0で迎えた38分に待望のゴールを記録した。 ボックス右で相手からボールを奪ったアシュリー・ローレンスがグラウンダーのクロス。これをニアサイドでカタリナ・マカリオがフリックすると、ファーサイドに詰めた浜野が体を投げ出しながら押し込み、嬉しい初ゴールとなった。 浜野のゴールにはスタンドも沸いたほか、チームメイトも祝福。ファンは「素晴らしい笑顔だ」、「みんなも嬉しそう」、「ナイスゴールだ」とコメントを寄せている。 チェルシーは3-0で勝利し、勝ち点でマンチェスター・シティと並んだ中、得失点差で首位に浮上している。 <span class="paragraph-title">【動画】笑顔爆発、浜野まいかが嬉しいチェルシー初ゴール! チームメイトも祝福</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="XbXkIAdv6II";var video_start = 285;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.18 13:30 Thu

古賀塔子フル出場のフェイエノールト、女子KNVBベーカー準決勝でアヤックスに敗れ男子と揃っての決勝進出ならず

なでしこジャパンのDF古賀塔子を擁するフェイエノールトは、16日にTOTO女子KNVBベーカーの準決勝でアヤックスと対戦し、延長戦の末に1-2で敗れた。古賀は中盤の一角でフル出場した。 フェイエノールトは、守備陣のミスからティニー・フックストラにゴールを許し、39分に先制を許した。 それでも、今冬新加入のエラ・ファン・ケルクホーフェンが67分に試合を振り出しに戻し、試合は延長戦へ。だが、94分にPKを献上すると、シェリダ・スピッツェに決められ、これが決勝点となった。 クラブ史上初の決勝進出を目指したフェイエノールトだったが、男子と揃ってのファイナル進出はならず。歴代最多優5度の優勝を誇るアヤックスの前に屈している。 2024.04.17 22:25 Wed
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly