【CL準決勝プレビュー】最強挑戦者のリベンジか、王者の返り討ちか? インテル待つ決勝進出懸けた大一番《マンチェスター・シティvsレアル・マドリー》

2023.05.17 12:15 Wed
Getty Images
チャンピオンズリーグ(CL)準決勝2ndレグ、マンチェスター・シティvsレアル・マドリーが、日本時間17日28:00にシティ・オブ・マンチェスター・スタジアムでキックオフされる。
PR
9日にサンティアゴ・ベルナベウで行われた1stレグは、優勝候補対決に相応しい見応え十分の攻防が繰り広げられた中、1-1のドロー決着。ピッチ上でのハイレベルのバトルに加え、稀代の戦術家同士による高度な駆け引きが披露された。
戦前の予想通り、アウェイのシティがボールを握って押し込む入りとなったが、序盤のいくつかのピンチをGKクルトワの好守で凌いだマドリーが、MFカマヴィンガを起点とした圧巻の崩しからFWヴィニシウスのゴラッソで先制に成功。後半は先制したマドリーが主導権を握る形となったが、一瞬の隙を見逃さないシティがショートカウンターからMFデ・ブライネのゴラッソで同点に追いついた。その後は、より勝利がほしいマドリーが攻勢を強めたが、GKエデルソンの好守もあって1-1のイーブンでの折り返しとなった。

試合内容でやや分が悪かったものの、最低限のドローで初戦を終えたシティは、先週末のリーグ戦でエバートンに3-0の快勝。残留を争う曲者とのアウェイゲームで前半半ばまで苦戦したが、MFギュンドアンの2ゴールと、FWハーランドのゴールによって完勝。デ・ブライネやDFストーンズらに完全休養を与え、早いタイミングでその他の主力をベンチに下げるなど、スペイン人指揮官の思い通りの形でリーグ11連勝を達成した。さらに、1ポイント差で2位のアーセナルが今節敗れたことで、自力での3連覇へ残り3試合で2ポイントと、ほぼリーグタイトルを確実なモノに。そして、心身ともに充実のシチズンズは今季公式戦27勝1分け1敗と圧倒的な戦績を残すホームで王者へのリベンジを期す。

一方、ベルナベウで先勝を逃したものの、試合内容では十分な手応えを掴んだマドリー。すでに消化試合と化したラ・リーガでは、先週末のヘタフェとの自治州ダービーに1-0で勝利。守護神クルトワとMFバルベルデ、カマヴィンガを除きシティとの初戦から大幅なターンオーバーを敢行した中、90分を通してクローズだった試合展開をFWアセンシオのゴラッソで勝ち切り、リーグ2戦ぶりの白星と共に2位に再浮上した。相手の強烈なチャージを受けたカマヴィンガの負傷交代で冷や汗をかいたものの、主力のコンディションをきっちり整えて敵地へ乗り込む形となった。
◆マンチェスター・シティ◆
【3-2-4-1】
▽予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:エデルソン
DF:ウォーカー、ルベン・ディアス、アカンジ
MF:ストーンズ、ロドリ
MF:ベルナルド・シウバ、デ・ブライネ、ギュンドアン、グリーリッシュ
FW:ハーランド

負傷者:DFアケ
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関してはアケが引き続き不在となる。

システムは1stレグ同様に可変式の[3-2-4-1]の継続が濃厚だが、デ・ブライネをトップ下に配した[4-2-3-1]の形もオプションとして考えられる。スタメンはマフレズやフォーデン辺りに出番もありそうだが、初戦からメンバー変更はないとみる。

◆レアル・マドリー◆
【4-3-3】
▽予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:クルトワ
DF:カルバハル、ミリトン、リュディガー、アラバ
MF:モドリッチ、カマヴィンガ、クロース
FW:ロドリゴ、ベンゼマ、ヴィニシウス

負傷者:なし
出場停止者:なし

出場停止者はいない。逆に、1stレグを累積警告で欠場したミリトンが復帰する。負傷者に関しては直近のヘタフェ戦で負傷交代したカマヴィンガも大事に至らず、主力全選手が起用可能だ。

スタメンに関しては、ミリトンの復帰によってバックラインとカマヴィンガの起用法に注目。1stレグで好パフォーマンスを見せたリュディガーを継続起用し、アラバを左に回す形が有力だ。これに伴い、カマヴィンガはアンカーかインテリオールに入ることになりそうだ。

★注目選手
◆マンチェスター・シティ:MFイルカイ・ギュンドアン
Getty Images

“プライム・ジダン”が王者撃破のカギに。プレミアリーグ3連覇が目前に迫るなど、シーズンを通して安定したパフォーマンスが光るシティだが、シーズン序盤戦のFWハーランドや中盤戦のMFグリーリッシュ、終盤戦のDFストーンズと各時期にチームを牽引する絶好調なプレーヤーの存在が印象的。そして、この最終盤にその役割を担っているのが、32歳のキャプテンだ。

今シーズンここまで公式戦47試合9ゴール7アシストの数字を残すドイツ代表MFは、マドリーとの前回対戦の1アシストを含め直近の公式戦3試合で4ゴール2アシストと大爆発中。この活躍を受け、今回の大一番の前日会見に出席したウォーカーは「彼はプライム・ジダンに変身する!」と、ビデオゲーム『FIFAシリーズ』に登場するレジェンドの強力カードを引き合いに出したジョークで、シーズン最終盤に存在感を示す同僚を称賛している。

今シーズン限りでシティとの現行契約が満了し、来シーズンにはマドリーの宿敵バルセロナ移籍の可能性も報じられる万能型MFは、前回対戦では勤続疲労の影響もあったか、不用意なボールロストなどやや振るわないパフォーマンスに終わった。しかし、直近のエバートン戦では再びハイパフォーマンスを取り戻しており、攻撃の要であるハーランドやデ・ブライネ、グリーリッシュらが徹底監視に遭う中、2季連続ファイナル進出のカギを握る存在となるはずだ。

◆レアル・マドリー:FWカリム・ベンゼマ
Getty Images

エースストライカーとして難敵撃破に導けるか。今季は細かい負傷や加齢の影響でやや存在感を欠くものの、3試合でハットトリックを記録するなど爆発力は健在で、ここまで39試合29ゴールと主砲としての役割を果たしているエル・ブランコの新キャプテン。

ただ、シティとの前回対戦を含め、シーズン最終盤の戦いでは全体的に身体の重さや精度の問題が散見されており、主役の座を若きセレソンコンビや、ジョーカー役を担うアセンシオに譲っている印象だ。

それでも、チーム自体はうまく回っており、大きな問題とはなっていないが、CL連覇に向けここからの重要なビッグマッチではモドリッチらと共にエースストライカーの活躍は必須だ。

前回対戦に引き続きボールを握られる展開の中、効果的に縦パスを引き出して自慢の両翼を生かすポストワークやチャンスメーク。ボックス内での巧みな駆け引きによって一発で仕留めるフィニッシュワークと、攻撃面の脇役と主役の両方を演じ切って最強の挑戦者を再び返り討ちにしたい。

PR
関連ニュース

「後悔することは何もない」ロドリはCL準々決勝敗退に落胆も「明日にはまた立ち上がらなければ…」

マンチェスター・シティのスペイン代表MFロドリが、チャンピオンズリーグ(CL)での敗退を嘆いた。クラブ公式サイトが伝えている。 ロドリは17日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝2ndレグのレアル・マドリー戦で先発した。 1stレグは3-3のドローに終わり、勝者がベスト4入りを果たす状況で12分に失点を許したシティだったが、76分にMFケビン・デ・ブライネのゴールで同点。その後は互いにスコアを動かせずPK戦に突入したが、MFベルナルド・シウバ、MFマテオ・コバチッチのシュートがストップされたことで3-4の敗戦となった。 CLベスト4へあと一歩及ばなかったロドリは落胆を露わにしつつも、すぐにこの挫折から立ち直る必要があると強調している。 「あまり言うことはない。レアル・マドリーやチームメイトの努力を祝福するよ。 僕たちはすべてを出し尽くした」 「後悔することは何もない。これがフットボールさ。これはこの大会での優勝がいかに難しいかを示していると思う。僕たちは昨シーズンにそれを達成できたけど、今日起きてしまったことは正直言って悔しい」 「時には説明が難しいこともあると思う。それでも明日には、この負けを消化しなければならない。明日にはまた立ち上がらなければならないんだ。なぜなら、まだ2つの大会が残っているからね」 「僕たちにはポジティブなメンタリティが必要だ。今は見つけるのが難しい野望をここから探さなければならない。そして、明日にはそれが見つかるだろう」 2024.04.18 13:25 Thu

「本当に誇り」シティとの激闘制したマドリー、ベリンガムもCL準決勝進出に喜び爆発「ハードワークする必要があったけど…」

レアル・マドリーのイングランド代表MFジュード・ベリンガムが、チャンピオンズリーグ(CL)準決勝進出に満足感を示した。『UEFA.com』が伝えている。 ベリンガムは17日に敵地で開催されたCL準々決勝2ndレグのマンチェスター・シティ戦で先発。1stレグを3-3で終え勝利が必要な一戦はFWロドリゴ・ゴエスのゴールで先制するも、後半に追いつかれるとその後はスコア動かず決着はPK戦へ。マドリーは1人目のMFルカ・モドリッチが失敗となったが、アンドリー・ルニンが2本のシュートをストップするとその後はベリンガム含む全員が成功し、CL準決勝進出を決めた。 加入初年度からCL準決勝進出を経験することになったベリンガムは、強敵を下したパフォーマンスに誇りを示している。 「試合には多くのことを注ぎ込んでいたから、ホッとしたよ。以前に僕がシティと対戦したときは、あと一歩で何かを手に入れられると思ったところから、突然それを奪われたことがあった。彼らに勝つためには、本当にハードワークしなければならない。試合に勝てたことは大きな収穫だ」 「信じられない気分だよ。こうした瞬間は魔法のようなものだ。細部を正しく理解して、PKのような瞬間も冷静さを保っていた。今日は弟がここにいて、マドリーでプレーする僕を初めて見てくれたんだ。本当に誇りに思う」 「マドリーで自分のキャリアが始まっていくなんて、夢にも思っていなかった。このクラブにいられて感謝しているし、この先もずっと続いていくことを願っているよ」 2024.04.18 12:25 Thu

「素晴らしい経験だった」PK戦の末にCL準決勝進出のマドリー、大仕事のルニンは「すべてうまくいった」

レアル・マドリーのウクライナ代表GKアンドリー・ルニンが、チャンピオンズリーグ(CL)で勝ち抜けに貢献したことを喜んだ。クラブ公式サイトが伝えている。 GKティボー・クルトワの長期離脱もあり今季多くの試合でゴールマウスを守るルニンは、17日に敵地で開催されたCL準々決勝2ndレグのマンチェスター・シティ戦でも先発。1stレグを3-3で終え勝利が必要な一戦は両者譲らず、1-1のスコアでPK戦へ。マドリーは1人目のMFルカ・モドリッチが失敗となったが、ルニンが2本のシュートをストップするとその後は全員が成功し、激闘に終止符を打った。 CL準決勝進出の立役者となったルニンは、チーム全員で掴み取った勝利だと強調しつつ、大舞台での活躍を喜んでいる。 「CLのアウェイマッチで120分もプレーするのは初めてで、疲れたよ。勝利のため本当に頑張る必要があったけど、チームは一生懸命走り、準決勝進出のため戦っていた」 「PK戦ではピッチに残っていた選手全員が準備できていたから、そのうちの一つに賭けるしかなかった。幸運にも、うまくいったね。ベルナルド・シウバのシュートを止めるため、僕は中央に留まっている必要があった」 「時には、自分の力を出し切って戦い抜かなければならない試合がある。常にボールを持ってプレーしたり、ピッチ上で最高のチームになったりすることはできないんだ。僕にとって素晴らしい経験であり、チームは120分間信じられないほど努力していた」 「今日のマン・オブ・ザ・マッチはチーム全体だよ。僕たち選手は常に一緒に話し、コーチングスタッフもみんなを助けてくれた。僕らはうまい選択ができたし、すべてうまくいったんだ」 2024.04.18 11:40 Thu

PK戦までもつれ込む激闘制してCL準決勝進出のマドリー、アンチェロッティ監督「このシャツに求められる姿勢と献身を見せた」

レアル・マドリーのカルロ・アンチェロッティ監督が、チャンピオンズリーグ(CL)での激闘を制したことを喜んだ。クラブ公式サイトが伝えている。 17日、敵地で開催されたCL準々決勝2ndレグにおいてマンチェスター・シティと対戦したマドリー。1stレグを3-3で終え勝利が必要な一戦、12分にFWロドリゴ・ゴエスのゴールで先制するとその後はリードを守りハーフタイムへ。しかし後半に失点を許すとその後はスコア動かずPK戦までもつれ込んだが、GKアンドリー・ルニンが2本のシュートをストップしたことで勝利を掴んだ。 死闘を制してCL準決勝進出を決めたアンチェロッティ監督は、最後まで献身的な姿勢を見せたチームを称えている。 「ここから生きて帰る方法は一つだけだった。序盤に得点できたのは良かったし、その後はリードを守るため献身的なプレーを見せていたと思う。よく守り、粘り強く戦う必要があった。より良いプレーができたと思うが、守備は見事だった」 「このシャツに求められる姿勢と献身を見せたと思う。この大会は我々にとって特別であり、いつもみんなが期待していないようなものを見せてくれる。誰もが我々を見限っていたと思うが、チームはまだここにいる」 「とても嬉しいが、とても疲れてもいる。準決勝進出は非常に重要で、今は祝わなければならないが、明日からは日曜日の試合に向けてしっかり準備する必要があるだろう。クラシコはリーグにとって極めて重要だからね」 2024.04.18 10:55 Thu

「後悔はない」CL連覇ならずのシティ、グアルディオラ監督はPK戦での敗戦に「ベストを尽くしたが十分ではなかった」

マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督が、レアル・マドリー戦を振り返った。クラブ公式サイトが伝えた。 17日、チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝2ndレグが行われ、シティはホームでマドリーと対戦した。 1stレグは3-3のドローに終わっており、勝利した方がベスト4入りを果たす中、試合は12分にロドリゴ・ゴエスのゴールでマドリーが先制する。 リードを許したシティだったが、76分にケビン・デ・ブライネが同点ゴール。その後は互いにスコアを動かせず、延長戦も戦ったのちにPK戦へ。しかし、GKアンドリー・ルニンにベルナルド・シウバ、マテオ・コバチッチのシュートがセーブされ、3-4で敗戦。連覇の夢が潰えることとなった。 シティが優勢に進めていた試合だったが、マドリーの堅い守備を崩すことができず。試合後、グアルディオラ監督はマドリーを祝福し、自分たちはやりきったと語った。 「レアル・マドリーにおめでとうと言いたい。彼ら信じられないほどの団結力で、非常に深く守っていた」 「我々は全てをやった。やってきたことに後悔はない」 「監督として、我々は常に全ての試合でより多くの得点を生み出し、失点を少なくしようと努めている。それが勝利につながるからだ。我々は守備でも攻撃でも全てやり遂げた」 「彼らは良いゴールを決めた。2、3、4回のトランジションがあったが、彼らのクオリティを考えれば、このレベルでは正常だ」 「我々は全てのところで素晴らしいプレーをした。残念ながら勝つことはできなかったが、それが現実だ」 PK戦は今シーズン3度目。コミュニティシールドのアーセナル戦では敗れ、UEFAスーパーカップのセビージャ戦では勝利。3度目はまたも敗れることとなった。 グアルディオラ監督はPK戦はそういうものと割り切りながらも、その前に決着をつけるべきだったとコメント。ただ、チームとしてはやり切ったことを主張した。 「そういうものだ。PKで勝つこともあれば、そうでないこともある」 「我々のプレーは前にやるべきだった。我々はチャンスをものにできなかったし、トランジションを本当によくやっていた」 「みんなレベルが高かった。レアル・マドリーに勝つためには、ベストを尽くす必要があった。我々はベストを尽くしたが、それだけでは十分ではなかった」 <span class="paragraph-title">【動画】熱戦はPK戦にもつれこみ、マドリーに軍配</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="JnFKdl4WsKA";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.18 09:20 Thu
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly