世代間の融合と8年の積み上げを…日本代表に必要なのは目先の勝利ではなく、未来へのトライ【日本代表コラム】
2023.03.30 07:45 Thu
◆世代間の融合&8年という計画を最大限生かすべき
その大きな違いは、8年間チームを作れる可能性があるということ。もちろん、2026年のW杯までに森保監督がチームを離れる可能性はゼロではない。ただ、現時点ではその可能性は低い。
これまで、どんな監督でも4年が最長。W杯が終われば、別のサイクルが始まり、リセットされた状態から予選に向かい、本大会へと進む流れだった。
しかし、今回は違う。カタールW杯で経験したこと受け、ブラッシュアップして4年間を積み上げられるサイクルに入った。日本では今まで実現しなかったことであり、4年の積み上げの上にさらに4年を積み上げられることはプラスでしかない。
加えて、森保監督は2021年の東京オリンピック世代の監督を務めていたこともあり、未来へと繋がる世代の選手をよく知っている。そして、その選手たちは森保監督のサッカーをよく理解している。だからこそ、ベテランを外し、そしてベースの上に新たなトライをすることができたのだろう。いや、トライしなければいけなかったというのが正しいかもしれない。
今回の2試合では、サイドバックをインサイドに入れたビルドアップを試した。もちろん、そんな簡単に上手くいくことはなく、ただでさえトレーニングの時間がない中で、選手たちに理解させ、連係と動きを落とし込まなければいけない。
2試合を戦い、改善された部分も多少はあるが、まだまだ完成度は低い。ただ、選手たちがこの2試合で感じたことは、間違いなく大きいはず。6月の活動で、さらに精度を上げていけるかどうかは注目すべき点だろう。
これまで「勝利を目指す」というコメントを常に森保監督は口にしてきたが、この2試合に向けてはその数は少なかったように感じる。それは、勝利を目指すことは“当たり前”になっているのかもしれないが、勝利以上に求めたものがあったとも考えられる。進化にはリスクはつきもの。親善試合=テストマッチということが、やっと実現できる機会だったと個人的には思う。
新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で、カタールW杯までは予選が立て続けに行われ、親善試合の回数が減っていた。久々に訪れたテストの場を、存分に使い、勝敗が未来に関わらないところでトライするということは、今の日本代表にとって一番重要なことではないだろうか。
勝って反省していく、成長していくというのは理想ではあるが、勝てばいいという次元にはもういないということ。トライをした上で勝っていくことを目指す集団になれるかどうかが、ベスト8を超えていくためには必要になるだろう。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
Getty Images
その大きな違いは、8年間チームを作れる可能性があるということ。もちろん、2026年のW杯までに森保監督がチームを離れる可能性はゼロではない。ただ、現時点ではその可能性は低い。
これまで、どんな監督でも4年が最長。W杯が終われば、別のサイクルが始まり、リセットされた状態から予選に向かい、本大会へと進む流れだった。
しかし、今回は違う。カタールW杯で経験したこと受け、ブラッシュアップして4年間を積み上げられるサイクルに入った。日本では今まで実現しなかったことであり、4年の積み上げの上にさらに4年を積み上げられることはプラスでしかない。
加えて、森保監督は2021年の東京オリンピック世代の監督を務めていたこともあり、未来へと繋がる世代の選手をよく知っている。そして、その選手たちは森保監督のサッカーをよく理解している。だからこそ、ベテランを外し、そしてベースの上に新たなトライをすることができたのだろう。いや、トライしなければいけなかったというのが正しいかもしれない。
今回の2試合では、サイドバックをインサイドに入れたビルドアップを試した。もちろん、そんな簡単に上手くいくことはなく、ただでさえトレーニングの時間がない中で、選手たちに理解させ、連係と動きを落とし込まなければいけない。
2試合を戦い、改善された部分も多少はあるが、まだまだ完成度は低い。ただ、選手たちがこの2試合で感じたことは、間違いなく大きいはず。6月の活動で、さらに精度を上げていけるかどうかは注目すべき点だろう。
これまで「勝利を目指す」というコメントを常に森保監督は口にしてきたが、この2試合に向けてはその数は少なかったように感じる。それは、勝利を目指すことは“当たり前”になっているのかもしれないが、勝利以上に求めたものがあったとも考えられる。進化にはリスクはつきもの。親善試合=テストマッチということが、やっと実現できる機会だったと個人的には思う。
新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で、カタールW杯までは予選が立て続けに行われ、親善試合の回数が減っていた。久々に訪れたテストの場を、存分に使い、勝敗が未来に関わらないところでトライするということは、今の日本代表にとって一番重要なことではないだろうか。
勝って反省していく、成長していくというのは理想ではあるが、勝てばいいという次元にはもういないということ。トライをした上で勝っていくことを目指す集団になれるかどうかが、ベスト8を超えていくためには必要になるだろう。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
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