ディバラ&スモーリング弾で逆転のローマが天敵に12戦ぶり白星! ホームで惜敗インテルは今季初のリーグ連敗に…《セリエA》

2022.10.02 03:13 Sun
Getty Images
セリエA第8節、インテルvsローマが1日にジュゼッペ・メアッツァで行われ、アウェイのローマが1-2で逆転勝利した。

スクデット奪還を目指すインテルだが、インターナショナルマッチウィーク前に行われたウディネーゼ戦に敗れて早くも今季3敗目。ここまで7位と苦しい序盤戦を過ごす。週明けからバルセロナとの重要なチャンピオンズリーグ(CL)連戦を控える中、元指揮官モウリーニョ率いる難敵とのビッグマッチで2戦ぶりの白星を目指した。インザーギ監督はこの試合に向け先発3人を変更。サスペンションのブロゾビッチに代えてアスラニ、ムヒタリアンとダルミアンに代えてチャルハノール、ディマルコを起用した。
一方、アタランタを圧倒しながらもホームで0-1の敗戦を喫し、今季2敗目を喫した6位のローマ。こちらは週明けからベティスとの重要なヨーロッパリーグ(EL)連戦を控える中、近年苦手とするネッラズーロ相手に久々の白星を狙った。アタランタ戦での退席処分によってベンチ入り禁止のポルトガル人指揮官は、エイブラハムをベンチに置きディバラを起用した以外、同じメンバーを採用した。

前線の構成は異なるものの、ほぼミラーゲームの形でスタートした注目のビッグマッチは、ホームチームがボールを握ってアウェイチームがカウンターで応戦する構図での戦いが続く。開始11分にはインテルがボックス内での混戦からDFイバニェスとうまく入れ替わったジェコが巧みな反転シュートでいきなり古巣のゴールネットを揺らすが、ここはVARのレビューの末にオフサイドで取り消しとなった。

立ち上がりの先制点とはならなかったが、以降もボールを握って攻め手を窺うインテルは後ろ重心のローマの堅守攻略に手を焼くものの、セットプレーやミドルレンジのシュートで揺さぶりをかけ続ける。
すると、前半半ば過ぎの30分には後方からのビルドアップを起点にアスラニ、チャルハノール、バレッラの中盤3人でうまくボールを動かしてバレッラがぽっかりと空いたバイタルエリアに侵入。左ウイングバックから斜めのランニングでゴール前を狙うディマルコに正確なラストパスが通ると、イタリア代表DFは利き足とは逆の右足のダイレクトシュート。ボールの勢いとコースを考えれば、GKパトリシオの守備範囲だったが、はじき出すことができずにゴール左下隅へ決まった。

相手の鮮やかな崩しに屈して2度目のピンチで失点を喫したローマはここから反撃に転じていく。前半ここまではペッレグリーニをゼロトップ気味に配置する流動的なトリデンテがいまひとつ機能せず、ザニオーロの個での持ち上がり以外に攻め手がない状況だったが、得意のカウンターでワンチャンスを生かし切った。

39分、チャルハノールからバレッラへのサイドチェンジを狙っていたスピナッツォーラが相手陣内左サイドでボールを奪取。そのままボックス付近まで運んで中央の味方をオトリにファーサイドで浮いたディバラへ左足の正確なクロスを供給。これをディバラが圧巻の左足ダイレクトボレーで合わすと、GKハンダノビッチの手を弾いたボールがゴールネットを揺らした。

インテルペースもディバラの圧巻のゴールによって1-1のイーブンで折り返した試合。後半も拮抗した展開が続くが、前半に比べてローマがボールを握って相手陣内で押し込む状況も作り出す。だが、59分には予てよりコンディションに問題を抱えていたディバラがプレー続行不可能となり、エイブラハムがスクランブル投入された。

時間の経過と共にインテルが主導権を奪い返して押し込む時間帯を作り出すと、ボックス手前の好位置で続けてFKを獲得。63分にはボックス手前左の位置で得たFKを名手チャルハノールが右足で狙うが、ファーポストへ向かったボールは惜しくもクロスバーの上部を掠める。さらに、66分には波状攻撃から空いたバイタルエリアで右からの横パスに反応したアスラニが狙いすましたミドルシュートを放つが、これもわずかに枠の右へ外れた。

後半序盤以降は守勢が続くローマだが、粘り強くピンチを凌ぐと、今度はカウンターと共にもうひとつの武器とするセットプレーがゴールをもたらす。75分、相手陣内中央で得たFKの場面でキッカーのペッレグリーニがゴール前のスペースへ正確なボールを落とすと、マークを振り切ってフリーのスモーリングが完璧なヘディングシュートを右隅へ叩き込み、試合を引っくり返した。

相手の得意とする形から2失点を喫して逆境に立たされたホームチームはここからベンチが一気に動く。失点直後にチャルハノール、アスラニを下げて古巣初対戦のムヒタリアン、ホアキン・コレアを同時投入。さらに、81分にはバストーニとダンフリースを下げてベッラノーバ、ゴセンスの両ウイングバックをピッチに送り込み、ディマルコを3バックの左に配置する。

その後、互いに交代機会を使い切って試合は最終盤に突入。一連の交代ではベロッティやマディ・カマラの投入でうまく前線でキープしながら時計を進めるローマに対して、インテルはホアキン・コレアやムヒタリアンがうまく攻撃に絡めず。試合終了間際のパワプレーではゴセンスが決定的なヘディングでの折り返しを入れるが、これはスモーリングにはじき出されて万事休す。

この結果、敵地で鮮やかな逆転勝利を飾ったローマが2017年2月以来、公式戦12戦ぶりとなるインテル相手の勝利を飾った。一方、ホームで競り負けたインテルは今季初のリーグ連敗となり、バルセロナとのCL連戦を前にインザーギ監督の去就が騒がしくなっている。
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