【CLグループE展望】本命はチェルシー&ミラン、オーストリアとクロアチアの絶対王者が追随

2022.09.06 18:15 Tue
Getty Images
2022-23シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)グループステージが9月6日に開幕する。グループEは、一昨季前のCL覇者チェルシーとイタリア王者ミランが同居。彼らに挑むは、それぞれの国内リーグの絶対王者に君臨するオーストリアのザルツブルクとクロアチアのディナモ・ザグレブだ。

◆編集部予想
◎本命:チェルシー
○対抗:ミラン
△連下:ザルツブルク
☆大穴:ディナモ・ザグレブ
◆未完の充実スカッド、完成すれば優勝も視野に~チェルシー~
昨季はCLベスト8、プレミアリーグ3位に終わったチェルシーは、オーナー交代という大きな転換期を迎え、新シーズンに突入した。移籍市場ではその新オーナーが力を示さんと奮発。大枚を叩いてビッグネームを次々に獲得していった。

とりわけ、高額な移籍金にマンチェスター・シティも尻込みしたククレジャを推定6500万ユーロで獲得。さらに、それを上回る約8000万ユーロもの移籍金でレスターからフォファナを引き抜いた。また、一昨季前のCL優勝に大きく貢献したリュディガーやクリステンセンの抜けた穴は、百戦錬磨のクリバリで補強。前線にはスターリングに加え、移籍市場の最終日にオーバメヤンを確保し、充実のスカッドを完成させた。

しかし、蓋を開けてみると、プレミアリーグではここまで3勝1分け2敗と思うように成績は伸びず。6試合で8得点9失点と攻守に課題が山積する状態でCL開幕を迎えることになる。
◆イタリア制覇のチームが欧州での躍進を狙う~ミラン~
11年ぶりのセリエA制覇という実績を携え、ヨーロッパでの高みを目指すミラン。CLは2シーズン連続の出場となるが、優勝した06-07シーズン以降、最高位は11-12シーズンのベスト8と、ここ15年間は目立った成績を残せていない。

移籍市場では昨季の主力流出をケシエ一人に留めた一方、オリジやデストなど即戦力候補を確保。また、およそ3200万ユーロの移籍金を投じてクラブ・ブルージュから獲得したベルギー代表MFデ・ケテラエルは、多くのビッグクラブが獲得を熱望した期待のホープ。昨季はジュピラー・プロ・リーグで33試合14ゴール7アシストの好スタッツを記録し、イタリア上陸を果たした。

192cmという恵まれた体躯を持つ21歳は、早くもロッソネリでレギュラーを掴みかけており、3-2で勝利した直近のインテル戦では63分までプレー。また、ヨーロッパでの経験も申し分なく、昨季もCLグループステージの全6試合に出場。大舞台で覚醒の時を待つ。

◆2年連続ベスト16進出なるか、絶好調の新ストライカーに期待~ザルツブルク~
チェルシーとミランがこのグループの2強であることは間違いないが、両チームがまだまだ未完成であることを踏まえると、追随する2チームにも十分グループステージ突破のチャンスはある。

国内9連覇中のザルツブルクは今回で4大会連続の出場に。昨季はオーストリアのチームとして史上初のグループステージ突破を果たした。ベスト16ではバイエルンと相手が悪かったものの、34歳の青年指揮官に率いられたチームは監督共に将来性を期待させた。

今夏は例によって、昨季公式戦41試合で6ゴール10アシストのアーロンソンや、44試合で23ゴール9アシストの成績を叩き出したアデイェミといった主力の引き抜きに遭ったものの、代わりにシャフタールから獲得したフェルナンドが好調。176cmのセンターFWは、ここまでリーグ戦7試合に出場し、4ゴール4アシストを記録している。

◆悲願のGS突破へ、国内リーグでの好調を持ち込みたい~ディナモ・ザグレブ~
こちらもクロアチアではリーグ5連覇中の絶対王者。2位となった16-17シーズン以前も11連覇していた。ただ、ヨーロッパでは20-21シーズンのヨーロッパリーグ(EL)ベスト8が最高位。CLでは一度もグループステージを突破したことがない。

今季は予選2回戦からシュクピ(北マケドニア)、ルドゴレツ(ブルガリア)、ボデ/グリムト(ノルウェー)を下して本大会へ進出。厳しい日程の中でもリーグ戦ではここまで7勝1分け無敗で来ており、特にホームのスタディオン・マクシミールでは、公式戦直近19試合で16勝3分けと無敗を誇っている。

そんなザグレブのキープレイヤーは10番を背負う19歳のマルティン・バトゥリナ。同クラブの下部組織出身で、本格的なプロデビューを果たした昨季は公式戦25試合に出場し3ゴール5アシストをマークした。ゲームメイカーらしい広い視野と正確なボール捌きが特長で、ゴール前への飛び出し、フィニッシュ精度も19歳のそれとは思えないレベルの高さを誇る。
関連ニュース

好戦的サッカーのイタリアーノ監督はフィオレンティーナ退任確実か 伊紙がミランに推薦「このリスクを冒せ」

フィオレンティーナのヴィンチェンツォ・イタリアーノ監督(46)には野心がある。『フットボール・イタリア』が伝えている。 ドイツ出身のイタリアーノ監督。現役時代はエラス・ヴェローナにキエーヴォ・ヴェローナ、ペルージャなどなどプロヴィンチャを渡り歩き、指導者キャリアも2019〜21年のスペツィアでセリエA初指揮。花の都フィレンツェが大都会に感じるほど、30年間地道にこの道を歩いてきた。 そんなイタリアーノ監督、2021-22シーズンからフィオレンティーナ指揮官になると、セリエAで7位、8位、今季ここまで8位と安定した順位を維持。前線からガンガンプレッシングをかける好戦的なサッカーを志向し、昨季はヨーロッパ・カンファレンスリーグ(ECL)準優勝&コッパ・イタリア準優勝という成果を上げた。 しかし、契約は今季限りで、どうやら退任を決意。特色ある46歳の戦術家は、指導者キャリアのステップアップを目指しているという。 『フットボール・イタリア』はイタリアーノをミランに猛プッシュ。退任濃厚とされるステファノ・ピオリ監督(58)の後任として「誰よりも合う」と推す。 「ヤングタレントを伸ばす能力、ヒトを管理する能力。この2つはロンバルディア州の州都(ミラノ)で貴重な要素。イタリアーノが率いたフィオレンティーナの3年間はいずれもポジティブ。ミランがインテルとの差を縮めるために最も必要なものは…『リスクを冒す』ことだ」 選手時代を含め、セリエAでタイトル獲得経験が一切ないイタリアーノ監督。そんな人材でも能力を信じて登用するリスクこそが、今のミランに必要だという。 2024.03.29 15:45 Fri

ヴォルフスブルクの190cmCBラクロワ、ミランに続いてユベントスも関心拡大

ヴォルフスブルクのフランス人DFマクサンス・ラクロワ(23)にユベントスも関心を高める。 ミランの獲得候補と報じられる190cmの右利きセンターバック・ラクロワ。イブラヒマ・コナテ(リバプール)を輩出したフランスの古豪ソショーで育まれ、2020年夏にヴォルフスブルクへ。加入から今季で4年目、常に主力としてプレーする。 フランス『レキップ』によると、ラクロワは2025年6月までとなっている契約の延長話がなく、今夏のステップアップを視野に。ヴォルフスブルクも同選手の売却をビジネスと捉えるなか、このほどクラブにユベントスから連絡が入ったという。 ユベントスがラクロワをどこまで重視しているかは不明だが、ミランにとってのラクロワは退団濃厚なデンマーク代表DFシモン・ケアー(34)の後継者候補。ブレストの元U-20フランス代表DFリリアン・ブラシエ(24)も注視しているとのことだ。 2024.03.29 14:45 Fri

オファー次第では売却も? ミランのMFベナセルに古巣アーセナルなど関心か

ミランのアルジェリア代表MFイスマエル・ベナセル(26)に移籍の可能性があるようだ。イタリア『Calciomercato.it』が伝えた。 2019年夏にエンポリから加わり、ミランの中盤を支えてきたベナセル。今シーズンは右ヒザの大ケガによりリハビリスタートとなったが、2023年12月に復帰して以降はコンスタントに出場を続けている。 一方、ミランではフランス代表FWオリヴィエ・ジルーのメジャーリーグ・サッカー(MLS)行きが有力となってきているが、高額なオファーが届けばベナセルの売却に踏み切る可能性もあるとのこと。クラブはこの26歳を重要な選手とみなしているが、5000万ユーロ(約81億6000万円)以上であれば放出も考慮するという。 現行契約を2027年6月まで残し、純額400万ユーロ(約6億5000万円)の年俸を受け取っているというベナセルに対しては、ヨーロッパのさまざまなクラブが関心。プレミアリーグのクラブも注目しているようで、特にベナセルにとって古巣のアーセナルが強い興味を抱いている模様だ。 また、サウジアラビアのクラブも獲得に動く気配があり、より高額なオファーはこちらから届くとも考えられている。 ミランの中盤を見ると、昨夏加入したオランダ代表MFタイアニ・ラインデルスやアメリカ代表MFユヌス・ムサ、今シーズン台頭したフランス人MFヤシン・アドリなど将来性豊かな選手が存在。イタリア代表MFトンマーゾ・ポベガもUEFAの選手登録の観点から重要と、頭数はそれなりに揃っている。 ベナセルは「心からミランを尊敬している」と語るクラブ愛の強い選手だが、同じくクラブ愛の強かったイタリア代表MFサンドロ・トナーリは昨夏ニューカッスルへ移籍。オファーがあるなら2年連続の高額売却も十分ありえるはずだ。 2024.03.28 19:47 Thu

37歳ジルーがロサンゼルスFCと契約合意か フランス代表の歴代最多得点者

ミランのフランス代表FWオリヴィエ・ジルー(37)が、ロサンゼルスFC(LAFC)との契約合意に達したようだ。 イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によると、今シーズン限りでミランとの契約が満了を迎えるジルーは、7月1日付けの18カ月契約でアメリカMLS・LAFCと合意したとのこと。 すでにミランとの契約延長の意志がないことがハッキリしつつあったが、欧州を離れて新たな冒険に出ることが事実上決まったようだ。 ジルーは2021-22シーズンにチェルシーからミランへ加入。30代半ばに差し掛かっての加入だったが、いきなり11年ぶりのスクデットに貢献し、今季まで3年間エースの座を譲らず。ここまでクラブ通算121試合46ゴール20アシストをマークし、数字以上の貢献度も全世界のミラニスタが認めるところ。 また、フランス代表では通算131試合57得点。ティエリ・アンリ氏らを抜いて同国歴代最多得点者であり、2018年のロシア・ワールドカップ(W杯)制覇も経験している。今夏のユーロ2024を最後に、代表キャリアも終止符を打つとみられている。 まだまだ一級品のセンターフォワードであり、ミラン移籍後に最盛期を迎えたといっても過言ではないほどの存在感だったが、ミランにとってはひとつの時代が終わる。 2024.03.27 15:15 Wed

イマイチ評価が定まらないピオリ、レジェンド指揮官の通算勝利数まであと1勝

今季も解任の噂がありながら持ちこたえている印象のミラン指揮官ステファノ・ピオリ。しかし、改めて結果を見れば十分な記録を残していると、イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』が報じた。 就任3季目にミランを10季ぶりのスクデットに導いたピオリ監督は、これまでミランで通算127勝をマーク。この勝ち星は1978-79シーズンにミランをスクデットに導いた名将ニルス・リードホルム氏の128勝まであと1勝に迫る数字。ちなみに勝率はピオリ監督が大きく上回り、リードホルム氏の45.7%に対し、55.4%を誇っている。 ただ、昨季はナポリ、そして今季はインテルの独走を許してしまい、2025年6月まで残す契約を全うできるかは不透明な状況だ。 ミラン歴代勝利数でカルロ・アンチェロッティ監督(238勝)、ファビオ・カペッロ監督(161勝)らに次ぐ6番目の数字を残しているピオリ監督は、来季もミランの指揮を執ることはできるだろうか。 2024.03.27 00:10 Wed
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly