ガーナに4発快勝の日本、森保一監督は急遽の3バックに「最終予選で何度も考えた」とプランがあったと明かす

2022.06.10 23:55 Fri
©超ワールドサッカー
日本代表の森保一監督が、ガーナ代表戦を振り返った。

10日、キリンカップサッカー2022でガーナと対戦した日本。ブラジル戦からメンバーを変更し、[4-2-3-1]とかつて採用していたシステムで臨んだ。
試合は前半から日本が押し込んでいくと、29分に右サイドを山根視来久保建英堂安律で崩すと、最後は山根が左足でネットを揺らして先制する。

その後ミスからジョルダン・アイェウに決められて追いつかれるも、終了間際に左サイドから三笘薫がクロス。これがそのままゴールに吸い込まれ、前半を2-1で折り返す。

後半は徐々にガーナに押し込まれる時間が続いていたが、サイド攻撃をやめなかった日本は73分に三笘の突破から最後は久保がゴールを決めて日本代表初ゴール。さらに82分には途中出場したばかりの前田大然が同じく途中出場の伊東純也のクロスに飛び込み、こちらも代表初ゴール。4-1で勝利、チュニジア代表が待つ決勝へ駒を進めた。
試合を終えた森保監督は、初ゴールの久保と前田についてコメント。「トライし続けてくれていること、この試合でも個人の結果を出していくということかつ、自分だけでなくチームの中で自分の良さを出していこうとしたことがアシストを受ける形で得点につながったと思っています」と、それぞれがトライを続けた結果、周りからのサポートを受けての初ゴールになったとした。

また、「彼らは結果が出ても出なくても、日々努力し続けることが今日の得点という結果に繋がったと思いますし、チームの戦い方の中で献身的にプレーして来れたことが結果に繋がったと思います」とし、チームコンセプトに対してしっかりとやってきた報いだとした。

試合の終盤には、伊藤洋輝谷口彰悟板倉滉の3バックを試し、[3-4-3]の形に。森保監督は「3バックには80分過ぎから中山を投入してシステム変更しました」と語り、「攻撃にしても守備にしてもオプションをまた1つ増やすということができる状況だったということ。選手たちのそれまでの頑張りによって試合中にすることができました」と、リードを広げたことで試すことを決断したという。

3バックの評価については「無失点に抑えつつ、しっかり守備をしてウイングバックが高い位置をとっていく、守備から攻撃にカウンターという形でチームの戦い方の幅が広がったと思っています」とし、一定の手応えを感じたようだ。

サンフレッチェ広島時代を含め、東京オリンピック世代でも[3-4-2-1]を使っていた森保監督は、日本代表でも就任当初は実施していた。

しかし、W杯予選ではほとんど使わず、[4-3-3]という新たなシステムに。その理由については「ここ最近を振り返ると試していないですが、ヨーロッパ遠征だったり、立ち上げたばかりの頃は3バックでやりました」と過去を回想。「オプションとしては持っていましたが、まずはベースを4バックにして[4-2-3-1]、[4-1-4-1]という形から、相手がマッチアップしてきて3バックになってミスマッチになるところで、修正力を上げなければいけないので、あまりオプションに走らず、ここ最近は3バックをしていなかったです」とコメント。「アジア最終予選で何度も3バックで戦おうとも考えましたが、ベース作りをしようということで、最終予選では試しませんでした」と、頭の中にありながらも、実行はここ最近していなかったという。

今日の試合では、ブラジル戦で通用しなかったサイドの個人突破というよりも、連携・連動で崩すシーンが多かった。特に1点目のプレーはダイレクトのパス交換からのゴール。あの崩しについては「右サイドの連携については昨日のトレーニングで確認していましたし、攻撃の部分で良い形が出ていた中で、今日の練習で確認したこと、お互いが良さを出して堂安、久保、山根が良い形で絡んで得点になったと思っています」とコメント。「練習で配置を確認しましたが、練習で、そして練習を終えてから試合に向けてコミュニケーションを取って良い形で結果になったと思います」と語り、得点に絡んだ3人がしっかりと連動できた結果だとした。

個で崩す力が必要な上で、連携・連動して崩すことも必要な日本。「ブラジル戦の振り返りということですでにミーティングをしていて、この試合を前にブラジルと戦って、世界のトップトップに勝つには何が必要か。個の力を上げていくことはもちろん大切なことですが、個を高めつつも、チームとして組織的に連携・連動を高めていくことは、ブラジルという世界最高のチームと対戦したことによってわかった」とコメント。「さらに連携・連動の部分のクオリティを上げる、速度を上げていくというところを補っていかないといけないということをミーティングで我々スタッフが話し、それを聞いてくれて、今日の試合でトライしてくれたのかなと思います」とコメント。ブラジル戦からの教訓をしっかりと生かせた形だという。

「個のレベルを上げなければ、強い組織は作れないと思いますが、個の強さだけ、個々が局面で戦うだけで世界と戦えるかというと難しいことをブラジルが教えてくれたと思います」と、個で打開するだけでは通用しないことを痛感。「個の力を高めつつも組織力を高めていくということを選手たちが実践して来れたと思います」と、個と連動を合わせられたことが良かったとした。

一方で失点シーンはパスミスから。後ろでボールを回す中、ビルドアップしようと山根が中央へパス。これが相手に渡り、そのままシュートを決められてしまった。

失点に繋がった痛恨のミス。森保監督は「(山根視来)視来とあのプレーの判断については話していないですが、パスを出そうとしたのか、違うところに出したのが思うようにいかなかったのかわからないです」とし、「ただクリアをするだけでなく、守から攻のところでできるだけボールを繋ぐ、マイボールでボールを保持しながら組み立てるということを選手たちにはこの試合に向けて話していました。ミスはどういう形でのミスかわからないですが、失点にも繋がっているので改善してもらいたいと思います。ただ、私が選手たちにやってほしいということを選手たちが恐れずに勇気を持ってチャレンジしてくれたことは評価したいです」と語り、チームコンセプトである繋いでいくことをやった結果だとした。

「ただ、ロストしたから失点になりましたということではなく、パラグアイ戦も今日の試合も、ブラジル戦のPKのシーンも、ボールを繋ぐことはしっかりやっていかなければ勝つ確率は上がらないと思いますし、トライしてもらいたいというのと、ロストした時に絶対守れるというところをチームとしてやりたいと思います」とコメント。この3試合での1失点は全てビルドアップを奪われてのものであり、勝つために必要なことを求めながらも、ミスした時に守り切れていないことが課題だとした。

中3日での4連戦も残り1試合。カタールW杯を想定しての戦いも残りわずかとなっている。

W杯のシミュレーションとしての手応えについては「まず中3日ということは選手の次の試合に向けてのリカバリーというところを体感してほしいということでシミュレーションとしています」とコメント。「メンバーを変えるかどうかというのはその時によりますが、中3日の使い方という点では、選手たちにはコンディションを保ってもらいたいということを狙っています」と、本番でのコンディション作りに慣れてもらいたいとした。

また、「我々スタッフもどのように試合を終えたあと振り返り、次の試合に向けて選手たちがフィジカル的なコンディション作り、メンタル的なイメージ作りをしていけるかを試行錯誤してやっていこうということでW杯本番を想定しているとしました」と裏側の作業についても本番を想定して動いているとのことだ。

選手たちのメンタル面については「ブラジルと戦って、あのくらいの強度であったりクオリティの中で戦って、ブラジル戦を敗戦しましたが、そこでメンタル的に引きずることなく、次に向けて立て直すということは、W杯本大会でできれば初戦勝ちたいですが、そうでないことも起こり得ると思うので、今回選手たちのメンタル的なリカバリーの反応を見せてもらいました。これをW杯本番でも何があっても我々がやるべきことをやり続けていきたいと思います」と語り、敗戦後にしっかりとバウンスバックしたことを称えた。
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日本サッカー協会(JFA)の宮本恒靖会長が、現役引退を発表したフランクフルトの元日本代表MF長谷部誠へメッセージを送った。 17日、長谷部はドイツで緊急記者会見を実施。ドイツ語で行われた会見では、今シーズン限りで22年間の現役生活を終えることを発表した。 藤枝東高校から浦和レッズに加入してプロキャリアをスタートさせた長谷部は、その後ドイツへと渡りヴォルフスブルク、ニュルンベルク、そしてフランクフルトでプレー。ブンデスリーガでは通算383試合に出場し、外国人選手として歴代3位、アジア人選手としては歴代1位の記録を持っている。 今シーズンはベンチ入りを続けながらも出番は減少。ブンデスリーガでの先発はわずか2試合となっており、公式戦13試合の出場に留まっていた。 日本代表としても2010年の南アフリカ・ワールドカップ(W杯)から2018年のロシアW杯まで3大会に出場し、その間キャプテンを務めるなどし、114試合に出場していた。 その長谷部の引退を受け、日本代表でも共にプレーし、かつてキャプテンも務めていた宮本会長がJFAを通じてコメントしている。 「浦和レッズでプレーしていた頃、中盤からドリブルで持ち上がって前線で得点に絡むプレーを数多くしていたことが強く印象に残っています。そこから22年にわたり、プロサッカー選手としてのキャリアを積み重ねていく中で、監督が求める戦術などに応じて、自身のプレースタイルを変えながら昇華させてきた稀有(けう)な選手だと思います」 「ブラジルで行われたワールドカップの前、テレビ番組の収録で日本代表のキャプテンについて話したことを覚えています。実際に体験した同士だからこそ分かり合えるものがあったと感じています」 「今後は指導者としてキャリアを極めていくと聞いていますので、ピッチで培ってきたさまざまな経験を生かしつつドイツでの成功につなげてもらいたいと期待していますし、日本のサッカーの発展にもぜひ貢献して欲しいと思っています。長い間お疲れさまでした」 2024.04.18 12:58 Thu

数的不利のU-23中国戦。圧倒的存在感を見せた23歳の若き守護神・小久保玲央ブライアン【新しい景色へ導く期待の選手/vol.38】

2024年パリ五輪出場権獲得を目指し、16日のU-23中国戦からアジア最終予選を兼ねたAFC・U-23アジアカップ(カタール)に挑んでいるU-23日本代表。「ワールドカップ(W杯)にしても、五輪にしても、アジア予選は一筋縄ではいかない」と言われるが、まさに初戦から予想外の展開となった。 開始早々の8分に右FW山田楓喜(東京V)のピンポイントクロスに松木玖生(FC東京)が鋭く反応。左足を合わせて先制点を叩き込んだところまでは最高のスタートだと思われた。ところが、前半16分に西尾隆矢(C大阪)が左腕で背後にいた相手選手を振り払い、それが顔面を直撃。倒れ込んだプレーがVAR判定の対象になり、一発レッドカードが突きつけられる。守備陣の大黒柱の1人が退場というまさかの事態に、大岩剛監督も選手たちも動揺したに違いない。 そこから木村誠二(鳥栖)が出てくるまでの5分間はセンターバック(CB)経験のある関根大輝(柏)が中に絞り、松木が左サイドバック(SB)に下がり、内野貴史(デュッセルドルフ)が本来の右SBへ移動。これでしのぐ形になった。そして木村がCBに入ってからは関根が右SB、内野が左SBに戻り、松木がボランチに上がるという形で落ち着きを取り戻す。関根、松木、内野という複数ポジションのこなせる人材がいたことは、苦境の日本にとって非常に大きな意味があったと言える。 とはいえ、この先は中国に攻め込まれ、日本は防戦一方の戦いを強いられる。そこで異彩を放ったのが、小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)。柏レイソルU-18からトップチームを経由することなく、2019年1月にベンフィカU-23に加入し、5年以上の月日をポルトガルで過ごしている国際経験豊富な守護神が堂々と相手に立ちはだかったのだ。 小久保は前半42分の決定的なヘディングシュートを巧みに防ぐと、前半終了間際のミドルシュートもストップ。後半開始早々にカウンターを浴び、1対1になった最大のピンチでも確実にシュートを阻止し、チーム全体に勇気を与えた。その後も何本かビッグチャンスを止め、完封勝利をお膳立て。もちろんチーム全体の一体感と結束力が大きかったのは間違いないが、小久保という安心感を与えてくれるGKがいたことで、日本は極めて厳しい一戦を1-0で制することができた。 「自分の中でも落ち着いてプレーできたし、チームを助けるプレーがチームとしてもできた。勝利に貢献できてよかった」と本人は試合後のフラッシュインタビューで安堵感をのぞかせたが、落ち着き払った一挙手一投足は目を見張るものがあった。 それこそが、5年超のポルトガル経験の賜物だろう。今のところまだトップチームでの公式戦出場機会には恵まれていないが、ベンフィカU-23、ベンフィカB、トップと着実にステップを踏んでGKとしてのスキルを磨き続けている。異国でゴールマウスを守るというのは、そう簡単なことではない。過去にも川口能活(磐田GKコーチ)、川島永嗣(磐田)、権田修一(清水)といったA代表経験者たちも欧州の門をたたいたが、言葉や文化の壁もあって、周囲からの信頼を勝ち取ることの難しさを痛感してきたという。 そういった作業を10代の頃から続けているというのは特筆すべき点だ。人知れず困難に直面した時もあっただろうし、トップデビューを果たせない焦燥感や悔しさを味わったことも少なくないだろう。それでも先を見据えてコツコツと努力してきたからこそ、こういった大舞台で最高のパフォーマンスを出せる。小久保は自分が積み重ねてきたことが間違っていなかったと確信できたのではないだろうか。 彼がU-23中国戦で異彩を放ったことで、今後の五輪代表守護神、そしてA代表守護神を巡る争いが熾烈になりそうだ。 ご存じの通り、1〜2月のアジアカップ(カタール)では小久保と同じパリ五輪世代の鈴木彩艶(シントトロイデン)が全試合に出場。現時点での正GKという位置づけだが、彼のプレーには一抹の不安も感じられる。今大会に参戦している野澤大志ブランドン(FC東京)もアジアカップメンバーの意地があるはずだし、3人の競争意識は一気に高まるだろう。 そこにアジアカップ参戦組の前川黛也(神戸)、ケガで同大会を欠場した大迫敬介(広島)、昨夏の移籍トラブルで代表から遠ざかっているシュミット・ダニエル(ヘント)らが加わってくる。ここから誰が抜け出すのかというのは非常に興味深いテーマ。まだ代表復帰を諦めていない権田らベテランも含め、今後の展開が気になる。 いずれにしても、小久保にはこの先もしっかりと最後尾から守備陣を引き締めてもらわなければいけない。西尾が最低3試合の出場停止処分を食らう可能性も高まっているだけに、より後ろからの声掛けや指示が重要になる。彼が君臨することで「日本のゴールマウスはそう簡単にこじ開けられない」という印象が強まれば、対戦相手もやりにくくなる。23歳の若き守護神のさらなる活躍を楽しみに待ちたい。 <hr>【文・元川悦子】<br/><div id="cws_ad">長野県松本市生まれ。千葉大学卒業後、夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターとなる。Jリーグ、日本代表、海外まで幅広くフォローし、日本代表は特に精力的な取材を行い、アウェイでもほぼ毎試合足を運んでいる。積極的な選手とのコミュニケーションを活かして、選手の生の声を伝える。 <span class="paragraph-title">【動画】小久保玲央ブライアンがビッグセーブ連発で日本のピンチを救う!</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="hszXHBrGzek";var video_start = 265;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.17 12:50 Wed

「転機は相手が退場した時」数的優位でU23日本代表を苦しめたU23中国代表、指揮官は敗戦も満足感「概ね満足」

U-23中国代表のチョン・ヤオドン監督が、U-23日本代表戦を振り返った。アジアサッカー連盟(AFC)が伝えた。 16日、AFC U23アジアカップのグループB第1節が行われ、中国は日本と対戦した。 2008年の自国開催となった北京五輪以来の出場を目指す中国。8大会連続での出場を目指す日本を前に、開始8分で松木玖生にゴールを決められて失点。しかし、17分に西尾隆矢がヒジ打ちで一発退場となり、数的優位に立つ。 中国は人数の差を活かして徐々に押し込み始め、フィジカルを活かしたプレー、ロングボールを多用。また、セットプレーでも何度か日本ゴールに迫ったが、上手く守られてしまい、1-0のまま敗戦となった。 チョン・ヤオドン監督は、試合後に日本戦を振り返り、力の差があることは認識していたとのこと。ただ、相手が1人少なくなったことで戦い方を変えて攻め込めたとした。 「日本代表が我々よりもはるかに強いことは分かっていた」 「普段はカウンターに頼っているが、前半は相手が選手を1人欠いたことを利用しようとしていた」 「転機となったのは相手の選手が1人退場になった時だ。その後、フォーメーションを少し前に進めるようにし、いくつかチャンスを作ることができた。しかし得点できなかったことは残念だ」 「全体として、この試合は非常に激しく、エキサイティングなものだったと思うし、選手たちには概ね満足している」 <span class="paragraph-title">【動画】松木玖生の圧巻ボレーも一発退場で厳しい試合に…</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="hszXHBrGzek";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.17 11:45 Wed
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