キングはやはりキングだった/六川亨の日本サッカーの歩み
2022.04.04 18:15 Mon
4月3日、昼前から氷雨の降るあいにくの天気だったものの、武蔵野陸上競技場へは傘をさしながら急ぐ人が多かった。JFL(日本サッカーリーグ)第4節、東京武蔵野ユナイテッドFC対鈴鹿ポイントゲッターズの一戦が開催されるからだった。
ファンのお目当ては、もちろん鈴鹿へレンタル移籍した“キング”こと三浦知良(カズ)だ。横浜FC時代と違い、ここまでの2試合はスタメンで出場している。このためカメラマンは24人、記者も日刊スポーツや東スポ、サンスポといったスポーツ紙だけでなく、日経新聞や日刊ゲンダイ、夕刊フジといった普段はあまりサッカーを取り上げないメディアも取材に訪れた。
残念ながらカズは「内転筋に少し張りがあった」ためスタメンを回避。そして試合は後半の71分に三宅海斗のシュートのこぼれ球を栗田マークアジェイが押し込んでアウェーの鈴鹿が先制する。このため実兄の三浦泰年監督は終盤に疲れの見えた中盤の選手や、アディショナルタイム(7分)に突入した90分には守備固めのためDFの選手を起用するなど、3度の交代枠を使ったためカズの出番はなくなった。
鈴鹿のメインスタンドには兄弟のご両親や、カズの奥さんのりさ子夫人と次男で格闘家の孝太さんらファミリーと関係者が勢揃い。カズが出場していなくても鈴鹿が攻め込むたびに熱い声援を送っていた。
試合後、メディアの取材に応じたカズは「1対0なので、最後は勝つために、終盤はああなる。自分はいつでも出られるようしっかり準備していたが、なかなか難しい展開にった」と監督の采配に理解を示した。そしてW杯の組分けについては「どのグループに入っても厳しい戦いになる。ドイツ、スペインとやれるのは楽しみでもある」と日本代表の活躍に期待していた。
出要機会の激減した横浜FC時代と違い、カズのプレーを見られるという期待感がファンをスタジアムに向かわせているのだろう。今後も鈴鹿の集客力は増えて行くに違いない。
「キングはやはりキングだった」
【文・六川亨】
ファンのお目当ては、もちろん鈴鹿へレンタル移籍した“キング”こと三浦知良(カズ)だ。横浜FC時代と違い、ここまでの2試合はスタメンで出場している。このためカメラマンは24人、記者も日刊スポーツや東スポ、サンスポといったスポーツ紙だけでなく、日経新聞や日刊ゲンダイ、夕刊フジといった普段はあまりサッカーを取り上げないメディアも取材に訪れた。
鈴鹿のメインスタンドには兄弟のご両親や、カズの奥さんのりさ子夫人と次男で格闘家の孝太さんらファミリーと関係者が勢揃い。カズが出場していなくても鈴鹿が攻め込むたびに熱い声援を送っていた。
試合後、メディアの取材に応じたカズは「1対0なので、最後は勝つために、終盤はああなる。自分はいつでも出られるようしっかり準備していたが、なかなか難しい展開にった」と監督の采配に理解を示した。そしてW杯の組分けについては「どのグループに入っても厳しい戦いになる。ドイツ、スペインとやれるのは楽しみでもある」と日本代表の活躍に期待していた。
ちなみにこの日の入場者数は2006人。昨シーズンの武蔵野の平均入場者数は451人(最大750人、最小186人)ということからも、カズ効果の凄さがわかる。昨シーズンのリーグ全体の平均入場者数も505人だったの対し、今シーズンは4節を終えた時点で平均983人と倍近い数字になっている。
出要機会の激減した横浜FC時代と違い、カズのプレーを見られるという期待感がファンをスタジアムに向かわせているのだろう。今後も鈴鹿の集客力は増えて行くに違いない。
「キングはやはりキングだった」
【文・六川亨】
1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた
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