ツィエクの芸術弾などで完勝のチェルシーが今季ダービー4戦全勝! スパーズはコンテ体制10戦目にしてリーグ初黒星…《プレミアリーグ》

2022.01.24 03:37 Mon
Getty Images
プレミアリーグ第23節、チェルシーvsトッテナムが23日にスタンフォード・ブリッジで行われ、ホームのチェルシーが2-0で勝利した。
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現在、3位のチェルシー(勝ち点44)は、前々節のマンチェスター・シティとの頂上決戦を0-1で落とし、優勝戦線から早々に脱落。さらに、前倒し開催となったミッドウィークのブライトン戦も1-1のドローで終え、直近のリーグ戦4試合未勝利と泥沼の状況に陥る。
その苦境の中で迎えた今節はリーグ前回対戦、直近のEFLカップ2試合すべてで勝利している“お得意様”のトッテナムとのダービーに臨んだ。リーグ5戦ぶりの白星を目指すホームでのシックス・ポインターに向けてはブライトン戦から先発2人を変更。マルコス・アロンソ、カンテに代えてサール、コバチッチを起用した。

一方、前々節のワトフォード戦、前節のレスター・シティ戦をいずれも後半アディショナルタイムのゴールで劇的勝利を飾り、コンテ新体制移行後は6勝3分けの9戦無敗で5位まで順位を上げてきたトッテナム(勝ち点36)。

情熱的なイタリア人指揮官の下でポチェッティーノ時代の全盛期のような躍動感を取り戻しつつある新生スパーズは、リーグ戦では2018年11月以降、6試合未勝利(1分け5敗)が続く宿敵撃破に向けて最高の状態を維持し、敵地へ乗り込んだ。そのレスター戦からは先発3人を変更。エメルソン、スキップ、ルーカス・モウラに代えて負傷明けのダイアー、セセニョン、ベルフワインを起用した。
熾烈なトップ4争いに身を置くロンドンの両雄による今季4度目のダービー。チェルシーが[4-1-4-1]、トッテナムが[4-4-2]とここまでの3試合を鑑みて、互いに異なるアプローチで試合に臨んだ。

その中でより変化が少ないホームのチェルシーが立ち上がりから主導権を握って押し込む入りを見せる。序盤から幾度もフィニッシュの形を作り出した中、12分には右サイドからカットインしたツィエクが強烈な左足のシュートを枠に飛ばすが、これはGKロリスがはじき出した。

一方、受け身の入りとなったトッテナムだが、徐々に守備の部分で相手の攻撃にアジャストし始めると、13分にはケインの中盤でのキープからうまく相手DFと入れ替わったウィンクスがボックス手前まで運んで左足のミドルシュートを放ち、こちらも最初の枠内シュートとした。

以降はボールを握って押し込むチェルシー、2トップを起点としたカウンターで応戦するトッテナムという構図の下で拮抗した展開が続く。チェルシーは状況に応じて細かく立ち位置を変えながらマウント、ツィエクの右サイドを起点に効果的に3人目の動き出しを生かした攻めで攻略を。だが、最後の局面で粘りの対応を見せるアウェイチームの堅守を前に決定機まであと一歩という状況が続く。

ボールを奪う位置が低くなかなかカウンターに迫力を出せないトッテナムだが、前半終盤にかけてはセセニョンとベルフワインの左サイドを起点に幾度か相手の深い位置まで侵攻していく。

40分にはベルフワインの突破から左サイド深くでセセニョンがグラウンダーで折り返したボールをボックス内で収めたケインが左足のシュートをゴールネットへ流し込む。だが、これは競り合いの場面でのDFチアゴ・シウバへのプッシングを取られてしまい、ゴールは認められない。その後も球際で激しい攻防が繰り広げられたが、試合はゴールレスのままハーフタイムを迎えた。

前半の攻防を受け、両指揮官の戦術面の修正に注目が集まった後半の立ち上がり。稀代のドイツの戦術家の下で前半の課題を修正したホームチームが一気に流れを引き寄せる。47分、左サイドでタンガンガを見事なドリブルで振り切ったハドソン=オドイがそのまま内へドリブルで切り込んでボックス手前右のツィエクに横パスを送る。マウント、アスピリクエタの周囲の動き出しでフリーとなったモロッコ代表MFが得意の左足でコントロールシュートを狙うと、これがゴール左上隅の完璧なコースに決まった。

トッテナムを得意とするツィエクのファインゴールで後半早々にリードを奪ったチェルシーは、この直後にもツィエクが今度はパワフルな左足のシュートでGKロリスにファインセーブを強いる。そして、このまま押し込み続けると、セットプレーから2点目を奪い切る。

55分、ハドソン=オドイの仕掛けで得た相手陣内左サイドでのFKの場面でキッカーのマウントが右足インスウィングの正確なクロスをゴール前に入れると、リーグ前回対戦でも得点しているチアゴ・シウバが見事なヘディングシュートをゴール右隅へ流し込んだ。

今季ここまでの3度の対戦で一度もゴールを奪えていない中、厳しい連続失点となったトッテナムは、2失点目直前に準備させていたスキップとルーカス・モウラをタンガンガ、セセニョンに代えてピッチへ送り出す。この交代直後にはケインの左クロスの流れからスキップのヘディングの落としに反応したゴール前のベルフワインがボレーシュートを狙うが、後半最初の枠内シュートはGKケパの守備範囲。

より攻撃的な[4-3-3]への変更と、2点リードのチェルシーが後方に重心を置き始めたことで、ようやく相手陣内でのプレー機会を増やし始めたアウェイチームは、スキップ、ホイビュルクのスルーパスに反応したドハーティに続けて惜しい場面が訪れるなど、徐々にゴールの匂いをさせ始める。86分にはウィンクスの右CKをゴール前のケインがヘディングで合わせるが、これはGKケパのファインセーブに阻まれた。

ダービーマッチ、前節のレスター戦の展開を考えると、2点リードも決して油断できないチェルシーは、殊勲のハドソン=オドイ、ツィエクを下げてマルコス・アロンソ、サウールとより守備的な交代策を行い、石橋を叩いて渡る采配で逃げ切りを図る。

そして、この試合ではトッテナムに奇跡を起こさせることなくこのまま2-0のスコアで試合をクローズした。この結果、今季のダービー4戦全勝を飾ったチェルシーがシックス・ポインターを制してリーグ戦5試合ぶりの白星を奪取。一方、ライバル相手に今季1度もゴールを奪えない屈辱を味わうことになったトッテナムは、コンテ体制10戦目にしてリーグ戦初黒星を喫することになった。

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