「差は縮まらないと痛感」シュート“ゼロ”での完敗も大津・山城朋大監督は選手を称える「準優勝を誇りに思う」

2022.01.11 06:45 Tue
©超ワールドサッカー
大津高校の山城朋大監督が、初の決勝戦を振り返った。

10日、第100回全国高校サッカー選手権大会の決勝が行われ、青森山田(青森県)が4-0で大津(熊本県)を下し、3大会ぶりの全国制覇を達成した。
3年ぶりの出場となった大津高校にとっては過去最高のベスト8の壁を乗り越え、初のベスト4に進出。しかし、準決勝は対戦相手の関東第一(東京B)の選手2名が新型コロナウイルス(COVID-19)の陽性判定を受け、準決勝を辞退。不戦勝で初の決勝に駒を進めた。

ここまで堅守を誇ってきた大津としては、青森山田の攻撃をどう抑えるかがポイントに。しかし、準決勝の高川学園(山口県)戦と同様に激しいプレッシングサッカーを立ち上がりから見せてきた青森山田に押し込まれてしまう。

なんとかゴールを許さないでいたが、37分にCKから、丸山大和にヘディングで決められ失点。41分には左サイドからのクロスを名須川真光に押し込まれ、前半で2点ビハインドとなる。
後半に入っても押し込まれると55分には松木玖生にゴールを許し3失点目。その後、徐々にペースを掴みに行くものの、78分には渡邊星来にもゴールを許してしまう。

最後まで青森山田に苦しめられた大津は、終わってみればシュートを1本も打てずに完敗。大きな力の差を見せつけられてしまったが、史上最高の準優勝という成績を残した。

山城監督は決勝戦について「まずは初めての国立競技場で、多くの観衆の中で試合ができたことを嬉しく思いますし、結果は敗れてしまいましたが、最後まで走り抜いて準優勝を勝ち取ってくれた選手たちを誇りに思います」と、敗れはしたものの戦った選手たちを評価した。

また「試合内容としてはどうにかもう少し押し返して、相手のCKやロングスローの回数を減らしてと思っていましたが、押し込まれる展開が続いて、今日は完全に相手のゲームだったかなと思っています」と完敗を認めた。

ゲームプランについては「なるべくラインをコンパクトにして、うちのCBは背も高くないので2トップとの競り合いは分が悪いなと思っていました。良い形でボールを蹴らせないようにしたいなというのと、競り合う位置をゴールからなるべく遠ざけて押し返したいなと。少し落ち着いてくると薬師田(澪)と森田(大智)を中心に、攻撃を組み立てていければと思って試合に臨みました」と青森山田の特徴を出させないように、リスクを減らした展開にしたかったと語った。

しかし、青森山田の圧に屈することに。「相手の圧力に本当になかなか先手を取れず、逆に後手を踏んでセットプレーが増えたことが敗因だと思います」と、押し込まれ続けたことが、結果として出てしまったと語った。

青森山田との差を感じる決勝となった大津。しかし、この1年間での選手たちの成長は目覚ましく、元日本代表FW巻誠一郎や日本代表DF植田直通が居た世代でも成し遂げられなかった準優勝という成績を残した。

山城監督は1年間を振り返り「最初に比べると1人1人が逞しくなって、これまでにないぐらい成長してくれた3年生でした。とにかく真面目にひたむきに、自分たちの力が足りないということと向かって来た成果が、こうやって準優勝という大津高校がこれまで越えられなかったところまで来たのは自信にして欲しいです」と労いのコメントを残した。

一方で、まだまだ経験が足りないとコメント。「この場で力を発揮できなかったのは、相手は4年連続決勝まで来ていて、我々は3年ぶりの出場というところで、場慣れではないですが、差があったと思います。来年に向けては、毎年出場して、毎年国立の舞台で戦うということを繰り返さないと、青森山田さんとの差は縮まらないと痛感しています」と語り、今回の結果を自信にして、来年以降も同様の結果を残し続けたいと意気込んだ。

今大会は九州勢との対戦も多かった大津。決勝のゴール裏には「九州は1つ」という横断幕も掲げられていた。

また準決勝前には、滞在費を工面するために募金を募り、1000万円を超える金額が集まっていた大津。多くの人に支えられ、特に九州で切磋琢磨する高校との繋がりを感じられたと語った。

「九州でやっているチームとは日頃から練習試合をしたり、色々な形で切磋琢磨しながら1年間通して成長してこれました」

「決勝に臨むに当たっても、色々な先生方から連絡をいただいたり、九州は1つというのは改めて実感する機会となりました」

「横断幕を作るに至った経緯としては、そういった思い、感謝の思いを含めて、平岡総監督に書いていただきました」

公立高校としても大きな注目を集めた大津。熊本県を代表する強豪校として、新たなスタートを切る決勝となりそうだ。
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