【ELグループステージ総括】強豪クラブに明暗…鎌田&長谷部が唯一のラウンド16進出
2021.12.11 17:00 Sat
2021-22シーズンのヨーロッパリーグ(EL)・グループステージ全日程が9日に終了した。ヨーロッパ・カンファレンスリーグ(ECL)新設に伴い、昨季までの48チーム制から32チーム制にレギュレーション変更が図られた今大会にはナポリやラツィオ、レスター・シティ、リヨン、マルセイユ、レバークーゼンなど5大リーグの実力派クラブ。日本人選手7人が参戦した。
ここでは、注目クラブや日本人選手の所属するチームを中心にグループステージを総括していきたい。
◆レスターやマルセイユらが無念の敗退
例年に比べビッグクラブの参戦が少なかった今グループステージだが、ECL創設によってチーム数が大幅に減ったことで、勝ち点の草刈り場となる小国クラブの参戦が少なくなり、ある意味でコンペティションのレベル自体は上がった印象だ。
そういった中、5大リーグの中堅クラブやCL参戦レベルの強豪チームの間では明暗分かれるグループステージとなった。
実力伯仲の今グループステージでは3チームが全勝突破を決めたチャンピオンズリーグ(CL)とは異なり、全勝突破はおろか無敗で突破を決めたのはリヨンとモナコのフランス勢と、フランクフルトの3チームのみ。
その他の強豪チームではプレミアリーグで堂々たるトップ4争いに絡むウェストハム、レバークーゼン、ガラタサライといった強豪クラブが順当に首位通過を決定している。
その一方で、所属するタレントのレベルを考えれば、優勝候補筆頭と言えるナポリとラツィオのイタリア勢は、それぞれスパルタク・モスクワ、ガラタサライの後塵を拝した。さらに、今大会に無類の強さを見せるスペイン勢のレアル・ソシエダ、ベティスも2位通過で、チャンピオンズリーグ(CL)の3位敗退組と対峙するプレーオフに回ることになった。
また、前述の4クラブ以上に厳しい結果となったのが、優勝候補の一角にも挙がっていたレスター・シティ。ナポリとスパルタク・モスクワ、レギア・ワルシャワと同居したグループCにおいて、12位に低迷するプレミアリーグと同様に苦戦。2位通過を懸けた最終節のナポリ戦を2-3で落とし、無念の3位敗退。同じく低迷したマルセイユやフェネルバフチェらと共にECL決勝トーナメントのプレーオフに回ることになった。
なお、来年2月に開催されるEL決勝トーナメントのプレーオフではグループステージ2位通過8チームと、CL3位敗退組8チームが対戦。その3位敗退組にはバルセロナ、ドルトムント、セビージャ、アタランタ、RBライプツィヒといった強豪が勢揃いしており、決勝トーナメントではよりハイレベルな戦いが期待されるところだ。
◆鎌田&長谷部のフランクフルトが唯一の突破~日本人選手~
また、今シーズンのELグループステージでは7人の日本人選手が参戦。その中でMF鎌田大地、MF長谷部誠を擁するフランクフルトが唯一ラウンド16進出を決めている。
オリンピアコス、フェネルバフチェ、MF三好康児を擁するアントワープと同じグループDに入ったフランクフルトは、3勝3分けの無敗で首位通過を決定。
その中で昨季にアーセナルを破る2ゴール、レッドブル・ザルツブルク相手にハットトリックを達成するなど、今大会に非常に相性が良い鎌田の“EL男”ぶりは今季も健在。全6試合に出場し、オリンピアコスとの連戦から第5節のアントワープ戦まで3試合連続ゴールを記録。チームの突破の立役者となった。
また、長谷部は初戦こそ出場機会はなかったものの、以降の5試合でゲームキャプテンを務めて持ち味である要所を締める守備と的確な配球でチームを牽引。最終節のフェネルバフチェ戦では失点に絡むミスもあったが、3バックの中央で存在感を放ち続けた。
フランクフルトと同居したグループを最下位で終えることになったアントワープの三好は3試合に出場。ただ、コンディションの問題などもあり、2ゴールを挙げて本大会出場に貢献した予選プレーオフのような輝きを見せることはできなかった。
セルティックFW古橋亨梧は初出場となった今大会でもリーグ戦同様に存在感を放った。レバークーゼン、ベティスと同居した厳しいグループGに組み込まれた中、セルティックは両者の後塵を拝す形で3位敗退となったが、古橋は5試合の出場で2ゴール3アシストを記録。フェレンツヴァローシュ相手の連勝などに貢献した。その一方で、レバークーゼン戦で絶好機を逸するなど、更なる決定力向上が求められるところだ。なお、最終節のベティス戦ではハムストリングを負傷しており、しばしの戦線離脱が見込まれる。
セルティックと同様に無念のグループ3位敗退となったPSVのMF堂安律は、4試合に出場し1アシストを記録。開幕前は構想外と見なされていたが、序盤戦で見せた好パフォーマンスによってシュミット監督の信頼を掴み主力に定着。このELでも右サイドを主戦場に安定したパフォーマンスを見せたが、チームはモナコとソシエダという強豪に屈する形となった。
また、ヘンクFW伊東純也とラピド・ウィーンFW北川航也はウェストハム、ディナモ・ザグレブと共にグループHで同居。ヘンクの絶対的な主力である伊東は全6試合に出場し、初戦のラピド・ウィーン戦、第5節のウェストハム戦でアシストを記録。チームは最下位で敗退したものの、個人としてはまずまずの奮闘を見せた。
一方、今季もチーム内でのポジション争いにおいて苦戦が続く北川は第2節から5試合連続で途中出場。大きなインパクトは残せなかったが、チームは3位フィニッシュでECL決勝トーナメントプレーオフ行きを決めている。
▽ELグループステージ最終順位
◆グループA
1. リヨン(勝ち点16)
――EL決勝T進出――
2. レンジャーズ(勝ち点8)
―EL決勝T・PO進出―
3. スパルタ・プラハ(勝ち点7)
―ECL決勝T・PO進出―
4. ブロンビー(勝ち点2)
◆グループB
1. モナコ(勝ち点12)
――EL決勝T進出――
2. ソシエダ(勝ち点9)
―EL決勝T・PO進出―
3. PSV(勝ち点8)
―ECL決勝T・PO進出―
4. シュトルム・グラーツ(勝ち点2)
◆グループC
1. スパルタク・モスクワ(勝ち点10)
――EL決勝T進出――
2. ナポリ(勝ち点10)
―EL決勝T・PO進出―
3. レスター・シティ(勝ち点8)
―ECL決勝T・PO進出―
4. レギア・ワルシャワ(勝ち点6)
◆グループD
1. フランクフルト(勝ち点12)
――EL決勝T進出――
2. オリンピアコス(勝ち点9)
―EL決勝T・PO進出―
3. フェネルバフチェ(勝ち点6)
―ECL決勝T・PO進出―
4. アントワープ(勝ち点2)
◆グループE
1. ガラタサライ(勝ち点12)
――EL決勝T進出――
2. ラツィオ(勝ち点9)
―EL決勝T・PO進出―
3. マルセイユ(勝ち点7)
―ECL決勝T・PO進出―
4. ロコモティフ・モスクワ(勝ち点2)
◆グループF
1. ツルヴェナ・ズヴェズダ(勝ち点11)
――EL決勝T進出――
2. ブラガ(勝ち点10)
―EL決勝T・PO進出―
3. ミッティラン(勝ち点9)
―ECL決勝T・PO進出―
4. ルドゴレツ(勝ち点2)
◆グループG
1. レバークーゼン(勝ち点13)
――EL決勝T進出――
2. ベティス(勝ち点10)
―EL決勝T・PO進出―
3. セルティック(勝ち点9)
―ECL決勝T・PO進出―
4. フェレンツヴァーロシュ(勝ち点3)
◆グループH
1. ウェストハム(勝ち点13)
――EL決勝T進出――
2. ディナモ・ザグレブ(勝ち点10)
―EL決勝T・PO進出―
3. ラピド・ウィーン(勝ち点6)
―ECL決勝T・PO進出―
4. ヘンク(勝ち点5)
◆CL3位敗退組
RBライプツィヒ
ポルト
ドルトムント
シェリフ
バルセロナ
アタランタ
セビージャ
ゼニト
ここでは、注目クラブや日本人選手の所属するチームを中心にグループステージを総括していきたい。
Getty Images
例年に比べビッグクラブの参戦が少なかった今グループステージだが、ECL創設によってチーム数が大幅に減ったことで、勝ち点の草刈り場となる小国クラブの参戦が少なくなり、ある意味でコンペティションのレベル自体は上がった印象だ。
そういった中、5大リーグの中堅クラブやCL参戦レベルの強豪チームの間では明暗分かれるグループステージとなった。
実力伯仲の今グループステージでは3チームが全勝突破を決めたチャンピオンズリーグ(CL)とは異なり、全勝突破はおろか無敗で突破を決めたのはリヨンとモナコのフランス勢と、フランクフルトの3チームのみ。
その中でリヨンはヨーロッパの戦いを知り抜くボス監督の下、スコットランド王者レンジャーズやスパルタ・プラハという難敵を相手に5勝1分けと最多16ポイントを挙げての首位通過を果たしている。リーグ戦では低迷しているものの、MFシャキリ、DFボアテングという百戦錬磨の新戦力に、FWシェルキやDFグストといったアカデミー自慢の若手が融合するチームはラウンド16以降の戦いでも躍進が期待される。
その他の強豪チームではプレミアリーグで堂々たるトップ4争いに絡むウェストハム、レバークーゼン、ガラタサライといった強豪クラブが順当に首位通過を決定している。
その一方で、所属するタレントのレベルを考えれば、優勝候補筆頭と言えるナポリとラツィオのイタリア勢は、それぞれスパルタク・モスクワ、ガラタサライの後塵を拝した。さらに、今大会に無類の強さを見せるスペイン勢のレアル・ソシエダ、ベティスも2位通過で、チャンピオンズリーグ(CL)の3位敗退組と対峙するプレーオフに回ることになった。
また、前述の4クラブ以上に厳しい結果となったのが、優勝候補の一角にも挙がっていたレスター・シティ。ナポリとスパルタク・モスクワ、レギア・ワルシャワと同居したグループCにおいて、12位に低迷するプレミアリーグと同様に苦戦。2位通過を懸けた最終節のナポリ戦を2-3で落とし、無念の3位敗退。同じく低迷したマルセイユやフェネルバフチェらと共にECL決勝トーナメントのプレーオフに回ることになった。
なお、来年2月に開催されるEL決勝トーナメントのプレーオフではグループステージ2位通過8チームと、CL3位敗退組8チームが対戦。その3位敗退組にはバルセロナ、ドルトムント、セビージャ、アタランタ、RBライプツィヒといった強豪が勢揃いしており、決勝トーナメントではよりハイレベルな戦いが期待されるところだ。
◆鎌田&長谷部のフランクフルトが唯一の突破~日本人選手~
Getty Images
また、今シーズンのELグループステージでは7人の日本人選手が参戦。その中でMF鎌田大地、MF長谷部誠を擁するフランクフルトが唯一ラウンド16進出を決めている。
オリンピアコス、フェネルバフチェ、MF三好康児を擁するアントワープと同じグループDに入ったフランクフルトは、3勝3分けの無敗で首位通過を決定。
その中で昨季にアーセナルを破る2ゴール、レッドブル・ザルツブルク相手にハットトリックを達成するなど、今大会に非常に相性が良い鎌田の“EL男”ぶりは今季も健在。全6試合に出場し、オリンピアコスとの連戦から第5節のアントワープ戦まで3試合連続ゴールを記録。チームの突破の立役者となった。
また、長谷部は初戦こそ出場機会はなかったものの、以降の5試合でゲームキャプテンを務めて持ち味である要所を締める守備と的確な配球でチームを牽引。最終節のフェネルバフチェ戦では失点に絡むミスもあったが、3バックの中央で存在感を放ち続けた。
フランクフルトと同居したグループを最下位で終えることになったアントワープの三好は3試合に出場。ただ、コンディションの問題などもあり、2ゴールを挙げて本大会出場に貢献した予選プレーオフのような輝きを見せることはできなかった。
セルティックFW古橋亨梧は初出場となった今大会でもリーグ戦同様に存在感を放った。レバークーゼン、ベティスと同居した厳しいグループGに組み込まれた中、セルティックは両者の後塵を拝す形で3位敗退となったが、古橋は5試合の出場で2ゴール3アシストを記録。フェレンツヴァローシュ相手の連勝などに貢献した。その一方で、レバークーゼン戦で絶好機を逸するなど、更なる決定力向上が求められるところだ。なお、最終節のベティス戦ではハムストリングを負傷しており、しばしの戦線離脱が見込まれる。
セルティックと同様に無念のグループ3位敗退となったPSVのMF堂安律は、4試合に出場し1アシストを記録。開幕前は構想外と見なされていたが、序盤戦で見せた好パフォーマンスによってシュミット監督の信頼を掴み主力に定着。このELでも右サイドを主戦場に安定したパフォーマンスを見せたが、チームはモナコとソシエダという強豪に屈する形となった。
また、ヘンクFW伊東純也とラピド・ウィーンFW北川航也はウェストハム、ディナモ・ザグレブと共にグループHで同居。ヘンクの絶対的な主力である伊東は全6試合に出場し、初戦のラピド・ウィーン戦、第5節のウェストハム戦でアシストを記録。チームは最下位で敗退したものの、個人としてはまずまずの奮闘を見せた。
一方、今季もチーム内でのポジション争いにおいて苦戦が続く北川は第2節から5試合連続で途中出場。大きなインパクトは残せなかったが、チームは3位フィニッシュでECL決勝トーナメントプレーオフ行きを決めている。
▽ELグループステージ最終順位
◆グループA
1. リヨン(勝ち点16)
――EL決勝T進出――
2. レンジャーズ(勝ち点8)
―EL決勝T・PO進出―
3. スパルタ・プラハ(勝ち点7)
―ECL決勝T・PO進出―
4. ブロンビー(勝ち点2)
◆グループB
1. モナコ(勝ち点12)
――EL決勝T進出――
2. ソシエダ(勝ち点9)
―EL決勝T・PO進出―
3. PSV(勝ち点8)
―ECL決勝T・PO進出―
4. シュトルム・グラーツ(勝ち点2)
◆グループC
1. スパルタク・モスクワ(勝ち点10)
――EL決勝T進出――
2. ナポリ(勝ち点10)
―EL決勝T・PO進出―
3. レスター・シティ(勝ち点8)
―ECL決勝T・PO進出―
4. レギア・ワルシャワ(勝ち点6)
◆グループD
1. フランクフルト(勝ち点12)
――EL決勝T進出――
2. オリンピアコス(勝ち点9)
―EL決勝T・PO進出―
3. フェネルバフチェ(勝ち点6)
―ECL決勝T・PO進出―
4. アントワープ(勝ち点2)
◆グループE
1. ガラタサライ(勝ち点12)
――EL決勝T進出――
2. ラツィオ(勝ち点9)
―EL決勝T・PO進出―
3. マルセイユ(勝ち点7)
―ECL決勝T・PO進出―
4. ロコモティフ・モスクワ(勝ち点2)
◆グループF
1. ツルヴェナ・ズヴェズダ(勝ち点11)
――EL決勝T進出――
2. ブラガ(勝ち点10)
―EL決勝T・PO進出―
3. ミッティラン(勝ち点9)
―ECL決勝T・PO進出―
4. ルドゴレツ(勝ち点2)
◆グループG
1. レバークーゼン(勝ち点13)
――EL決勝T進出――
2. ベティス(勝ち点10)
―EL決勝T・PO進出―
3. セルティック(勝ち点9)
―ECL決勝T・PO進出―
4. フェレンツヴァーロシュ(勝ち点3)
◆グループH
1. ウェストハム(勝ち点13)
――EL決勝T進出――
2. ディナモ・ザグレブ(勝ち点10)
―EL決勝T・PO進出―
3. ラピド・ウィーン(勝ち点6)
―ECL決勝T・PO進出―
4. ヘンク(勝ち点5)
◆CL3位敗退組
RBライプツィヒ
ポルト
ドルトムント
シェリフ
バルセロナ
アタランタ
セビージャ
ゼニト
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