マウント1G1Aのチェルシーがワトフォードに競り勝ち首位キープ!《プレミアリーグ》

2021.12.02 07:18 Thu
Getty Images
プレミアリーグ第14節、ワトフォードvsチェルシーが1日にヴィカレージ・ロードで行われ、アウェイのチェルシーが1-2で勝利した。

前節、苦手のマンチェスター・ユナイテッドとホームで引き分けた首位のチェルシー(勝ち点30)は、2位のマンチェスター・シティ(勝ち点29)、3位のリバプール(勝ち点28)との勝ち点差が縮まり、混戦の首位争いとなっている。
今週末に難敵ウェストハムとの上位対決を控える中、今節は16位のワトフォード(勝ち点13)を相手に2戦ぶりの白星奪還を目指した。ユナイテッド戦からは先発6人を変更。軽傷を抱えベンチ外のリース・ジェームズに代わってアスピリクエタを起用したほか、チアゴ・シウバ、ジョルジーニョに代えてクリステンセン、サウール。前線はツィエク、ヴェルナー、ハドソン=オドイからマウント、ハヴァーツ、プリシッチと総入れ替えとなった。

試合は先日のマンチェスター・ユナイテッドを破った一戦の再現を狙うホームチームが強度の高いプレーでペースを握る。開始3分にはジョアン・ペドロのシュート、5分にはキコのアーリークロスがジョアン・ペドロと競ったDFアスピリクエタに当たってゴール左隅へ向かうが、これはGKメンディがビッグセーブで阻止した。

その後、8分にはマジーナが左腿を痛めてピッチ上で治療を受け試合が一時中断した際、バックスタンドで観戦していた観客に健康上の重大なトラブルが発生。ピッチ上の選手たちに促されてチェルシーのメディカルチームが応急救護のために駆けつける事態に。これを受け、マッチオフィシャルが10分過ぎに試合の一時中断を決断した。
その後、スタンドで心肺蘇生措置を受け、状態が安定した当該ファンが無事救急車で搬送されたことを受け、試合は約30分後にキックオフ12分の時点から再開。ワトフォードはこのタイミングでマジーナに代えてローズを投入した。

再開後も守勢が続いたチェルシーだが、19分にはこの試合最初の決定機を創出。右サイドでのスローインの流れから味方のヘディングクリアに反応したマウントがボックス右からシュートを放つが、これは惜しくも右ポストを叩く。

この決定機をキッカケに盛り返し始めたチェルシーは圧巻の連携からゴールをこじ開ける。29分、左サイドに張ったリュディガーから浮き球のフィードに反応したボックス左のマルコス・アロンソが外向きのボールを圧巻のファーストタッチで内向きに収めて中央でフリーのハヴァーツに短く繋ぐ。ハヴァーツは自分でもシュートを打てたものの、冷静にGKとDFを引き付けて右でフリーのマウントへプレゼントパス。これをイングランド代表MFが右足で蹴り込んだ。

良い入りを見せながらも先に失点を喫したワトフォードだが、すぐさま気持ちを切り替えて反撃に転じていく。リスクを冒して攻撃に人数を懸けていく中、35分にはボックス左でフリーのローズが強烈な左足シュートでGKメンディを強襲する。

徐々に良い形でフィニッシュまで持ち込み始めたホームチームは43分、ハーフウェイライン付近で後ろ向きにパスを受けたロフタス=チークの反転の仕掛けを潰したムサ・シソコが右サイドでフリーのデニスへラストパスを供給。ボックス内でDFリュディガーを相手に細かい仕掛けを見せたデニスは股間を抜く技ありのシュートをゴール左下隅へ流し込んだ。さらに、畳みかけるホームチームは前半終了間際にもボックス右へ抜け出したシソコに決定機も、ここはボールにうまくパワーを伝えることができず。GKメンディのセーブに阻まれた。

1-1のイーブンで迎えた後半、難しい戦いが続いたチェルシーは初スタメンを飾ったアストン・ビラ戦に続き低調なパフォーマンスに終始したサウールを再びハーフタイムに下げ、チアゴ・シウバを投入。この交代でチャロバーを中盤の底に配置。すると、このメンバー変更とハーフタイムの修正によって後半は完全にアウェイチームがペースを握る。

一方、押し込まれるワトフォードも58分に後半最初のビッグチャンス。中盤でのボール奪取から背後を完璧に取ったクレバリーにスルーパスが通るも、ここはエリア外に飛び出したGKメンディの好守に阻まれる。

守護神のビッグプレーでピンチを凌いだチェルシーだが、このプレーの流れでハムストリングを痛めたチャロバーがプレー続行不可能となり、60分にツィエクをスクランブル投入することになった。

何とか早い時間帯にゴールをこじ開けたいチェルシーは69分、アスピリクエタを下げて切り札のルカクを投入。この交代でプリシッチが右のウイングバックに回る攻撃的な布陣に変化すると、早くも交代の効果が発揮される。

72分、リュディガーからのフィードを左サイドのマルコス・アロンソがヘディングでスペースに流すと、これに反応したマウントがボックス左から狙いすましたグラウンダーのクロスを供給。ルカクがニアに引っ張る動きで空いた中央のスペースにフリーで入り込んだツィエクが冷静に左足のダイレクトシュートを突き刺した。

トゥヘル采配的中で勝ち越しに成功したチェルシーは、ここからルカクとハヴァーツのキープ力を生かして前線でうまくタメを作りながらゲームをコントロールしていく。相手の粘りの戦いを前に試合を決める3点目を奪えないが、冷静に時計を進めていく。

後半アディショナルタイムにはボックス付近で与えたFKの場面でクツカに強烈なシュートを枠に飛ばされるが、ここはGKメンディが冷静にはじき出して事なきを得た。

そして、積極的なターンオーバーを敢行した中、ワトフォードに苦戦を強いられたチェルシーだが、きっちり勝ち切って2戦ぶりの白星を奪取。シティ、リバプールとの三つ巴の争いの中で首位キープに成功した。
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