「強度の差を感じた」東京五輪での反省点を生かしたい田中美南「個の勝率を上げることを意識」

2021.11.23 23:19 Tue
©超ワールドサッカー
オランダ遠征をスタートさせたなでしこジャパンのFW田中美南(INAC神戸レオネッサ)が23日、メディアのオンライン取材に応対した。

なでしこジャパンは、10月に池田太監督を招へい。アンダー世代で結果を残してきた指揮官が、世界で戦えるチームを作るために就任した。
10月は国内組だけでトレーニングキャンプを実施。そして迎えた11月はオランダ遠征を実施し、初の対外試合を迎える。

25日にはアイスランド女子代表、29日にはオランダ女子代表との対戦が待っているなでしこジャパンだが、22日に現地入りし試合までの準備期間がほとんどない状況だ。

メディアのオンライン取材に応じた田中は、遠征最初の練習を終えて「海外組も入ってきて、個の感じは変わりないですが、チームとして雰囲気は良いと思いますし、ミーティングも自分たちが前回の合宿で積み上げてきたものを話して意思統一できました」とコメント。雰囲気は良い状況だと語った。
練習ではパスの回し方や立ち位置を考えてのプレーをしていたが「形を用意して一応やりますが、最後はフリーで自分たちで考えてやっていくという感じです」と語り、「形がある中でも、自分たちでしっかり考えて相手のリアクションを見てやるのは試合に通ずるので、大事な要素だと思います」と、様々な状況判断をしながらのトレーニングは重要だと語った。

新体制での初陣は25日のアイスランド戦。田中は「(池田)太さんのサッカーになって海外の選手との試合なので、今の時点で自分たちがこのサッカーでどこまで通用するかとか、絶対エラーはあるし、奪いにいく目標を掲げながら裏をやられたり、失点したりしてもプラスに捉えられる時期なので、チャレンジして、エラーを修正して次のオランダ戦に向かいたいです」と、まずは結果ではなく実力を測るためにしっかりとトライしたいとコメント。「個人的には奪うコンセプトの元、しっかり自分でやれることをやって、得点を狙っていきたいと思います」と、前線からの守備に加え、やはりゴールを狙いたいと意気込んだ。

10月の合宿ではプレッシングを意識してトレーニングを実施していた中、初日のトレーニングは攻撃に比重を置いているような状況だった。今回のテーマについては「奪うで言えば、守備的なイメージになるので、前回は試合の中、ゲームの中でそれに基づいて、コンセプトに表しやすいことが守備でした」と、コンセプト的には守備の面が出しやすいとコメント。また、「ボールをもらうときの立ち位置では、前にアグレッシブなので、なるべく前にポジショニングを取るということは今日できたと思います」と、高い位置を取るポジショニングはできていたと手応えを語った。

その田中は東京五輪にも出場。しかし、海外チームとの実力差を痛感する結果となった。「やり方が違うのでどっちが良いということはないですが、奪うということの意識については、なでしこは他の国よりできていなかったですし、組織で守るということで個人でチャレンジはできていなかったです」と語り、ここのデュエルや守備の部分では全然戦えていなかったと振り返った。

その中で、今回のチームでは奪うということをテーマにやれている。「高いところでボールを奪っていくことはゴールに近づけると思うので、守備に切り替えるときの意識は変わりますし、裏を取る動きの切り替えをしたいなと思います」と、攻撃に繋げるための守備をしたいと語った。

またデュエルの面では「個で負けない、個で勝つ回数を増やした中で組織を構築していけば強くなれるので、個の勝率を上げることはみんなが意識しなければいけないと思います」と、組織としての守り以前に、個人の守りが大事だとした。

今回はチームの初陣の活動となり、そこに関われている田中。この2試合で得たいものについては、「アジアカップまで外国人の選手とやれるのはこの合宿しかないので、強度のところはシーズン中ということはあると思いますが、個人的には守備と攻撃の強度。オリンピックで強度の差を自分は感じたので、それが試せる良い機会ですし、みんながチャレンジして、持っている以上の力を出さないと強度は上がらないので、そこはトライしていきたいです」と、海外のチームの強度をしっかりと感じられるようなトライが必要だとした。
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