いよいよW杯予選最終節がやって来た…/原ゆみこのマドリッド
2021.11.14 19:15 Sun
「今回は水曜試合が最後なのね」そんな風に私がホッとしていたのは土曜日、スペイン代表はもう翌日のスウェーデン戦でお開きとなることもあり、マドリッドのクラブから選手が行っている他の代表の日程をチェックしていた時のことでした。いやあ、9月10月の各国代表戦はとりわけ3試合開催となったW杯南米予選の最終戦が木曜になったため、参加した選手たちの帰りが遅くなり、リーガも翌週火曜にCLグループリーグを控えるチームの試合を延期。計4カードが未消化となったりしたんですが、今年最後の各国代表戦はようやく通常モードに復帰することに。
早期終了組のスペインにはコケ(アトレティコ)とカルバハル(レアル・マドリー)以外、マドリッド勢はいないものの、ヨーロッパの代表戦の最終日は火曜。フィンランド戦に挑むフランスからはグリーズマン(アトレティコ)、ベンゼマ(マドリー)が、トルコ戦があるモンテネグロからはサビッチ(アトレティコ)が、ウェールズvsベルギー戦では前者からベイル、後者からアザールと双方、これまであまりマドリーの力にはなれていない2人、更にGKクルトワ(マドリー)、カラスコ(アトレティコ)が、水曜にはクラブの練習に戻って来られるんですよ。
片や、南米の各国代表選手たちも2試合目のボリビア戦が火曜にあるウルグアイから、ルイス・スアレス、ヒメネス(アトレティコ)、アランバリ、ダミアン(ヘタフェ)が、水曜のアルゼンチンvsブラジル戦では前者からデ・パウル、コレア(アトレティコ)、後者からはクーニャ(アトレティコ)、1試合目のウルグアイ戦で累積警告となったカセミロを除いた、ビニシウス、ミリトンらのマドリー勢も木曜夜には到着できるはず。となれば、週末土曜のアトレティコvsオサスナ戦、日曜のヘタフェvsカディス戦、グラナダvsマドリー戦には何の問題もないかと。加えて、その頃には今週から、マハダオンダ(マドリッド近郊)やバルデベバス(バラハス空港の近く)のグラウンドで徐々にチーム練習に加わり始めたマルコス・ジョレンテやレマル、バルベルデやマリアーノも実戦復帰の用意が整いそうですしね。
どちらにしろ、paron(パロン/リーガの停止期間)直前、マドリーとの兄弟分ダービーで全治1カ月のケガを太ももに負ったファルカオはコロンビア代表にも行けず、リーガもしばらくお休み。9月に負傷して以来、とうとう今週木曜にはグラウンドでのトレーニングを始めたという久保建英選手はまだ来られないと思いますが、月曜にマジョルカをエスタディオ・バジェカスに迎える試合をラージョがエース不在で戦わないのは変わりませんしね。とりあえず、今のところはマドリッド勢の各国代表選手がケガをしたという報は入っていないんですが、12月19日の週末後に始まる待望のクリスマス休暇まであとひと踏ん張り。あまりケガ人が増えず、今年最後の連戦を越えられるといいんですが。
え、それより来年3月のrepesca(レペスカ/プレーオフ)に回るか、グループ1位をスウェーデンから奪還して、W杯出場権を年内にゲットするかが懸かっていたスペイン代表のギリシャ戦はどうだったのかって?いやあ、それがアテナのオリンピック・スタジアムでの開催だったため、またスタンドがbengala(ベンガラ/発煙筒)祭りになるんじゃないかと私も恐れていたんですけどね。蓋を開けてみれば、コロナ規制のため、当局が4万人に限定した観客どころか、噂によると、15ユーロ(約2000円)のチケットが高すぎるとかで、7000人しか、スタジアムには来ず。最近では珍しい程、淋しいガラガラ状態だったんですが、それもスペインにはありがたかったのかも。
とはいえ、先制点のキッカケとなったのはセットプレーで、前半7分にマソウラス(オリンピアコス)のゴールがオフサイドで認められないドッキリがあった後の24分、スペインはCKでイニゴ・マルティネス(アスレティック)がヤヌリス(ノリッジ・シティ)に倒され、PKをゲット。これを「Ya habíamos hablado dentro que si había un penalti lo tiraba/ジャー・アビアモス・アブラードー・デントロ・ケ・シー・アビア・ウン・ペナルティ・ロ・ティラバ(もう内輪で話し合っていて、もしPKがあったら、ボクが蹴ることになっていた)」というサラビアが決め、スペインはリードを奪うことに。
いやあ、何せPKに関してはこのところ、ツイていないスペインで、セルヒオ・ラモス(PSG)が1試合で2回、昨夏のユーロ2020前、ブスケツ(バルサ)のコロナ陽性で親善試合ができなくなった際、U21メンバーでA代表を名乗ってプレーしたリトアニア戦ではアベル・ルイス(スポルティング・ブラガ)、そしてユーロでもジェラール・モレノ(ビジャレアル)、モラタと5回連続PKを失敗していましたからね。おまけにイタリアとのユーロ準決勝のPK戦でも最後はモラタが止められて、決勝行きを逃していたため、ちょっとドキドキしたんですが、この日は入ってくれて本当に良かったかと。
だってえ、後半11分にはサラビア、RdTがダニ・オルモ(ライプツィヒ)、ロドリゴ・モレノ(リーズ)に交代。敵に顔をはたかれ、「No quería salir, estaba mareado, veía doble/ノー・ケリア・サリール、エスタバ・マレアードー、ベイア・ドブレ(物が二重に見えて、気持ち悪くなっていたのに出たがらなかった)」(ルイス・エンリケ監督)という、 17才ながら、最近、代表レギュラーに定着したようなガビ(バルサ)をブスケツに代えた20分にはモラタも下がり、フォルナルス(ウェストハム)投入と前線の3人を一新したにも関わらず、スペインは最後まで追加点を奪えなかったんですよ。0-1でも勝ち点3なのは同じですし、この日、勝たないと2位でプレーオフ参加の可能性もなくなるギリシャがシャカリキになって攻めてくるということもなかったため、別にいいんですが、そんな後半はちょっと単調だったかもしれませんね。
この結果、スペインはスウェーデンを抜いて、勝ち点差1でグループ首位に復帰したんですが、まだW杯出場は確定せず。というのも、この日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からの予選最終節でスウェーデンとの直接対決が控えているからで、うーん、一応、引分けても1位のままなんですけどね。ギリシャ戦の翌日、アテナでセッションを行った後、夜には開催地のセビージャ(スペイン南部)に移動したチームは土曜の夕方にカルトゥーハで前日練習となりました。
ちなみにこちらは私も代表のオフィシャルツィッター(@SeFutbol)のライブストリーミングで、冒頭15分を見ていたんですが、先に練習したスウエーデン代表のアンデルソン監督が芝を守るため、ゴール前に日照灯が置かれてピッチの一部が使えなくなっているのに激怒。チームを置いてけぼりにして、ロッカールームに帰ってしまったというのはともかく、スペインも公開部分はほとんどロンド(輪の中の選手がボールを奪うゲーム)ばかりで、とても先発予想ができるようなものじゃないですしね。
よって今度はギリシャ戦で次戦出場停止となるイエローカードをもらうのを避けるため、ジョルディ・アルバ(バルサ)と共に控えに回ったブスケツがイニエスタ(ヴィッセル神戸)に1差をつけ、歴代単独4位となった代表戦出場試合数133を更新。奇しくも代表戦後にはバルサの監督として再会することになる、先輩チャビと並ぶ3位になれるのかはわかりませんが、実は彼、2009-10シーズンにはイブラヒモビッチともチームメートだったという経験が。
試合前の記者会見ではその点を訊かれ、「彼がまだサッカーを楽しめて、体とメンタルがそうさせてくれるならパーフェクトだよ。Jugar con 40 años no es fácil y él lo está haciendo/フガール・コン・クアレンタ・アーニョス・ノー・エス・ファシル・イ・エル・ロ・エスタ・アシエンドー(40才でプレーするのは簡単じゃないのに彼はやっている)」と言っていましたが、まあそういう当人ももう33才。今年の3月以来、35才のラモスがケガ続きで代表に呼ばれなくなってからは最年長者になっていたって、気づいていますか?
一方、ギリシャ戦の後にファンの後押しを頼んだのが効いたか、前日には5万7619枚のチケットが完売。カルトゥーハではキャパが40%ほどだったユーロ2020グループリーグ以上の応援が受けられることになったせいか、機嫌の良かったルイス・エンリケ監督は「El plan no ha cambiado nada/エル・プラン・ノー・ア・カンビアドー・ナーダ(プランは何も変わっていない)。11月は2試合共、勝たないといけないと考えてきて、それを続けるだけだ」と言っていましたが、まあ確かに。何せ、そのユーロ初戦はまさにスウェーデンとのスコアレスドローでスタート。その後もポーランドと1-1、ようやくスロバキアに0-5で勝って、グループ突破したという過去がありますからね。
更に9月のW杯予選アウェイ戦ではイサクとクラエソン(クラスノダール)のゴールで2-1とスウェーデンに負けているとなると、引分けでもOKだからなんて、油断したらヤケドする?まあ、その辺はルイス・エンリケ監督も選手たちに口を酸っぱくして言っていると思いますが、ラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設で合宿が始まった当初はラジオのインタビューで、「Estar en el Mundial no es una obligación/エスタル・エン・エル・ムンディアル・ノー・エス・ウナ・オブリガシオン(W杯に出るのは義務じゃない)」と口を滑らせ、炎上したロドリ(マンチェスター・シティ)のようなうっかり者もいましたからね。
一応、アトレティコの先輩カンテラーノ(Bチーム出身の選手)として、コケなどが「Para nosotros es una responsabilidad estar en el Mundial/パラ・ノソトロス・エス・ウナ・レスポンサビリダッド・エスタル・エン・エル・ムンディアル(ボクらにはW杯に出場する責任がある)」とフォローしてあげていたんですが、とにかくここは必勝を目指すことが大事。下手してプレーオフなどに行ったら、今回は2チームと対決して勝ち抜くという難行になりますしね。それどころか、もしW杯に行けないようなことになったら、いえ、まだリーガの予定は出ていないんですが、2022年は大会開催の11月21日のしばらく前から、12月18日まで、スペイン人選手たちはバケーション?それも恐ろしいような気がするため、モラタでもサラビアでもダニ・オルモでもゴールを挙げて、スウェーデンに勝ってくれるといいのですが…。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
早期終了組のスペインにはコケ(アトレティコ)とカルバハル(レアル・マドリー)以外、マドリッド勢はいないものの、ヨーロッパの代表戦の最終日は火曜。フィンランド戦に挑むフランスからはグリーズマン(アトレティコ)、ベンゼマ(マドリー)が、トルコ戦があるモンテネグロからはサビッチ(アトレティコ)が、ウェールズvsベルギー戦では前者からベイル、後者からアザールと双方、これまであまりマドリーの力にはなれていない2人、更にGKクルトワ(マドリー)、カラスコ(アトレティコ)が、水曜にはクラブの練習に戻って来られるんですよ。
どちらにしろ、paron(パロン/リーガの停止期間)直前、マドリーとの兄弟分ダービーで全治1カ月のケガを太ももに負ったファルカオはコロンビア代表にも行けず、リーガもしばらくお休み。9月に負傷して以来、とうとう今週木曜にはグラウンドでのトレーニングを始めたという久保建英選手はまだ来られないと思いますが、月曜にマジョルカをエスタディオ・バジェカスに迎える試合をラージョがエース不在で戦わないのは変わりませんしね。とりあえず、今のところはマドリッド勢の各国代表選手がケガをしたという報は入っていないんですが、12月19日の週末後に始まる待望のクリスマス休暇まであとひと踏ん張り。あまりケガ人が増えず、今年最後の連戦を越えられるといいんですが。
え、それより来年3月のrepesca(レペスカ/プレーオフ)に回るか、グループ1位をスウェーデンから奪還して、W杯出場権を年内にゲットするかが懸かっていたスペイン代表のギリシャ戦はどうだったのかって?いやあ、それがアテナのオリンピック・スタジアムでの開催だったため、またスタンドがbengala(ベンガラ/発煙筒)祭りになるんじゃないかと私も恐れていたんですけどね。蓋を開けてみれば、コロナ規制のため、当局が4万人に限定した観客どころか、噂によると、15ユーロ(約2000円)のチケットが高すぎるとかで、7000人しか、スタジアムには来ず。最近では珍しい程、淋しいガラガラ状態だったんですが、それもスペインにはありがたかったのかも。
おまけにその試合の前にはジョージアvsスウェーデン戦がすでに終わっていたんですが、予期せぬ波乱が起きていたんですよ。というのもイサク(レアル・ソシエダ)とイブラヒモビッチ(ミラン)のツートップで挑みながら、後半にクバラツヘリア(ルビン・カサン)に2ゴールを許し、スウェーデンが2-0で負けてしまったからで、これにはスペインの選手たちもビックリしたのでは?それと今回、負傷したアンス・ファティ(バルサ)の代わりに初招集となったRdTこと、ラウール・デ・トマス(エスパニョール)がルイス・エンリケ監督から先発指名。「No me esperaba ser titular/ノー・メ・エスペラバ・セル・ティトゥラル(スタメンに入るとは思ってなかった)」という当人のショック度のどちらが大きかったかはわかりませんが、試合は彼とモラタ(ユベントス)、サラビア(スポルティングCP)の前線でスタートします。
とはいえ、先制点のキッカケとなったのはセットプレーで、前半7分にマソウラス(オリンピアコス)のゴールがオフサイドで認められないドッキリがあった後の24分、スペインはCKでイニゴ・マルティネス(アスレティック)がヤヌリス(ノリッジ・シティ)に倒され、PKをゲット。これを「Ya habíamos hablado dentro que si había un penalti lo tiraba/ジャー・アビアモス・アブラードー・デントロ・ケ・シー・アビア・ウン・ペナルティ・ロ・ティラバ(もう内輪で話し合っていて、もしPKがあったら、ボクが蹴ることになっていた)」というサラビアが決め、スペインはリードを奪うことに。
いやあ、何せPKに関してはこのところ、ツイていないスペインで、セルヒオ・ラモス(PSG)が1試合で2回、昨夏のユーロ2020前、ブスケツ(バルサ)のコロナ陽性で親善試合ができなくなった際、U21メンバーでA代表を名乗ってプレーしたリトアニア戦ではアベル・ルイス(スポルティング・ブラガ)、そしてユーロでもジェラール・モレノ(ビジャレアル)、モラタと5回連続PKを失敗していましたからね。おまけにイタリアとのユーロ準決勝のPK戦でも最後はモラタが止められて、決勝行きを逃していたため、ちょっとドキドキしたんですが、この日は入ってくれて本当に良かったかと。
だってえ、後半11分にはサラビア、RdTがダニ・オルモ(ライプツィヒ)、ロドリゴ・モレノ(リーズ)に交代。敵に顔をはたかれ、「No quería salir, estaba mareado, veía doble/ノー・ケリア・サリール、エスタバ・マレアードー、ベイア・ドブレ(物が二重に見えて、気持ち悪くなっていたのに出たがらなかった)」(ルイス・エンリケ監督)という、 17才ながら、最近、代表レギュラーに定着したようなガビ(バルサ)をブスケツに代えた20分にはモラタも下がり、フォルナルス(ウェストハム)投入と前線の3人を一新したにも関わらず、スペインは最後まで追加点を奪えなかったんですよ。0-1でも勝ち点3なのは同じですし、この日、勝たないと2位でプレーオフ参加の可能性もなくなるギリシャがシャカリキになって攻めてくるということもなかったため、別にいいんですが、そんな後半はちょっと単調だったかもしれませんね。
この結果、スペインはスウェーデンを抜いて、勝ち点差1でグループ首位に復帰したんですが、まだW杯出場は確定せず。というのも、この日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からの予選最終節でスウェーデンとの直接対決が控えているからで、うーん、一応、引分けても1位のままなんですけどね。ギリシャ戦の翌日、アテナでセッションを行った後、夜には開催地のセビージャ(スペイン南部)に移動したチームは土曜の夕方にカルトゥーハで前日練習となりました。
ちなみにこちらは私も代表のオフィシャルツィッター(@SeFutbol)のライブストリーミングで、冒頭15分を見ていたんですが、先に練習したスウエーデン代表のアンデルソン監督が芝を守るため、ゴール前に日照灯が置かれてピッチの一部が使えなくなっているのに激怒。チームを置いてけぼりにして、ロッカールームに帰ってしまったというのはともかく、スペインも公開部分はほとんどロンド(輪の中の選手がボールを奪うゲーム)ばかりで、とても先発予想ができるようなものじゃないですしね。
よって今度はギリシャ戦で次戦出場停止となるイエローカードをもらうのを避けるため、ジョルディ・アルバ(バルサ)と共に控えに回ったブスケツがイニエスタ(ヴィッセル神戸)に1差をつけ、歴代単独4位となった代表戦出場試合数133を更新。奇しくも代表戦後にはバルサの監督として再会することになる、先輩チャビと並ぶ3位になれるのかはわかりませんが、実は彼、2009-10シーズンにはイブラヒモビッチともチームメートだったという経験が。
試合前の記者会見ではその点を訊かれ、「彼がまだサッカーを楽しめて、体とメンタルがそうさせてくれるならパーフェクトだよ。Jugar con 40 años no es fácil y él lo está haciendo/フガール・コン・クアレンタ・アーニョス・ノー・エス・ファシル・イ・エル・ロ・エスタ・アシエンドー(40才でプレーするのは簡単じゃないのに彼はやっている)」と言っていましたが、まあそういう当人ももう33才。今年の3月以来、35才のラモスがケガ続きで代表に呼ばれなくなってからは最年長者になっていたって、気づいていますか?
一方、ギリシャ戦の後にファンの後押しを頼んだのが効いたか、前日には5万7619枚のチケットが完売。カルトゥーハではキャパが40%ほどだったユーロ2020グループリーグ以上の応援が受けられることになったせいか、機嫌の良かったルイス・エンリケ監督は「El plan no ha cambiado nada/エル・プラン・ノー・ア・カンビアドー・ナーダ(プランは何も変わっていない)。11月は2試合共、勝たないといけないと考えてきて、それを続けるだけだ」と言っていましたが、まあ確かに。何せ、そのユーロ初戦はまさにスウェーデンとのスコアレスドローでスタート。その後もポーランドと1-1、ようやくスロバキアに0-5で勝って、グループ突破したという過去がありますからね。
更に9月のW杯予選アウェイ戦ではイサクとクラエソン(クラスノダール)のゴールで2-1とスウェーデンに負けているとなると、引分けでもOKだからなんて、油断したらヤケドする?まあ、その辺はルイス・エンリケ監督も選手たちに口を酸っぱくして言っていると思いますが、ラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設で合宿が始まった当初はラジオのインタビューで、「Estar en el Mundial no es una obligación/エスタル・エン・エル・ムンディアル・ノー・エス・ウナ・オブリガシオン(W杯に出るのは義務じゃない)」と口を滑らせ、炎上したロドリ(マンチェスター・シティ)のようなうっかり者もいましたからね。
一応、アトレティコの先輩カンテラーノ(Bチーム出身の選手)として、コケなどが「Para nosotros es una responsabilidad estar en el Mundial/パラ・ノソトロス・エス・ウナ・レスポンサビリダッド・エスタル・エン・エル・ムンディアル(ボクらにはW杯に出場する責任がある)」とフォローしてあげていたんですが、とにかくここは必勝を目指すことが大事。下手してプレーオフなどに行ったら、今回は2チームと対決して勝ち抜くという難行になりますしね。それどころか、もしW杯に行けないようなことになったら、いえ、まだリーガの予定は出ていないんですが、2022年は大会開催の11月21日のしばらく前から、12月18日まで、スペイン人選手たちはバケーション?それも恐ろしいような気がするため、モラタでもサラビアでもダニ・オルモでもゴールを挙げて、スウェーデンに勝ってくれるといいのですが…。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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