「全てを変えなければ」チームを変革させ続けてきた名古屋・フィッカデンティ監督、初のルヴァンカップ制覇へ「出せるものを全て出す」

2021.10.29 20:33 Fri
©超ワールドサッカー
30日、YBCルヴァンカップ決勝の名古屋グランパスvsセレッソ大阪が埼玉スタジアム2002で開催される。

2日前に行われた天皇杯準々決勝でも対戦した両者。その試合では、セットプレーを生かしたC大阪が、3-0で勝利。前哨戦で快勝を収めた。
一方で、リーグ戦では名古屋が3位を争っているのに対し、C大阪は長らく残留争いに巻き込まれており、現在は12位と下位にいる状況だ。

初のルヴァンカップ制覇を目指す名古屋のマッシモ・フィッカデンティ監督が、オンラインで行われた前日記者会見に出席。水曜日の天皇杯の借りを返す試合となる。

「色々な大変な日程でやってきたことなどあるが、それだけの犠牲を払ってきた中でこの舞台に立てるということを考えると、何人かの選手を天皇杯から代えるかもしれないが、言い訳はなしで、これだけの舞台ではなかなか戦えないんだと。しょっちゅう来ないということを頭に入れて、出せるものを全て出す。試合にどうアプローチするかが結果を左右するので、その気持ちで選手たちをグラウンドに送り出したいと思う」
観客は2万人が上限となり、今までとは違う雰囲気での試合ができる。「この2年間、そういった部分は凄く残念だなと感じていた。みんな全員とやれないことが、凄く残念だと思っており、繰り返し述べてきた」とコメント。また、スタジアムにいるいないは関係なく、名古屋ファンに向けては「明日スタジアムにいらっしゃらない方というよりも、どんな形であれ名古屋を応援してくれる方の思いは届いているので、みなさんと一緒に戦って、みなさんと一緒に喜べる結果にしたいと思う」と、一緒に優勝を掴み取ろうと意気込んだ。

名古屋はケガにより離脱しているDF丸山祐市、MF阿部浩之、MF米本拓司の3名以外が帯同している。スタメンについては「手術というレベルの処置をした丸山、阿部、米本。最近出ていた中では米本だが、その3人以外は試合に出られる状況で、全員来ている。明日の直前に決めたいと思っている」と語り、天皇杯を戦ったメンバーがどの程度出るかは検討すると応えた。

また、「ACLに向けて13日に出発してから29日まで、あと何日か犠牲を払ってきた価値があることを、自分たち自身で良い終わり方をさせたいと思う」と、過密なスケジュールだけでなく、バブル方式での生活を余儀なくされていることの報いを得たいと語り、「相手がどうこうというよりも、どれだけ自分たちの力を出し切れるかに選手たちにも神経を使ってもらいたいので、私自身もそういった準備の仕方を徹底して、この2日間やっている」と、タイトルへ万全の準備をしたいと語った。

2019年の最後にチームを率い始めたフィッカデンティ監督。この2年間で大きくチームは変化した。フィッカデンティ監督は「振り返ると本当に大変だった。難しい状況からあらゆるものを変える必要があるなと、ここに来た瞬間に感じた」と、チームの状況は本当に良くなかったとコメント。「グランパスの周りを取り囲む環境が、残念だ、もったいないな、面白くないなという雰囲気に満ちている状況だった」とし、「その空気を変える、色々なことを変えていく。そして結果を出していきながらやっていかなければいけないというところから作業を始めた」と、結果とともに、チームの改革が必要だったと明かした。

その報いがあり、今シーズンはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)に出場し、現在はタイトルへあと一歩のところまで来ている。「1年目もACLに出場するという結果を出したし、それは私が出したというよりグランパスのチームが出したというもので、その中で2年目を迎えて、今年もACLで韓国で敗れたが、相手はファイナルに行っている。強いチームに当たるまではしっかりと勝ち続けたと言えると思う」と、今シーズンはしっかりと戦えている実感があるという。

また、「天皇杯もセレッソに敗れたが、準々決勝まで行った。明日ファイナルがある。今年もACLを争える位置にリーグではいるということで、そういった取り組みが全て、何か結果として残る形で1年を過ごしたことで、皆さんの記憶にも残ると思う。そこも含めて、明日勝つことで全てが良い方向に向かうとわかっている」と、集大成としてのタイトル獲得が必要だと語った。

一方で「負けてしまったら、大きな失望はその瞬間あるが、そういった部分の失望は、降格することなどとは全く違う種類のものだということを、しっかりと見分ける必要がある。やる前に負ける話をしてもしょうがないが、そういう舞台でチャレンジするまでは、その失望感も味わえないので、しっかりと勝って喜ぶということと、ここまで来れたことを誇りに思って、選手たちにはやってもらいたいと思う」と、負けても得るものがあると考えながらも、しっかりと勝利を目指すとした。

この2年間で、ここまで変化をもたらせたが、最も変えた部分については「特にどこが変わったかというと全てだ。全てを変えなければいけないほどの状況にあった」と、何もかもが変化。チームの意識、雰囲気を全て変えてここまでやってきたと語った。

「2019年の残り何試合か、残留を勝ち取らなければいけない状況で声をかけてもらって、残留を目指して戦えた。2018年にグランパスがJ1に戻ってきて、最終節の試合では自分たちの結果次第で残留できない状態だった。瑞穂で他会場の結果を待って、川崎フロンターレとジュビロ磐田の試合の結果を待って、グランパスの試合が終わってから他会場の状況が変わって試合が終わって時間が経ってからニュースが入ってきて、お祝いをして残留を確定したところから、2019年も同じように下を争うという雰囲気の中で、グランパスはこんな風ではないという雰囲気がありながらも、実際には全てを変えないと新しいサイクルは始めることはできない。ずっとこれを繰り返すなと思ったところから、私はこのチームの作業として、基礎、基盤から作り直さなければいけないというところから手をつけられた」

「結果としてすごく短い時間で、私1人が結果を出したのではなく、ビジョンを持って、こういうやり方をして、グランパスが本来いるべき場所に戻りましょうというのを社長をはじめ、同じ感覚でその通りやりましょうと。全員がマッシモを支えるからという空気を作ってくれたので、この短期間で結果を出したというよりは、タイトルを争えるところまで上げてこれたのかなと思っている」

「まだまだ本来いるべきところはもっと上だと思うので、こういった作業を続けていかなければいけないと思う」
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大宮アルディージャの長澤徹監督が、YBCルヴァンカップ2回戦の名古屋グランパス戦を振り返った。 今シーズンから明治安田J3リーグを戦う大宮。ルヴァンカップのレギュレーションが変更となり、J1からJ3までの全60クラブがトーナメントで当たる方式となり、J3ながらJ1クラブとの戦いとなった。 共にリーグ戦とはメンバーを入れ替えて臨んだ試合。大宮は序盤にチャンスを作るも活かせないでいくが、名古屋のインテンシティの高さに対応してゴールを許さないまま試合を進める。 しかし、前半終了間際のCKからパトリックに決められ失点すると、1点ビハインドで迎えた後半はGK加藤有輝がボールをコントロールしようとした中でミスをしてしまいPKを与え、パトリックに決められ2点差に。攻撃の形を上手く作れないまま試合は終了し、2回戦敗退となった。 試合後の記者会見に出席した長澤監督は、冒頭で平日にも関わらず5000人を超えた観客に感謝を示した。 「まず平日ナイターにもかかわらず5000人以上のサポーターに来ていただき、名古屋も1000人以上来ていたようですが、大宮のサポーターに凄く悔しい思いをさせてしまって申し訳ないと思っています」 「この先リーグも続いていくので、しっかり取り戻せるように、また準備していきたいと思います」 試合については「良くなかった」と振り返り、チームとして基本的なところの差があることを感じさせられたと振り返った。 「ゲームは正直、良くなかったです。最初にクイックスタートから決定機を掴んだんですが逃してしまい、逆に勝負どころで失点を食らっている。エラーで失点をしてしまい、カテゴリーが違うときのゲームで典型的なやられ方で、そこの準備ができなかったことは自分の指導力のなさを感じています」 「このグループでプレシーズンからやってきて、全体が揃ったゲームは初めてでした。やっぱりしっかりと学ばないといけないなと。戦術的というよりも、インテンシティで完全に持っていかれてしまって、本質のところを抑えないと、いつも通り進めないなとまざまざと目の前で見せられました」 「スコアは0-2でしたが、残り15分は打たれっぱなしになってしまいました。そこで個として、システムが割れた中で対応できるのか。そこを確認して、悔しい敗戦ですけど、糧にしてリーグにつなげていきたいと思います」 J3では無敗をキープして首位に立つ大宮。天皇杯でこそJ1クラブとも対戦しているが、J1を離れて7シーズン目を迎えており、選手個々とチームとしてのクオリティの差を感じる戦いとなった。 前半終了間際、そして後半の早い時間帯でのミスと2津の失点についても言及。チーム全体で、試合を読む、プレーの感覚の掴み方が上手くいっていないことを反省しないといけないと語った。 「カテゴリーの違うゲームのあるあるですが、相手がここに行くぞというところを感じられるかどうかです。やってしまった部分は仕方ないんですが、グループとしてエラーが出る状態というのはあまり良い状態ではないです」 「1人がそうなった時にグループで引き上げられるかどうか。それを感じているかどうかというのが、ちょっと今日は鈍かったなと思います」 「多少上手くポジションが取れない、ボールが動かせないという時間帯はありますけど、抑えるところを抑えてゲームをやっていかないと勝負とはかけ離れていってしまいます。プレシーズンからずっとやってきましたが、今日に関しては抑えるところを抑えずにゲームをやっていってしまったなというところです」 「私も含めてですが、選手は11人プラス、サブメンバーを含めて、耐える時、行く時というのが揃わないと、勢いというのが作れません。そういう意味で名古屋は出ると引くがハッキリしていたチームだなと思っていました」 また、これはJ1クラブをリスペクトし過ぎたという訳ではないとコメント。「プレシーズンから一番大事にしてきたことなので、受け止められないとも思っていないですし、もう1回今日は気を引き締めろということだと思います」と、チームとしてJ3優勝、J2昇格を果たすために、痛感させられるものがあったとした。 主力選手がプレーしなかったという側面もある一方で、チーム内で組み合わせによって力の差があることも露呈。リーグ戦に向けてどう修正をするのか。中3日でアウェイ・福島ユナイテッドFC戦が控えている。 2024.04.17 23:42 Wed

町田vs鹿島が3回戦で実現! その他のカードは4月24日に決定【YBCルヴァンカップ】

Jリーグは17日、YBCルヴァンカップ2回戦の11試合が終了。3回戦のキックオフ時刻、スタジアムを発表した。 今シーズンからJ1、J2、J3の全60クラブが参加するトーナメント方式に変更となったルヴァンカップ。17日の2回戦ではJ1クラブが出場し、1回戦を勝ち上がった下部リーグのクラブとの試合となった。 11試合のうち、下剋上を果たしたのはV・ファーレン長崎のみ。ジュビロ磐田相手に1-0で勝利を収めたていた。 J3クラブではヴァンラーレ八戸が鹿島アントラーズを追い込み延長戦にもつれ込んだものの敗戦。FC今治は昨シーズンのJ1王者であるヴィッセル神戸を追い込んだが、こちらも延長戦で敗戦。松本山雅FCはアビスパ福岡とPK戦にまでもつれ込んだが、こちらも力尽きることとなった。 24日にも2回戦が行われて全ての3回戦進出チームが決定する中、3回戦の1カードが決定。FC町田ゼルビアと鹿島アントラーズの対戦となった。 町田vs鹿島は5月22日(水)の19時から、町田GIONスタジアムで行われる。その他のカードは、24日の結果を待って決定される。 ◆3回戦 (※…は4/24に決定) [38] 5/22(水) ヴィッセル神戸 vs [19]勝者チーム(富山or清水)※ [39] 5/22(水) [20]勝者チーム(奈良or広島)※ vs 東京ヴェルディ [40] 5/22(水) [22]勝者チーム(鳥取or浦和)※ vs V・ファーレン長崎 [41] 5/22(水) 《19:00》 FC町田ゼルビア vs 鹿島アントラーズ [町田GIONスタジアム] [42] 5/22(水) 名古屋グランパス vs [27]勝者チーム(岡山or横浜FC)※ [43] 5/22(水) アビスパ福岡 vs [29]勝者チーム(群馬or柏)※ [44] 5/22(水) セレッソ大阪 vs [31]勝者チーム(琉球orG大阪)※ [45] 5/22(水) アルビレックス新潟 vs [33]勝者チーム(秋田or湘南)※ [46] 5/22(水) FC東京 vs [35]勝者チーム(熊本or鳥栖)※ [47] 5/22(水) 北海道コンサドーレ札幌 vs [37]勝者チーム(長野or京都)※ 2024.04.17 22:55 Wed

J3無敗の大宮を名古屋が撃破!J1勢が意地見せ下位カテゴリー勝者は長崎のみ【YBCルヴァンカップ】

17日、YBCルヴァンカップ1stラウンド2回戦の11試合が各地で行われた。 2024シーズンから新方式となり、J1からJ3までの全60クラブが出場する同大会は、2回戦からはJ1勢が登場。1回戦のような下位カテゴリーの下剋上も期待されたが、J1勢が意地や勝負強さを見せ付けた。 J3無敗で首位を走る大宮アルディージャはJ1・8位の名古屋グランパスをホームに迎えたが、0-2で敗れ、今季公式戦初黒星を喫した。 キックオフ直後に倍井謙がいきなりのフィニッシュを見せた名古屋は、大宮にボールを握らせながら、23分には倍井が1人ロングカウンターでボックス内まで持ち運んだが、ラストタッチが乱れ、シュートは浦上仁騎にカバーされた。 それでも、大きな破綻なく試合を進め、前半終了間際に試合を動かす。右CKを獲得すると、倍井のキックにパトリック。濱田水輝と競り合いながらも力強いヘディングを沈め、加入後初ゴールをマークする。折り返しての54分には相手GKのトラップミスからPKを獲得し、パトリックが沈めてリードを広げると、その後もチャンスを多数作り、初出場となったピサノアレックス幸冬堀尾も無失点でタイムアップを迎えている。 鹿島アントラーズと対戦したヴァンラーレ八戸、ヴィッセル神戸と対戦したFC今治は、ともに先制しながらも、延長戦に末に逆転負け。松本山雅FCもアビスパ福岡から先手を取ったが追い付かれ、PK戦の末にJ1勢の意地に屈した。 また、J1首位のC大阪はいわてグルージャ盛岡と初の顔合わせに。大幅ターンオーバーの中で主導権を握るもゴールが遠かったが、小菊昭雄監督が66分に4枚替えを決行すると、これが的中。この1分後に途中出場の選手が絡んで試合を動かす。 左サイドの深い位置でルーカス・フェルナンデスが新玉瑛琉とのせめぎ合いを制してマイナスに折り返すと、ヴィトール・ブエノが右上隅へのコントロールショットを沈め、これが決勝点となった。 この日唯一上位カテゴリーを撃破したのはJ2のV・ファーレン長崎。昨季J1昇格を争ったジュビロ磐田を櫛引一紀のゴールで退け、3回戦進出を決めている。 その他の結果は以下の通り。 ◆1stラウンド2回戦 ▽4月17日 いわてグルージャ盛岡 0-1 セレッソ大阪 ヴァンラーレ八戸 1-2 鹿島アントラーズ FC今治 1-2 ヴィッセル神戸 鹿児島ユナイテッドFC 0-1 東京ヴェルディ V・ファーレン長崎 1-0 ジュビロ磐田 ギラヴァンツ北九州 1-2 FC町田ゼルビア 大宮アルディージャ 0-2 名古屋グランパス 松本山雅FC 1-1(PK2-4) アビスパ福岡 いわきFC 0-2 アルビレックス新潟 Y.S.C.C.横浜 0-4 FC東京 アスルクラロ沼津 1-3 北海道コンサドーレ札幌 ▽4月24日 《19:00》 奈良クラブ vs サンフレッチェ広島 カターレ富山 vs 清水エスパルス ファジアーノ岡山 vs 横浜FC FC琉球 vs ガンバ大阪 ブラウブリッツ秋田 vs 湘南ベルマーレ ロアッソ熊本 vs サガン鳥栖 AC長野パルセイロ vs 京都サンガF.C. ザスパ群馬 vs 柏レイソル 《19:30》 ガイナーレ鳥取 vs 浦和レッズ 2024.04.17 21:52 Wed
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