U-22日本代表の冨樫剛一監督が、U-22カンボジア代表戦の勝利を振り返った。
26日、AFC U23アジアカップウズベキスタン2022予選のグループK初戦でU-22日本代表はU-22カンボジア代表と対戦し、4-0で勝利を収めた。
およそ2年ぶりとなる国際試合に臨んだアンダー世代の日本。冨樫監督にとっては、代表監督としての初陣となった試合だったが、国際経験の少ない選手たちは序盤から硬さが見られた。
それでも10分に右CKから松木玖生(青森山田)がファーサイドで合わせて先制すると少しはマシに。それでも硬いプレーが続き、なかなかチャンスを生かせなかったが、45分に甲田英將(名古屋グランパスU-18)が右サイドからのカットインからゴールを決め、2-0で試合を折り返す。
後半に入っても主導権は日本が掴むと、52分にスルーパスを受けた細谷真大(柏レイソル)が落ち着いて決めて3点目。73分には中村仁郎(ガンバ大阪ユース)もゴールを奪い、4-0で快勝した。
まずは勝利で終えた冨樫監督。試合を振り返り選手たちに硬さがあったことを認めた。
「2年ぶりの国際試合、国歌斉唱して、ピッチに立った瞬間は硬さがやはり見られたと感じています。その中で失点をしないで、得点を重ねて勝てたことが最大の成果であり、予選を突破するに向けては大事な初戦だったと思います」
選手たちの緊張感については「ウォーミングアップを含めて、もう少し大丈夫かなと思っていましたが、想像よりもやはり硬かったですし、大事にプレーしようとか、正解を探しながらプレーしていたように見えたので、ミーティングでもう一度整理しないといけないなと思います」とコメント。想像を超えてきたとし、2日後のU-22香港代表戦までに改善したいと語った。
その中で松木が10分と早い段階で先制ゴールを決め、少しはほぐれた感じがあった。「こういう国際試合でリスタートで優位に立てるのは大きいですし、準備してきたものの中の1つなので、それで先制点を取れたことは良かったです」とコメント。松木自身のプレーについては「日本が苦しい、なかなか難しいゲームの中でしっかりゴールという数字を残したのは彼の特徴だと思います。彼がそういう目を持っている、スペースやこぼれ球に良い目を持っていると思ったので選びましたし、結果が出て良かったです」と語り、活躍は予想通りだったとした。
この試合では、松木の他、甲田、中村と高校世代の3選手がゴールを決めている。その点については「このチームは幅広い年代で編成していますし、育成年代から積み上げてきたもの、スカウティングを含めて上に繋がる選手だからこそ、このチームにいるので、結果としても自分たちの存在意義を示せたのかなと思います」と、飛び級であっても結果が残せると感じていたとコメント。また、「幅広い年代でチームを編成しているにも関わらず、上も下もサッカーが上手くなりたい、チームで強いものを出したいという思いでトレーニングに取り組んでくれているので、年齢に関わらず、このチームで結果を出したいと思ってくれているので、こういう結果になったと思います」と、若い世代を含めた選手たちのチームへの思いが良いパフォーマンスに繋がっていると語った。
前日の段階では未定と言っていたキャプテンはMF松井蓮之(法政大学)が務めたが「トレーニングを見ていても、彼の振る舞いを含めて、まずキャプテンマークを巻いてもらいました。それ以外にもキャプテンになり得る素質を持った選手がたくさんいますが、キャプテンマークを巻かなくてもキャプテンシーを出せる選手が多いので、代表して蓮之に巻いてもらいました」と語り、総合的に見ての選択だったという。
前半は何度かカンボジアにカウンターを受けていたが、その点については「前半は予想以上に硬さと判断の鈍さが攻守ともにあったので、ハーフタイムでもう一度整理して、攻守に臨んでもらいました」とコメント。「後半は、まだまだ判断の部分がないまま、気持ちでプレーしているのが多かった感じがしています」とし、香港戦に向けて修正したいと語った。
この試合ではほとんどトレーニングできていないJリーグ組の選手たちを途中起用。鈴木唯人(清水エスパルス)、藤尾翔太(水戸ホーリーホック)らがピッチに立った。
その理由については「ゲームの途中からもちろん我々は中1日での連戦の中でプレーするために、いかに良いコンディションを作るかという考えで、藤尾も昨日のトレーニングはほとんどダウンでしたが、動いた方が良いと思って起用しました」とコンディションを上げるために起用したと米と。「今終わって、そのまま出場時間によってトレーニングをしているので、明日も含めて次のゲームに良い状態で臨める準備は始まっています」と、明後日へ既に視線を向けていた。
