リバプールがミランとの壮絶打ち合い制す! 主将ヘンダーソンが値千金の決勝弾《CL》

2021.09.16 06:11 Thu
Getty Images
チャンピオンズリーグ(CL)のグループB第1節、リバプールvsミランが15日にアンフィールドで行われ、ホームのリバプールが3-2で勝利した。

リバプールとミランにアトレティコ・マドリー、ポルトと、今グループステージ屈指の激戦区となったグループB。“死の組”の開幕を告げる今節では、2004-05シーズンと2006-07シーズンのファイナルで死闘を演じた両雄がいきなり激突した。
プレミアリーグで3勝1分けと好スタートを切ったリバプールは、3-0で快勝した直近のリーズ戦から先発4人を変更。足首脱臼の重傷を負ったエリオットに加え、ファン・ダイク、チアゴ、マネをベンチに置き、ジョー・ゴメス、ヘンダーソン、ナビ・ケイタ、オリジを起用した。

一方、リバプールに劣らずセリエA開幕3連勝を飾ったミラン。直近ではサッリ率いる新生ラツィオに2-0の勝利を飾った。8シーズンぶりにCLの舞台に戻ってきたロッソネリは、ラツィオ戦から先発3人を変更。ロマニョーリ、トナーリ、フロレンツィに替えてケアー、ベナセル、サーレマーケルスを起用。なお、新型コロナウイルスの感染から快復したジルーはベンチに入ったものの、ラツィオ戦で4カ月ぶりの戦列復帰から早速ゴールを挙げたイブラヒモビッチはアキレス腱のケガで無念の欠場となった。

試合は立ち上がりからエンジン全開のリバプールが猛攻を仕掛けていく。開始直後は左サイドのロバートソンとジョタの関係性から、オリジ、ジョタとボックス内で連続の決定機を創出する。
さらに、相手に息つく暇を与えない猛烈なプレッシャーで完全に主導権を握ると、その勢いのままにゴールをこじ開ける。相手陣内右サイドのタッチライン際に流れたサラーにボールを預けてインナーラップを仕掛けたアレクサンダー=アーノルドがそのままボックス右に侵入。右足のシュートを放つと、決死のブロックを試みたDFトモリの足に当たって大きくコースが変わったボールがゴールネットを揺らした。

公式記録はトモリのオウンゴールも鮮やかな仕掛けからゴールをこじ開けたリバプール。さらに、13分にはロバートソンのクロスがボックス内のベナセルのハンドを誘い、PKを獲得。だが、キッカーのサラーが左を狙って蹴ったシュートはGKメニャンがビッグセーブ。さらに、こぼれ球に詰めたジョタのシュートもメニャンに驚異的な反応ではじき出された。

守護神メニャンの圧巻の連続セーブで何とか最少得点差を維持したミランだが、相手のハイプレスを前にビルドアップが機能不全に陥る。また、プレス回避のロングボールも屈強な守備陣に撥ね返され、頼みのレオンの左サイドでの仕掛けも、相手守備陣の連動した対応に遭い、攻撃は八方塞に。

一方、リバプールはエースのPK失敗にも慌てることなく畳みかける攻めを見せる。とりわけ、守備に不安を残すレオン、テオ・エルナンデスが並ぶ相手の左サイドを再三攻略し、幾度もゴールに迫る。だが、ケアーとトモリのセンターバックコンビを中心に最後の場面で粘るミランをなかなか仕留め切れない。

以降もリバプールが追加点奪取の可能性を匂わせ続けるワンサイドゲームが続くが、耐え続けたアウェイチームが鮮やか過ぎる逆転劇を演じる。

まずは42分、最後尾のケアーから相手陣内左サイドで浮いたブラヒム・ディアスに浮き球のパスが通ると、そこから内に切り込んだディアスから内に絞っていたサーレマーケルスに斜めのパスが通る。そして、ベルギー代表MFからショートパスを受けた中央のレオンが絶妙なワンタッチパスをボックス左のレビッチが冷静に右足でゴールネットへ流し込んだ。

さらに、畳みかけるミランは直後の44分にカウンターから左サイドを突破。レオンが得意のカットインから先制点と似たような形でボックス左に走り込んだレビッチに何とかスルーパスを通すと、クロアチア代表FWが冷静にワンタッチで折り返す。テオのシュートはDFロバートソンの決死のゴールカバーに遭うが、こぼれ球をディアスが押し込んだ。

内容はホームチームが圧倒もアウェイチームが見事な粘りと、決定力で引っくり返した白熱の一戦。後半のキックオフ直後にはミランが左CKのショートコーナーからケアーがいきなりゴールネットを揺らすが、これは惜しくもオフサイドの判定となった。

肝を冷やしたリバプールだが、この直後に同点に追いつく。49分、相手ボックス付近まで攻撃参加したファビーニョからゴールを背にしてクサビを受けたサラーがオリジに預けてゴール前にランニングを見せると、オリジが絶妙な浮き球のリターンパスを供給。ゴール前でGKと一対一となったサラーはPK失敗を払しょくする冷静なフィニッシュでゴールをこじ開けた。

早い時間帯に追いついたリバプールは前半同様に相手を押し込んでいく。だが、ミランも前半から守備を修正したことで、簡単に決定機を許さない。

以降、やや膠着状態が続いた中、ミランはレオンとサーレマーケルスを下げてジルーとフロレンツィのベテランコンビを投入。一方、リバプールは前半からのフルパワーのプレーで筋肉系にトラブルを抱えたオリジを下げてマネを投入する。

すると、一連の交代策が流れに変化が生まれたか、リバプールがセットプレーから勝ち越しに成功。69分、右CKの流れからペナルティアーク付近でクリアボールに反応したヘンダーソンが抑えの利いた見事な右足のダイレクトシュートをゴール左下隅の完璧なコースに突き刺した。

これで試合を引っくり返すことに成功したホームチームは、ジョタとケイタに替えてカーティス・ジョーンズとチアゴ。試合終盤にはサラーとヘンダーソンのスコアラー2人を下げてオックスレイド=チェンバレン、ミルナーの投入で逃げ切り態勢に入る。

一方、ミランはジルーをターゲットにしたシンプルな攻めで幾度か惜しい場面を作り出すものの、最後の一歩が足りない状況が続く。その後、トナーリにダニエル・マルディーニをピッチに送り込んだものの、リバプールのカウンターを凌いで最少得点差を維持するのが精いっぱいだった。

そして、試合はこのままタイムアップを迎え、過去の2度のファイナル同様にミランと激戦を演じたリバプールがホームでシーソーゲームを制した。
関連ニュース

好戦的サッカーのイタリアーノ監督はフィオレンティーナ退任確実か 伊紙がミランに推薦「このリスクを冒せ」

フィオレンティーナのヴィンチェンツォ・イタリアーノ監督(46)には野心がある。『フットボール・イタリア』が伝えている。 ドイツ出身のイタリアーノ監督。現役時代はエラス・ヴェローナにキエーヴォ・ヴェローナ、ペルージャなどなどプロヴィンチャを渡り歩き、指導者キャリアも2019〜21年のスペツィアでセリエA初指揮。花の都フィレンツェが大都会に感じるほど、30年間地道にこの道を歩いてきた。 そんなイタリアーノ監督、2021-22シーズンからフィオレンティーナ指揮官になると、セリエAで7位、8位、今季ここまで8位と安定した順位を維持。前線からガンガンプレッシングをかける好戦的なサッカーを志向し、昨季はヨーロッパ・カンファレンスリーグ(ECL)準優勝&コッパ・イタリア準優勝という成果を上げた。 しかし、契約は今季限りで、どうやら退任を決意。特色ある46歳の戦術家は、指導者キャリアのステップアップを目指しているという。 『フットボール・イタリア』はイタリアーノをミランに猛プッシュ。退任濃厚とされるステファノ・ピオリ監督(58)の後任として「誰よりも合う」と推す。 「ヤングタレントを伸ばす能力、ヒトを管理する能力。この2つはロンバルディア州の州都(ミラノ)で貴重な要素。イタリアーノが率いたフィオレンティーナの3年間はいずれもポジティブ。ミランがインテルとの差を縮めるために最も必要なものは…『リスクを冒す』ことだ」 選手時代を含め、セリエAでタイトル獲得経験が一切ないイタリアーノ監督。そんな人材でも能力を信じて登用するリスクこそが、今のミランに必要だという。 2024.03.29 15:45 Fri

ヴォルフスブルクの190cmCBラクロワ、ミランに続いてユベントスも関心拡大

ヴォルフスブルクのフランス人DFマクサンス・ラクロワ(23)にユベントスも関心を高める。 ミランの獲得候補と報じられる190cmの右利きセンターバック・ラクロワ。イブラヒマ・コナテ(リバプール)を輩出したフランスの古豪ソショーで育まれ、2020年夏にヴォルフスブルクへ。加入から今季で4年目、常に主力としてプレーする。 フランス『レキップ』によると、ラクロワは2025年6月までとなっている契約の延長話がなく、今夏のステップアップを視野に。ヴォルフスブルクも同選手の売却をビジネスと捉えるなか、このほどクラブにユベントスから連絡が入ったという。 ユベントスがラクロワをどこまで重視しているかは不明だが、ミランにとってのラクロワは退団濃厚なデンマーク代表DFシモン・ケアー(34)の後継者候補。ブレストの元U-20フランス代表DFリリアン・ブラシエ(24)も注視しているとのことだ。 2024.03.29 14:45 Fri

オファー次第では売却も? ミランのMFベナセルに古巣アーセナルなど関心か

ミランのアルジェリア代表MFイスマエル・ベナセル(26)に移籍の可能性があるようだ。イタリア『Calciomercato.it』が伝えた。 2019年夏にエンポリから加わり、ミランの中盤を支えてきたベナセル。今シーズンは右ヒザの大ケガによりリハビリスタートとなったが、2023年12月に復帰して以降はコンスタントに出場を続けている。 一方、ミランではフランス代表FWオリヴィエ・ジルーのメジャーリーグ・サッカー(MLS)行きが有力となってきているが、高額なオファーが届けばベナセルの売却に踏み切る可能性もあるとのこと。クラブはこの26歳を重要な選手とみなしているが、5000万ユーロ(約81億6000万円)以上であれば放出も考慮するという。 現行契約を2027年6月まで残し、純額400万ユーロ(約6億5000万円)の年俸を受け取っているというベナセルに対しては、ヨーロッパのさまざまなクラブが関心。プレミアリーグのクラブも注目しているようで、特にベナセルにとって古巣のアーセナルが強い興味を抱いている模様だ。 また、サウジアラビアのクラブも獲得に動く気配があり、より高額なオファーはこちらから届くとも考えられている。 ミランの中盤を見ると、昨夏加入したオランダ代表MFタイアニ・ラインデルスやアメリカ代表MFユヌス・ムサ、今シーズン台頭したフランス人MFヤシン・アドリなど将来性豊かな選手が存在。イタリア代表MFトンマーゾ・ポベガもUEFAの選手登録の観点から重要と、頭数はそれなりに揃っている。 ベナセルは「心からミランを尊敬している」と語るクラブ愛の強い選手だが、同じくクラブ愛の強かったイタリア代表MFサンドロ・トナーリは昨夏ニューカッスルへ移籍。オファーがあるなら2年連続の高額売却も十分ありえるはずだ。 2024.03.28 19:47 Thu

37歳ジルーがロサンゼルスFCと契約合意か フランス代表の歴代最多得点者

ミランのフランス代表FWオリヴィエ・ジルー(37)が、ロサンゼルスFC(LAFC)との契約合意に達したようだ。 イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によると、今シーズン限りでミランとの契約が満了を迎えるジルーは、7月1日付けの18カ月契約でアメリカMLS・LAFCと合意したとのこと。 すでにミランとの契約延長の意志がないことがハッキリしつつあったが、欧州を離れて新たな冒険に出ることが事実上決まったようだ。 ジルーは2021-22シーズンにチェルシーからミランへ加入。30代半ばに差し掛かっての加入だったが、いきなり11年ぶりのスクデットに貢献し、今季まで3年間エースの座を譲らず。ここまでクラブ通算121試合46ゴール20アシストをマークし、数字以上の貢献度も全世界のミラニスタが認めるところ。 また、フランス代表では通算131試合57得点。ティエリ・アンリ氏らを抜いて同国歴代最多得点者であり、2018年のロシア・ワールドカップ(W杯)制覇も経験している。今夏のユーロ2024を最後に、代表キャリアも終止符を打つとみられている。 まだまだ一級品のセンターフォワードであり、ミラン移籍後に最盛期を迎えたといっても過言ではないほどの存在感だったが、ミランにとってはひとつの時代が終わる。 2024.03.27 15:15 Wed

イマイチ評価が定まらないピオリ、レジェンド指揮官の通算勝利数まであと1勝

今季も解任の噂がありながら持ちこたえている印象のミラン指揮官ステファノ・ピオリ。しかし、改めて結果を見れば十分な記録を残していると、イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』が報じた。 就任3季目にミランを10季ぶりのスクデットに導いたピオリ監督は、これまでミランで通算127勝をマーク。この勝ち星は1978-79シーズンにミランをスクデットに導いた名将ニルス・リードホルム氏の128勝まであと1勝に迫る数字。ちなみに勝率はピオリ監督が大きく上回り、リードホルム氏の45.7%に対し、55.4%を誇っている。 ただ、昨季はナポリ、そして今季はインテルの独走を許してしまい、2025年6月まで残す契約を全うできるかは不透明な状況だ。 ミラン歴代勝利数でカルロ・アンチェロッティ監督(238勝)、ファビオ・カペッロ監督(161勝)らに次ぐ6番目の数字を残しているピオリ監督は、来季もミランの指揮を執ることはできるだろうか。 2024.03.27 00:10 Wed
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly