グリーズマン再デビューのアトレティコが劇的逆転勝利! 物議醸すAT10分の最終盤にレマルが値千金弾《ラ・リーガ》

2021.09.12 23:10 Sun
Getty Images
ラ・リーガ第4節、エスパニョールvsアトレティコ・マドリーが12日にRCDEスタジアムで行われ、アウェイのアトレティコが1-2で逆転勝利した。

アトレティコはインターナショナルマッチウィーク前に行われた前節、ビジャレアル相手に2度の先行を許す苦しい展開ながらも、後半ラストプレーで相手守備陣の信じがたい連携ミスによるオウンゴールで追いつき、開幕連勝こそストップしたものの、価値ある勝ち点1を手にした。
昨季のセグンダ王者エスパニョールのホームに乗り込んだ今節は、来週ミッドウィークにチャンピオンズリーグ(CL)初戦のポルト戦を控える中、先発2人を変更。ホセ・ヒメネスに替わってフェリペが起用された他、移籍市場最終日にバルセロナから電撃復帰が決まったグリーズマンがレマルに替わって2年ぶりの再デビューを飾った。

グリーズマンのプレーに注目が集まったこの試合だが、立ち上がりからホームのエスパニョールが躍動感を見せる。まずは4分、バックパスに対してDFサビッチとGKオブラクが譲り合ったところを斜めのランニングでかっさらったエンバルバがすかさず右足を振り抜くが、ボックス右で放ったシュートはオブラクのファインセーブに遭う。

何とか立ち上がりの失点を免れたアトレティコはボールの保持率を高めて徐々に押し込んでいく。なかなかフィニッシュまで持ち込めない状況が続く中、17分にはボックス内でグリーズマンがヘディングシュートを放つが、これは枠を外れる。
以降は互いにフィニッシュの数を増やしていくものの、相手の集中した守備を前になかなか決定機まで至らず。だが、前半半ばを過ぎて攻守両面でプレー強度を高めたエスパニョールがより優勢に試合を進めていく。

すると、前半終盤の40分には左CKの場面でキッカーのエンバルバが右足インスウィングで入れたボールに対してニアに飛び込んだデ・トーマスがゴール右隅へ技ありのヘディングシュートを流し込み、今季4戦目にして待望のチーム初ゴールを奪った。

代表戦明けのランチタイムキックオフにありがちな重さが目立ったアトレティコは、ハーフタイム明けに3枚替えを敢行。エルモソ、トリッピアー、コレアを下げてコンドグビア、レマル、ロージを投入した。

この交代でコンドグビアをアンカー、3トップを右からグリーズマン、スアレス、カラスコに置いた[4-3-3]の攻撃的な布陣にシフトしたアウェイチームは一気に攻勢を強めていく。

その猛攻の流れの中で53分には右サイドの高い位置でボールを受けたマルコス・ジョレンテが早いタイミングでグラウンダーのクロスを供給。中央でスアレスが潰れてファーに流れたところをレマルが冷静にワンタッチでゴールへ流し込む。だが、オンフィールドレビューの結果、中央でプレーに関与したスアレスのオフサイドを取られてしまい、ゴールは取り消しとなった。

早いタイミングでの同点のチャンスを逸したアトレティコは、以降も相手陣内でハーフコートゲームを展開。だが、やや守り慣れてきたホームチームの集中した守備を前に徐々に攻撃が停滞。

これを受け、シメオネ監督は59分にグリーズマンを下げてフェリックス、71分にはスアレスを諦めマテウス・クーニャを投入。試合終了まで20分以上を残してすべての交代カードを切った。

すると、後半の飲水タイムが明けた79分にアトレティコの猛攻がようやく実る。ボックス左ライン際でロージが何とか折り返すと、これをニアで収めたカラスコがDF3枚を相手にボールキープ。切り返しの際にDFと交錯し、相手がファウルを要求して一瞬動きを止めた隙を突くと、ゴール左から冷静に左足のシュートを右下隅へ流し込んだ。

10分以上を残して追いついたことで、アトレティコが一気に逆転まで持っていくかに思われたが、同点以降はややパワーダウン。逆に、エスパニョールのカウンターに晒される場面も目立ち始める。

89分にはフェリックスの絶妙なスルーパスに抜け出したロージがボックス左から決定的な折り返しを入れるが、中に走り込んでくる味方がいない。

その後、VARや選手の治療はあったものの、10分という物議を醸すアディショナルタイムが与えられた試合最終盤は疲労困憊のエスパニョールに対してアトレティコが攻勢を仕掛けていく。93分にはボックス右でボールを受けたカラスコが右足のシュートを放つが、これは枠の左に外れる。

この決定機逸によって1-1のドローが濃厚と思われたが、アトレティコが最後の最後にゴールをこじ開ける。99分、相手陣内左のハーフスペースを持ち上がったレマルがボックス手前のカラスコにボールを預けてボックス内に走り込む。ここでカラスコから絶妙なヒールのリターンパスが繋がり、フランス代表MFが右足を振ると、GKの手を弾いたボールがゴールネットを揺らした。

そして、エスパニョール相手に大苦戦も昨季王者同士の一戦を劇的な逆転勝利で飾ったアトレティコが、2戦ぶりの白星を手にした。
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