「戦える選手を」メンバー発表前の最後の活動が終了、なでしこ高倉麻子監督「覚悟を決めて選ぶ」
2021.06.16 14:20 Wed
なでしこジャパンの高倉麻子監督が、トレーニングキャンプ終了を前に、メディアのオンライン取材に応じ、今回の活動を総括した。
金メダル獲得を目指す東京オリンピックを前に、6月は国際親善試合を2試合行ったなでしこジャパン。ウクライナ女子代表には8-0、メキシコ女子代表には5-1と勝利を収めた。
4月の2試合を含め、メンバー選考最後の活動を終えた高倉監督。18日のメンバー発表を前に、6月の活動を総括した。
「今回なでしこのオリンピックに向かった強化試合2試合をやる中で、もちろんメンバーを絞り込んでいくという大きな作業がありましたけど、攻守共に今までやってきたことの積み上げという意味では、ウクライナ戦もメキシコ戦も含めて、非常にポジティブな要素が多かったと思います」
「それはどの選手が出てもある程度のクオリティを保ちながら変化をつけていけることが見えたからです」
「選手も選考されるという上で大きなプレッシャーがあったと思いますが、自分のやることに集中してチームでやることを整理し、選手個々の勝負強さを感じましたし、チーム自体の勝負強さに繋がると思っています」
「素晴らしい選手たちですが、18人に絞り込んでいくことは心を込めてやろうと思いますし、選ばれた18人だけでなく、ここにいる23名、特に今年に入って活動に参加した選手全員でオリンピックに向かおうと思います」
今回の合宿には4月から若干メンバーを変えて臨んだなでしこジャパン。この活動で得た成果については「グラウンドレベルの日本の戦い方、なでしこの戦術的な部分に関しては、みんな頭の中は整理されていて、それを個人行動、集団行動の中で形にするという意味では、すごくレベルが上がったという印象です」とコメント。ピッチ上での成果には手応えを感じているようだ。
また「メンタル的な部分でも強いリーダーが出てきてほしいということを常日頃言っていますが、誰か1人ということだけでなく、チーム自体が、みんなが責任を持って動き出していると感じるので、その部分でも非常に頼もしさを感じますし、大会に入っていけば、自ずともっと研ぎ澄まされていくんじゃないかということで、期待は高いです」とし、精神面も成長が見らているようだ。
一方で課題については「もっとより個々のレベルが上がってくるチームに対して、試合の立ち上がりから含めて、いかに粘り強く戦えるかというところはちょっと未知数です」とし、格下相手の試合が続いたことで、メダル候補の強豪国との試合でどういったプレーになるかが見えないとコメント。それでも「そこはトレーニングのやり方の工夫で、なんとかしのいでいけるかなと思いながら、細部にわたって選手と様々な要素がありますが、粘り強く話をして、粘り強くトレーニングをして、オリンピックの舞台に立ちたいと思います」と、意識の面を高めて挑みたいと語った。
本来であれば1年前に開催されるはずだった東京オリンピック。新型コロナウイルス(COVID-19)の影響もあり1年間延期されたが、その結果メンバー入りの可能性が出てきた選手もいる。
この1年間の延期がもたらせたものについては「昨年から緊急事態宣言の期間であったり、それぞれがサッカーができない期間に、自分にとってのサッカーの大切さを感じたのは、選手だけでなく、私自身もそうです」と語り、「その中で年末から合宿をやってきたときに、新しいメンバーも入って、何かチームの風向きが変わったなと思います」と、選手が入れ替わった変化があるとした。
「1年前だったらいなかっただろうとう選手は1人、2人ではないので、世界中で起きているマイナスの要素ではありますけど、チームにとっては新しい選手の出現であったり、サッカーへの想いの確認ができたという点で、チームにパワーをもたらせられたかと思います」と語り、新戦力、そして選手個々がサッカーへの想いを強くしたことがプラスだと語った。
なでしこジャパンのメンバー発表は18日。その後本大会前のキャンプが当初の予定より早くスタートすることとなった。
その点については「とにかくケガをしないことが一番の強化だと思っています。トレーニングの強度を上げなければいけない反面、ケガをしたくないという矛盾があります」とケガは避けたいとコメント。また「合宿の日数が増えた経緯は、2月にアメリカ遠征に行けず、強豪国と対戦できないマイナスがありましたけど、メンバー発表した後に日数が取れるということは、今の時点でこれで良かったんじゃないかと思えるところに来ています。1日1日を大事にして強いチームにしていきたいと思います」と語り、チームが固まってから時間を取れることをポジティブに考えるとした。
現時点でケガなど、選考に影響を与える選手については「ケガを持っている選手はほとんどいませんし、プレーはしていますが、医学的に見るとあまり良くないという選手も実際はいる」と語り、全員が万全な状態ではないと明かした高倉監督。それでも「私も選手をやっていましたので、プレーできるケガがあって、その辺を選手のプレーを見て、できるだろうというのと、医学的見地からの所見とのせめぎ合いは正直あります」とし、ケガを考慮して選手を選ぶ可能性もあるとした。
ただ「全員オリンピックの開幕には万全で、ケガがなければという状態です。他の選手も含めて、総合的にケガ持ちの選手もいるので、厳しい戦いになるので、どこを厚くするかもケガに左右されることもあるので、そこを考える必要があります」と語り、18名の選考に対して、ケガのリスクも考える必要があるとコメント。「上手い順に18人という数値でもあればいいですが、そうでもないです。戦う集団にしたいですし、戦える選手を揃えたいと思います」と語り、メンバー選考に頭を悩ませることになるようだ。
2日後には運命のメンバー発表が控えるが、現時点の心境については「色々なことを考えますけど、その結果シンプルであるというものになるのではないかと思います」とコメント。「覚悟を決めて、18人を選びたいと思っています」と、強く語った。
ワールドカップの23名とオリンピックの18名については「大きく違う」と語った高倉監督。「23名も覚悟を持っていましたが、違うなと」と5人少ないことはかなり大きな影響があるようだ。
「色々な選手の想いや良さは日々触れてきたことなので、選手の頑張りや想いというのは、私自身は理解していると思っていますし、その上で厳しい決断と、軍を率いるじゃないですけど、大将としては負けない戦をするためのベストな布陣を選びたいです」と、しっかりと勝てる、そして戦える18名にしたいと語った。
その18名については「正直ゼロではない」とある程度構想があるとしながらも、「1人、2人のところではどういう考えで決断するかというところで変わってくるところではあると思います」と語り、「スタッフと話を少しして、決断していくことになると思います」とまだ迷っている状況だという。
それでも、高倉監督が求めるのは戦える選手。ただ、それもここまでの活動で芽生えているとし、「昨日今日で生まれるものではなく、種を植えて芽が出るように、選手たちは戦う覚悟を持ち始めたように、明らかに変わったと思います」と、選手たちからも覚悟を感じるという。
またバックアップのメンバーについても「18人決定した段階で、それによってバックアップメンバーも変わってくる」とコメント。「私も含め、スタッフ含め、知恵を出し合ってディスカッションは進めてきているので、最後のピースをハメた時点でバックアップメンバーの4人もちょっと変化があると思います」とし、選出された18人によって4人のバックアップメンバーが決まるとした。なお、トレーニングメンバーについては「コロナ禍でバブルを作らないといけないので、トレーニングパートナーは以前は考えていたんですが、今は難しいと聞いています」とし、バックアップメンバーがトレーニングメンバーを兼ねることになりそうだ。
なでしこジャパンの東京オリンピックメンバーは18日(金)に発表される。
金メダル獲得を目指す東京オリンピックを前に、6月は国際親善試合を2試合行ったなでしこジャパン。ウクライナ女子代表には8-0、メキシコ女子代表には5-1と勝利を収めた。
「今回なでしこのオリンピックに向かった強化試合2試合をやる中で、もちろんメンバーを絞り込んでいくという大きな作業がありましたけど、攻守共に今までやってきたことの積み上げという意味では、ウクライナ戦もメキシコ戦も含めて、非常にポジティブな要素が多かったと思います」
「それはどの選手が出てもある程度のクオリティを保ちながら変化をつけていけることが見えたからです」
「もう1ランク相手の強度が上がってきたことのエラーを十分想像しながら試合をこなしてきているので、対戦相手という意味では2チーム(ウクライナ、メキシコ)とも良いファイトをしてくれて私たちにとって大きな財産になったと思います」
「選手も選考されるという上で大きなプレッシャーがあったと思いますが、自分のやることに集中してチームでやることを整理し、選手個々の勝負強さを感じましたし、チーム自体の勝負強さに繋がると思っています」
「素晴らしい選手たちですが、18人に絞り込んでいくことは心を込めてやろうと思いますし、選ばれた18人だけでなく、ここにいる23名、特に今年に入って活動に参加した選手全員でオリンピックに向かおうと思います」
今回の合宿には4月から若干メンバーを変えて臨んだなでしこジャパン。この活動で得た成果については「グラウンドレベルの日本の戦い方、なでしこの戦術的な部分に関しては、みんな頭の中は整理されていて、それを個人行動、集団行動の中で形にするという意味では、すごくレベルが上がったという印象です」とコメント。ピッチ上での成果には手応えを感じているようだ。
また「メンタル的な部分でも強いリーダーが出てきてほしいということを常日頃言っていますが、誰か1人ということだけでなく、チーム自体が、みんなが責任を持って動き出していると感じるので、その部分でも非常に頼もしさを感じますし、大会に入っていけば、自ずともっと研ぎ澄まされていくんじゃないかということで、期待は高いです」とし、精神面も成長が見らているようだ。
一方で課題については「もっとより個々のレベルが上がってくるチームに対して、試合の立ち上がりから含めて、いかに粘り強く戦えるかというところはちょっと未知数です」とし、格下相手の試合が続いたことで、メダル候補の強豪国との試合でどういったプレーになるかが見えないとコメント。それでも「そこはトレーニングのやり方の工夫で、なんとかしのいでいけるかなと思いながら、細部にわたって選手と様々な要素がありますが、粘り強く話をして、粘り強くトレーニングをして、オリンピックの舞台に立ちたいと思います」と、意識の面を高めて挑みたいと語った。
本来であれば1年前に開催されるはずだった東京オリンピック。新型コロナウイルス(COVID-19)の影響もあり1年間延期されたが、その結果メンバー入りの可能性が出てきた選手もいる。
この1年間の延期がもたらせたものについては「昨年から緊急事態宣言の期間であったり、それぞれがサッカーができない期間に、自分にとってのサッカーの大切さを感じたのは、選手だけでなく、私自身もそうです」と語り、「その中で年末から合宿をやってきたときに、新しいメンバーも入って、何かチームの風向きが変わったなと思います」と、選手が入れ替わった変化があるとした。
「1年前だったらいなかっただろうとう選手は1人、2人ではないので、世界中で起きているマイナスの要素ではありますけど、チームにとっては新しい選手の出現であったり、サッカーへの想いの確認ができたという点で、チームにパワーをもたらせられたかと思います」と語り、新戦力、そして選手個々がサッカーへの想いを強くしたことがプラスだと語った。
なでしこジャパンのメンバー発表は18日。その後本大会前のキャンプが当初の予定より早くスタートすることとなった。
その点については「とにかくケガをしないことが一番の強化だと思っています。トレーニングの強度を上げなければいけない反面、ケガをしたくないという矛盾があります」とケガは避けたいとコメント。また「合宿の日数が増えた経緯は、2月にアメリカ遠征に行けず、強豪国と対戦できないマイナスがありましたけど、メンバー発表した後に日数が取れるということは、今の時点でこれで良かったんじゃないかと思えるところに来ています。1日1日を大事にして強いチームにしていきたいと思います」と語り、チームが固まってから時間を取れることをポジティブに考えるとした。
現時点でケガなど、選考に影響を与える選手については「ケガを持っている選手はほとんどいませんし、プレーはしていますが、医学的に見るとあまり良くないという選手も実際はいる」と語り、全員が万全な状態ではないと明かした高倉監督。それでも「私も選手をやっていましたので、プレーできるケガがあって、その辺を選手のプレーを見て、できるだろうというのと、医学的見地からの所見とのせめぎ合いは正直あります」とし、ケガを考慮して選手を選ぶ可能性もあるとした。
ただ「全員オリンピックの開幕には万全で、ケガがなければという状態です。他の選手も含めて、総合的にケガ持ちの選手もいるので、厳しい戦いになるので、どこを厚くするかもケガに左右されることもあるので、そこを考える必要があります」と語り、18名の選考に対して、ケガのリスクも考える必要があるとコメント。「上手い順に18人という数値でもあればいいですが、そうでもないです。戦う集団にしたいですし、戦える選手を揃えたいと思います」と語り、メンバー選考に頭を悩ませることになるようだ。
2日後には運命のメンバー発表が控えるが、現時点の心境については「色々なことを考えますけど、その結果シンプルであるというものになるのではないかと思います」とコメント。「覚悟を決めて、18人を選びたいと思っています」と、強く語った。
ワールドカップの23名とオリンピックの18名については「大きく違う」と語った高倉監督。「23名も覚悟を持っていましたが、違うなと」と5人少ないことはかなり大きな影響があるようだ。
「色々な選手の想いや良さは日々触れてきたことなので、選手の頑張りや想いというのは、私自身は理解していると思っていますし、その上で厳しい決断と、軍を率いるじゃないですけど、大将としては負けない戦をするためのベストな布陣を選びたいです」と、しっかりと勝てる、そして戦える18名にしたいと語った。
その18名については「正直ゼロではない」とある程度構想があるとしながらも、「1人、2人のところではどういう考えで決断するかというところで変わってくるところではあると思います」と語り、「スタッフと話を少しして、決断していくことになると思います」とまだ迷っている状況だという。
それでも、高倉監督が求めるのは戦える選手。ただ、それもここまでの活動で芽生えているとし、「昨日今日で生まれるものではなく、種を植えて芽が出るように、選手たちは戦う覚悟を持ち始めたように、明らかに変わったと思います」と、選手たちからも覚悟を感じるという。
またバックアップのメンバーについても「18人決定した段階で、それによってバックアップメンバーも変わってくる」とコメント。「私も含め、スタッフ含め、知恵を出し合ってディスカッションは進めてきているので、最後のピースをハメた時点でバックアップメンバーの4人もちょっと変化があると思います」とし、選出された18人によって4人のバックアップメンバーが決まるとした。なお、トレーニングメンバーについては「コロナ禍でバブルを作らないといけないので、トレーニングパートナーは以前は考えていたんですが、今は難しいと聞いています」とし、バックアップメンバーがトレーニングメンバーを兼ねることになりそうだ。
なでしこジャパンの東京オリンピックメンバーは18日(金)に発表される。
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