互いに10人連続成功のPK戦制したビジャレアルが大会初優勝! ユナイテッドはオーレ体制初タイトルならず…《EL》
2021.05.27 07:08 Thu
ヨーロッパリーグ(EL)決勝、ビジャレアルvsマンチェスター・ユナイテッドが、26日にポーランドのグダニスク・スタジアムで行われ、1-1のスコアで120分間の戦いが終了。その後、PK戦を11-10で制したビジャレアルが大会初優勝を飾った。
クラブ史上初のメジャータイトル獲得を目指すビジャレアルは、グループステージから参加した今大会において11勝3分けと唯一の無敗を維持。エメリ監督にとって古巣対戦となったアーセナルとの準決勝ではホーム開催の1stレグを2-1、敵地での2ndレグを0-0のドローで終え、クラブ史上初の決勝進出を果たした。
ラ・リーガ最終節のレアル・マドリー戦を1-2で落とし、UEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)圏内の7位でリーグ戦を終えたチームは、初優勝と共に来季チャンピオンズリーグ(CL)出場権という重要なモノを懸けて大一番に臨んだ。注目のスタメンは4日前のマドリー戦からガスパールに代わって負傷明けのフォイスが復帰した以外同じ顔触れとなり、バッカとジェラール・モレノを2トップに配した[4-4-2]を採用した。
一方、CLグループステージで3位敗退となったユナイテッドは、ラウンド32から参戦。これまでスールシャール体制では公式戦4度の挑戦で一度も突破できていないセミファイナルは鬼門となっていたが、ローマとの対戦では敵地での2ndレグを2-3で落とすも、ホームで戦った1stレグでの6-2という大きなアドバンテージを生かして初の鬼門突破となった。
ビジャレアルと異なり、プレミアリーグを3シーズンぶりの2位でフィニッシュした赤い悪魔は、すでに来季CL出場権を手にしており、オーレ体制で初タイトルであり、2016-17シーズン以来2度目の優勝に向け良い緊張感で臨むことが可能となった。直近のウォルバーハンプトン戦でバイリーを除く10人を温存したスールシャール監督は、負傷のマグワイアを除くベストメンバーを起用。ただ、コンディションに不安を抱えるフレッジがベンチスタートとなり、ポグバをボランチ、グリーンウッドを右ウイングに置く[4-2-3-1]の形となった。
以降はユナイテッドがボールを握り、ビジャレアルが自陣低い位置でブロックを構える形に落ち着く。ユナイテッドは守備ブロック攻略には至らずも、素早いネガティブトランジションで相手に自由を与えず、カウンターのピンチを未然に防ぐ。それでも、ビジャレアルは20分過ぎにセットプレーからジェレミ・ピノ、パウ・トーレスと続けてフィニッシュの場面を作り出した。
すると、時間の経過と共に球際の局面でアジャストし、相手陣内でのプレー時間を増やし始めたビジャレアルがゴールをこじ開ける。
29分、相手陣内中央左やや距離のある位置で得たFKの場面でキッカーのパレホが絶妙な浮き球のボールをゴール前に落とすと、ゴール前に抜け出してきたジェラール・モレノがDFリンデロフにユニフォームを引っ張られながらも投げ出した右足のワンタッチボレーをゴール右隅に流し込んだ。なお、これで今季の公式戦30ゴールの到達したジェラール・モレノは、ジュゼッペ・ロッシが持つクラブ歴代最多ゴール記録(82ゴール)に並んだ。
相手のワンチャンスに泣きビハインドを追う展開となったユナイテッドはすぐさま反撃を開始。両サイドバックを高い位置に押し出して幅を取らせて攻撃を展開するが、逆に中央に絞るグリーンウッドやラッシュフォードに良い形でボールが入らず、相手の堅守を揺さぶり切れず。前半終了間際にはサイドに張った両ウイングが持ち味のドリブル突破から続けて際どいクロスを供給。同点ゴールには繋がらなかったものの、後半の巻き返しへのヒントになりそうな局面を作った。
奇しくも、現役時代のスールシャール監督が劇的逆転ゴールを奪って英雄となった22年前の1999年5月26日のCL決勝バイエルン戦同様に1点ビハインドでの折り返しとなったユナイテッド。
その再現を目指してアグレッシブな入りを見せると、早い時間帯に同点ゴールが生まれる。55分、左CKの二次攻撃からボックス手前で相手のクリアボールに反応したラッシュフォードが低い弾道のミドルシュートを放つ。これがDFとマクトミネイに続けてディフレクトしてゴール前にこぼれると、ストライカーの嗅覚でいち早く反応したカバーニが冷静に右足で流し込んだ。
早い時間帯の同点ゴールによって勢いづくユナイテッドは直後の57分にもボックス左でショーが頭で折り返したボールに反応したブルーノ・フェルナンデスが鋭い右足のシュートを放つが、これは枠の左に外れる。一方、前半以上の守勢が続くビジャレアルは60分にバッカを下げてコクランを投入。ピノを最前線に上げてコクランを右サイドハーフに配してテコ入れを図った。
以降はダイナミズムで勝るユナイテッドが優勢に試合を運んでいく。71分にはボックス左でカットインしたショーの右足のシュートをゴール前のカバーニが見事な反応によって頭でコースを変えるが、これは惜しくも枠の左に外れる。
1-1の均衡が保たれたまま試合は後半終盤に突入。不動のユナイテッドに対して、守備陣を中心に疲労の色が見えるビジャレアルはピノ、トリゲロスに代えてパコ・アルカセル、モイ・ゴメスを、88分にはフォイスとペドラサの両サイドバックを下げてガスパール、アルベルト・モレノをピッチへ送り出した。後半終了間際にはポグバ、パウ・トーレスと互いに1度ずつ見せ場が訪れるも、これまでの通算対戦成績通りに5度目の対戦でも90分間で決着は付かなかった。
延長に入ると、ここまで1枚も交代カードを切らないユナイテッドに疲れが出始め、5人のフレッシュな選手がピッチに立つビジャレアルがオープンな展開の中で押し返していく。99分にはボックス左に侵攻したアルベルト・モレノ、100分にはボックス左でジェラール・モレノからのラストパスを受けたアルカセルに続けてシュートチャンスも、これを枠に飛ばせない。
一方、延長に入っての守勢を受けてスールシャール監督は100分、グリーンウッドを下げてフレッジを最初の交代カードとして切る。これでポグバが左ウイング、ラッシュフォードが右ウイングと立ち位置を変えた。
延長後半も引き続きビジャレアルの時間帯が続き113分にはショートカウンターの形からボックス中央のジェラール・モレノが右足で放ったボレーシュートがフレッジの手に当たる。VARのレビューが入るも、ノーファウルの判定となった。PK戦突入が間近に迫る中、ユナイテッドベンチはポグバ、バイリーに代えてトゥアンゼベ、ダニエル・ジェームズ。マクトミネイ、ワン=ビサカを下げてテレス、マタを投入。
そして、1-1のスコアのまま120分間の戦いを終え、優勝の行方はPK戦に委ねられることになった。運命のPK戦では互いに10人目まで全員が成功する痺れる展開となった中、決着は奇しくもGK同士がキッカーを務める11人目で付くことに。先行のビジャレアルのルジが決めた一方、後攻のユナイテッドはデ・ヘアの右を狙ったシュートがGKルジに止められて激闘に終止符が打たれることになった。
この結果、ビジャレアルがクラブ史上初の優勝を果たし、来季のCL出場権を確保。また、ELマスターと称されるエメリ監督は個人として4度目の優勝となった。一方、敗れたユナイテッドはスールシャール体制での初タイトルは来季以降にお預けとなった。
クラブ史上初のメジャータイトル獲得を目指すビジャレアルは、グループステージから参加した今大会において11勝3分けと唯一の無敗を維持。エメリ監督にとって古巣対戦となったアーセナルとの準決勝ではホーム開催の1stレグを2-1、敵地での2ndレグを0-0のドローで終え、クラブ史上初の決勝進出を果たした。
一方、CLグループステージで3位敗退となったユナイテッドは、ラウンド32から参戦。これまでスールシャール体制では公式戦4度の挑戦で一度も突破できていないセミファイナルは鬼門となっていたが、ローマとの対戦では敵地での2ndレグを2-3で落とすも、ホームで戦った1stレグでの6-2という大きなアドバンテージを生かして初の鬼門突破となった。
ビジャレアルと異なり、プレミアリーグを3シーズンぶりの2位でフィニッシュした赤い悪魔は、すでに来季CL出場権を手にしており、オーレ体制で初タイトルであり、2016-17シーズン以来2度目の優勝に向け良い緊張感で臨むことが可能となった。直近のウォルバーハンプトン戦でバイリーを除く10人を温存したスールシャール監督は、負傷のマグワイアを除くベストメンバーを起用。ただ、コンディションに不安を抱えるフレッジがベンチスタートとなり、ポグバをボランチ、グリーンウッドを右ウイングに置く[4-2-3-1]の形となった。
これまで通算4度の対戦すべてでゴールレスドローとなっている拮抗した両チームによる5度目の対戦は、地力で勝るユナイテッドが押し込む入りを見せた。そして、開始7分にはラッシュフォードの仕掛けからボックス手前に走り込んだマクトミネイが枠の左に外れるファーストシュートを放った。
以降はユナイテッドがボールを握り、ビジャレアルが自陣低い位置でブロックを構える形に落ち着く。ユナイテッドは守備ブロック攻略には至らずも、素早いネガティブトランジションで相手に自由を与えず、カウンターのピンチを未然に防ぐ。それでも、ビジャレアルは20分過ぎにセットプレーからジェレミ・ピノ、パウ・トーレスと続けてフィニッシュの場面を作り出した。
すると、時間の経過と共に球際の局面でアジャストし、相手陣内でのプレー時間を増やし始めたビジャレアルがゴールをこじ開ける。
29分、相手陣内中央左やや距離のある位置で得たFKの場面でキッカーのパレホが絶妙な浮き球のボールをゴール前に落とすと、ゴール前に抜け出してきたジェラール・モレノがDFリンデロフにユニフォームを引っ張られながらも投げ出した右足のワンタッチボレーをゴール右隅に流し込んだ。なお、これで今季の公式戦30ゴールの到達したジェラール・モレノは、ジュゼッペ・ロッシが持つクラブ歴代最多ゴール記録(82ゴール)に並んだ。
相手のワンチャンスに泣きビハインドを追う展開となったユナイテッドはすぐさま反撃を開始。両サイドバックを高い位置に押し出して幅を取らせて攻撃を展開するが、逆に中央に絞るグリーンウッドやラッシュフォードに良い形でボールが入らず、相手の堅守を揺さぶり切れず。前半終了間際にはサイドに張った両ウイングが持ち味のドリブル突破から続けて際どいクロスを供給。同点ゴールには繋がらなかったものの、後半の巻き返しへのヒントになりそうな局面を作った。
奇しくも、現役時代のスールシャール監督が劇的逆転ゴールを奪って英雄となった22年前の1999年5月26日のCL決勝バイエルン戦同様に1点ビハインドでの折り返しとなったユナイテッド。
その再現を目指してアグレッシブな入りを見せると、早い時間帯に同点ゴールが生まれる。55分、左CKの二次攻撃からボックス手前で相手のクリアボールに反応したラッシュフォードが低い弾道のミドルシュートを放つ。これがDFとマクトミネイに続けてディフレクトしてゴール前にこぼれると、ストライカーの嗅覚でいち早く反応したカバーニが冷静に右足で流し込んだ。
早い時間帯の同点ゴールによって勢いづくユナイテッドは直後の57分にもボックス左でショーが頭で折り返したボールに反応したブルーノ・フェルナンデスが鋭い右足のシュートを放つが、これは枠の左に外れる。一方、前半以上の守勢が続くビジャレアルは60分にバッカを下げてコクランを投入。ピノを最前線に上げてコクランを右サイドハーフに配してテコ入れを図った。
以降はダイナミズムで勝るユナイテッドが優勢に試合を運んでいく。71分にはボックス左でカットインしたショーの右足のシュートをゴール前のカバーニが見事な反応によって頭でコースを変えるが、これは惜しくも枠の左に外れる。
1-1の均衡が保たれたまま試合は後半終盤に突入。不動のユナイテッドに対して、守備陣を中心に疲労の色が見えるビジャレアルはピノ、トリゲロスに代えてパコ・アルカセル、モイ・ゴメスを、88分にはフォイスとペドラサの両サイドバックを下げてガスパール、アルベルト・モレノをピッチへ送り出した。後半終了間際にはポグバ、パウ・トーレスと互いに1度ずつ見せ場が訪れるも、これまでの通算対戦成績通りに5度目の対戦でも90分間で決着は付かなかった。
延長に入ると、ここまで1枚も交代カードを切らないユナイテッドに疲れが出始め、5人のフレッシュな選手がピッチに立つビジャレアルがオープンな展開の中で押し返していく。99分にはボックス左に侵攻したアルベルト・モレノ、100分にはボックス左でジェラール・モレノからのラストパスを受けたアルカセルに続けてシュートチャンスも、これを枠に飛ばせない。
一方、延長に入っての守勢を受けてスールシャール監督は100分、グリーンウッドを下げてフレッジを最初の交代カードとして切る。これでポグバが左ウイング、ラッシュフォードが右ウイングと立ち位置を変えた。
延長後半も引き続きビジャレアルの時間帯が続き113分にはショートカウンターの形からボックス中央のジェラール・モレノが右足で放ったボレーシュートがフレッジの手に当たる。VARのレビューが入るも、ノーファウルの判定となった。PK戦突入が間近に迫る中、ユナイテッドベンチはポグバ、バイリーに代えてトゥアンゼベ、ダニエル・ジェームズ。マクトミネイ、ワン=ビサカを下げてテレス、マタを投入。
そして、1-1のスコアのまま120分間の戦いを終え、優勝の行方はPK戦に委ねられることになった。運命のPK戦では互いに10人目まで全員が成功する痺れる展開となった中、決着は奇しくもGK同士がキッカーを務める11人目で付くことに。先行のビジャレアルのルジが決めた一方、後攻のユナイテッドはデ・ヘアの右を狙ったシュートがGKルジに止められて激闘に終止符が打たれることになった。
この結果、ビジャレアルがクラブ史上初の優勝を果たし、来季のCL出場権を確保。また、ELマスターと称されるエメリ監督は個人として4度目の優勝となった。一方、敗れたユナイテッドはスールシャール体制での初タイトルは来季以降にお預けとなった。
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