再三の決定機逸響いたアーセナルが逃げ切り失敗…スラビア・プラハが劇的後半AT弾でドローに持ち込む《EL》

2021.04.09 06:08 Fri
Getty Images
ヨーロッパリーグ(EL)準々決勝1stレグ、アーセナルvsスラビア・プラハが8日にアーセナル・スタジアムで行われ、1-1のドローに終わった。
PR
アーセナルはラウンド16で昨季敗退に追い込まれたオリンピアコスを相手に2ndレグで今大会初黒星を喫するも、敵地での1stレグでの3-1のアドバンテージを生かして逃げ切り、2戦合計3-2のスコアで突破を決めた。ただ、トップ4圏内と10ポイント差の10位に低迷するプレミアリーグでは直近のリバプール戦に0-3で完敗するなど、2戦未勝利と調子は下降気味だ。
その敗戦からのバウンスバックを図る今回の一戦ではレスター・シティ、レンジャーズと格上と思われたイギリス勢2チームを続けて撃破したチェコ王者のスラビア・プラハと対戦。アルテタ監督はリバプール戦から先発6人を変更。負傷のティアニー、ウーデゴールに代えてセドリック、ウィリアンを起用した他、チャンバース、セバージョス、オーバメヤン、ペペに代わってベジェリンと負傷明けのサカ、スミス・ロウ、ジャカの3選手を復帰させた。

立ち上がりからボールを保持するアーセナルが押し込む展開となるが、最前線のシマを残して[4-5-1]の堅固なブロックで迎え撃つアウェイチームの組織的な守備を前になかなか決定機まで持ち込めない。

一方、堅守速攻の形から反撃を試みるスラビア・プラハは14分、右サイドを崩した攻めから最後はボックス手前でクリアボールに反応したプロヴォドが際どいミドルシュートを放つ。さらに、幾度か相手の守備を引っくり返してオラインカやシマがカウンターからフィニッシュまで持ち込んでいく。
右サイドのサカを起点に良い仕掛けを見せながらも決定機まであと一歩という歯がゆい状況が続くアーセナル。29分にはホールディングのスルーパスに反応したサカがボックス右に抜け出してGKと一対一の絶好機を迎えるが、左足でファーポストを狙ったシュートは枠の左に外れる。

さらに、39分にはセットプレーの二次攻撃からボックス左ライン際でセドリックが折り返したボールをホールディングが打点の高いヘディングで合わせるが、枠を捉えたシュートはGKコラージュの好守に阻まれた。

主導権を握るも前半を0-0で終えたアーセナルは後半立ち上がりに早速決定機を創出。サカの縦への仕掛けで得たボックス手前右好位置のFKをウィリアンが右足で直接狙う。枠の外側から巻いていった鋭いシュートは惜しくも右ポストを叩いた。

その後、58分にはスラビア・プラハのカウンターに晒されてボリルにボックス左から際どいシュートを打たれるもGKレノのビッグセーブで事なきを得たアーセナル。すると、直後の62分には相手セットプレーのロングカウンターから完全に相手最終ラインの背後に抜け出したラカゼットが相手ボックス付近まで独走。GKを先に倒して右足のミドルループシュートを放ったが、これはまさかの枠の上角を叩き、またしても絶好機を逃した。

ショックが残る決定機逸によって気落ちするアーセナルに対してアウェイチームは前半同様にカウンターからアウェイゴールを狙う。76分には波状攻撃からボックス左でフリーのセフチクに決定機も、ここはシュートを枠の左に外してしまい、アーセナルにお付き合いしてしまう。

ホームで勝ち切りたいアーセナルはウィリアンに代えてマルティネッリを最初の交代カードとして切り、78分にはラカゼット、サカ、トーマスを下げてオーバメヤン、ペペ、エルネニーを一気に投入。

この3枚替えで攻勢を強めると、オーバメヤン、マルティネッリが立て続けに決定的なシュートを放つなど、ゴールを予感させる良い形の仕掛けを続ける。すると、86分には待望の先制点が生まれる。

自陣からにロングカウンター転じると、相手DFジマのクリアミスを回収したオーバメヤンから右サイドのスペースに走り込むペペにスルーパスが通る。ペペは快足を飛ばして相手DFを振り切って飛び出したGKの脇を抜く絶妙なチップキックをゴール左隅へ流し込んだ。

アルテタ采配的中でようやくリードを手にしたアーセナルはスミス・ロウに代えてダニ・セバージョスをピッチに送り込み、ここから試合を締めにかかる。

だが、今大会で台風の目となっているチェコ王者が最後の最後に追いつく。94分、右CKの場面で中央でペペに当たったクロスがファーに流れると、これに反応したホレシュのダイビングヘッドがGKレノの手を弾いてゴールネットを揺らした。

そして、試合はこのままタイムアップを迎え、再三の決定機逸が響いたアーセナルは土壇場で逃げ切りに失敗し、公式戦4戦未勝利と共にアウェイゴールを献上するビハインドを負って来週の2ndレグに臨むことになった。

PR
関連ニュース

「厳しい言葉が必要」大敗も選手への言及避けるポチェッティーノ監督に疑問の声「メッセージが届いていない」

大敗したチェルシーのマウリシオ・ポチェッティーノ監督に対しては、そのマネジメントに疑問の声もあるようだ。イギリス『デイリー・メール』が伝えている。 ここまで思うようなシーズンを送れず、先週末のFAカップも敗退したことで無冠が確定したチェルシー。23日に行われたプレミアリーグ第29節の延期分では、優勝争い中のアーセナルにプライドを示したいところだったが、後半に守備が崩壊し0-5の大敗を喫した。 試合後にはポチェッティーノ監督も「チームは諦めてしまっていた」と落胆の姿勢を示しつつ、「選手たちを責めることはできないし、そのつもりもない」と選手を擁護する姿勢は崩さず。若いチームは成長段階であることを強調していた。 しかし、これについては異議を唱える声もあるようだ。『TNTスポーツ』に出演したアーセナルOBの元イングランド代表DFマーティン・キーオン氏は、こうした指揮官の姿勢がチームの弱体化につながっているとの見方を示している。 「チェルシーの強化策はバランスがおかしく、チームに対して10億ポンドもの大金を費やした。だからこそ、今の彼らの姿は信じられないものだ。これは厳しい言葉が必要であり、それは監督からもたらされるべきだろう」 「監督は選手たちに口を出さないようにしているが、それによって自分自身が追い詰められている。彼が気を使っているのはわかるが、両ハーフとも試合の立ち上がりが悪かったのを見ると、選手たちにメッセージが届いていないのだろう」 2024.04.24 16:40 Wed

「間違いなく努力している」屈辱的大敗のチェルシー…ファンからの批判にギャラガーは「次につなげなければ…」

チェルシーのイングランド代表MFコナー・ギャラガーは、屈辱的な大敗にも自分たちは成長中のチームであることを強調した。イギリス『デイリー・メール』が伝えている。 チェルシーは23日に行われたプレミアリーグ第29節の延期分でアーセナルと対戦。先週末にはFAカップ準決勝で敗退したこともあり、ロンドンのライバルクラブ相手に意地を見せたいところだったが、優勝争い中のチーム相手に歯が立たず、終わってみれば0-5の大敗となった。 試合中には、チェルシーファンの子供が「ユニフォームは欲しくない。ファンのため戦いたいと思ってほしい。UTC(アップ・ザ・チェルシー)」と書かれたプラカードを掲げる姿も話題に。チームに対するファンからの不満の高まりを象徴するような場面となった。 この試合に先発フル出場したギャラガーは試合後、こうした批判に対してチームは努力していると主張。経験の少ない若いチームであることを訴え、成長に向けて全力で取り組んでいると語った。 「(ファンの掲げたプラカードについて問われ)そうだね…僕たちは間違いなく努力していると思う。これが選手全員にとって、どれだけの意味があるかは理解しているよ。ただ、何度も言われてきたことではあるけど、このチームは非常に若いチームなんだ。プレミアリーグでのチームとしての経験はあまりない」 「僕たちはここまで、多くの浮き沈みを経験してきたと思う。チームはまだ改善の最中なんだ。次のレベルに到達するため、みんなで協力しているよ」 「ただ、今日はそれとは程遠い日の一つになってしまった。僕たちは自分を奮い立たせ、パフォーマンスと改善点、そしてすべてのミスを見つめ直し、次につなげなければならない」 2024.04.24 15:45 Wed

「酷いチャレンジ」「なぜまだピッチに?」 冨安健洋への悪質なチャージ、足首踏みつけもお咎めなしのチェルシーFWにレジェンドたちも疑問「信じられない」「レッドカードだ」

アーセナルのファンは日本代表DF冨安健洋へのファウルに怒り心頭だ。 23日、プレミアリーグ第29節延期分のアーセナルvsチェルシーが行われ、優勝を争うアーセナルが5-0で圧勝。チェルシーとの“ビッグロンドン・ダービー”を制していた。 冨安はこの試合に先発出場。先週末のウォルバーハンプトン戦を欠場しただけに心配されたが、大一番で攻守にわたって活躍を見せた。 しかし、試合の序盤に心配なシーンが。8分、冨安がデクラン・ライスからのパスを受けると、ややトラップが大きくなりルーズボールに。これを冨安が拾いに行った中、チェルシーのFWニコラス・ジャクソンも奪いにくる。 ボールにいち早く触った冨安に対し、ジャクソンは思い切り足首を踏みつける形に。スロー映像では、完全に足首を踏み、冨安は捻っているようにも見える。 しかし、このシーンに対してVARチェックが入ったにも関わらず、ジャクソンには何もなし。レッドカードはおろか、イエローカードすら出ないこととなった。 危険な行為は、故意かどうかに関係なく厳しく取り締られている中で、ただのファウルで終わることに。これにはイギリス『talkSPORT』の解説を務めた元イングランド代表DFダニー・ミルズ氏は「あれはレッドカードだ。ぜひVARを見てみたい」とコメントしていた。 また、『TNTスポーツ』で解説した元イングランド代表DFリオ・ファーディナンド氏も「あのチャレンジがVARさえ考慮されないことは信じられない」とコメント。アーセナルOBの元イングランド代表DFマーティン・キーオン氏も「驚くべきこと」と同意していた。 当然この判定にはアーセナルのファンが怒り浸透。X(旧ツイッター)では「ジャクソンの酷いタックル。辞めるべきだ」、「ニコラス・ジャクソンはレッドカードだろう。冨安健洋への酷いチャレンジだ」、「ニコラス・ジャクソンがどうしてまだピッチに立っているのかわからない」、「見れば見るほどレッドカード。衝撃的」というコメントが集まっている。 冨安は72分で途中交代。その後問題なくプレーしていたため、大きなケガにはなっていないと思われるが、最悪の結末が待っていた可能性もあっただけに、今後判定について何かが起こるのか注目が集まる。 <span class="paragraph-title">【動画】一歩間違えれば重傷の危機…冨安健洋が足首を踏みつけられる</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="u4Nzm2_34WM";var video_start = 65;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.24 14:52 Wed

「相変わらず堅実」「ベストの左SB」先発復帰の冨安健洋、攻守の好パフォーマンスは現地でも高評価「この試合の先発に相応しい」

アーセナルの日本代表DF冨安健洋は高い評価を受けている。 23日、プレミアリーグ第29節の延期分でアーセナルはチェルシーをホームに迎えた。 “ビッグロンドン・ダービー”となった一戦。冨安は前節のウォルバーハンプトン戦を欠場。2試合ぶりの出場となった。 チャンピオンズリーグ(CL)のバイエルン戦では先発出場していた冨安。再びビッグマッチで先発起用されると、攻守にわたって存在感を示し、守備ではノニ・マドゥエケとの一対一を封じると、攻撃では何度となくチャンスメイクを見せ、惜しいシュートも放っていた。 チームは5-0で圧勝した中、富安も高評価。イギリス『フットボール・ロンドン』は8点(10点満点)をつけた。 「ウルブス戦を欠場した後、この試合の先発に相応しかった。とても良く見えた」 「ボールの扱いが印象的で、1vs1の守備は相変わらず堅実だった」 イギリス『ロンドン・イブニング・スタンダード』は7点(10点満点)をつけている。 「打撲から回復した後、サイドに戻ってきた。堅実なパフォーマンスを見せており、現時点のアーセナルでベストの左サイドバックに見える」 また、イギリス『デイリー・メール』は7点(10点満点)をつけた。 「9分にニコラス・ジャクソンと衝突。相手にはレッドカードが与えられるはずだった。それでもピッチに留まり続けられて良かった」 冨安は9分ごろ、ニコラス・ジャクソンに足首を踏まれて捻る場面もあったが、72分までプレーを続けている。 <span class="paragraph-title">【動画】攻守に躍動!冨安健洋のチェルシー戦パフォーマンス集</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="u4Nzm2_34WM";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.24 10:40 Wed

「チームは諦めてしまった」アーセナルに大敗のチェルシー、ポチェッティーノ監督は嘆く「最も受け入れ難いのはスタート」

チェルシーのマウリシオ・ポチェッティーノ監督が、大敗を喫したアーセナル戦を振り返った。クラブ公式サイトが伝えた。 23日、プレミアリーグ第29節の延期分でチェルシーはアーセナルとアウェイで対戦した。 今シーズンはなかなか成績が上がってこないチェルシー。3日前にはFAカップ準決勝でマンチェスター・シティに0-1で敗れて敗退していた。 このところ復調も見せていた一方で、その原動力となっていたコール・パーマーが不在。チームに違いをもたらせていた男を欠いた中、試合早々に失点。その後盛り返しを見せるもフィニッシュの精度がなく、後半にはいり連続失点。終わってみれば5-0で惨敗となった。 今シーズン最大の敗北となった一戦。ポチェッティーノ監督は大敗に失望し、チームのパフォーマンスの低さを嘆いた。 「残念だ。本当に残念だ。パフォーマンスは良くなかったし、本来の形で試合をスタートできなかった」 「あまりにも簡単にゴールを許し、アーセナルにとって簡単にさせてしまった。試合はビハインドでスタートしたが、その後は本当に大変だった。失点してから10分か15分くらい経った頃から、試合をやり直したかのように少しずつプレーをし、チャンスを作り始めた」 「『このレベルであのように試合を始めるのは無理だ』とハーフタイムに話していたが、後半はまた悪い立ち上がりで2失点してしまった。その後、チームは諦めてしまい、我々は試合に参加できなかった」 「最も受け入れ難いのは、我々のスタートだ。前半の残り30分間、よく競い合い、試合は互角だったので、チャンスを作るために幾つかのミスを起こさせていた」 「そして後半、3-0になった時のスタート。この瞬間、チームはとても苦しみ始め、ゲームをコントロールするのに苦労し始めたと思う」 <span class="paragraph-title">【動画】チェルシーがまさかの大敗…アーセナル相手に5失点</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="khB_jdUoMNc";var video_start = 5;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.24 09:38 Wed
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly