本当の「地域に根ざしたスポーツクラブ」へ 塩釜から日本サッカー改造を目指し続ける81歳・小幡忠義の想い【#あれから私は】

2021.03.11 21:00 Thu
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「向かいの交番の所長が『小幡さんこれ大変なことになったよ』と泥だらけになってやってきた。隣の七ヶ浜の海水浴場とか町が全滅して、『とんでもねえよ。何千人って死人が出るよって』それで俺の店に来てぐったりしているわけですよ」

そう当時を振り返ったのは、塩釜市在住の小幡忠義氏。宮城県の塩釜市生まれ塩釜市育ちで、現在も地元の塩釜市で小学生たちにサッカーを教えている。現在81歳のサッカー指導者だ。

2011年3月11日、東北地方を中心に大きな被害をもたらした東日本大震災から10年。小幡氏は当時の様子を振り返ってくれた。

「俺自身津波がそんなにひどいものなのか分からなかった。次の日にその凄さが分かった」

塩釜市は、仙台市の東に位置する海に面した街。10年前の東日本大震災では最大震度6強を観測し、4メートルの津波が発生。沿岸部の住宅や漁船などが被害に遭い、市民47人が犠牲となった。また、18人が関連死と認定され、最大避難者数は8771人にも及び、大きな被害を受けていた。

小幡氏を語る上で欠かせないのが、「塩釜FCの創設者」というフレーズだ。1964年に「仁井町スポーツ少年団」という名で立ち上げられ、小幡氏の類まれな行動力とリーダーシップのもと、塩釜FCに発展する。

人口わずか5万6千人の塩釜市から、元日本代表の加藤久氏(京都サンガF.C.強化本部長)や、鹿島アントラーズで活躍するMF遠藤康、モンテディオ山形、ガンバ大阪などJリーグで活躍した佐々木勇人氏ら、多くのJリーガーを輩出してきた実績がある。
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その小幡氏だが、クラブを持っている中での震災発生。さらに、当時は宮城県サッカー協会の会長を務めていたため、安否確認や対応に追われたという。

「俺たちは何をしていいのか分からないし、いろいろな人が支援に来てくれているし、そこで初めてツイッターを覚えて、情報収集だよね。まず、クラブのメンバーの情報を、安否確認。後はうちの親戚とかいろいろな情報を取りながら、次の手を考えていたんだ」

「その間にいろいろな人たちが集まってきて、作戦練ったりして動いていた。宮城県サッカー協会が県のサッカー場にあったんだけども、サッカー場も被災が凄くて、ひび割れしてたり、そこを(一般に)開くわけにはいかないから、近いから俺のところにみんな集まって来ることになったんだよ」




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3度のW杯制覇にルール変更、誰もが知る「サッカーの王様」ペレの偉業

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岩政流で見えた“常勝軍団”復活の兆し、監督合流で鹿島が新たな“強さ”を掴む/編集部コラム

Jリーグで最もタイトルを獲得しているのは、言わずと知れた鹿島アントラーズ。“常勝軍団”と呼ばれ、勝利を望み、クラブ内外からタイトルを常に求められている。 J1は最多の8度の優勝を誇り、リーグカップ、天皇杯、AFCチャンピオンズリーグを合わせた主要タイトルは「20」を数える。 ギリギリのところから、しかしリーグ優勝は2016年が最後。タイトルだけで見ても、この3年は無冠に終わっている。史上2度目の屈辱を味わっているという状況だが、特に近年は最終的に上位でフィニッシュしながらも、シーズンのスタートで大きく躓くという非常に不甲斐ない事態となっていた。 その鹿島は2022シーズンに向けてチームを改革。これまではテクニカルダイレクター(TD)を務めていたクラブのレジェンドでもあるジーコ氏、そして長年チームの強化を担当してきた鈴木満フットボールダイレクター(FD)が退任した。 これにより史上初となるヨーロッパ出身の監督を迎え、スイス人のレネ・ヴァイラー氏が就任。しかし、新型コロナウイルス(COVID-19)のオミクロン株が流行した影響で新規入国が認められず、リーグ戦4試合はこちらも今季から就任のクラブOBである岩政大樹コーチが指揮した。 ホームでの川崎フロンターレ戦では不甲斐ない試合を見せてしまったが、その試合を除いては3勝。ここ数年では1番良いスタートを切ることとなった。 <span class="paragraph-title">◆岩政大樹コーチによるチームの変化</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2022/get20220314_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:small;" id="cws_ad" class="desc">©J.LEAGUE<hr></div> 今シーズンの鹿島も[4-4-2]をベースに、[4-2-3-1]、[4-3-3]、[3-4-3]と試合中にシステムを変えて対応力を見せていた。 特に岩政コーチの代行指揮ラストマッチとなった11日のヴィッセル神戸戦も、早々に先制すると、後半に追加点という展開。徐々に神戸が盛り返そうとする中、岩政監督は選手の並びを変えて状況を変化させようと手を打つ。 「攻撃の立ち位置を整理して、個人で相手から良いポジションを取るのは難しいので、攻撃の時は可変でやりました」 「3バックでやり、[3-4-3]でやって間でボールを受けれるということをやって、上手く受けられたと思います」 選手交代に合わせてシステムをいじり、神戸に行きそう流れを止めて行った岩政監督。更なる追加点こそ奪えなかったが、選手たちはしっかりと対応してプレーを続けた。 ここが1つ、鹿島の改革が進んだところと言えるだろう。これまでの鹿島では、流動的にシステムを変えてプレーするということは少なかった。戦い方を突き詰めて、それをしっかりと遂行していくということが主となり、自分たちのストロングポイントを出すスタイルだった。 しかし、時代が変わり、鹿島でもストロングポイントを出し続けることは難しい状況に。相手の出方を見て、臨機応変に対応するという闘い方の基礎を、岩政コーチは作った。 岩政コーチは「(ヴァイラー)監督が色々なオプションを持てるように、ここまでの4試合でシステムやオプションを色々使いました」と語り、「色々なシステムを使うことも選手にやってもらったので、ここからのチーム作りはスタッフとしても楽しみです」と、どのようにチームが変化するのか。選択肢をたくさん持たせたとした。 <span class="paragraph-title">◆選手も刺激を受けた指導法</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2022/get20220314_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:small;" id="cws_ad" class="desc">©KASHIMA ANTLERS<hr></div> プロを相手に指導するのは初めてだった岩政コーチ。一方で、解説者などとして活躍していたことは、事象を言語化する能力が非常に長けており、状況を見ての的確な指摘も話題となっていた。 その能力は、実際の現場での指導でも生かされていた。鹿島からシント=トロイデンへと移籍し、ベルギーの地でゴールを量産してきた鈴木優磨。今シーズンから復帰し受けた岩政コーチの指導については「自分のサッカー人生において、ここまで具体的に言語化できる人が初めてで、すごく刺激になった」とコメント。充実感のある指導を受けられていたようだ。 また、三竿健斗も「選手として1人1人がピッチに立った時に良い判断ができるように色々と仕込んでもらっています」と、対応力を身につけ、再現性あるプレーを行うために、様々な判断のヒントをもらっていたと明かした。 その三竿は「僕がずっと求めていたものでもありますし、鹿島がそれをできれば強いチームになると思っています」と語り、岩政コーチの指導に感銘を受けていると語った。 また、試合中のシステム変更についても「僕らが優位に立てる選択をしてくれているだけ」と語り、「僕は凄くポジティブに捉えていますし、選手の良さを出せる配置だと思う」と、個々の特徴に合わせた配置で、相手に対して攻守に渡って良いプレーができるという手応えを感じているようだった。 岩政コーチは「彼らが新しいサッカーに前向きに取り組んで、楽しんでくれて、僕の言葉をしっかり消化してくれて、自分たちのサッカーを新しく作ろうと気概をもって取り組んでくれました」と語っており、選手たちが高い志で、前向きにトレーニングに取り組んでいる様子を語ってくれた。どこか停滞感のあったチームが、大きな変革を遂げようとする中では、非常にポジティブな状況であり、そこに結果がついてきているという点でも大きな一歩を踏み出していると感じられる。 <span class="paragraph-title">◆ヴァイラー監督合流でさらに変革が加速</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2022/get20220314_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:small;" id="cws_ad" class="desc">©KASHIMA ANTLERS<hr></div> 改革を掲げ、いきなり大成功を収めるということはなかなか起こらない。やはり、時間を要するものであり、上手く改革が進むということがない場合もある。 その中で言えば、結果を見ても、内容を見ても、しっかりと歩みを進めていることはわかるだろう。それは、監督不在の間にチームを預かった岩政コーチが作り出したものが、プラスに働いていると言える。 そしてついに来日したヴァイラー監督。「良い印象も、悪い印象も、良い部分も、悪い部分も色々あった」と、ここまでの試合の感想を語ったが、「そこをいきなり変えることは難しいので、徐々にやっていきたい」と慎重に進めていきたいと明かした。 そのヴァイラー監督が大事にしたいことは「選手の観察」だという。「選手たちを会話をし観察しながら、1番良いものを模索していきたい」と語り、システムにハメていくのではなく、選手個々の能力を把握して、最大限に出せる形を見つけていくというのだ。 この考えは岩政コーチと同じ。様々なパターンを試し、選手に色々な判断の選択肢を与えてきたことは、ヴァイラー監督が率いる上でも、非常に重要な基礎を作ったと言えるだろう。 「選手のパーソナリティを育てるというところで、特徴を見極める能力は長けていると思う」と自身について語ったヴァイラー監督。その中での育成方針は「非常にタフだが、それを楽しくやらなければ、成長や向上は見受けられない」と語り、雰囲気の良さは重要だとした。 若手も多い鹿島においては適任と言える監督ではないだろうか。「性格、スキル、長所・短所を分析しなければいけない。短所にどう取り組むのか。どう意識して成長するかが重要」と、ここを伸ばすためのリサーチは重点的に行い、的確に指導していくことになるだろう。 その中で求められるタイトルについても「優秀な選手を育てられれば強いチームになり、強いチームになれば成果が出る。そこを認識しなければいけない」と語り、まずは選手の成長が第一。「選手のポテンシャルを最大限引き出すことが重要で、それをチームに生かすことが大事」と語る中、どう改革を進めるか。この先の成長と変化が楽しみでならない。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2022.03.14 06:45 Mon
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5試合で23人が先発、横浜FMが持つ強みは“ポジション”に捉われない戦い方と“一貫性”/編集部コラム

Jリーグ開幕から2週間が経過。新型コロナウイルス(COVID-19)のクラスターにより一部チームは活動停止に追い込まれたが、おおよそのJ1クラブが5試合を消化した。 開幕から週2回の試合開催を続けてきた中で、カップ戦を戦ったチームはどのチームも思い切ったターンオーバーを敢行。YBCルヴァンカップでは若手や控え組を積極的に起用し、週末のリーグ戦で主軸選手を起用するという形がおかった。 ここからは基本的に週1回の試合開催となり、一息つけると言ったところだろう。 しかし、4チームだけがリーグ戦を5試合消化という過酷な試練を受けていた。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)に出場する川崎フロンターレ、浦和レッズ、横浜F・マリノス、ヴィッセル神戸の4チームだ。 神戸は15日に控えるプレーオフでメルボルン・ビクトリーに勝利しなければ本大会への出場は叶わない状況だが、この4チームの成績は対照的だ。 川崎フロンターレと横浜F・マリノスは3勝1分け1敗の勝ち点10。横浜FMが首位に立ち、2位に川崎Fがつける状況。浦和は6日に行われた湘南ベルマーレ戦で初勝利を記録も、団子状態のおかげで7位に位置している。 そして心配なのが神戸。未だ勝利なし、3分け2敗で16位と低迷中だ。セレッソ大阪、湘南ベルマーレが1勝でもすれば最下位という状況。勝ちきれない苦しさを味わっている。 <span class="paragraph-title">◆圧倒的なターンオーバー</span> 当然この4チームは、リーグ戦を5試合戦ったこともあり、同じメンバーで戦うことは不可能。他の14クラブがカップ戦で大幅なターンオーバーを行っているが、それをリーグ戦でやるのだから簡単ではない。 14チームの中で、リーグ戦に限って先発をした選手が最も多かったのは16人の湘南。最も少ないチームは12人の北海道コンサドーレ札幌だった。 一方で、ACL組の4チームでは川崎Fと浦和が18人、神戸に至っては21人が先発をすでに経験している。しかし、最も多いのは横浜FMで23人が先発出場をすでに果たしているのだ。 大事なリーグ戦を戦いながら、圧倒的にターンオーバーを採用している横浜FM。もちろん試合数が違うので比較はできないが、それでも5試合を戦って現在暫定首位。しっかりと結果を出しているのだから驚きだ。 21人の選手が先発した神戸が16位と低迷していることからもわかるように、多くの選手を入れ替えるとチームは機能しにくくなる。選手個々の力の差、そしてシーズン開幕から間もないことで、新加入選手のフィットがまだ足りていないこと、コンディションの問題などもあるだろう。往々にして起こりうる現象だが、横浜FMには関係ないようだ。 復帰組を除き、新加入の選手で先発していないのは、ユースから昇格した西田勇祐のみ。また、FWアンデルソン・ロペスは5試合で2得点、FW西村拓真は3試合で2得点を記録するなど、目に見えた数字も残している状況だ。 <span class="paragraph-title">◆強さの秘密は“一貫性”</span> 3連覇を目指す王者・川崎Fですら、新加入選手ではタイ代表MFチャナティップと流通経済大学から加入したDF佐々木旭が先発しているが、MF瀬古樹、MF松井蓮之、MF永長鷹虎、FW五十嵐太陽は起用されていない状況だ。 チャナティップこそ5試合連続で先発し、徐々にフィットしている感はあるが、まだまだ本調子とは言えない状況だ。 しかし、横浜FMは新加入選手も積極的に起用し、控え選手を起用しても結果を残せている。その理由は、チームの“一貫性”だ。 横浜FMは、2018年にアンジェ・ポステコグルー監督(現セルティック監督)が就任してからチームが変化。アグレッシブな戦い方と、サイドと中央をミックスした攻撃を武器に、前線からのハードワークとハイプレス、そして最終ラインが圧倒的なハイラインを敷き、後方の広大なスペースをGKが埋めるという超攻撃的な戦い方を見せている。 2年目の2019年にはリーグ優勝を果たすと、3年目は9位に沈んだが、2021年は再び上位争いに。しかし、夏にセルティックからのオファーを受けて退任。同じオーストラリア人のケヴィン・マスカット監督が就任すると、最終的には2位でシーズンを終えていた。 ポステコグルー監督が3年半で築いてきたサッカーをさらに推し進めるために招へいされたマスカット監督。より攻撃的になる片鱗を昨シーズンの終盤に見せていた。 そのスタイルは今シーズンも変わっておらず、攻撃的なサッカーを武器にすでに11得点を記録。川崎F戦では大量4得点を記録するなど、その破壊力は健在だ。 こうしてチームのスタイルを継続していることが、1つ好調の要因と言えるだろう。 <span class="paragraph-title">◆ポジションを気にせず、タスクを遂行するスタイル</span> そしてさらに大きな要因は、ポジションに捉われないサッカーを行っていることだ。 前述の戦い方のベースに加え、横浜FMの大きな特徴なのが、流動的なポジション取りだ。サイドバックの選手が中に入ってボランチのようにプレーすること、ボランチの選手がサイドに開いてアタッカーの役割を担ったり、サイドバックがウイングのように攻撃に参加したり、トップ下の選手とトップの選手が入れ替わるなど、試合中に目まぐるしく立ち位置が変化する。 両ウイングがサイドを変えることも少なくなく、気がつけば元に戻っていることも。また、ポリバレントな選手が多数揃っていることも大きいと言える。 例えば、DF岩田智輝は昨シーズンから在籍。大分トリニータでは3バックの右か右ウイングバックでプレーすることが多かったが、横浜FMでは右サイドバックや2センターバック、ボランチと3つのポジションでプレーしている。 より顕著なのはDF小池龍太。右サイドバックが主戦場だったが、左サイドバックも務め、人手が足りないとなればボランチでもプレーする。横浜FMのサッカーには欠かせない選手の1人となっている。 もちろん選手個々の能力の差、戦術理解度の差があることではあるが、横浜FMでは試合中はポジションに捉われてサッカーをしておらず、立ち位置は流動的。局面、局面に合わせてそれぞれの選手が立ち位置を変えるため、チームとしての約束事をそれぞれが守るだけで良い。これが“一貫性”が生み出したものであり、誰が出ても変わりないパフォーマンスを出せる秘訣と言えるだろう。 小池はこの点について「新加入選手やポジション関係なく、マリノスのサッカー、アタッキングフットボールを吸収しようというのが大きな違い」とコメント。また「マリノスのサッカーをプレーすることはポジションが関係ないというか、居なければいけない場所を認知しながら、やることは多いようで少ないというか、理解していれば迷うことはないです」と、チームのスタイルを語った。 つまり、原理原則を理解すれば、誰がどこでプレーしても変わらないということ。簡単なことではもちろんないが、しっかりと選手たちが理解していれば、選手が変わっても大きくパフォーマンスが落ちたりはしないということになる。 これはマスカット監督も「全員がプレーを理解して表現できれば、コントロールして上手く試合を進められるというのが見えてきた」と清水エスパルス戦後にコメント。6人のスタメンを入れ替えた清水戦の戦いでも「西村拓真、吉尾海夏がすごく良いプレッシャーをかけて相手からボールを奪ったりなど良いプレーができた」と、横浜FMのサッカーに日が浅い2人も力を発揮したと評価した。 戦い方を大きく変化させず、それでもブラッシュアップを続けて選手たちが高いパフォーマンスを維持し続けることで、クオリティを格段に上げている横浜FM。マスカット監督は「1人1人が緊張感をもってやらなければいけないと感じたはずだ」とコメント。その理由は「色々な選手がどこででもパフォーマンスを発揮する。 そのため、競争が激しくなると感じているはずだ」と、誰がどこで出てもおかしくない状況が作れるということを示唆した。 ポステコグルー監督が築いたスタイルを、マスカット監督が進化させている横浜FM。川崎Fの3連覇を阻止する急先鋒は変幻自在の“トリコロール”かもしれない。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2022.03.07 06:45 Mon
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好ゲームも浦和が勝てない理由は? 足りない“浦和”としての経験値/編集部コラム

「前半は特にプレーだけじゃなく、ディフェンスの強度、ゴールだけでなく、追加点も取れてもおかしくない展開だった。相手に対してチャンスを作らせなかった前半ができた」 こう話したのは浦和レッズのリカルド・ロドリゲス監督。2日に行われた明治安田生命J1リーグ第10節の川崎フロンターレ戦後のコメントだ。 3連覇を目指す王者である川崎Fのホームに乗り込んだ浦和。2月12日にはFUJIFILM SUPER CUP2022で対戦した相手。当時は2-0で勝利を収めたが、この日は2-1で敗戦。開幕4試合未勝利となった。 リカルド監督から出た言葉は決して強がっているわけではない。前半のスタッツを見れば、川崎Fのシュートは3本に対し、浦和は5本のシュート。ゴールもしっかりと奪った。 互いに強度の高いプレスを掛け、相手からボールを奪うシーンが多かったものの、よりゴールに近づいたのは浦和。1点に留まったが、複数点取れていてもおかしくない展開だった。しかし、試合は2-1で敗戦。後半に2ゴールを奪われ逆転負けを喫した。 「前半は数多くチャンスを作り、ピッチでもはっきり見られた。ただ、決定力が足りなかった。最後の数メートル決め切れるかどうか。チャンスも多く作った」 この言葉もリカルド・ロドリゲス監督の言葉だ。2月26日に行われた明治安田J1第2節のガンバ大阪戦後のもの。川崎F戦と同じようなことを口にしている。 リーグ戦を4試合戦っている浦和の成績は1分け3敗。優勝候補の呼び声も高かった中、蓋を開ければ未勝利で3敗。試合数の関係もあるが、17位と降格圏にいる。 ここまでの結果を予想できた人は誰もいないのではないだろうか。それぐらいスーパーカップで見せた浦和の川崎F相手の戦いぶりは良いものだった。 ではその浦和に一体何が起こっているのだろうか。 <span class="paragraph-title">◆相次いだ不測の事態</span> 1つは計算できなかった事態に巻き込まれているということだ。 まず、ケガやコンディション不良という事態がチームを襲い、選手がなかなか揃うことがないという現状がある。 開幕戦の京都サンガF.C.戦は大卒ルーキーのMF安居海渡を先発に抜擢。ベンチに2種登録のFW早川隼平を入れなければいけないという事態に見舞われていた。 第2節のガンバ大阪戦ではDF酒井宏樹がメンバー外に。こちらも大卒ルーキーのDF宮本優太を先発起用しなければならない状況となった。 川崎F戦で復帰を果たしたが、FWキャスパー・ユンカーもケガの影響で開幕から3試合は欠場。MF平野佑一やMF大久保智明もこの試合が今季の初出場となった。開幕から超過密日程が続いた中で、選手が揃わないという事態は、リカルド監督としても誤算だっただろう。 さらに不測の事態をチームが襲ったのは退場者の問題だ。 前倒された第9節のヴィッセル神戸戦ではMF明本考浩が、第2節のG大阪戦ではMF岩尾憲がそれぞれ退場。どちらの試合も数的不利になった状態でゴールを許し、勝ちが引き分け、引き分けが負けになっている。 選手の退場などは予測することは不可能。その中で、ともに後半に退場し、チームは苦しむハメになってしまった。勝利が出ていない1つの要因と言えるだろう。 <span class="paragraph-title">◆後半に見える脆さ、足りないものは</span> もちろん、そのことが影響していないとは言わないが、監督や選手はそれを言い訳にはしない。どのクラブにも起こることであり、条件は一緒だからだ。 しかし、この4試合に共通して言えるのは、チャンスを決め切れない決定力が欠けていること、そして90分間を通してのパフォーマンスが徐々に落ちていっているということだ。 開幕戦の京都戦も前半は浦和がボールを保持してゴールへと近づいた中、ゴールを奪えないまま前半を終えることに。すると早々にピーター・ウタカにゴールを許して敗れた。 神戸戦は相手に先制されながらも前半で2点を奪って逆転に成功。その後も決定機を迎えたが生かせないでいる中、後半早々に明本が退場。最後は防戦一方となり、槙野智章に決められて引き分けた。 続くG大阪戦は前半は完全に浦和が支配し、ゴールが決まらないのが不思議なほど。敵将の片野坂知宏監督でさえ、「内容は浦和さんの試合」と明確に語った。ただ、結果は0-1で敗戦だった。 そして川崎F戦。同じように前半から真っ向勝負で戦い、川崎Fを上回る前半を見せて先制。しかし、後半押し込まれ始めたところで連続失点を喫し、2-1で敗れた。 試合の展開は4試合とも似ており、決定機を決め切れていないという事実、そして後半に強度が落ちたところを狙われて失点するという点だ。 前述の選手が揃わないこと、コンディションが整っていないということも少なからず影響するだろう。ましてや週2回のリーグ戦を戦うということで、疲労ももちろん溜まる。選手をやりくりしようにも、駒がないという状況は、リカルド監督にとって苦しいところだろう。内容は良くても勝てないというジレンマに、「フラストレーションがある」と語ったが、それも当然と言える。 では浦和に欠けているモノはなんなのか。疲労度や選手のコンディションという点以外に大きなものが1つ。それは「浦和を支えるチーム力」ではないだろうか。 <span class="paragraph-title">◆“浦和”としての経験値</span> 開幕から4試合に先発したメンバーを振り返ると、GKの西川周作、DF岩波拓也、MF伊藤敦樹、MF関根貴大、MF江坂任の5名は全試合で先発している。 また、DFアレクサンダー・ショルツ、DF馬渡和彰、MF柴戸海は先発が3回で途中出場1回、MF明本考浩は退場があった影響もあるが先発は3回、MF松崎快は先発2試合、途中出場2試合の4試合、DF酒井宏樹、DF大畑歩夢、MF小泉佳穂は先発2回、途中出場1回の3試合だ。 過密日程ということを考えてのローテーションは考えられるが、同じメンバーでローテーションせざるを得ないということが分かり、一部の選手には負荷がかかっていることも見て取れる。 ただ、それ以上に気になるのが“浦和”としての経験値だ。 トップチームだけの歴で考えれば、最も長いのがGK西川の9年目。次いで、途中シント=トロイデンに移籍していた期間もある関根の8年目、岩波、柴戸の5年目となる。 ご存知の通り、昨シーズン限りでDF阿部勇樹が現役を引退。DF槙野智章、DF宇賀神友弥、FW興梠慎三と長く浦和を支えた選手たちが去った。 チームとしてリカルド監督を迎え、改革を進めている2年目。当然このようなことが起こること事態は想定内であり、改革のためには必要なことだっただろう。今いる選手が悪いということでもなく、選手を入れ替えているお陰で、新たなサッカーをピッチ上で表現できていることも間違いない。 しかし、“浦和歴”が短い選手がピッチに多く立つことになり、リカルド監督のチームが2年目ということを差し引いても、チームとしての力がまだまだ足りないということが言えるだろう。 個の能力は上がり、リカルド監督が目指すサッカーを体現できる試合は増えている。しかし、昨年から流れを引き戻すという力はどこか足りず、“浦和”としての経験値が低い選手がピッチ上に並ぶことで、プランが遂行できない時に力が発揮しにくい状態が生まれているようにも思う。その結果、相手にそこを突かれ、結果を変えられてしまうのだ。 例えば、川崎Fも今季から加入のMFチャナティップや2年目のMF橘田健人、FW遠野大弥らはいる。ただ、鬼木達監督の下で4度のリーグ制覇を経験している選手が4名、前述の3人以外は昨年までの連覇を経験と、チームとしての成熟度は高い。それが、後半盛り返し、逆転できた要因の1つとも言えるだろう。修正力、そして自分たちがやることの理解度は深い。 その点で言えば、苦い思い出になったが神戸戦で古巣の嫌なところを突いて負けを引き分けに変えたのは槙野だった。その勝負強さは、何度も見てきたはずだが、それを見せつけられることとなってしまった。皮肉なものだろう。 川崎F戦後、今季から加入した馬渡は「流れが悪くなりそうな時に跳ね返す力というのはチーム全体で必要かなと思います」と語った。生え抜きである関根は「1失点して盛り返すぐらいのチーム力が必要だと思います」とコメント。「難しい時間帯をどう乗り切るのかは、チーム力を上げる必要があると思う」と、チーム力が足りていないことを指摘している。 “一丸”となって戦い切ることができるかどうか。確実にチームとしてピッチ上で体現することのクオリティは上がっている浦和。それだけに結果がついてこない現状はもどかしいものがあるが、昨季でチームを去った阿部や槙野らが見せていた意地でもなんとかするという“浦和”としての一体感を見せてもらいたいところ。裏を返せば、今の選手たちがその力を身に着けた時には、今までにない強い浦和となる可能性は高い。今はまだ我慢の時期と言えそうだ。 次戦はホーム・埼玉スタジアム2002での試合。湘南ベルマーレ戦で今シーズン初勝利を掴み、浮上のキッカケとしたい。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2022.03.03 06:45 Thu
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