【J1開幕直前ガイド|ヴィッセル神戸】不甲斐ない昨季を払拭へ、期待される新戦力と若手の躍動
2021.02.20 21:05 Sat
2021シーズンの明治安田生命J1リーグは2月26日に開幕。昨シーズンは降格がなくなったため、今シーズンは史上初となる20チームでのJ1リーグとなる。
昨シーズンに引き続きコロナ禍でのリーグ戦開催となる中、各クラブが積極的な補強や、チームの改革を行っている。
そこで、開幕を前に超ワールドサッカー編集部が、チームのノルマや補強達成度、イチオシ新戦力、そしてJリーグの開幕キャチコピーとして発表された「#2021のヒーローになれ」にあやかり、今シーズンのヒーローになるべき選手をピックアップした。
第7弾は、昨シーズンの明治安田J1で14位に終わったヴィッセル神戸を紹介する。
◆補強動向《C》※最低E~最高S
【IN】
GK廣永遼太郎(31)←サンフレッチェ広島/完全移籍
DF櫻内渚(31)←ジュビロ磐田/完全移籍
DF小林友希(20)←横浜FC/復帰
MF井上潮音(23)←東京ヴェルディ/完全移籍
MF増山朝陽(24)←アビスパ福岡/復帰
MF櫻井辰徳(18)←前橋育英高校/新加入
FWリンコン(20)←フラメンゴ(ブラジル)/完全移籍
GK吉丸絢梓(24)→ギラヴァンツ北九州/完全移籍
DFダンクレー(29)→セレッソ大阪/完全移籍
DF渡部博文(33)→レノファ山口FC/完全移籍
DF西大伍(33)→浦和レッズ/完全移籍
DF藤谷壮(23)→ギラヴァンツ北九州/完全移籍
FW小川慶治朗(28)→横浜FC/完全移籍
選手の出入りに関してはさほど大きな動きを見せなかった神戸。それでも、DFダンクレー(→セレッソ大阪)、そしてDF西大伍(→浦和レッズ)と昨シーズンのレギュラーが退団したことは少なくない影響があるはず。控えながらも堅実なプレーとビルドアップでチームを支えたDF渡辺博文(→レノファ山口FC)もチームを去り、守備面では不安を抱える状況となるだろう。
横浜FCでセンターバックとして成長を遂げたDF小林友希が復帰、また西の代役にジュビロ磐田からDF櫻内渚を獲得したが、補強というよりは補充になっている状況。チームへのフィットも考え、プラスになるものを発揮できるかが重要となるだろう。
また、攻撃陣を見ても生え抜きのFW小川慶治朗が横浜FCへと移籍。武者修行をしていたMF増山朝陽がアビスパ福岡から復帰したが、J1での実績がないだけに小川の穴を埋められるかは未知数だ。
目玉としては東京ヴェルディから獲得したMF井上潮音、そしてU-20ブラジル代表のFWリンコンを獲得した。井上は長短のパス精度が武器で、ミスも少なく、自身が育った東京Vを中盤で支えていた。しかし、J1は初挑戦。J2とは違う舞台でその能力をしっかりと発揮できるかは気になるところ。MFアンドレス・イニエスタがケガのために序盤戦は起用できず、不在時のチームを支える働きが求められることとなる。
FWリンコンに関しても、持っている才能はピカイチ。ビッグクラブも注目していたほどの才能だが、Jリーグでどうプレーするのか。また、日本政府の入国制限により来日できておらず、未知数な部分が多い。補強と考えるには、現時点では不確実な要素が多すぎるため、既存選手たちの活躍に期待が懸かる。
◆目標:上位争い
昨シーズンは天皇杯王者としてAFCチャンピオンズリーグ(ACL)に初出場。日本勢で最高のベスト4に進出したが、優勝した蔚山現代に準決勝で敗れた。
その一方で、リーグ戦では不安定な戦いを続け、終わってみれば14位。特にシーズンを6連敗で終えていることは、保有戦力やチームの置かれていた状況を考えると、不甲斐ないとしか言えない結果に終わった。
その神戸は三浦淳寛監督が続投し、2年目のシーズンに。しかし、前述の通りチームの核であるイニエスタがケガのために開幕からしばらくは欠場することが確定している。
昨シーズンはイニエスタ不在の試合が8試合あったが、わずか1勝。攻撃の形が作れない試合が多く、今シーズンは開幕からその不安要素を抱えた状態となるだけに、しっかりとしたチーム作りをしなければならない。
しかし、今シーズンは国内での大会にのみ集中できる状況。リーグ戦、そしてカップ戦に臨むため、神戸の戦力を持ってすれば戦えないことはない。主力が抜けたポジションの穴埋めは必至だが、代役となるべき選手がしっかりと結果を残せるかが順位に大きな影響を与えるだろう。
◆超WS編集部イチオシ新戦力
MF井上潮音(23)
編集部がイチオシしたい新戦力は、東京ヴェルディから加入したMF井上潮音だ。
東京Vの下部組織で育った井上は、2016年にトップチーム昇格。そのポテンシャルはトップクラスで、かつて指揮を執ったミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(今季から清水エスパルス監督)はバルセロナのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシに例えたほどだ。
線の細さが当初はあったものの、徐々にたくましさを増し、3年目の2018シーズンからはレギュラーに。そのスタイルはメッシというよりは、イニエスタに近く、周りの選手との連動と細かなパスワークでゲームを組み立て、チャンスを作るタイプの選手だ。
バランス感覚に優れている井上は、神戸の中盤を支えるイニエスタの他、MF山口蛍、MFセルジ・サンペールとも相性は良いはず。周りを生かせる術を持っているだけに、高いレベルで揉まれることで、その才能を開花させてもらいたい選手だ。
序盤戦は前述の通りイニエスタが不在となるだけに、イニエスタ級のプレーが求められることになるだろう。その中で、どれだけ力を発揮できるのか。初のJ1の舞台で通用するポテンシャルはあるが、実際のプレーで見せられるかに注目だ。
◆2021年期待のヒーロー
MFアンドレス・イニエスタ(36)
今シーズン期待するヒーローは、お約束でもあるがやはりMFアンドレス・イニエスタだろう。
昨シーズンのACLで負傷。検査の結果、右大腿直筋近位部腱断裂と診断され、全治は4カ月と言われている。そのまま日本には戻らず手術を実施。無事に終わったが、復帰はしばらく先となってしまう。
イニエスタ不在の間にどれだけチームが形を作り、勝利を収めることができるかは今シーズンのカギを握ることになるが、ケガから復帰したイニエスタのプレーはやはり神戸には欠かせないものとなる。
Jリーグファンならば誰もが魅了されてしまうイニエスタのプレー。まさに“ヒーロー”にふさわしい選手だが、キャリアも終盤に差し掛かっての大ケガから復活し、元の輝きを見せてくれることは誰でも期待してしまうだろう。
昨シーズンに引き続きコロナ禍でのリーグ戦開催となる中、各クラブが積極的な補強や、チームの改革を行っている。
第7弾は、昨シーズンの明治安田J1で14位に終わったヴィッセル神戸を紹介する。
◆基本布陣(予想)[4-3-3]
©CWS Brains,LTD.
◆補強動向《C》※最低E~最高S
【IN】
GK廣永遼太郎(31)←サンフレッチェ広島/完全移籍
DF櫻内渚(31)←ジュビロ磐田/完全移籍
DF小林友希(20)←横浜FC/復帰
MF井上潮音(23)←東京ヴェルディ/完全移籍
MF増山朝陽(24)←アビスパ福岡/復帰
MF櫻井辰徳(18)←前橋育英高校/新加入
FWリンコン(20)←フラメンゴ(ブラジル)/完全移籍
【OUT】
GK吉丸絢梓(24)→ギラヴァンツ北九州/完全移籍
DFダンクレー(29)→セレッソ大阪/完全移籍
DF渡部博文(33)→レノファ山口FC/完全移籍
DF西大伍(33)→浦和レッズ/完全移籍
DF藤谷壮(23)→ギラヴァンツ北九州/完全移籍
FW小川慶治朗(28)→横浜FC/完全移籍
選手の出入りに関してはさほど大きな動きを見せなかった神戸。それでも、DFダンクレー(→セレッソ大阪)、そしてDF西大伍(→浦和レッズ)と昨シーズンのレギュラーが退団したことは少なくない影響があるはず。控えながらも堅実なプレーとビルドアップでチームを支えたDF渡辺博文(→レノファ山口FC)もチームを去り、守備面では不安を抱える状況となるだろう。
横浜FCでセンターバックとして成長を遂げたDF小林友希が復帰、また西の代役にジュビロ磐田からDF櫻内渚を獲得したが、補強というよりは補充になっている状況。チームへのフィットも考え、プラスになるものを発揮できるかが重要となるだろう。
また、攻撃陣を見ても生え抜きのFW小川慶治朗が横浜FCへと移籍。武者修行をしていたMF増山朝陽がアビスパ福岡から復帰したが、J1での実績がないだけに小川の穴を埋められるかは未知数だ。
目玉としては東京ヴェルディから獲得したMF井上潮音、そしてU-20ブラジル代表のFWリンコンを獲得した。井上は長短のパス精度が武器で、ミスも少なく、自身が育った東京Vを中盤で支えていた。しかし、J1は初挑戦。J2とは違う舞台でその能力をしっかりと発揮できるかは気になるところ。MFアンドレス・イニエスタがケガのために序盤戦は起用できず、不在時のチームを支える働きが求められることとなる。
FWリンコンに関しても、持っている才能はピカイチ。ビッグクラブも注目していたほどの才能だが、Jリーグでどうプレーするのか。また、日本政府の入国制限により来日できておらず、未知数な部分が多い。補強と考えるには、現時点では不確実な要素が多すぎるため、既存選手たちの活躍に期待が懸かる。
◆目標:上位争い
Getty Images
昨シーズンは天皇杯王者としてAFCチャンピオンズリーグ(ACL)に初出場。日本勢で最高のベスト4に進出したが、優勝した蔚山現代に準決勝で敗れた。
その一方で、リーグ戦では不安定な戦いを続け、終わってみれば14位。特にシーズンを6連敗で終えていることは、保有戦力やチームの置かれていた状況を考えると、不甲斐ないとしか言えない結果に終わった。
その神戸は三浦淳寛監督が続投し、2年目のシーズンに。しかし、前述の通りチームの核であるイニエスタがケガのために開幕からしばらくは欠場することが確定している。
昨シーズンはイニエスタ不在の試合が8試合あったが、わずか1勝。攻撃の形が作れない試合が多く、今シーズンは開幕からその不安要素を抱えた状態となるだけに、しっかりとしたチーム作りをしなければならない。
しかし、今シーズンは国内での大会にのみ集中できる状況。リーグ戦、そしてカップ戦に臨むため、神戸の戦力を持ってすれば戦えないことはない。主力が抜けたポジションの穴埋めは必至だが、代役となるべき選手がしっかりと結果を残せるかが順位に大きな影響を与えるだろう。
◆超WS編集部イチオシ新戦力
MF井上潮音(23)
©J.LEAGUE
編集部がイチオシしたい新戦力は、東京ヴェルディから加入したMF井上潮音だ。
東京Vの下部組織で育った井上は、2016年にトップチーム昇格。そのポテンシャルはトップクラスで、かつて指揮を執ったミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(今季から清水エスパルス監督)はバルセロナのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシに例えたほどだ。
線の細さが当初はあったものの、徐々にたくましさを増し、3年目の2018シーズンからはレギュラーに。そのスタイルはメッシというよりは、イニエスタに近く、周りの選手との連動と細かなパスワークでゲームを組み立て、チャンスを作るタイプの選手だ。
バランス感覚に優れている井上は、神戸の中盤を支えるイニエスタの他、MF山口蛍、MFセルジ・サンペールとも相性は良いはず。周りを生かせる術を持っているだけに、高いレベルで揉まれることで、その才能を開花させてもらいたい選手だ。
序盤戦は前述の通りイニエスタが不在となるだけに、イニエスタ級のプレーが求められることになるだろう。その中で、どれだけ力を発揮できるのか。初のJ1の舞台で通用するポテンシャルはあるが、実際のプレーで見せられるかに注目だ。
◆2021年期待のヒーロー
MFアンドレス・イニエスタ(36)
©J.LEAGUE
今シーズン期待するヒーローは、お約束でもあるがやはりMFアンドレス・イニエスタだろう。
昨シーズンのACLで負傷。検査の結果、右大腿直筋近位部腱断裂と診断され、全治は4カ月と言われている。そのまま日本には戻らず手術を実施。無事に終わったが、復帰はしばらく先となってしまう。
イニエスタ不在の間にどれだけチームが形を作り、勝利を収めることができるかは今シーズンのカギを握ることになるが、ケガから復帰したイニエスタのプレーはやはり神戸には欠かせないものとなる。
Jリーグファンならば誰もが魅了されてしまうイニエスタのプレー。まさに“ヒーロー”にふさわしい選手だが、キャリアも終盤に差し掛かっての大ケガから復活し、元の輝きを見せてくれることは誰でも期待してしまうだろう。
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