3位ローマと2位インテルは痛み分け! これで直近の対戦6戦連続ドロー決着に《セリエA》

2021.01.10 22:35 Sun
Getty Images
セリエA第17節、ローマvsインテルが10日にスタディオ・オリンピコで行われ、2-2のドローに終わった。
PR
現在、3位のローマ(勝ち点33)は前節にクロトーネを相手にマジョラルのドッピエッタの活躍などで3-1の快勝を収めた。今季初の4連勝での2位浮上を目指すホームでのビッグマッチではクロトーネ戦で温存したジェコ、ペッレグリーニ、ヴェレトゥが先発に戻ったほか、負傷明けのスピナッツォーラが4戦ぶりの復帰を果たした。
一方、前節サンプドリアに1-2で競り負けてリーグ連勝が8試合でストップした2位のインテル(勝ち点36)は、前日に首位のミランが勝利したことで勝ち点差が「4」に開いており、悲願のスクデット獲得に向けて勝ち点3奪取が至上命令となった。前節からはガリアルディーニ、ヤング、サンチェスに代えてビダル、ダルミアン、ルカクを起用し、対戦相手同様にベスト布陣で臨んだ。

ボランチの一角のヴェレトゥをアンカーのブロゾビッチにマンマーク気味に付けるなど、ホームのローマが人を掴みに行く形の守備でインテルの後方からのボール回しに強く制限をかける攻撃的な入りを見せる。また、ビルドアップの局面ではボランチの一枚を3バックに落とす形で変化を付けた。9分には右サイドのスペースに飛び出したカルスドルプから際どいクロスが上がるも、ここはGKハンダノビッチの対応に遭う。

一方、様子見の入りとなったインテルだが、機動力のある2トップを背後に走らせる形の攻めで徐々に攻撃の形を作り出す。12分、ハキミからの縦パスに抜け出したラウタロ・マルティネスがボックス右で仕掛けてニア下を狙う右足のシュートを放つ。このプレーで得た右CKの二次攻撃からラウタロのクロスをゴール前でフリーのルカクがヘディングシュートも、ここはGKパウ・ロペスの圧巻のワンハンドセーブに阻まれる。さらに、相手GKのミスパスを奪ってのショートカウンターから再びルカクにシュートチャンスも、ここはDFスモーリングのブロックに阻まれた。
この連続での決定機をキッカケにインテルが一気にペースを掴みかけるが、直後にローマの見事なカウンターが発動する。17分、自陣左サイドでバレッラからボールを奪ったヴェレトゥがそのままドリブルで相手ボックス付近まで運ぶ。ここでムヒタリアンを経由した短いパスがペナルティアーク右のペッレグリーニに渡ると、ペッレグリーニの右足のシュートがDFバストーニの足にディフレクトしゴール左下隅の完璧なコースに決まった。

ホームチームの早い時間帯の先制点により、試合はここからよりオープンな展開に。先制して勢いに乗るローマは以降も得意のカウンターを繰り出すと、23分には波状攻撃からヴェレトゥが強烈なミドルシュートを枠に飛ばすが、ここはGKハンダノビッチがビッグセーブ。対するインテルは27分にハキミとのパス交換でボックス中央に侵入したビダルに絶好機も、ここは右足のシュートを枠の右に外してしまう。

その後、30分過ぎに足を痛めたダルミアンがプレー続行不可能となり、ヤングの緊急投入を余儀なくされたインテルは前半終盤にかけて押し込む展開に持ち込む。だが、最後の場面で精度や連携の問題を抱え、39分にルカクのヘディングパスに抜け出したラウタロのゴールもオフサイドによって認められず。前半のうちに追いつくことはできなかった。

それでも、インテルは後半の立ち上がりから攻勢を強めて完全にペースを握る。52分、左サイドを突破したルカクの絶妙なグラウンダークロスにゴール前のラウタロが飛び込んでスライディングシュートを枠に飛ばすが、ここはGKパウ・ロペスのビッグセーブに遭う。

後半最初のビッグチャンスをモノにできなかったが、56分には右CKの場面でキッカーのブロゾビッチが右足アウトスウィングで入れた絶妙なクロスをファーで競り勝ったシュクリニアルが頭で合わせ、ようやくローマのゴールをこじ開けた。

さらに、このゴールで勢いづくインテルは以降もルカクを筆頭に前半は五分五分だったデュエルで優位性を保って畳みかける攻撃を仕掛けていく。すると、63分には中央で完全に浮いたブロゾビッチから正確なパスをボックス手前右で受けたハキミがカットインから左足を一閃。このシュートがクロスバーの内側を掠めてゴール左隅の完璧なコースに決まった。

一方、運動量の低下によって前半機能していたプレスが嵌らず、全体が間延びしたところをインテルの個の力で打開される、先日のアタランタ戦の再現のような拙い試合運びとなったローマは、攻撃になかなかパワーを出せず。最前線のジェコの収まりも悪く、前半のように効果的な攻めを見せられない。

その後は逆転に力を使ったインテルの運動量も落ち始めたことで試合は拮抗した展開に。ようやく相手陣内深い位置まで攻め込めるようになったローマは、74分にムヒタリアン、78分にカルスドルプとボックス内で続けてシュートチャンスを得るが、インテルの集中した守備を崩し切れない。

試合終盤にかけて互いに交代カードを切っていく中、息を吹き返したローマが猛攻を見せると、土壇場でゴールをこじ開ける。86分、右CKの場面でショートコーナーからビジャールが左足インスウィングで入れたクロスをボックス中央で競り勝ったマンチーニが頭で合わせ、ゴール左隅に流し込んだ。

後半アディショナルタイム5分を含めた試合最終盤は追いついたローマがやや押し込む形となったが、互いに3点目を奪うまでには至らず。この結果、首位ミランを追う上位対決は痛み分けに終わり、両者の対戦は直近6戦連続ドローとなった。

PR
関連ニュース

「コンテはよせ」ミラニスタのロンバルディア州知事、愛するクラブへ直球意見「私は…が好きだ!」

州都ミラノのイタリア・ロンバルディア州。その知事がミランについて口を開いた。イタリア『カルチョメルカート』が伝えている。 ミラノ市民を真っ二つに分断するミラノ・ダービー。そんな大舞台でインテルのスクデットが決まった今季のセリエA。敗れたミランは5日間でEL敗退と宿敵へのスクデット“贈与”、2つの悲劇を味わい、これに伴い、ステファノ・ピオリ監督(58)の退任も確定事項扱いとなった感がある。 さて、ミラノの一般市民がインテルかミラン、どちらかを応援するなら、それは行政の人間たちも同じ。 ミラノを州都とするロンバルディア州のアッティリオ・フォンタナ知事(72)は、かつて故シルヴィオ・ベルルスコーニ元首相(元ミランオーナー)が結成した中道右派連合出身の政治家で、自身も筋金入りのミラニスタとして知られる。 この度サン・シーロで地元メディア主催のトークイベントに登壇したフォンタナ知事。ミランとインテルが独自に推進し出した新スタジアム構想問題とともに、愛するミランの指揮官人事についても言及。どストレートに意見をぶつけた。 「アントニオ・コンテはよしてくれ。彼が率いるミランには期待できない。素晴らしい監督かもしれないが、彼はいつもチームに過度なストレスを与える。長期的な計画も立てれない」 「私はデ・ゼルビが好きだ!」 フォンタナ知事は、現職ピオリの後任として、ブライトン&ホーヴ・アルビオンを率いる新時代のイタリア人指揮官、ロベルト・デ・ゼルビ監督(44)がお気に入りのようだ。 2024.04.24 18:30 Wed

「メンタルが壊れてしまってね」ダンフリースが精神状態悪化を明かす「今も引きずってる感じ」

インテルのオランダ代表MFデンゼル・ダンフリース(28)。ここ数カ月の精神状態悪化を明かし、今夏退団噂の去就についても軽く触れた。 2021年夏にインテル加入のダンフリース。以後、22年夏、23年夏と1年おきに売却が噂されており、今季は自身初のスクデットも、序列を落として右ウイングバックの2番手となっている。 その一方、2025年夏までとなっている契約の延長については、水面下で協議が停滞していることが判明済み。昇給を求めるダンフリース側と、一定の額しか提示しないインテルという構図とされる。 試合終盤の一悶着で自身も退場となったスクデット・ゲーム、ミラン戦後、母国メディア『ZIggo』に序列低下や去就を問われたダンフリース。ここ数カ月、自らの精神状態があまり良くないと語る。 「最近途中出場が多い? 色んなことを書かれたし、アタランタ戦(2月29日)で痛めたハムストリングのせいだよ…って言いたいところだけど、実際は続きがある。少しばかりメンタルが壊れてしまってね。今日までそれを引きずっている感じだ」 「誰だって長くプレーしたいし、ピッチで重要な存在でいたい。この事実が拍車をかける形で、かなりの期間、イライラが治らなかったよ。救いはインザーギ(監督)がこれをいち早く理解してくれたことだろうか」 「僕はポジション的にもアップダウンが激しいから、100%の状態じゃなきゃ長くプレーするのは賢明ではない…と。僕にとって学びの期間だろうか。今も100%を取り戻すのに集中しているところだ」 一方で、去就については多くを語らず。ただ、基本的にはインテル残留が第一選択肢のようだ。 「まだスクデットを争っていたし、僕としてはユーロ2024も近い。そこまで本格的に話し合える状況じゃなかったと思う。結末はわからないけど、話し合いは順調に推移している。なるべく早いうちに再開すると期待しているよ」 2024.04.24 13:50 Wed

充実のスカッドで3季ぶり栄冠…インテルが新たに刺激を与えるべきポジションとは「…を呼び戻してはどうだろう?」

インテルの補強ポイントやいかに。『フットボール・イタリア』が伝えている。 3季ぶりスクデットのインテル。ジュゼッペ・マロッタCEOが用意した選手たちを、シモーネ・インザーギ監督らコーチ陣が上手く調理し、今季のインテルは国内敵なしと言ってもよいほど強い。“5試合を残して優勝”がその証か。 ご存知の方も多い通り、現インテルは[3-1-4-2]の各ポジションに最低2人ずつ実力者を揃える充実のスカッド。ただ、現状維持は停滞。来季の成功も見据えるなら、今夏の移籍市場を通じ、既存戦力に刺激と競争力を与えることが大事になる。 すでにナポリからポーランド代表MFピオトル・ジエリンスキ(29)、ポルトからイラン代表FWメフディ・タレミ(31)…2選手のゼロ円獲得が確定事項として扱われるなか、インテルOBの元イタリア代表FWアルド・セレーナ氏は、今夏のさらなる改善ポイントをまず「2トップ」に見出す。 「マルコ・アルナウトビッチとアレクシス・サンチェスの2人は、アタッカーとしてのタイプ的にも、インザーギ(監督)の仕事を少し楽にさせた存在だったと思う。来季は欧州経験も豊富なタレミと契約するらしいね。まさに前進の一歩だ」 「しかし、攻撃面で現チームにはない解決策、選択肢をインザーギに与えるべきかとも思う。グズムンドソンだ。彼の卓越したドリブルは素晴らしい。それに、ヴァレンティン・カルボーニもモンツァから呼び戻してはどうだろう」 セレーナ氏が言及したアイスランド代表FWアルベルト・グズムンドソン(26)は、ジェノアで2トップの一角を任され、攻撃時はシャドー気味に自由なドリブルでチャンスメイク。インテルが獲得に興味を示していることが判明済みだ。 カルボーニはインテルから武者修行中の19歳で、先月アルゼンチン代表デビューも飾った新鋭。両ワイドに2列目中央、シャドー…あらゆるポジションをモンツァで経験中のアタッカーだ。 セレーナ氏は一方で「中盤」についても短く言及。カルチョ屈指の鉄人、元アルメニア代表MFヘンリク・ムヒタリアンは、もう来季は現在のように稼働できないとの見立てを示している。 「ムヒタリアンの奮闘は見事だね。ただ、もう35歳で、ここから何年もインテルに残るわけではなかろうし、来季もどうだろう。その点、ジエリンスキとの契約で先手を打ったのは素晴らしい」 2024.04.24 13:00 Wed

カラブリアに2試合停止処分…ミラノ・ダービーで退場した3選手の処分決定

セリエA第33節のミランvsインテルで退場した3選手への処分が決定した。 22日に行われ、2-1でインテルの勝利に終わった同試合では元々のライバル関係に加え、結果次第で優勝が決まる一戦であったため試合終盤は荒れ模様の展開に。 その中でミランのDFダビデ・カラブリア、DFテオ・エルナンデス、インテルのMFデンゼル・ダンフリースの合計3選手に退場処分が科されていた。 イタリアのスポーツ裁判所は23日、その3選手に対する処分を発表した。 93分にピッチ内で小競り合いを起こし、喧嘩両成敗の形でいずれもレッドカードを掲示されたテオ・エルナンデスとダンフリースに関しては、1試合の出場停止処分と、罰金1万ユーロ(約165万円)を科した。 また、95分にインテルMFダビデ・フラッテージの顔面にパンチを見舞い退場処分となったカラブリアには、2試合の出場停止処分が科されることになった。 その他、インテル戦で今季5枚目のイエローカードを受けたDFフィカヨ・トモリも累積警告で次節のユベントス戦を欠場することとなった。 2024.04.23 23:00 Tue

インテルで初のスクデット獲得!インザーギはクラブの歴代トロフィー獲得数でモウリーニョ超え達成

セリエAを制したインテルのシモーネ・インザーギ監督は、クラブ史上もっとも成功した指揮官に近づいているようだ。 インテルは22日に行われたセリエA第33節でミランと対戦。勝てば3シーズンぶりのスクデット獲得が実現する状況下で迎えた“ミラノ・ダービー”は、DFフランチェスコ・アチェルビ、FWマルクス・テュラムのゴールで2点をリードすると、宿敵の反撃を1失点に抑え2-1で勝利した。 これにより、インテルの3シーズンぶり20回目のセリエ優勝が決定。インザーギ監督にとっては、これが指導者キャリア初のスクデット獲得となった。 すでにインテルでコッパ・イタリアを2度、スーペルコッパを3度制しているインザーギ監督にとって、これがクラブで6つ目のタイトルに。イタリア『スカイ・スポーツ』によると今回の優勝でジョゼ・モウリーニョ監督のインテルでの総優勝回数(5回)を抜き、クラブ歴代3位のトロフィー獲得数になったとのことだ。 なお、クラブの歴代優勝回数1位は1960年代に指揮をとっていたエレニオ・エレーラ氏と、ロベルト・マンチーニ監督(現サウジアラビア)が7回で並ぶ形に。仮にインザーギ監督が今後もインテルで指揮を取り続けるのであれば、記録更新も十分期待できるだろう。 2024.04.23 14:15 Tue
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly