EL予選で今季スタートのピオリ監督、「我々は欧州の戦いに戻りたい」

2020.09.17 16:41 Thu
Getty Images
ミランを率いるステファノ・ピオリ監督が、新シーズンの公式戦初戦となるシャムロック・ローヴァーズ戦に向けて意気込みを語っている。クラブ公式サイトが会見コメントを伝えている。

ピオリ監督は、昨年10月にマルコ・ジャンパオロ前監督の後任としてミランの新指揮官に就任。就任時に13位と低迷していたチームを最終的に6位でフィニッシュさせ、ヨーロッパリーグ(EL)出場権をもたらした。
その後、シーズン最終盤にはラルフ・ラングニック氏の招へいにより、指揮官の座を追われるかに思われたが、最終的に新たな2年契約にサイン。新シーズンも引き続きロッソネリを率いることになった。

21日にボローニャとの2020-21シーズンのセリエA開幕節を控える中、17日に一足早くEL予備予選2回戦で新シーズンをスタートするピオリ監督は、アイルランドの強豪との新シーズンの初陣に向けて意気込みを語っている。

「新シーズンをスタートさせ、ヨーロッパリーグに繋がるこの道を良い形で終わらせようとしていることに興奮している」
「これはあくまでも予選であり、我々の目標はグループステージに到達することだ。ヨーロッパフットボールは、我々のような歴史あるクラブが所属する場所であり、我々はそこに戻りたいと思っている」

「我々のシーズンはシャムロック・ローヴァーズ戦から始まる。残念ながら、1人か2人の大きな欠場者が出ていますが、試合に向けたポジティブな要素に目を向ける必要がある。最初の試合がどれだけタフなものであるかはわかっている。相手は我々よりも、ここまで多くの試合をこなしている。我々は90分間、気を引き締めていかなければならない」

また、この一戦に向けた最新のチームニュースについても言及。コンディションが懸念される元スウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモビッチ、ブレシアからの目玉の新戦力であるイタリア代表MFサンドロ・トナーリらがプレー可能だと説明している。

「我々には休養が必要だった。そのため、準備期間はあまりなかったが、準備はできているし、全力を尽くす必要がある。我々は非常に明確に、自分たちの最高のゲームをする必要がある。まずは自分たちのアイデンティティ、アイデア、ピッチ上での決断など、自分たちがやっていることに集中しなければならない」

「新しいプレーヤーは、我々がどのようなプレーをしたいのかという部分で、すでに明確なアイデアを持っている。今までは、トレーニングや親善試合を通じて、正しいメンタリティを発揮してきた。私は、このユニフォームを着ることの意味を知っているプレーヤーを指導している。それは良い兆候だ。全力を尽くすチームを見て、ファンはとても喜ぶはずだ。我々は結束の固いグループで、お互いに信頼し合っている」

「イブラヒモビッチが親善試合でもう少しプレーしてくれれば良かったが、彼は完全に回復していて、常に準備ができている。モチベーションも高く、依然として競争力もある」

「仮にイブラヒモビッチが欠場した場合は、レビッチがそのポジションをカバーし、レオンがセカンドストライカーとしてプレーすることになる」

「また、トナーリはまだ若いが、成熟していて準備ができている。彼はここにいることに満足しているし、自分に何ができるかをすでに見せてくれている」

また、今夏のメルカートではイブラヒモビッチら主力の残留に加え、トナーリ、レアル・マドリーのU-21スペイン代表MFブラヒム・ディアスのレンタルなど、まずまずの成果を得ている。

ピオリ監督はここまでのクラブからのサポートに満足しつつ、来月初旬のメルカート閉幕まで現スカッドを見極めながら、必要に応じた補強を行いたいと考えている。

「クラブは昨シーズンから始めたことを継続する意思を示してくれた。契約更新から新戦力補強まで、良いビジネスができたと思うし、本当に満足している」

「市場が締まるまでしばらく時間があるが、現状はピッチ上で何が起こるかを考え、シーズンを最高の形でスタートすることだけを考えればいいと思っている。ここ数週間は、我々にとって何がベストな選択なのか、経営陣と共により深く考えることができた」
関連ニュース

オファー次第では売却も? ミランのMFベナセルに古巣アーセナルなど関心か

ミランのアルジェリア代表MFイスマエル・ベナセル(26)に移籍の可能性があるようだ。イタリア『Calciomercato.it』が伝えた。 2019年夏にエンポリから加わり、ミランの中盤を支えてきたベナセル。今シーズンは右ヒザの大ケガによりリハビリスタートとなったが、2023年12月に復帰して以降はコンスタントに出場を続けている。 一方、ミランではフランス代表FWオリヴィエ・ジルーのメジャーリーグ・サッカー(MLS)行きが有力となってきているが、高額なオファーが届けばベナセルの売却に踏み切る可能性もあるとのこと。クラブはこの26歳を重要な選手とみなしているが、5000万ユーロ(約81億6000万円)以上であれば放出も考慮するという。 現行契約を2027年6月まで残し、純額400万ユーロ(約6億5000万円)の年俸を受け取っているというベナセルに対しては、ヨーロッパのさまざまなクラブが関心。プレミアリーグのクラブも注目しているようで、特にベナセルにとって古巣のアーセナルが強い興味を抱いている模様だ。 また、サウジアラビアのクラブも獲得に動く気配があり、より高額なオファーはこちらから届くとも考えられている。 ミランの中盤を見ると、昨夏加入したオランダ代表MFタイアニ・ラインデルスやアメリカ代表MFユヌス・ムサ、今シーズン台頭したフランス人MFヤシン・アドリなど将来性豊かな選手が存在。イタリア代表MFトンマーゾ・ポベガもUEFAの選手登録の観点から重要と、頭数はそれなりに揃っている。 ベナセルは「心からミランを尊敬している」と語るクラブ愛の強い選手だが、同じくクラブ愛の強かったイタリア代表MFサンドロ・トナーリは昨夏ニューカッスルへ移籍。オファーがあるなら2年連続の高額売却も十分ありえるはずだ。 2024.03.28 19:47 Thu

37歳ジルーがロサンゼルスFCと契約合意か フランス代表の歴代最多得点者

ミランのフランス代表FWオリヴィエ・ジルー(37)が、ロサンゼルスFC(LAFC)との契約合意に達したようだ。 イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によると、今シーズン限りでミランとの契約が満了を迎えるジルーは、7月1日付けの18カ月契約でアメリカMLS・LAFCと合意したとのこと。 すでにミランとの契約延長の意志がないことがハッキリしつつあったが、欧州を離れて新たな冒険に出ることが事実上決まったようだ。 ジルーは2021-22シーズンにチェルシーからミランへ加入。30代半ばに差し掛かっての加入だったが、いきなり11年ぶりのスクデットに貢献し、今季まで3年間エースの座を譲らず。ここまでクラブ通算121試合46ゴール20アシストをマークし、数字以上の貢献度も全世界のミラニスタが認めるところ。 また、フランス代表では通算131試合57得点。ティエリ・アンリ氏らを抜いて同国歴代最多得点者であり、2018年のロシア・ワールドカップ(W杯)制覇も経験している。今夏のユーロ2024を最後に、代表キャリアも終止符を打つとみられている。 まだまだ一級品のセンターフォワードであり、ミラン移籍後に最盛期を迎えたといっても過言ではないほどの存在感だったが、ミランにとってはひとつの時代が終わる。 2024.03.27 15:15 Wed

イマイチ評価が定まらないピオリ、レジェンド指揮官の通算勝利数まであと1勝

今季も解任の噂がありながら持ちこたえている印象のミラン指揮官ステファノ・ピオリ。しかし、改めて結果を見れば十分な記録を残していると、イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』が報じた。 就任3季目にミランを10季ぶりのスクデットに導いたピオリ監督は、これまでミランで通算127勝をマーク。この勝ち星は1978-79シーズンにミランをスクデットに導いた名将ニルス・リードホルム氏の128勝まであと1勝に迫る数字。ちなみに勝率はピオリ監督が大きく上回り、リードホルム氏の45.7%に対し、55.4%を誇っている。 ただ、昨季はナポリ、そして今季はインテルの独走を許してしまい、2025年6月まで残す契約を全うできるかは不透明な状況だ。 ミラン歴代勝利数でカルロ・アンチェロッティ監督(238勝)、ファビオ・カペッロ監督(161勝)らに次ぐ6番目の数字を残しているピオリ監督は、来季もミランの指揮を執ることはできるだろうか。 2024.03.27 00:10 Wed

イタリアが誇る“サン・シーロ”に現職閣僚から警鐘「今のままではユーロ2032を開催できません」

スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ(サン・シーロ)を巡り、イタリアの現職閣僚から警鐘だ。『フットボール・イタリア』が伝えている。 インテリスタにとってのスタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ、ミラニスタにとってのサン・シーロ。“カルチョのスカラ座”と言われる由緒正しいスタジアムであり、長い歴史を通じ、数多の名勝負が繰り広げられてきた。(※1) (※1)以下サン・シーロ しかし、近年はインテルとミラン、現サン・シーロの隣に新スタジアムを建設する独自プロジェクトを共同推進(現在は破談し双方が個別に思案中)しており、サン・シーロ大規模改修計画を発表した所有者のミラノ市とは、常に一定の距離感がある。 そんななか、イタリアは2032年のユーロ(欧州選手権)をトルコと共同開催することが決まり、これを受けて先月には、ナポリのアウレリオ・デ・ラウレンティス会長が本拠地移転・新スタジアム建設計画スタートを明言している。 イタリア全体のスタジアム老朽化が、ドイツやイングランドにない“味”を出している一方、快適さやバリアフリー面などで劣っているのも現実。ミラノ市からサン・シーロ改修計画を委託される建設会社「WeBuild」の担当者は、国政も絡んだ円卓会議でこう語る。 「現状のサン・シーロは、障がいを持つファンのための設備が不足しており、VIPゾーンと名付けられた区画でさえ、スタジアムの雰囲気を十分に楽しめるものではありません。ここが特別な席として販売されているのはスキャンダルとも言えます。スタジアムに関して言えば、サン・シーロは“中世”です」 また、同席したイタリア共和国のスポーツ大臣、アンドレア・アボディ氏は民間出身で、長年にわたってスポーツ業界と観光業界でマーケティング活動に従事してきた、この道のプロフェッショナル。サン・シーロの厳しい現実を語る。 「サン・シーロはユーロ2032を開催できる状態にありません。ミラノをローマやトリノなどと共に開催都市の1つとすることは勿論可能ですが、ことサン・シーロについては、スタジアムインフラの観点から、遅くとも2026年末までに何らかの返答(進展)が必要です」 二転三転し続けるサン・シーロ問題。インテル、ミラン、行政…なかなか折衝案が浮かび上がらない。 2024.03.26 18:25 Tue

新天地ミランで活躍中のプリシック、自らの成長に驚き「右サイドで快適に過ごせるとは思っていなかった」

アメリカ代表FWクリスチャン・プリシックがミランでの幸せを語った。イタリア『スカイ・スポーツ』が伝えた。 昨夏チェルシーからミランへ移籍し、すぐに右ウイングのレギュラーの座を掴んだプリシック。ここまで公式戦39試合に出場し12ゴール8アシストと、チームの課題だった右サイドの攻撃力を底上げしている。 そんなプリシックは24日、アメリカ代表としてCONCACAFネーションズリーグ決勝のメキシコ代表戦でプレー。2-0の勝利に貢献し、大会3連覇を味わった。 試合後、アメリカ『CBS Sports』の取材に応じたプリシックは、イタリアの地での成功に言及。ミランでの好調が代表にも良い影響をもたらしているようだ。 「ミラノでの生活が大好きだ。最高だよ。プレーを見ていればわかると思うが、再び自信を取り戻した」 「あそこは素晴らしいよ。だけど、アメリカに戻って再びトロフィーを獲得することもできる。こうして代表へ戻るのが本当に好きなんだ」 また、プリシックはミランで新たな発見があったともコメント。選手としての幅を着実に広げている。 「正直なところ、右サイドで快適に過ごせるとは思っていなかった。だけど僕はいつだって左サイドでプレーするのが好きだ。それでも右サイドに戻ることはできる」 「多くのことを学んだ。自分のプレーの仕方も随分変わったし、ボックス内に侵入して右サイドからでも得点する方法を見つけた。僕は両サイドでうまくやれると思う」 2024.03.26 17:45 Tue
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly