暫定首位浮上のラツィオ、S・インザーギ監督はスクデット獲得の20年前と同じ空気感じる

2020.03.01 17:35 Sun
Getty Images
ラツィオを率いるシモーネ・インザーギ監督は、スクデットを獲得した1999-2000シーズンのチームを引き合いに出し、20年ぶりのスクデット獲得に向けて自信を示している。イタリア『スカイ・スポルト』が伝えている。

ラツィオは2月29日にスタディオ・オリンピコで行われたセリエA第26節でボローニャと対戦し、2-0で勝利した。この結果、リーグ戦の無敗記録を21試合に更新した同クラブは、ユベントスを2ポイント差離して暫定首位に浮上した。
立ち上がりから主導権を握ったホームのラツィオは、18分に得意のショートカウンターからMFルイス・アルベルトのゴールで先制に成功。続く21分にはFWホアキン・コレアがボックス内で放ったシュートが相手にディフレクトしてコースが変わる形で決まり、瞬く間にリードを2点に広げた。

後半はシニシャ・ミハイロビッチ監督の下で修正を施したボローニャに押し込まれる厳しい戦いを強いられるが、VARの介入によって2つのゴールがハンドとオフサイドで取り消される幸運にも恵まれてそのまま逃げ切りに成功。前後半で大きく主導権が入れ替わった一戦を2-0で制した。

同試合後、インザーギ監督は現役時代にラツィオで共にプレーしたかつての同僚が率いる難敵との一戦を振り返った。
「ボローニャのストロングと相手指揮官の優れたモチベート能力はよく理解していた。したがって、我々にとって非常に危険な試合となった。前半のうちにもっとゴールを決めるべきだったが、後半に関しては相手の反撃にかなり苦しめられた」

「今の我々にはチームのためにハードワークしてくれるトッププレーヤーが揃い、素晴らしいグループを形成できている。今日に関してはデニス・ヴァヴロ、フェリペ・カイセドをベンチに置く難しい選択を強いられた」

「ただ、ボローニャの特徴を分析した際、(センターバックに)ルイス・フェリペを起用するのが適当だと判断した。プレーヤーたちの成熟、試合毎に私の選択を尊重してくれることを心から嬉しく思っているよ」

また、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、この試合の翌日に行われるはずだったユベントスとインテルのイタリア・ダービーが5月13日に延期されることになった。

これにより、ラツィオは暫定ながらも今節での首位浮上が確定。その中で順位表に関する質問を受けたインザーギ監督は、「第26節の段階で自分たちが首位にいると過去に聞かされたならば、きっと驚いていたと思う。ただ、プレシーズンのトレーニングの段階からこのチームに大きな自信を持っていた」とコメント。首位こそ予期していなかったものの、今シーズンのスカッドに大きな自信を抱いていたことを明かしている。

最後に、1999-2000シーズン以来のスクデット獲得がいよいよ現実味を帯び始めている中、自身や今回の対戦相手だったミハイロビッチ監督も在籍していた当時のチームと、現チームの類似点を問われた元イタリア代表FWはチームの雰囲気に共通点を感じていると主張している。

「似たような雰囲気を感じている。互いを尊重できるプレーヤーたち、毎日多くの難しい決定を求められる監督がいるという部分でね」

「当時を思い出してみると、我々は(監督の)スベン=ゴラン・エリクソンの言葉に注意深く耳を傾け、彼の決定を受け入れていた」

「今、我々は首位に立った。4年前に監督を引き受けたときから、クラブに成功をもたらし、ヨーロッパの舞台で定期的に戦えるチームに戻すことを夢見てきた。そして、この4年間ではこれまで3つのトロフィーを獲得できた」

今後も絶対王者ユベントス、インテルとの三つ巴の覇権争いが続くと思われるが、20年前の優勝を知るインザーギ監督の下、新生ラツィオのスクデット獲得は実現するのか…。
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