【2022年カタールへ期待の選手㊴】目指すべきプレーモデルは山口蛍。同学年・久保建英を世界基準に高みを目指す!/松岡大起(サガン鳥栖/MF)
2020.02.24 15:03 Mon
「自分たちのサッカーが試合通してできなかったのは改善点だと思います。ホントはもっともっと自分たちの時間を増やしたいんですけど、ボールを持たれる時間が長くて…。自分自身も全然、ボールを受けれてないですし、自信を持って取り組まないといけないというのはありますね」
22日の2020年J1開幕節・川崎フロンターレ戦。サガン鳥栖のアンカーのポジションに入った背番号41・松岡大起は、敵地・等々力競技場でスコアレスドローという結果に安堵感をにじませつつも、試合内容に不完全燃焼感を抱いていた。
昨季、高校3年生ながらJ1・23試合出場という実績を残した18歳のボランチは「より攻撃的な鳥栖を見せたい」と新シーズンに挑んだが、個人技とパスワークに秀でた川崎相手に苦しみ、納得できるパフォーマンスを見せることができなかった。
「今年はチームを勝たせる存在にならないといけないと思っています。去年は自分のことでいっぱいいっぱいだったんで、チームを引っ張り上げるくらいのキャプテンシーとリーダーシップを発揮しないと。Jでまだ奪っていないゴールも取りたいですね。練習から高い意識を持ってやります」
こういったた語り口にも象徴されるが、松岡は誰よりも真面目で責任感の強いタイプ。ボール奪取力と運動量を武器とする地味なタイプではあるが、ここ一番で体を張れる勇敢さとタフさは魅力だ。それは川崎戦でも随所に出ていた。
「僕が目指しているのは、山口蛍(神戸)さんみたいな選手です。得点もできるし、守備にも安定感と重みがあって、見本になる人だと思っています。鹿島の三竿(健斗)選手もチームを引っ張れる頼りがいのある選手。若くてもそういう重要なプレーヤーになりたいと考えています」と目を輝かせる松岡。彼が高みを貪欲に追い求めるのも、同級生に久保建英(マジョルカ)や西川潤(C大阪)、斉藤光毅(横浜FC)といったタレントがひしめいていることが大きい。
とりわけ、久保に関しては、昨季J1で同じピッチに立ち、「違い」と「凄み」を見せつけられた。それが強烈な印象として残っているという。
「久保選手は中学生くらいからプロでやっていましたけど、僕はずっとボールボーイで外から見ている立場でした。そんな自分がいざプロの世界に入った時、緊張感とか実戦感覚とかが全然違った。でも久保選手はFC東京でずっとチームを引っ張っていましたし、アシストや得点という結果を残していた。YBCルヴァンカップで対戦した時も得点を決められましたし、ああいうレベルにならないと世界にはいけないんじゃないかというのを実感しましたね」
久保は川崎戦前日のベティス戦で1ゴール1アシストという華々しい結果を残したばかり。一報はもちろん松岡にも届いていただろう。いつか「久保選手のように海外でプレーしたい」という夢を持つ18歳のボランチにとって、その活躍ぶりは紛れもなく「世界基準」になっている。そういった領域を目指して、彼は自己研鑽を続けていくに違いない。
「鳥栖からは鎌田大地(フランクフルト)選手が海外に行って活躍している。アカデミーで育った僕も、サガン鳥栖ってクラブを世界で知ってもらえるようにしたい。今の自分にできることは結果を出し続けるだけ。そこにこだわっていきたいと思います」
5か月後には東京五輪も控えるが、それはまず横に置いて、鳥栖でのプレーに集中していく考えの松岡。J1はこの先、セレッソ大阪、横浜FC、大分トリニータ、鹿島アントラーズという難敵が続くだけに、早く白星を手にしたいところ。そのためにも、アンカーの大役を担う背番号41の攻守両面での活躍が強く求められてくる。
「川崎相手に感じたのは、日頃の練習の大切さ。そこを積み重ねていくしか、レベルアップの方法はないと感じました。正直、川崎とは相当な差があったし、ボールをすぐに失ってしまうことが多かった。差を詰めて、追い越すためにも、丁寧に止める蹴るの質を上げていかないといけない。そこからしっかりとやっていきます」
ひたむきな人間が最終的に大きな成果を手にするというのは、岡崎慎司(ウエスカ)や本田圭佑(ボタフォゴ)ら先人たちが実証している。地道な努力を厭わない松岡にも可能性が大いにありそうだ。守備力という強みに山口蛍のような攻撃面の長所を加えていけば、大化けすることも十分考えられる。彼のこの先の進化を興味深く見守っていきたい。
【文・元川悦子】
長野県松本市生まれ。千葉大学卒業後、夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターとなる。Jリーグ、日本代表、海外まで幅広くフォローし、日本代表は特に精力的な取材を行い、アウェイでもほぼ毎試合足を運んでいる。積極的な選手とのコミュニケーションを活かして、選手の生の声を伝える。
22日の2020年J1開幕節・川崎フロンターレ戦。サガン鳥栖のアンカーのポジションに入った背番号41・松岡大起は、敵地・等々力競技場でスコアレスドローという結果に安堵感をにじませつつも、試合内容に不完全燃焼感を抱いていた。
「今年はチームを勝たせる存在にならないといけないと思っています。去年は自分のことでいっぱいいっぱいだったんで、チームを引っ張り上げるくらいのキャプテンシーとリーダーシップを発揮しないと。Jでまだ奪っていないゴールも取りたいですね。練習から高い意識を持ってやります」
こういったた語り口にも象徴されるが、松岡は誰よりも真面目で責任感の強いタイプ。ボール奪取力と運動量を武器とする地味なタイプではあるが、ここ一番で体を張れる勇敢さとタフさは魅力だ。それは川崎戦でも随所に出ていた。
闘争心溢れる一挙手一投足に、チームメートの若手たちも大いなる刺激を受けている。「大起がいてくれることによって自分も成長しないといけない」とこの試合でJデビューを飾った本田風智も語気を強めたが、松岡効果が金明輝監督率いる新生・鳥栖を変えつつあるのは確かだろう。
「僕が目指しているのは、山口蛍(神戸)さんみたいな選手です。得点もできるし、守備にも安定感と重みがあって、見本になる人だと思っています。鹿島の三竿(健斗)選手もチームを引っ張れる頼りがいのある選手。若くてもそういう重要なプレーヤーになりたいと考えています」と目を輝かせる松岡。彼が高みを貪欲に追い求めるのも、同級生に久保建英(マジョルカ)や西川潤(C大阪)、斉藤光毅(横浜FC)といったタレントがひしめいていることが大きい。
とりわけ、久保に関しては、昨季J1で同じピッチに立ち、「違い」と「凄み」を見せつけられた。それが強烈な印象として残っているという。
「久保選手は中学生くらいからプロでやっていましたけど、僕はずっとボールボーイで外から見ている立場でした。そんな自分がいざプロの世界に入った時、緊張感とか実戦感覚とかが全然違った。でも久保選手はFC東京でずっとチームを引っ張っていましたし、アシストや得点という結果を残していた。YBCルヴァンカップで対戦した時も得点を決められましたし、ああいうレベルにならないと世界にはいけないんじゃないかというのを実感しましたね」
久保は川崎戦前日のベティス戦で1ゴール1アシストという華々しい結果を残したばかり。一報はもちろん松岡にも届いていただろう。いつか「久保選手のように海外でプレーしたい」という夢を持つ18歳のボランチにとって、その活躍ぶりは紛れもなく「世界基準」になっている。そういった領域を目指して、彼は自己研鑽を続けていくに違いない。
「鳥栖からは鎌田大地(フランクフルト)選手が海外に行って活躍している。アカデミーで育った僕も、サガン鳥栖ってクラブを世界で知ってもらえるようにしたい。今の自分にできることは結果を出し続けるだけ。そこにこだわっていきたいと思います」
5か月後には東京五輪も控えるが、それはまず横に置いて、鳥栖でのプレーに集中していく考えの松岡。J1はこの先、セレッソ大阪、横浜FC、大分トリニータ、鹿島アントラーズという難敵が続くだけに、早く白星を手にしたいところ。そのためにも、アンカーの大役を担う背番号41の攻守両面での活躍が強く求められてくる。
「川崎相手に感じたのは、日頃の練習の大切さ。そこを積み重ねていくしか、レベルアップの方法はないと感じました。正直、川崎とは相当な差があったし、ボールをすぐに失ってしまうことが多かった。差を詰めて、追い越すためにも、丁寧に止める蹴るの質を上げていかないといけない。そこからしっかりとやっていきます」
ひたむきな人間が最終的に大きな成果を手にするというのは、岡崎慎司(ウエスカ)や本田圭佑(ボタフォゴ)ら先人たちが実証している。地道な努力を厭わない松岡にも可能性が大いにありそうだ。守備力という強みに山口蛍のような攻撃面の長所を加えていけば、大化けすることも十分考えられる。彼のこの先の進化を興味深く見守っていきたい。
【文・元川悦子】
長野県松本市生まれ。千葉大学卒業後、夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターとなる。Jリーグ、日本代表、海外まで幅広くフォローし、日本代表は特に精力的な取材を行い、アウェイでもほぼ毎試合足を運んでいる。積極的な選手とのコミュニケーションを活かして、選手の生の声を伝える。
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