【日本代表プレビュー】大敗を糧に、チャレンジを忘れずに《コパ・アメリカ/ウルグアイvs日本》
2019.06.21 06:45 Fri
日本時間21日(現地時間20日)、コパ・アメリカ2019 グループC第2節のウルグアイ代表vs日本代表が行われる。
初戦でチリ代表相手に0-4で大敗を喫した日本と、初戦でエクアドル代表相手に4-0で大勝したウルグアイの一戦。2018年10月に埼玉スタジアム2002で対戦した際は、4-3で打ち合いを制して日本が勝利していた。
しかし、キリンチャレンジカップとコパ・アメリカとの差があることは、初戦のチリ戦で大いに感じただろう。公式戦とフレンドリーマッチ、そして世代別代表とA代表。大きな差を体感した選手たちが2戦目で見せるものとは。
◆優勝候補に挙がる最多優勝国ウルグアイ
ウルグアイは、南米選手権時代から含めて15回の優勝を誇り、これはアルゼンチン(14回)やブラジル(8回)を抑えて最多。直近では2011年のアルゼンチン大会で優勝を果たしてい流。
チームを率いるのは、オスカル・タバレス監督だ。2006年からチームを率い、今年で13年目を迎える72歳の老将だが、そのチーム作りには一貫性があり、多くの選手が長年共に働いている。
さらに、積極的に若手も起用し、現在のチームも世代交代を進めながら、強化している段階。日本でのキリンチャレンジカップでは敗れたが、今大会に臨むチームの仕上がり具合は「準備は万端」と語るほど。日本に勝利し、グループステージ突破を決める思いは強いはずだ。
◆世界屈指の攻撃陣
スアレスは今シーズンのリーガエスパニョーラで21ゴールを記録。得点王のアルゼンチン代表FWリオネル・メッシに次ぐ数字だ。一方のカバーには、リーグ・アンで18ゴールを記録。得点ランキングでも3位につけており、30歳を過ぎた今でも得点力は健在だ。
その2人は、初戦のエクアドル戦でも1ゴールずつを奪い、大勝に貢献。ワールドクラスのストライカーが、日本の守備陣を苦しませることは容易に想像できる。
2018年10月の対戦では、スアレスが妻の出産に立ち会うために不参加となり、カバーニは4-3の打ち合いになった中で1ゴールを記録。若き日本代表としては、チリ戦とは違った形で世界トップレベルを感じることになるだろう。
その他にも、アトレティコ・マドリーの守備を長年支えたDFディエゴ・ゴディンや、ユベントスでプレーするMFロドリゴ・ベンタンクール、アーセナルでプレーするMFルーカス・トレイラなど、欧州のトップクラブでプレーする選手が多く、2トップだけに気を取られるわけにも行かないのだ。
◆チリ戦の反省を活かすことができるか
連戦ということもあり「何人かはメンバーを入れ替えるつもりですが、コンディションを見極めて最終的に判断します」と森保一監督が前日会見で語ったが、コンディション以上にチリ戦の反省を活かすことができるかが焦点となる。
経験値や実力ではウルグアイが上手なのは明白だが、いかにこのメンバーで勝利するために戦えるかどうか。そして、結果もさることながら、チリ戦での敗戦をどこまで消化し、実戦で修正できるかがポイントだ。「一試合目よりも成長を見せたい」と森保監督は語り、冨安健洋(シント=トロイデン)は「ウルグアイ戦へどう活かすかは僕たち次第」と意気込んだ。ウルグアイ相手にどのようなプレーを見せるかに注目だ。
◆予想フォーメーション[4-2-3-1]
DF:岩田智輝、植田直通、冨安健洋、杉岡大暉
MF:柴崎岳、松本泰志
MF:三好康児、伊藤達哉、安部裕葵
FW:上田綺世
監督:森保一
日本代表だが、システムはチリ戦に続き[4-2-3-1]になると予想する。ウルグアイも[4-4-2]で戦うため、噛み合わせを考えても、[4-4-2]に近い形の[4-2-3-1]となるだろう。
GKはチリ戦に引き続き大迫敬介(サンフレッチェ広島)が入ると予想する。今大会では大迫にいかに世界のレベルを体感させるかが、1つのポイントとなるだろう。日本代表の守護神候補として、この上ないチャンスで経験してもらいたい。
最終ラインは、チリ戦で先発したDF原輝綺(サガン鳥栖)がケガのためトレーニングを休んでいた。そのため、DF岩田智輝(大分トリニータ)と予想する。サイドバック、センターバックをこなせ、攻撃にも積極的に絡む岩田は、原との違いを見せたいところだろう。また、左サイドバックにはDF杉岡大暉(湘南ベルマーレ)が続けて先発すると予想する。チリ戦は守備の負担が多く、守り方の影響もあって攻め込まれるシーンが多かった。チリの右サイドからの崩しを受けた経験を、ウルグアイ相手に出せるかは見ものだ。また、攻撃参加も期待したい。
センターバックは、DF植田直通(セルクル・ブルージュ)、冨安が続けてコンビを組むと予想する。スアレス、カバーニの強力2トップにどう対応するのかは注目したい。
ボランチは、チームの柱であるMF柴崎岳(ヘタフェ)が続けて先発。そしてもう1人はMF松本泰志(サンフレッチェ広島)と予想する。後ろ重心になってしまったことも影響し、序盤以外は前線との距離がコンパクトに保てず、攻撃参加の回数が減少した。そのため、ゲームコントロールに長けた松本の起用を予想した。
2列目は、チリ戦で途中出場したMF三好康児(横浜F・マリノス)を右、MF安部裕葵(鹿島アントラーズ)を左に配置すると予想。互いに短い時間ではあったものの、特徴を見せていただけに、ウルグアイ相手にどんなプレーをするのかは楽しみだ。
そして、トップ下にはMF伊藤達哉(ハンブルガーSV)が入ると予想する。小柄ながら、ドリブルスキルとキレのあるプレーは日本に新たな風を吹き込むことになるだろう。前線のユニットで攻撃をしかけたい日本にとって、ギャップを作る動きができるかに期待したい。
最後に、1トップに入るのはFW上田綺世(法政大学)と予想する。チリ戦は決定機を何度も迎えるが、シュートを枠に飛ばすことができず、悔しい思いをしたはずだ。サッカーに「たられば」はないものの、そう思ってしまうほど動き出しやポジショニングの良さは見せていた。ウルグアイ戦こそは、しっかりとシュートを枠に飛ばし、得点につながるプレーを期待したい。
◆本気の相手に“チャレンジ”を
「球際の攻防で選手たちには勇気を持って挑んでほしい」と森保監督が語ったように、チリ戦では隙を少し見せただけで押し込まれ、“チャレンジ”することが徐々に減っていた。この試合では、まずは“気持ち”の部分で負けないことだ。
タバレス監督も「必ず勝てるということはないが、100%のプレーをしようと思っている」と語っており、大会優勝に向けてウルグアイが本気で臨んでくることは間違いないだろう。その本気に“チャレンジ”し続けることはできるか。第2戦ウルグアイ代表戦は、21日(金)8時にキックオフを迎える。
初戦でチリ代表相手に0-4で大敗を喫した日本と、初戦でエクアドル代表相手に4-0で大勝したウルグアイの一戦。2018年10月に埼玉スタジアム2002で対戦した際は、4-3で打ち合いを制して日本が勝利していた。
しかし、キリンチャレンジカップとコパ・アメリカとの差があることは、初戦のチリ戦で大いに感じただろう。公式戦とフレンドリーマッチ、そして世代別代表とA代表。大きな差を体感した選手たちが2戦目で見せるものとは。
◆優勝候補に挙がる最多優勝国ウルグアイ
Getty Images
大敗の日本にとって、初戦で大勝したウルグアイとの対戦は難しいものになるだろう。中2日ということを考えれば、選手のコンディションも考慮する必要がある。一方で、多くの試合を経験するためにも、3位のうちの上位2カ国には最低でも入りたく、そのためには勝ち点を奪う必要がある。ウルグアイは、南米選手権時代から含めて15回の優勝を誇り、これはアルゼンチン(14回)やブラジル(8回)を抑えて最多。直近では2011年のアルゼンチン大会で優勝を果たしてい流。
チームを率いるのは、オスカル・タバレス監督だ。2006年からチームを率い、今年で13年目を迎える72歳の老将だが、そのチーム作りには一貫性があり、多くの選手が長年共に働いている。
さらに、積極的に若手も起用し、現在のチームも世代交代を進めながら、強化している段階。日本でのキリンチャレンジカップでは敗れたが、今大会に臨むチームの仕上がり具合は「準備は万端」と語るほど。日本に勝利し、グループステージ突破を決める思いは強いはずだ。
◆世界屈指の攻撃陣
Getty Images
ウルグアイと言えばすぐに顔と名前が浮かんでくる2人がいるはずだ。バルセロナのFWルイス・スアレスとパリ・サンジェルマン(PSG)のFWエディンソン・カバーニだ。スアレスは今シーズンのリーガエスパニョーラで21ゴールを記録。得点王のアルゼンチン代表FWリオネル・メッシに次ぐ数字だ。一方のカバーには、リーグ・アンで18ゴールを記録。得点ランキングでも3位につけており、30歳を過ぎた今でも得点力は健在だ。
その2人は、初戦のエクアドル戦でも1ゴールずつを奪い、大勝に貢献。ワールドクラスのストライカーが、日本の守備陣を苦しませることは容易に想像できる。
2018年10月の対戦では、スアレスが妻の出産に立ち会うために不参加となり、カバーニは4-3の打ち合いになった中で1ゴールを記録。若き日本代表としては、チリ戦とは違った形で世界トップレベルを感じることになるだろう。
その他にも、アトレティコ・マドリーの守備を長年支えたDFディエゴ・ゴディンや、ユベントスでプレーするMFロドリゴ・ベンタンクール、アーセナルでプレーするMFルーカス・トレイラなど、欧州のトップクラブでプレーする選手が多く、2トップだけに気を取られるわけにも行かないのだ。
◆チリ戦の反省を活かすことができるか
Getty Images
若手主体で今大会に臨んでいる日本だが、チリ戦の大敗は予想を大きく下回る結果となったはずだ。立ち上がりこそペースを握りかけていたものの、徐々に押し込まれるとそのまま主導権を渡し、最終的に0-4という結果に終わった。連戦ということもあり「何人かはメンバーを入れ替えるつもりですが、コンディションを見極めて最終的に判断します」と森保一監督が前日会見で語ったが、コンディション以上にチリ戦の反省を活かすことができるかが焦点となる。
経験値や実力ではウルグアイが上手なのは明白だが、いかにこのメンバーで勝利するために戦えるかどうか。そして、結果もさることながら、チリ戦での敗戦をどこまで消化し、実戦で修正できるかがポイントだ。「一試合目よりも成長を見せたい」と森保監督は語り、冨安健洋(シント=トロイデン)は「ウルグアイ戦へどう活かすかは僕たち次第」と意気込んだ。ウルグアイ相手にどのようなプレーを見せるかに注目だ。
◆予想フォーメーション[4-2-3-1]
©️CWS Brains, LTD.
GK:大迫敬介DF:岩田智輝、植田直通、冨安健洋、杉岡大暉
MF:柴崎岳、松本泰志
MF:三好康児、伊藤達哉、安部裕葵
FW:上田綺世
監督:森保一
日本代表だが、システムはチリ戦に続き[4-2-3-1]になると予想する。ウルグアイも[4-4-2]で戦うため、噛み合わせを考えても、[4-4-2]に近い形の[4-2-3-1]となるだろう。
GKはチリ戦に引き続き大迫敬介(サンフレッチェ広島)が入ると予想する。今大会では大迫にいかに世界のレベルを体感させるかが、1つのポイントとなるだろう。日本代表の守護神候補として、この上ないチャンスで経験してもらいたい。
最終ラインは、チリ戦で先発したDF原輝綺(サガン鳥栖)がケガのためトレーニングを休んでいた。そのため、DF岩田智輝(大分トリニータ)と予想する。サイドバック、センターバックをこなせ、攻撃にも積極的に絡む岩田は、原との違いを見せたいところだろう。また、左サイドバックにはDF杉岡大暉(湘南ベルマーレ)が続けて先発すると予想する。チリ戦は守備の負担が多く、守り方の影響もあって攻め込まれるシーンが多かった。チリの右サイドからの崩しを受けた経験を、ウルグアイ相手に出せるかは見ものだ。また、攻撃参加も期待したい。
センターバックは、DF植田直通(セルクル・ブルージュ)、冨安が続けてコンビを組むと予想する。スアレス、カバーニの強力2トップにどう対応するのかは注目したい。
ボランチは、チームの柱であるMF柴崎岳(ヘタフェ)が続けて先発。そしてもう1人はMF松本泰志(サンフレッチェ広島)と予想する。後ろ重心になってしまったことも影響し、序盤以外は前線との距離がコンパクトに保てず、攻撃参加の回数が減少した。そのため、ゲームコントロールに長けた松本の起用を予想した。
2列目は、チリ戦で途中出場したMF三好康児(横浜F・マリノス)を右、MF安部裕葵(鹿島アントラーズ)を左に配置すると予想。互いに短い時間ではあったものの、特徴を見せていただけに、ウルグアイ相手にどんなプレーをするのかは楽しみだ。
そして、トップ下にはMF伊藤達哉(ハンブルガーSV)が入ると予想する。小柄ながら、ドリブルスキルとキレのあるプレーは日本に新たな風を吹き込むことになるだろう。前線のユニットで攻撃をしかけたい日本にとって、ギャップを作る動きができるかに期待したい。
最後に、1トップに入るのはFW上田綺世(法政大学)と予想する。チリ戦は決定機を何度も迎えるが、シュートを枠に飛ばすことができず、悔しい思いをしたはずだ。サッカーに「たられば」はないものの、そう思ってしまうほど動き出しやポジショニングの良さは見せていた。ウルグアイ戦こそは、しっかりとシュートを枠に飛ばし、得点につながるプレーを期待したい。
◆本気の相手に“チャレンジ”を
Getty Images
コパ・アメリカで4試合以上プレーするために、このウルグアイ戦で勝ち点を獲得することが求められる。第3戦のエクアドル戦が山場となることを考えれば、このウルグアイ戦でもしっかりと自分たちが用意してきたものを発揮できるかが問題となる。「球際の攻防で選手たちには勇気を持って挑んでほしい」と森保監督が語ったように、チリ戦では隙を少し見せただけで押し込まれ、“チャレンジ”することが徐々に減っていた。この試合では、まずは“気持ち”の部分で負けないことだ。
タバレス監督も「必ず勝てるということはないが、100%のプレーをしようと思っている」と語っており、大会優勝に向けてウルグアイが本気で臨んでくることは間違いないだろう。その本気に“チャレンジ”し続けることはできるか。第2戦ウルグアイ代表戦は、21日(金)8時にキックオフを迎える。
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