まだバケーション入りするには早い…/原ゆみこのマドリッド2019.06.04 12:00 Tue

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「ようやく始まってくれたわ」そんな風に私がホッとしていたのは月曜日、午後1時を過ぎた頃から、スペイン代表選手がラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会施設に到着する写真が公式ツィッター(https://twitter.com/SeFutbol)に上がっているのを見つけた時のことでした。いやあ、この6月の2020年ユーロ予選に向けた招集リストが発表されたのはもう2週間以上前のことだったんですけどね。それからリーガの最終節があったり、コパ・デル・レイ決勝があったり、先週はアゼルバイジャンのバクーでのEL決勝はともかく、マドリッドはワンダ・メトロポリターノでのCL決勝に向けてお祭り状態に突入。え、コパ決勝にはバルサのバスケツ、ジョルディ・アルバ、セルジ・ロベルト、バレンシアのロドリゴ、パレホ、ガジャが出場していたとはいえ、それはもう1週間も前のこと。EL決勝だってチェルシーのケパしか出ておらず、それこそCL決勝の舞台に立った代表選手は1人もいなかったんだから、もっと早くから始めていても良かったんじゃないかって?そうですね、確かにそれ以外の選手たちはリーグ終了後、少々、間が空いてしまい、いえ、CL準々決勝バルサ戦2ndレグでは当人のポカもあってマンチェスター・ユナイテッドが敗退。翻って、立派にチェルシーのゴールをEL王者になるまでしっかり守ったケパに代表正GKの座を脅かされる危険を感じたんでしょうか。プレミアリーグ終了後、デ・ヘアなど、ラス・ロサスに通ってトレーニングする姿が目撃されてもいたんですけどね、

セルヒオ・ラモス、イスコ、アセンシオ、カルバハルといったレアル・マドリー勢も先週はバルデベバス(バラハス空港の近く)のクラブ練習場で汗を流していたそうですが、ネイションズリーグのファイナルフォー出場が決まっていたならともかく、今回は金曜にフェロー諸島戦、来週月曜のスウェーデン戦の予選2試合だけ。となれば、そんなに何日も合宿する必要はない?いえ、3月のマルタ戦直前に代表を緊急離脱したルイス・エンリケ監督がまだ不在なのはそのせいではないんですけどね。どちらにしろ、まだ予選3節ですし、2試合を終えて勝ち点6のスペインはグループ首位とあって、あまり今からカリカリする必要はないんですが…。

まあ、代表のことはまた後で話すことにして、せっかくですから、土曜のCL決勝の様子をお伝えしていくと。私もこのところ、チャンピオンス・フェスティバルがあるのにかこつけて、イギリスから来たファンたちで賑わうセントロを日々、散策していたんですが、試合当日には両チームのファンゾーンまで足を伸ばしてみることに。それが、トッテナム勢の集まるコロン広場は広いせいですかね。盛り上がりぶりを観察しながら、歩き回るスペースもあったんですが、メトロ2駅分を歩いて辿り着いたフェリペ2世大通りの方はまだランチ前の時間だというのに恐ろしい程の混みよう。あまりに人が多くて前に進めないのには弱ったの何のって。

チームカラーが赤というのも熱気を上昇させる効果があるのか、何人ものファンがスーパーなどで買ったらしい24缶パックのビールを持ち込んでおり、氷とバケツまで持参とはまったくもって用意がいい。そんなに飲み続けていたら、夜9時からの試合まで起きていられるのだろうかと心配にもなりましたが、大丈夫。実は私が立ち見を恐れてキックオフ1時間前に行った近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)も完全にリバプールファンに占拠されており、彼らもビール片手に割れるばかりの音量で皆すっと応援歌を歌っていたんですが、これまでに見たことのない速さでグラスビールを次々とつぎ、ガラスのピッチャーにワインとファンタオレンジを凄い勢いで注ぎ込んでサングリアを作っていた顔なじみの店員さんに訊くと、「今日はもう半日程、同じ状態」だったとか。

え、それよりこの日はワンダでも1分間の黙とうがあったように、お昼のニュースではスペイン中が予期せぬ訃報にショックを受けることになったんだろうって?はい、アーセナルでプレミアリーグ制覇した後、2007年にはカペッロ監督の指揮するマドリーでリーガ優勝に貢献、翌シーズンと2009~2011年にはアトレティコでもプレーして、キケ・サンチェス・フローレス監督時代にはEL優勝のタイトルをもたらしているレジェスが午前11時40分、セビージャ(スペイン南部)近くの高速道路で事故を起こし、同乗していた23才のいとこと共に亡くなってしまったんですよ。

今季は2部のエクストレマドゥラでプレーする彼は前節にほぼチームの残留が決定、この火曜のカディス戦のベンチには入らないことになったため、週末を実家のあるウトレラで過ごそうと、土曜の練習後に自家用車のメルセデス・ブラバスS550に乗って移動中だったようなんですけどね。警察の調べによると、どうやら200キロ以上のハイスピードで運転中、車線をはみ出し、ガードレールに当たってコントロールを失うと、数百メートル走った先で車体が炎上。3人目の同乗者も重度のヤケドで入院中だそうですが、2人は全焼した車内で死亡することに。

いやあ、レジェスはまだ35才だっただけにこの悲劇には周囲も茫然、翌日曜には遺体がカンテーラ時代を過ごし、16才という史上最年少でリーガにデビュー、復帰後には前人未踏のEL3連覇も達成したセビージャのホーム、サンチェス・ピスファンにお棺が運び込まれ、長年の友人だったラモス、ヘスス・バナスを始め、お隣さんであるベティスのホアキン、他にもマドリーのペレス会長、ブトラゲーニョ渉外ディレクター、RMカスティージャの来季監督になるラウールらの弔問を受けていましたが、前妻との間にできたレガネスのユースチームでプレーしていた11才の長男が来季から、マドリーでプレーするといった話も。うーん、本当にあまりに突然のことでしたしね。人生の不条理に私も今は何と言っていいかわからないんですが…。

いえ、話をCL決勝に戻さないといけません。オープニングセレモニーもこの大勢いるパフォーマーのうち、どれがUEFAにボランティアで採用された人々なのだろう、太鼓を叩く係は出演料をもらえるのだろうかとしょうもないことに私がまだ頭を巡らせているうちに試合は始まったんですが、まさか開始からたった25秒でバル中が大歓声に包まれることになろうとは!ええ、キックオフと同時に速攻をかけたリバプールはマネがエリア内からクロスを上げようとしたボールがシソッコの腕に当たりペナルティをゲット。VAR(ビデオ審判)の介入があったため、サラーがPKを決めて得点が入ったのは2分のことでしたが、何せ昨季の決勝では31分にラモスともつれて転倒。肩を脱臼して泣く泣く交代したエジプト人エースでしたからね。

今回のツキの良さには当人もビックリしたでしょうが、その後はトッテナムがボールを独占。といって、この試合でようやく4月以来の復帰を果たしたエースのハリー・ケインも本調子でなかったか、見せ場を作る訳でもなく、その後はかなり退屈な展開だったんですが、昨季のリバプールを違ったのはやはり一流の守護神のおかげだった?ええ、マドリーとのキエフでの決勝ではGKカリウスのミスが3-1での敗戦を招くことになりましたが、この日のアリソンはソンや準決勝アヤックス戦2ndレグでハットトリックを挙げ、チームを土壇場の逆転突破に導いたルーカス・モウラのシュートもしっかり弾き、1点差をキープしているんですから、バルにいたリバプールファンも安心できたかと。

そして後半42分にはやはり負傷上がりだったフィルミノから代わったオリジが2点目を挙げ、ここで勝負は決着。0-2でリバプールが勝ち、これまで7回の決勝全てに負けているというクロップ監督がとうとうCL初優勝…いや、周囲が赤いユニばかりだったため、逆だった場合のことはあまり考えたくないんですけどね。ホストとしてパルコ(貴賓席)にいたアトレティコのセレソ会長も「今日はリバプールが優勝したが、el campeón de campeones es el Atleti, por su fantástica organización/エル・カンペオン・デ・パンペオネス・エス・エル・アトレティ、ポル・ス・ファンタスティカ・オルガニサシオン(チャンピオンの中のチャンピオンはアトレティコだ。素晴らしいオーガナイズ能力を披露した)」と言っていたように幸い、マドリッドの街中でもスタジアム内外でもフーリガンたちの騒ぎが一切、なかったのは何よりでしょうか。

そしてCL決勝翌日、日曜には各地でリーガ昇格プレーオフ2ndレグがあったんですが、こちらはいい知らせと悪い知らせが。というのも午前中には3部のグループで1位となり、1ラウンドだけで良かったヘタフェBがレアルタッドとの1stレグに2-0と負けながら、コリセウム・アルフォンソ・ペレス横にある練習場の人工芝ブラウンドでの試合で4-1と逆転し、2部B昇格を達成。今季はほとんどトップチームで過ごしていたウーゴ・ドゥーロが2得点と大活躍だったんですが、もしやこれって、RMカスティージャで登録されていたビニシウスをプレーオフに出すぐらいの荒業だったかも。

そしてヘタフェ、レガネス同様、マドリッド南部の衛星都市チームであるフエンラブラダもレクレアティボをアウェイで破り、2部昇格を決めたのは朗報だったんですが、情けなかったのは兄貴分チームの後輩たち。ええ、コパ・アメリカのブラジル代表に呼ばれず、訪日して商業活動等をするため、ビニシウスにバケーションを与えてしまったのもマズかったんでしょうかね。1stレグでカルタヘナに3-1で勝利していながら、2ndレグで2-0と負け、RMカスティージャは逆転敗退。お隣さんのBチームも決して自慢できる結果ではなく、マハダオンダでスコアレスドローの後、ミランデスのホームでは先制しながら、最後は2-1で負け、どちらも2部昇格への望みを繋ぐ2回戦に進出できなかったのですから、困ったもんじゃないですか。

いやあ、まだシーズンが終わっていない2部の弟分、アルコルコンは13位と昇格にも降格にも関係ない位置にいるんですが、今季昇格したばかりのラージョ・マハダオンダはこの火曜のオビエド戦が最後の試合で、最終節は今季半ばに経営破綻で降格となったレウス戦の不戦勝分、勝ち点3が入る予定といっても現在、残留ラインのルーゴと勝ち点差3ありますからね。ここで勝っておかないと、2部Bに最速Uターンが決まってしまうというのは心配なところ。どちらにしろ、もう今季はマドリッドで見られるクラブの公式戦がないのは淋しい限りではあります。

え、それでもスペイン代表の2試合目、スウェーデン戦はサンティアゴ・ベルナベウであるんだろうって?その通りで、この月曜夕方には私もラス・ロサスまで公開練習を見学に行ったんですが、やはりセッションの始まりには全員一列に並んでレジェスの冥福を祈る1分間の黙とうが。それまでファンの歓声で賑やかだったスタンドもシーンとなって、しめやかなムードだったんですが、その後はそれそれが贔屓の選手にカンティコ(メロディのあるシュプレヒコール)を送るいつもの光景に戻ります。コパ決勝でふくらはぎを負傷、ベンチからバレンシアが4連覇中のバルサを倒して新王者の座につくのを見守ったパレホも回復しており、招集された23人揃っていたのには練習の一部始終を生中継で見守っていたという、現在、重病を患った娘さんにかかりっきりになっているルイス・エンリケ監督も安心できたかと。

ちなみにこの日のセッションはスペイン代表にしては珍しく、いえ、1、2週間のミニバケーションをはさんでいる選手がほとんどだったせいもあるんでしょうけどね。いつもは1時間弱で終わるのにランニング、ロンド(中に入った選手がボールを奪うゲーム)、軽いフィジカルメニューと続き、ピッチ半面でのパスシュート練習、守備攻撃練習の後も40分ぐらいを6人制のpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)に当てて、計1時間半ほどの長丁場に。かといって、先発候補がわかるようなものではなかったんですが、モラタ(アトレティコ)やロドリゴ(バレンシア)が何発もゴールを決めていたのは心強かったかと。

火曜以降、彼らのセッションは全て非公開で、木曜にはフェロー諸島戦のため、トースハウンに移動。またラス・ロサスに戻って来た後もファンが見られるのはスウェーデン戦の前日のスタジアム練習ぐらいしかないというのは残念なんですが、国際メジャートーナメントのないこの夏は次の試合が9月までありませんしね。イスコやアセンシオら、今季はマドリーで活躍できなかったにも関わらず、招集してもらえた選手たちなど、ジダン監督にもアピールするいいチャンスだけにきっと皆、気合を入れてプレーをしてくれますよ。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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期待をかきたててくれるのは嬉しい…/原ゆみこのマドリッド

「本当に皆、ギャラクティコを待っていたのね」そんな風に私が驚愕していたのは木曜日、エデン・アザールのプレゼンのため、サンティアゴ・ベルナベウに向かったところ、スタジアムの周りにできた入場待ちの行列がどこまで行っても途切れず。記者席に着いてからもどんどんスタンドに人が増えていって、最後はバックスタンドと両ゴール裏席の3階までほぼギッシリになってしまったのを見た時のことでした。いえ、それでも2009年にクリスチアーノ・ロナウドのプレゼン時の7万人には及ばず、スポーツ紙の推定では5万人ぐらいだったようですけどね。今季はコパ準決勝敗退、リーガ優勝絶望、CL16強対決でアヤックスに逆転敗退と2月末からの続いた暗黒の1週間の後、ずっと我慢を強いられ、ホームゲームの観客数も振るわなかったレアル・マドリーだというのに、アザールのプレゼンだけでこんなに人が集まるとは思っていなかったから。 いえ、ベルナベウが賑わるのを自分が目撃したのは今週に入って2回目のことで、実は月曜にはスペイン代表の2020年ユーロ予選スウェーデン戦が開催。最初のサプライズはGKが金曜のフェロー諸島戦から変わらず、ケパ(チェルシー)の3試合連続出場となったことだったんですが、このスウェーデン戦に限っては彼でもデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)でもあまり差はなかったかと。というのも、攻撃の要、クラエソン(クラスノダール)が前半27分にジョルディ・アルバ(バルサ)のタックルを受け負傷。早々にヨハネソン(レンヌ)と交代せざるを得なくなった敵は後半にシュートを1回撃っただけでそれ以外、セーブが必要なシーンがなかったから。 それでもわざわざプレミアリーグ終了後、1週間程、ユナイテッドのGKコーチに付き添ってもらい、ラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設で個人練習。体調維持に努めていた当人にとっては結構、ショックはあったはずで、後で不在中のルイス・エンリケ監督に代わり、試合の指揮を執ったロベール・モレノ第2監督も「Cualquier persona en la vida necesita ese estado de dulce para triunfar/クアルキエル・ペルソーナ・エン・ラ・ビダ・ネセシータ・エセ・エスタードー・デ・ドゥルセ・パラ・トリウンファール(誰でも人生において勝利するには甘美な状態が必要だ)。ケパがアーセナルを制してのEL優勝でそういうポジティブな時期にあるのを利用したかった」と先発GKの選択について話していましたけどね。 何せ、次の代表戦は9月の頭、来季のリーグが開幕してから間がない上、8月14日にあるUEFAスーパーカップで今季のCL王者、リバプールを相手に再び、ケパにいいところを見せられてしまったら、デ・ヘアは控えのポジションが確定してしまう恐れもなきにしろあらず。まあ、その辺はかなり先のことですから、今は置いておくとして、この試合の前半、積極的に攻撃を仕掛けながら、スペインが無得点に終わったのはスウェーデンのGKオルセン(ローマ)によるところが大きかったんですよ。ええ、彼はファビアン(ナポリ)、パレホ(バレンシア)、セルヒオ・ラモス(レアル・マドリー)らの強烈シュートをparadon(パラドン/スーパーセーブ)。 16分にはパレホのラストパスから、ロドリゴ(バレンシア)がゴールを挙げたなんてこともあったものの、微妙なオフサイドで認められないという不運も。うーん、昨今、女子W杯やU20W杯、U21ユーロでもVAR(ビデオ審判)が採用されているんですが、ユーロ予選ではないっていうのはもしや、試合数が多すぎて人手が足りないから? そして0-0のまま後半に入ると、序盤は目立った空席もほとんどなくなり、ベルナベルは観客数7万2000人の大入りを記録。その頃には場内を何周もする“ola/オラ(ウェーブ)”も始まり、これって代表戦の場合、ファンが退屈しているってことなんですが、大丈夫。18分には、下手に慣れたスタジアムでプレーしたせいですかね。今季のクラブでの不調ぶりに輪をかけて精彩のなかったアセンシオ(マドリー)が左側から上げたクロスがラーション(AIKソルナ)の腕に当たり、エリア内のハンドでスペインはPKをゲット。もちろんキッカーはラモスが務め、DFとしては異例の代表20ゴール目を記録して、キックオフ前に代表最多の122勝達成を表彰されたのはダテではないことを証明してくれます。 え、その時も3人の息子さんと共にTVタレントの彼女、ピラール・ルビオさんが付き添っていたけど、ゴールを挙げた後、指輪を差し出してプロポーズする仕草のパフォーマンスまでするなんて、ちょっと最近のラモスは浮かれすぎていないかって?いやあ、それは当然のことでこの土曜にはセビージャの大聖堂でピラルさんと挙式。500人近い招待客にはベッカム夫妻やバルサのピケとシャキーラ、元同僚のカシージャスとTVレポーターのサラ・カルボネーロのカップルと、ピラルさんの課した白だけでなく、黒も赤もピンクもオレンジもグリーンも着てはいけないという厳しいドレスコードと子連れ禁止という条件にも関わらず、大勢のセレブの出席を取り付けている上、セビージャ近郊にあるラモスの別荘で開く披露宴では100万ユーロ(約1憶2000万円)の出演料でとうとう、AC/DCのプライベートコンサートまで実現してしまったとなれば、人生の頂点、ここに極まれり? ただそんなラモスでも後輩思いなところは尊敬できて、スペインは40分にもエリア内に駆け込んだモラタ(アトレティコ)がヘランデル(ボローニャ)に倒されてペナルティを獲得。当人も「yo ni le he preguntado porque el siempre quiere marcar/ジョ・ニー・レ・エ・プレグンタードー・ポルケ・エル・シエンプレ・キエレ・マルカル(訊きもしなかったよ。だって彼はいつもゴールを決めたがるから)」とラモスがキッカーをリピートするものと思い込んでいたところ、何とモラタに譲ってくれたから、意外だったの何のって。いえ、確かにシーズン終盤のモラタはほとんどゴールが入らず、代表で先発したフェロー諸島戦でも無得点に終わっていたんですけどね。 それを「Al final el delantero vive del gol/アル・フィナル・エル・デランテーロ・ビベ・デル・ゴル(FWはとどのつまり、ゴールで生きているからね)。自分が最初のPKを決めた後、次はチームメートに譲って、士気を回復してもらうのが一番さ」とかつてはマドリーの同僚であっても、将来はアトレティコで引退したいと最近のインタビューで言っていた、ライバルのエース候補に恩を売るのはちょっと、上から目線な感じがしないでもありませんが、まあ無事にPKが決まって2点目が入ったから、良かったかと。 おかげでようやくファンも安心することができたんですが、PKゴールだけで物足りなかった試合をメデタク終わらせてくれたのは若いファビアン(ナポリ)とオジャルサバル(レアル・ソシエダ)の2人。ええ、3月に初招集されながら、A型インフルエンザで泣く泣くイタリアにUターン。その時に代わりを務めたサウール(アトレティコ)も今回は休暇先のバリ島でシャッポを脱ぐしかない程の大胆なプレーを見せていた前者のパスから、後者が敵DFをかわしてのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を42分にねじ込んでくれたとなれば、月曜の夜にわざわざスタジアムまで足を運んだ観客だって満足したに違いありませんって。 これで3-0と快勝したスペインは予選4連勝でグループ首位の座を確固たるものにしたんですが、次の予選は9月5日のルーマニア戦、8日のフェロー諸島戦。それまではサッカー協会も3月から、重病の娘さんの側を離れられないルイス・エンリケ監督の後任を探すかどうかの決断を保留にするのだとか。まあ、それまではかなり時間がありますしね。スウェーデン戦の後、翌日からラス・ロサスで練習中のU21代表に合流したファビアン、オジャルサバルらを始め、バジャホやセバージョス(マドリー)も出場するユーロが土曜のイタリア戦を皮切りにスタートしますし、こちらも楽しみではありますね。 え、そのU21ユーロにはマドリーファンも注目した方がいいんじゃないかって?その通りで、スペイン代表戦の2日後、同じベルナベウで来季の新戦力のプレゼン第1弾があったんですが、その日はベオグラードでのリトアニア戦で見事なゴールを挙げてきたヨビッチが初めてファンの前に姿を見せることに。フランクフルトから6000万ユーロ(約74億円)で移籍したセルビアA代表FWなんですが、21才と若いため、イタリア・サンマリノでの大会にも彼は招集されているんですよ。いやあ、日程がモロにかぶる中、A代表とU20代表を兼任、火曜のイタリア戦勝利にも貢献して、土曜には韓国とのW杯決勝に挑むことになったウクライナのGKルニン(今季はレガネスにレンタル移籍していた)程のハードスケジュールではありませんけどね。優秀な選手だけが入団できるマドリーだけに各国代表でも引っ張りだこなのは当然だった? ちなみにそのヨビッチのお目見えには4000人強のファンが歓迎に駆けつけたんですが、まずはアンテパルコ(貴賓席前ホール)でのプレゼンセレモニーで、「こんなにビッグなクラブと契約できてボクは世界一幸せだ」という趣旨のスピーチを25秒という、滅多にない簡潔さで済ませた彼はどうやら、いきなり大舞台に放り込まれてかなり緊張していたよう。ええ、後で当人も「唯一、怖かったのはピッチに出ること」と言っていましたが、ユニフォームを着てファンに挨拶した際には、いや私など、プレゼン中に流された名場面ビデオではかなりアクロバティックなゴールが多かったため、高度なリフティングやドリブルを見せてくれるんじゃないかと期待していたんですけどね。 それが上がっていたヨビッチが失念したか、一緒にいたスタッフが伝え忘れたか、GK以外、ほとんどの新入団選手が披露してくれる恒例行事をすっぽかし、すぐにプレゼント用のボールをスタンドに向けて蹴りに行ってしまったのにはちょっとビックリ。いえ、カメラが頼むたびにユニの胸についている紋章にキスしてみせたり、自身のスマオを持ち込んでスタンドを背にセルフィーを撮ったり、PKマークからベルナベウ最初のゴールを決めてみたりと、他は至って普通の若い選手でしたけどね。まだジダン監督ともチームメートとの誰とも話していないそうですし、不安なことも多いでしょうが、近日中に隣国のクロアチア出身で、言葉の通じるモドリッチと連絡できることを祈っています。 え、それで翌日、パルコ前に特設されたステージでプレゼンされたアザールはベルギー代表やチェルシーで着けていた10番をもらえるのかって?うーん、この件に関しては皆、気になったようで、パルコ前ステージで両親、そして弟のトルガン(ドルトムント)、キリアン(クラブ・ブルージュ)も加わって家族写真を撮影。ユニフォームに着かえてピッチに登場すると、リフティングでボール扱いの巧みさをしっかり見せつけ、ヨビッチの時の3倍はあろうかという数の、しかもデザインも新しいユニに合わせた金色ベースのアディダス特製のボールをスタンド3面に満遍なく、手や足で放り込んでファンにプレゼントと結構、体力を消耗するお披露目だったんですけどね。 記者会見でもベテランらしい落ち着きを見せた当人は、「コバチッチ(今季はチェルシーにレンタル移籍)を通じてモドリッチと話すことができたけど、冗談で10番を譲ってと頼んだら、ノーと言われたよ」とまあ、ホントにこういう辺り、ピッチの敵選手だけでなく、マスコミの質問もかわすことに相当慣れているよう。実際、スタジアムに隣接したオフィシャルショップではプレゼン直後からアザールのネーム入りユニが売りだされているんですが、ヨビッチ同様、まだ背番号はついていませんでしたしね。予想ではマリアーノの着けている7番か、ベイルの11番といったところのようですが、彼らの移籍先が決まるまではどうなるかわからないのはマーケティング部門もちょっと、営業的に辛いところかと。 ちなみに念願だったというマドリー入団を果たしたアザールは、自分をギャラクティコだと思うかと訊かれ、「そうなるように努力するよ。今のところはエデン・アザールさ」と答えていましたが、スタンドからは「Queremos a Mbappé, queremos a Mbappé!/ケレモス・ア・エムバペ(ボクらはエムバペが欲しい)」というカンティコ(メロディーのついたシュプレヒコール)が聞こえるといった一幕も。 いやあ、そこまで獲ると、すでにロドリゴ(サントスから移籍)、ミリトン(ポルト)、ヨビッチ、アザール、そして来週水曜にプレゼンが予定されている左SBメンディ(オリンピック・リヨン)で移籍金に3億ユーロ(約370億円)を費やしたというマドリーだけに、収支バランス的にリーガ協会やUEFAのファイナンシャル・フェアプレー要件を満たすのが難しくなりそうですけどね。何はともあれ、まずは1人、スター選手がチームで活躍する姿を見たいというマドリーファンの望みが叶ったのは私も嬉しく思います。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.06.14 12:30 Fri
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盛り上がらない代表戦もある…/原ゆみこのマドリッド

「いくらスペインが出ていないからって、この扱いはひどい」そんな風に私が怒っていたのは木曜日、いつの間にやら始まっていたネイションズリーグ、ファイナルフォーの準決勝でポルトガルがスイスを3-1で下し、決勝に進出していたと知った時のことでした。いやあ、男子のユーロやW杯のないこの夏ですが、この6月は国際大会が目白押し。もう金曜には先日、親善試合で日本と1-1ドローという粘りを見せたスペインの参加する女子W杯がフランスで始まりますし、来週の週末にはバジェホやセバージョス(レアル・マドリー)、マジョラル(レバンテ)、カルロス・ソレル(バレンシア)、フォルナルス(ビジャレアル)といった堂々、1部リーガでプレーしている選手も沢山招集されているU21ユーロのイタリア・サンマリノ大会もスタート。 同日にはブラジルで、いえ、水曜にカタールとの親善試合で足首を痛め、直前リタイアとなってしまったネイマールについては最新のスキャンダル、ブラジル人モデルのレイプ疑惑などもあって、マドリーが補強候補から完全に外したなんていう記事も読んだんですけどね。他にもCL準決勝敗退後、ヒザの手術をしてコパ・デル・レイ決勝に出られなかったルイス・スアレス(バルサ)がウルグアイ代表に合流したり、その同僚にはバルベルデ(マドリー)やヒメネス(アトレティコ)らもいるコパ・アメリカも始まるため、代表戦への興味がバラけてしまうのはわかりますが、まさか昨年からUEFAが鳴り物入りで始めた新大会の準決勝をスペインの放送局がどこも中継してくれないとは! いえ、個人的な興味はアトレティコを逆転敗退に導いたCL16強対決2ndレグ以来のハットトリックを達成したクリスチアーノ・ロナウド(ユベントス)より、セメド(バルサ)やジョアン・フェリックス(ベンフィカ)ら、先日、母国のアルゼンチンですでに2子をもうけたカルラ・ペレイラさんとひっそり市民婚を行ったというシメオネ監督のチームに来季、加わるかもしれない選手たちのパフォーマンスを見ることにあったんですけどね。今週は火曜にリーガ2部の41節の7試合が行われ、一足先に1部復帰を決めていたオサスナとグラナダがご一緒することになった他、マラガ、アルバセテ、マジョルカが昇格プレーオフに進むのが決まったのはともかく、今季初めて2部に挑戦していた弟分のラージョ・マハダオンダは後半ロスタイムの失点でオビエドに4-3と負け、最終節を待たずに2部B降格が決定。 来季は残留決定済みのアルコルコンの他、最速Uターンしたラージョ(ラージョ・マハダオンダと組織的には無関係)と2部Bから昇格したフエンラブラダが加わるため、2部の弟分の数はむしろ増えるんですが、そんな残念なニュースもあったため、せめてミッドウィークは利害関係ないハイレベルの試合を楽しみたかったんですけどね。木曜の準決勝、すでにバルサ入団が決してしているデ・ヨングやそれに続く見込みが高いデ・リフトらのアヤックス勢がいるオランダと先週土曜、ワンダ・メトロポリターノでのCL決勝で対決したリバプールとトッテナムの選手のいるイングランドの一戦も楽しみだったんですが、こちらも試合後のサマリーを待つしかないとはこれ如何に。せめても慰めは日曜午後8時45分からの決勝だけはTVE(スペイン国営放送)で生中継してくれることですが…あれ、もしや日本のスペイン代表ファンも今回の2020年予選では同じ目に遭っている? まあ、それでも今回、グループ予選3、4節に備え、ラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設で合宿している彼らの様子をお伝えしておくことにすると。5月19日にリーガ1部最終節が終わった後、翌週末のコパ決勝に出たバルサ(ブスケツ、ジョルディ・アルバ、セルジ・ロベルト)とバレンシア(ロドリゴ、ガジャ、パレホ)勢、そしてEL決勝でトロフィーを掲げたチェルシーのGKケパ以外、多数の選手たちは2週間のミニバケーションを経て活動再開となったんですが、そのためか、唯一の公開練習となった月曜は1時間半と長めのセッションに。でもねえ、火曜水曜はマスコミにも非公開だったため、どんなトレーニングだったのかはオフィシャルウェブ(https://www.sefutbol.com/)にアップされた短いビデオから推測できる程度なんですよ。 いえ、今回の代表戦期間も重病の娘さんの側を離れらないルイス・エンリケ監督はバルセロナの自宅でセッションの生中継を全部見ていたそうですけどね。練習後には実地で指揮を執っているロベル・モレノ第2監督ら、コーチングスタッフとビデオ会議を行い、金曜のフェロー諸島戦のスタメンもその方式で決めるのだとか。それ以外、ここまで4回あったルイス・エンリケ監督就任後の合宿と違うのはただ1つ、チーム全員を施設外に連れ出してのレクリエーションタイムですが、代わりに今回はA代表合宿前にラス・ロサスに泊まっていたU21チームがエスケープ・ゲーム(グループで謎解きをして部屋を脱出するアトラクション)を楽しんだのだとか。 そんな状態なのでもっぱら、選手たちの様子を知るには毎日1人の選手が登場する記者会見、あとは大手マスコミによるインタビューに頼るしかないんですが、注目したいのは2015年11月以来の招集となった34才のカソルラ。ええ、彼はアーセナル時代の2016年にアキレス腱を痛め、10回もの手術を受ける羽目に。無所属でリハビリを続けていた昨年、古巣のビジャレアルの好意で一緒に練習を始め、夏にはとうとう選手登録まで勝ち取ったんですが、「Era algo impensables llegar a la selección, sólo esperaba volver a jugar/エラ・アルゴ・インペンサブレス・ジェガール・ア・ラ・セレクシオン、ソロ・エスペラバ・ボルベル・ア・フガール(またプレーすることだけを目指していた自分にとって、代表に招集されるなんて考えられなかった)」という当人だけにそれこそ、神様からのご褒美のようなものだったかと。 まあ、カソルラのポジションにはパレホやイスコ(マドリー)などもいるため、先発に抜擢させるかはわかりませんけどね。とはいえ、木曜に気温5度と涼しいトースハウンに移動、宿泊先のホテル・フォロヤウルでは珍しく同宿となったフェロー諸島代表チームの選手たちが有名人見たさに集まっていたなんてこともあった後、試合会場のトルスベルールで記者会見に臨んだモレノ第2監督も「Vamos a repartir minutos entre los dos partidos/バモス・ア・レパルティール・ミヌートス・エントレ・ロス・ドス・パルティードス(この2試合ではプレー時間を配分したい)」と言っていたため、久々に代表戦のピッチに立つ機会はあるのでは?ちなみにこの試合、1つだけ心配なことはスタジアムのピッチが人工芝なことなんですけど、一応、最新のモデルだそうですからね。来週月曜にはサンティアゴ・ベルナベウでスウェーデン戦もありますし、とりあえずはケガをしないよう心掛けて、予選3勝目をゲットしてくれればいいかと。 え、代表にも「He sido muy feliz este año. Es mi casa/エ・シードー・ムイ・フェリス・エステ・アーニョ。エス・ミ・カサ(今季は幸せだった。自分の家にいられたからね)。それでもボクは若いし、何が起きるかコントロールすることはできない」と言っていたアトレティコのロドリや、「No puedo garantizar si voy a seguir o no, esto es así/ノー・プエド・ガランティサール・シー・ボイ・ア・セギール・オ・ノー、エストー・エス・アシー(残留するかどうか保証することはできないよ。そういうもんなんだ)」と言っていたバレンシアのロドリゴのように先行き不透明な選手がいる一方で、マドリッド勢の新チーム編成の方は進んでいるのかって? いやあ、今週はマドリーが火曜にヨビッチを獲得したことを発表。フランクフルトに6000万ユーロ(約74億円)払い、21才のFWと6年間の契約を結ぶことになりましたが、当人は現在、セルビア代表に行っていますからね。木曜には1億ユーロ(約123億円)の移籍金でチェルシーからアザールが入団する交渉に合意ができ、クラブからのcomunicado oficial/コムニカードー・オフィシアル(公式声明)が出るのを今か、今かと待っているところとお昼のクアトロ(スペインの民放)で報じていましたが、夜のニュースでもこの状態は変わらず。まあ、こちらも選手はベルギー代表で土曜のカザフスタン戦に向け、GKクルトワと共に汗を流している最中ですから、少なくとも来週火曜のスコットランド戦でお国への奉公が終わるまでプレゼンができないのは同じです。 フランス代表にいる左SBメンディもオリンピック・リヨンは残留宣言を出したものの、ほぼ確定という話ですし、となると世間の目が次の候補、ポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)とエリクセン(トッテナム)に向かうのも当然だったかと。ギャラクティコ獲得という線ではいまだにエムバペ(PSG)が取り沙汰されているんですけどね。ただ、その間、選手の放出の方はまったく進んでおらず、10番モドリッチは動かないため、アザールのために背番号7を用意したくても、今季の保有者マリアーノも本人が残留を希望。移籍先の噂も聞かないとなれば、果たしてどうなることやら。 その真逆なのはお隣さんのアトレティコで今季は冬にヒザを手術、リハビリを移籍の決まったバイエルンでしていたリュカを筆頭にゴディン、ファンフランは契約を延長せずに退団。フィリペ・ルイスもそれに続く可能性が高い上、昨夏には年棒2000万ユーロ(約25億円)以上という超破格の昇給をしたグリーズマンもシーズンが終わる前に移籍を宣言しており、そこへマンチェスター・シティが契約破棄金の7000万ユーロ(約86億円)の札束を揃えて獲りに来ると言われているロドリも前述の通り、曖昧な状態とあって、とにかく人を集めないと大変なことになるんですが、今のところ、入団が決まったのはポルトのCBフェリペだけなんですよね。 どうやらメキシコの提携チーム、今季1部昇格を果たしたアトレティコ・サン・ルイスからもアルゼンチン人FWのニコラス・イバニェスを獲ったようですが、こちらは来季もレンタルで留まってプレーするようなため、実質、攻撃陣の補強はまだ始まってもおらず。ベンフィカのジョアン・フェリックスも相手が移籍金1億2000万ユーロ(約148億円)を譲らないため、難航しているようですし、そこへ来季はケガと出場停止に泣かされた今季のリベンジを期待しているジエゴ・コスタから、バケーション中の母国ブラジルでジャングルをバギーで爆走したり、8メートルもある崖から海に飛び込む画像(https://bit.ly/2K24cio)がアップされているようではもう何を言っていいのやら。 その一方で弟分チームたちは着々と再編成を進めていて、いえ、ヘタフェなどは先日、リーガ最終戦でバジャドリーの選手7人を買収、バレンシアに負けるように頼み、スポーツ賭博で八百長をした容疑で昔、マドリーの下部組織で一緒だったラール・ブラボ、アランダ、ボルハ・フェルナンデスが逮捕された後、いえ、皆、保釈金を払って、今は収監されていないんですけどね。それがCL出場権のもらえる4位の懸かった試合だったため、飛び火のようにヘタフェもバジャドリーに勝ったら、ボーナス200万ユーロ(約2億5000万円)を払う約束をしたなんて話も出てきたんですが、もう結果はご存知の通り。 バジャドリーがバレンシアに0-2で負けてしまい、ヘタフェもビジャレアルと2-2で分けたため、5位でELに出場することになったんですが、最初の補強はボルダラス監督。ええ、契約を2022年まで延長し、指揮官を探していたリーガのライバルたちの出鼻をくじいた後、マイキシモビッチも買い取りオプションを行使して、バレンシアに500万ユーロ(約6億円)を払って保有選手にしています。 すでにシーズン中にペレグリーノ監督の続投が発表されたレガネスでもジョナタン・シウバを300万ユーロ(約4億円)でスポルティングCPから買い取った他、マドリーにもオスカルのレンタル契約延長を認めてもらったとか。まあ、彼らはすでにルーベン・ペレスとエラソのアラベスへの移籍が決まったようにとにかく、出入りが激しいチームですからね。アーセナルが興味を示していると言われているエン・ネシリもモロッコ代表のアフリカ・ネイションズカップでの戦いが終わった後に先行きを考えるとかで、例年通り、市場が8月末にクローズするまでの長丁場になるんじゃないでしょうか。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.06.07 12:30 Fri
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マドリッドにCL決勝がやって来た!/原ゆみこのマドリッド

「きっとプレゼンの時にはいい色に焼けているわね」そんな風に私が思っていたのは金曜日、マルベージャ(スペイン南部のビーチリゾート)でレアル・マドリー入団がもう確定事実のように報道されているアザール(チェルシー)がバケーション中のところを目撃されたと知った時のことでした。いやあ、来週月曜と言われていたサンティアゴ・ベルナベウでのプレゼンはクラブが来季の新ユニフォーム発表も兼ねて行いたいようでどうやら、6月8日、11日にあるベルギーのユーロ予選カザフスタン戦、スコットランド戦が終わった後になるようなんですけどね。 その方が7月からは1年ぶりにクラブでも再び、同僚となるGKクルトワから最新情報を仕入れる時間もできて、当人にとっても良かったのかもしれませんが、それにしても先日のヨーロッパリーグ決勝はまさに絵に描いたような有終の美を飾る試合だったかと。ええ、アゼルバイジャンのバクーでアーセナルと対戦したチェルシーは前半こそ0-0だったものの、後半にアザールが2ゴール1アシストと活躍して4-1で快勝。昨年、この大会の準決勝でアトレティコに負けた後、今季はセビージャで2014年から2016年の間、前人未踏のEL3連覇という偉業を成し遂げたエメリ監督を招聘し、万全の態勢で挑んだロンドンのお隣さんを苦もなく退けているんですから、大したものじゃないですか。 その結果、プレミアリーグで5位だったアーセナルはCL出場権のゲットに失敗、来季もEL優勝を目指すことになり、いえ、チェルシーは2013年にもベニテス監督指揮の下、フェルナンド・トーレス(ヴィッセル神戸)や今回は負けた側のゴールを守っていたGKチェフらがいたチームでこの大会に優勝しているんですけどね。こちらはリーグ3位でCL出場権を確保しているため、タイトルの数を増やしただけに留まったんですが、お祝いの続くオリンピック・スタジアムのピッチではアザールが「今日の試合はチームとのお別れだと思う。新しい挑戦をする時が来た」なんてことも言っていましたしね。 今季はクリスチアーノ・ロナウド(ユベントス)退団の影響をモロに受け、3度も監督が代わった挙句にリーガでは2年連続アトレティコの下の3位止まり。得意のCLでもアヤックスに16強対決で悪夢の逆転敗退と、あまりにいいところがなさすぎたマドリーだったため、私もフレッシュな新戦力が来てくれるのは大歓迎なんですが、いくら豊富な資金力を有するクラブとはいえ、収支のバランスは合わさない訳にはいかず。移籍金インフレの激しい昨今、アザールだけでも1億2000万(約145億円)とか、1億ユーロ(約121億円)とか、6年前のベイル以上にかかるため、今週頭にラジオ出演したペレス会長もセルヒオ・ラモスと話した際、中国からの高級オファーに移籍金なしでは応じられないと答えたんだと思うんですが…。 いやあ、この騒ぎに関しては木曜に新展開があって、ミニバケーション先のマイアミから帰還。月曜からバルデベバス(バラハス空港の近く)で来週からのスペイン代表合宿に備え、個人練習をしていた当人がいきなり午後に記者会見を開いたんですよ。それも2時間前に予告したものだから、セントロで他のイベントを見ていた私は行くことができなかったんですが、大丈夫。もう最近はスポーツ紙のサイトが生配信してくれるため、現場にいなくても一部始終がわかるって、あれ?何だか私がマドリッドにいる意味あまりない? まあ、そんなことはともかく、30分間に渡り、28の質問に答えたラモスだったんですが、結局、当人の言いたかったのは「Yo me quedo aquí/ジョー・メ・ケド・アキー(ボクはここに残るよ)」ということ。世間からまた、今回の騒ぎが年棒アップの契約更新をするためのブラフとみなされてしまったことによるイメージダウンを恐れたか、ペレス会長とのミーティングの席では「El tema económico no lo hemos tocado. Es un tema de confianza y de cariño emocional/エル・テーマ・エコノミコ・ノー・ロ・エモス・トカード。エス・ウン・テーマ・デ・コンフィアンサ・イ・デ・カリーニョ・エモシオナル(お金のことには触れなかった。信頼と気持ちとしての愛情がテーマだった)」と主張していたんですけどね。 実際、中国からのオファー云々についても最初は「移籍を考えたことは1度もなかった」と言いながら、あまりに似たような質問が続いたせいか、数分後には「不満がある時は考えることもある」と話していたりと、後で矛盾をつつかれることになったんですが、父と息子のような関係というペレス会長とは争うこともあるものの、今回の件については和解できたのだとか。まあ、何より6月15日に迫った、TVタレントのルビオ・ピラールさんとのセビージャでのメガ挙式の際、主賓の1人にドタキャンされても困りますしね。「El día de mi boda le daré un abrazo a Florentino de verdad/エル・ディア・デ・ミ・ボダ・レ・ダレ・ウン・アブラソ・ア・フロレンティーノ・デ・ベルダッド(自分の結婚式の日にはペレス会長に心からハグを贈るよ)」(ラモス)という言葉は信じてもいいかと。 え、それより土曜にCL決勝を控えたマドリッドの街は大変なことになっているんじゃないかって?その通りで、うーん、2010年にサンティアゴ・ベルナベウでバイエルンvsインテル戦が開かれた時にはトロフィー展示やスポンサー企業の提供するゲームなどのアクティビティのテント、過去にCLで活躍した元選手たちが出場するアルティメット・マッチが行われるミニ競技場などが設置されるチャンンピオンズ・フェスティバルの会場はレティーロ公園。敷地が広かったため、見に行った際、私などもどこでやっているのか、迷うほどだったんですが、今回は何と、セントロの観光名所にモロかぶせてきたから、驚いたの何のって。 そう、まだ準備中から私が回った順にお伝えすると、グランビア(中央大通り)に面したカジャオ広場にチャンピオンズリーグ決勝ショップがあって、横の映画館ではリーガのプロモーション展示をしている辺りはまあいいんですけどね。そこからプエルタ・デ・ソル(中央広場)へ向かうと普段に輪をかけて物凄い混雑状態に。水曜にはマジョール広場のツーリストオフィスにあったCLトロフィーも翌日にはこちらに移されたため、金曜に再び訪れた時にはツーショットの写真を撮ろうという人々が長い列を作っていたんですが、トッテナムとリバプールのファンたちに一番人気があったのはやっぱり、ハイネケンの立ち飲みスタンドだったでしょうか。 そしてミニサッカー場がオープンしたマジョール広場もかなり賑わっていましたが、うーん、最近の午後の暑さは真夏並みですからね。試合当日など、イングランドから来た総勢8万人とも10万人とも言われるファンたちもビールを飲み過ぎないといいんですが、まあこればっかりはねえ。ちなみにそのマジョール広場のすぐ横にはタパス(小皿料理)や1人用パエジャ、カナッペなどが気軽に食べられるお店ばかりが集まったサン・ミゲール市場があって、お昼時になると観光客で満員になるんですが、おそらく決勝当日は入れない程の混雑が予想。同様の食体験をしたい方にはチェエカにあるサン・アントン市場の方をお勧めしますが、パエジャ1皿10ユーロ(約1200円)とか、14ユーロ(約1700円)とか、どちらも観光地値段のため、お高くつくのは仕方ないですかね。 え、それだけでなく、チャンピオン・フェスティバルのポイントはまだあるんだろうって?はい、マジョール広場から徒歩10分程にある王宮前のオリエンテ広場には巨大トロフィーがそびえ立ち、こちらでも皆、写真を撮っていましたが、試合当日午後5時でアルコールの販売が終了となるファンゾーンはトッテナムがコロン広場、リバプールがフェリペ2世大通りとちょっと離れたところに置かれることに。それこそ周辺が野っぱらのワンダ・メトロポリターノの近くでも良かったんじゃないかと思いますが、1つ難なのはファンゾーンを含め、今回はマドリーの関わる決勝でないため、サンティアゴ・ベルナベウに大型スクリーンを据える意味もないですしね。パウブリック・ビューイングが市内ではまったくないことですが、チケットを持たずに来たイギリス人が大量にいるため、おそらくセントロのTVがあるバル(スペインの喫茶店兼バー)はどこも満員御礼となりそうな。 まあ、イングランド勢の決勝に興味なくマドリッドを訪れてしまった観光客の方にはちょっと災難な週末になるかもしれませんが、一応、両チームの情報も伝えておくと、ポチェティーノ監督率いるトッテナムは水曜夜にマドリッドに来て、木曜はバルデベバスで練習。クロップ監督のリバプールの方は昨季、キエフの決勝3日前から現地入りして、マドリーに負けてしまったため、ゲンを担いだんですかね。先週はマルベージャでキャンプしていたものの、一旦地元に戻り、ワンダでの前日練習に合わせて金曜に到着しましたが、試合当日は彼らもバルデベバスで足慣らし程度のセッションをするのだとか。 懸念されていた両チームの負傷者についてはハリー・ケインもサラーも回復しており、先発を期待してもいいみたいですが、何せ片や後半ロスタイム6分にルーカス・モウラがハットトリックとなる3点目を挙げ、土壇場で総合スコア3-3の同点に。アウェイゴール差で、マドリーやユベントスを倒していたアヤックスを逆転敗退に追い込んだチームですし、もう一方もカンプ・ノウで3-0と負けながら、アンフィールドで4-0と大逆転して決勝に辿り着いていますからね。その準決勝にはどちらもエースが出ていなかったことを考えると、今回はそれ以上の撃ち合いを期待してしまいますが、さて。そんな今季のCL決勝は土曜午後9時(日本時間翌午前4時)キックオフ。マドリーもアトレティコも関係ないため、ちょっと寂しいものはあるものの、私も当日は早めにバルに席を取らないといけませんかね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.06.01 14:00 Sat
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人事異動の季節がやって来た…/原ゆみこのマドリッド

「まったくジエゴ・コスタじゃあるまいし」そんな風に私が肩をすくめていたのは月曜日、AS(スポーツ紙)で「セルヒオ・ラモスがペレス会長にタダで中国に行かせてほしいと頼んだ」という記事を見つけた時のことでした。いえ、ここ近日中にスペイン代表合宿に参加する予定のレアル・マドリーのキャプテンはリーガ終了後、マイアミでミニバケーション。旅行先でもミネラルウォーターの大型ペットボトルを使ってトレーニングに余念がない姿をインスタにアップ(https://www.instagram.com/p/Bx0Dn63lo81/)してたりしたんですけどね。それが何故か、先週の金曜頃から「マドリーを退団することを考えている」という噂が流れ始め、33才でも彼のレベルのベテランCBはどこのクラブも喉から手が出る程、欲しがっているため、その行先はマンチェスター・ユナイテッドだ、PSGだ、ユベントスだと言われていたのが、いきなり中国になってしまうって、どうにも解せなかったから。 いえ、コスタの場合は昨年の夏、前線の同僚だったグリーズマンが年棒2000万ユーロ(約25億円)強に破格の昇給。中国のクラブからのオファーは、それに便乗して自分の給料も上げてもらうための口実に過ぎなかったんですけどね。折しも月曜夜にはペレス会長がラジオ番組に出演、実際にラモスから話を聞き、相手のクラブは移籍金を払えないと言われたため、「Es imposible que dejemos marchar gratis al capitán/エス・インポシブレ・ケ・デヘモス・マルチャル・グラティス・アル・カピタン(キャプテンをタダで行かせるのは不可能)」と返答したとコメント。8億ユーロ(約984億円)の契約破棄金をなかったことにはできないということで、この件はカタがついたそうですが…同時にラモスは会長にウンザリしており、本気で退団したがっているなんて報道もあったため、しばらくすったもんだは続くかもしれません。 まあ、そんなとことはともかく、先週末は今季、リーガ1部のチームが参加する最後の試合、コパ・デル・レイ決勝がセビージャ(スペイン南部の都市)のベニト・ビジャマリン(ベティスのホーム)で開催。バルサとバレンシアの対決とあって、マドリッド勢にはまったく関係なかったため、私も生ぬるい目でTV観戦していたんですが、これが意外な展開になったんですよ。いえ、12年ぶりの決勝ということでサポーターも大張り切り、早くも木曜には街中にファンが溢れていたというバレンシアとは対照的にこれで5年連続のコパ決勝。しかも4連勝中ということで大半のファンだけでなく、チームまで当日に現地入りしたバルサとでは気合が違っていて当然だったんですけどね。 それは過去4年間の決勝の相手、アスレティック、セビージャ(2回)、アラベスも同じだったんですが、バレンシアは開始早々、ロドリゴのシュートをピケがライン上でクリアするなど、圧倒的に少ないボールポゼッションをモノともせずにチャンスを創出。前半21分にはガヤの折り返しを受けたガメイロがジョルディ・アルバをかわしてシュートすると、先制点になってしまったから、驚いたの何のって。更に33分にはパレホの出したパスを追ったソレルが足の速さに定評のあるジョルディ・アルバに競り勝って、ゴール前にクロス。それをロドリゴがヘッドで決め、2点目を奪っているんですよ。ただしこの時はまだ、今季の常でそのうちメッシが爆発するんだろうと私も思っていたところ…。 ゴールポストに当たるシュートはあったものの、後半28分まで彼はゴールを入れられなかったんです!いえ、攻撃陣ではCL準決勝でリバプールに敗退した後、ヒザを手術したルイス・スアレスを欠き、デンベレも負傷中ということで、セルジ・ロベルトを前線の一角に配置したバルベルデ監督もハーフタイム後からはやはりケガから回復したばかりだったセメド、アルトゥルを下げ、アルトゥーロ・ビダルとマルコムを入れて軌道修正をしたんですけどね。最後はピケをCFに置いて必死に点を取りにいったものの、後半20分に司令塔のパレホがケガでコンドグビアに代わってから、守勢に徹していたバレンシアのゴールは破れず。それどころか、全員攻撃の隙を突かれ、もしゲデスがガラ空きのゴールを前にシュートを2度も失敗しなければ、もっと点差がついていてもおかしくなかったって、おやおや。 結局、1-2でバレンシアが逃げ切り、53才で初の決勝進出、そして初優勝を飾ったマルセリーノ監督が「Es el día más feliz de mi carrera/エス・エル・ディア・マスフェリス・デ・ミカレラ(今日は自分のキャリアで一番幸せな日)」と歓喜に浸ることになったんですが、その瞬間からバレンシア(地中海沿いのビーチリゾート都市)はお祭り状態に突入。チームはその夜、セビージャで過ごした後、日曜の夕方からの市内パレードに続き、メスタジャを満員にしてのフィェスタ、翌日も大聖堂や市役所を回り、広場を満員にしたファンと一緒にお祝いしている楽しそうな映像を見るにつけ、久々にタイトルと獲ることのありがたみを実感することに。 いやだって、話によると、「Hace un mes celebrábamos Laliga, luego pensábamos en el tripelete/アセ・ウン・メス・セレブラバモス・ラリーガ、ルエゴ・ペンサバモス・エン・エル・トリプレテ(1カ月前、ウチはリーガ優勝をして、それから3冠獲得を考えていた)」(バルベルデ監督)というバルサなんて、まとめて祝う算段だったんですかね。リーガ優勝のパレードもお祝いイベントもお預けにして挑んだCLリバプール戦では1stレグに3-0と快勝しながら、2ndレグで4-0の大逆転をくらって敗退。そのショックが余りに大きかったか、もしコパにも優勝して2年連続doblete(ドブレテ/2冠優勝)達成となっても選手たちの多くは各国代表に行くため、祝賀行事は何もしないつもりだったって、本当にタイトルの価値は各チーム、それぞれとしか言えない? うーん、決勝前、メッシと一緒に記者会見に登場、主役を取られて3つしか質問がなかったにも関わらず、前者とは違い、コパ準優勝に終わった後もインタビューに答えていたピケなど、「No hay excusa que valga, somos el Barcelona. Estamos obligados a ganar todas las competiciones/ノー・アイ・エスクーサ・ケ・バルガ、ソモス・エル・バルセロナ。エスタモス・オブリガードス・ア・ガナール・トーダス・ラス・コンペティシオネス(ボクらはバルサだから、言い訳はできない。ウチには全ての大会に優勝する義務がある)」とまあ、よくマドリーの選手たちからも聞くようなコメントをしていましたけどね。その辺りはコパ、CL共に16強敗退した上、リーガ2位で臆面もなく、「いいシーズンだった」と言っちゃえるようなアトレティコとはちょっとレベルが違うんですが、いやあ、おかげでこのオフシーズンはマドリッドの両雄のみならず、カタルーニャのクラブもチーム再編成の動きが加速するのは確実かと。 そのあおりを喰らい、また移籍金の高騰が起こるのはとりわけ資金力に差のあるシメオネ監督のチームには辛いところですが、そんな折、期待を懸けたいのは格安で使えるカンテラーノ(ユースチームの選手)。実際、今季はRMカスティージャもアトレティコBも優秀で両者揃って2部昇格プレーオフに進出。土曜にバルデベバス(バラハス空港の近く)にあるエスタディオ・ディ・ステファノにカルタヘナを迎え、1回戦1stレグに挑んだ前者など、ジダン監督が息子さんのGKリュカの応援を兼ねてボックス席から見守る中、ダニ・ヘメスの2発とクリストのゴールで3-1と快勝していたとなれば、もしかして来季はトップチームに昇格できる選手が現れるかも。 いえ、こちらはロドリゴ(サントス)、ミリトン(ポルト)、アザール(チェルシー)、ヨビッチ(フランクフルト)らで最低でも3億ユーロ(約370億円)、先日はフランスのリーグ1表彰式でエムバペが、続いて木曜にはネイマールがスポンサー企業のディーゼル(イタリアのファッションブランド)のイベントでPSG以外での挑戦にも前向きなことを強調。加えてトゥーヘル監督が「残留を望むのは当然だが、確約はできない」と曖昧な態度を取っていることから、マックスで6億ユーロ(約740億円)の移籍金支出も覚悟していると言われているお金持ちクラブだけに別に必要はないんでしょうけどね。アトレティコなど、若手有望株でグリーズマンの抜けた穴を補うと目をつけた19才のジョアン・フェリックスですら、ベンフィカから契約破棄金額の1億2000万ユーロ(約148億円)はまけられないと吹っ掛けられてしまう始末。 それだけでグリーズマンの売却金と同じになってしまうとなれば、否が応でもカンテラーノの活用が求められるんですが、残念ながら、私がマハダオンダ(マドリッド近郊)まで足を運んだミランデス戦1stレグはスコアレスドロー。いやあ、前日には大先輩のガビ(現アル・サッド)が直々、選手たちに活を入れにいったそうですが、その伝説のキャプテンを含め、サウールや第2監督の"モノ"・ブルゴスが見守る前でまったく点が取れないんですから、悩みは兄貴分チームと変わらない?ピッチに立った選手のうちでもモンテーロやトニ・モヤ、モジェホなどはすでにトップチームでの出場経験があるんですけどね。リーガ最終節のレバンテ戦で今季、アトレティコ最後のゴールを挙げたカメージョも途中出場したんですが、この日は不発。2回戦突破をアウェイでの2ndレグに懸けることになってしまいましたっけ。 そんな2部昇格プレーオフは3回戦まである長丁場なので、また追って様子をお伝えすることにしますが、すでにバケーションに入っている他のマドリッドのチームについても少し、お話しておくと。CL初出場は叶わなかったものの、来季はELで頑張ることになったヘタフェは先日、アンヘル・トーレス会長が記者会見でシーズンを総括。マルカ(スポーツ紙)から、リーガ最優秀監督賞を贈られたボルダラス監督は続投する見込みで、残留が不透明だったホルヘ・モリーナ、ポルティーッジョ、アンヘルも2年契約を延長したそう。 セビージャが買い戻しオプションを行使したGKダビド・ソリアについてもすでに昨夏の契約時に取り決めた150万ユーロ(約1億8000万円)を払って、チームに留まれるようになったとか。ちなみにコパ・アメリカの日本代表に招集された柴崎岳選手については特に言及はなかったものの、現在28人所属選手がいるヘタフェはヨーロッパの大会で恥ずかしくないレベルを披露するため、6、7人を補強する予定。となると、「いいオファーが来れば放出」の候補になっている確率は高そうです。 一方、大量13人がレンタル終了となるレガネスでは月曜にエル・ザールが契約を解除。どうやらGKルニンもマドリーに戻ることが決まっているため、ベティスからのオファーを断って、契約を延長したペレグリーノ監督はこの夏、ゆっくりしているヒマがあまりないかも。エン・ネシリなど、他のクラブからラブコールが止まない選手もいますしね。毎年、チームの半数近くが入れ替わるのが恒例のレガネスではありますが、今季のいい流れを引き継いで、いつかはお隣さんのヘタフェのようにヨーロッパの大会に手が届くぐらい成長できるといいのですが。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.05.28 13:00 Tue
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決勝に肩入れできない…/原ゆみこのマドリッド

「ただの冗談だったのにねえ」そんな風に私が呆れていたのは金曜日、前夜のラジオ番組でインタビューを受けたトッテナムのポチェッティーノ監督が6月1日にワンダ・メトロポリターノで開催されるCL決勝前の練習予定についてコメントしたんですけどね。すでに数日前から、マルベージャ(スペイン南部のビーチリゾート)で合宿に入っている対戦相手のリバプールとは違い、レアル・マドリーの施設を使わせてもらえることになったものの、「Pedimos dormir en Valdebebas pero se ve que Florentino no quiso/ペディモス・ドルミル・エン・バルデベバス・ペロ・セ・ベ・ケ・フロレンティーノ・ノー・キソ(バルデベバスに泊めてくれるように頼んだんだけど、ペレス会長がいい顔をしないようだ)」と言ったところ、マドリーが翌日にはcomunicado oficial/コムニカードー・オフィシアル(公式声明)を発表。 「そんな依頼は受けていない」とマジメに抗議していたんですが、マルカ(スポーツ紙)などによると、トッテナムは準決勝でアヤックスを下す前から、敷地内にあるマドリー選手用の宿泊所を使えるかどうか打診していたのだとか。いやあ、偶然にも今週、施設の見学会に参加するチャンスがあって、私も実際に見てきたんですが、宿泊所の2、3階にある全てのシングルルームには各選手の名札があり、うーん、1年前、CL決勝前メディアオープンディの際に来た時は誰もがクリスチアーノ・ロナウドの部屋の前でポーズをとっていたものですけどね。 今回は特に見学者が足を止めるような部屋の主はなく、逆にガイドのクラブ職員がプラスティック製の名札は抜き差しするだけで交換が可能で、部屋替えの時に簡単でいいと言っていたり、何故か指紋認証のキーが職員の指で開いてしまい、笑いを誘っていたなんてことも。聞けば、インテリアや間取りは公開用に空にしている部屋と同じながら、選手たちはそれぞれ私物を持ち込んでいるそうで、退団が噂されているメンバーもリーガ最後のベティス戦前に使った後、すぐバケーションに入ってまだ引き払っておらず。それこそがトッテナムに宿泊を断った理由なんですが、確かに立地的には部屋のバルコニーからワンダの屋根が見えてしまう程の近さですからね。 とはいえ、トッテナムの滞在先となるユーロスターズ・スイーツ・ミラシエラだって、高速道路を使えば、練習場もワンダもすぐですし、選手とコーチ陣ぐらいの部屋数しかないマドリーの宿泊所より、他のスタッフや家族も一緒に泊まれるのは利点かと。おまけにバルデベバスにも選手の賄いを出す社食のようなレストランがあるものの、いざCL優勝となった際、宴会場が使えるホテルの方がお祝いにも便利となれば、やはりポチェッティーノ監督の言葉はジョークだったとしか思えないんですが…もしや13回に渡るCL優勝時の写真がそこら中に飾られている空間にいれば、未経験のトッテナムにとっていいゲン担ぎになった? ちなみにその日の見学会ではカンテラ(ユースチーム)にマドリッドの外から来ている12才から18才の選手たちが住む寮なども見せてもらったんですが、午前中は皆、学校に行っているそうで内部はほぼ無人。トップチームは1人部屋のところ、こちらは2人部屋だったり、多少なりと差はあるとはいえ、3食付きで学校にはバスで送り迎え、家庭教師に勉強も見てもらえて無料というのは物凄く恵まれた環境かと。ただし大成するのはほんの一握りで、いえ、実際、マドリーでプロデビューできるのはそのうち100万人に1人というのは寮監さんの誇張でしょうけどね。 実際、こんな大規模な施設はいまだにカンテラの練習場を郊外に作る計画をノンビリ進めているアトレティコを含め、他のマドリッドのチームはどこも持っていないため、羨ましい限りなんですが、1つ不満を挙げるとすれば、マドリーには女子のチームがないこと。まだまだバルデベナスの敷地には活用されていない更地があるため、その辺を使って、女子サッカーの育成にも少し力を入れてくれると、将来的にマドリー女子ダービーみたいなのもできて楽しいんじゃないかと思いますが、どうなんでしょうかね。 え、その日、唯一練習をしていたチームは土曜に2部昇格プレーオフ1回戦、カルタヘナ戦の1stレグにアルフレド・ディ・ステファノ・スタジアムで挑むRMカスティージャだけだったけど、1部リーガ2連覇という最強の女子チームを持つアトレティコの男子Bチームも日曜にミランデスとのプレーオフがあるんだろうって?その通りで現在、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で汗を流しているのは彼らだけなんですが、実はこの火曜、兄貴分はそこから6人も徴用してイスラエルで親善試合。ベイタル・エルサレムと対戦したところ、今季の彼らの悪いところが全て詰まっているような展開だったから、TVで見ていた私も困ったの何のって。 そう、ゴディン、ファンフラン、フィリペ・ルイスのベテランDFたちを使わず、モンテーロと共にトマスをCBコンビに据えたシメオネ監督のチームは前半11分、早々とブサガロに先制ゴールを決められてしまう始末。レマルやビトロなど、相変わらず突破を試みてはボールを失くす一辺倒ですし、4月のバルサ戦で退場。8試合の出場停止を受け、144日ぶりの実戦となったジエゴ・コスタなど、27分に敵に足を踏まれて担架退場って、このチーム、今季はどこまで負傷禍に祟られているのやら。後の検査で重度2の左足首のネンザと判明しましたが、大丈夫。来季の開幕戦は8月19日の週末、更に当人は1節まで処分が残っているため、治療する時間は十分ありますって。 そんなことはともかく、これが引退試合となったベイタルのベナユンが拍手に送られて交代した前半が終わり、後半からはこちらも最後のご奉公となるグリーズマンを投入したアトレティコでしたが、再開早々に敵がエリア内でハンドを犯してPKをゲット。グリーズマンが無難に決め、コルチョネーロ(赤白ストライプのこと)のユニを着てラストとなるダンスを披露してくれたんですが、その10分後には見事にカウンターを喰らい、ブサガロにdoblete(ドブレテ/1試合2ゴール)を許しているって、一体どうなっている?私が知らないだけでベイタルが強いチームだったのか、すでにアトレティコの選手たちがバケーションモードに入っていたのが悪かったのか、結局そのまま2-1で負けてしまったんですが、はあ。 だってえ、試合後のシメオネ監督も「グリーズマンがいなくなるのはそのタレントを失う以上に辛いもの。沢山のゴールがなくなることになるからね」と言っていたように、いえ、ロナウドの移籍で年間50得点が消えたお隣さんに比べれば、26本程度ですから、傷は軽いように見えるんですけどね。元々、マドリーとはゴールの総量が違うため、割合で考えれば同じぐらいのダメージになるかも。となれば、その日はベンチ見学だった、今季で4シーズン連続してサモラ(リーガで最も失点率の低いGKに与えられる賞)を受賞したオブラクが、「No hay una sola cosa en la que no pueda mejorar/ノー・アイ・ウナ・ソラ・コーサ・エン・ラ・ケ・ノー・プエダ・メホラル(自分に改善できないことは1つもない)」と謙虚になお一層の努力を誓ってくれていたのは、僅かながらでもファンの慰めになる? そして翌朝にチームはマドリッドに戻り、これで本当にバケーション入りとなったんですが、木曜にはすでにCL決勝のデコレーションが始まっているワンダでファンフランのお別れ会見が行われることに。いやあ、「Madrid 19 Final」の看板を見れば見るほど、筋書き通り、今季の決勝に出て優勝していれば、2016年のサン・シーロで最後のPKを失敗。その2年前に続き、むざむざお隣さんにトロフィーを持っていかれた悪夢を当人も忘れて気持ち良く、退団できたのになんて思ってしまう私も人が悪いんですけどね。 それでも意外と当事者たちは気にしていないのか、「Me quedo tranquilo porque está Koke/メ・ケド・トランキーロ・ポルケ・エスタ・コケ(コケがいるから、自分は落ち着いていられる)。新しい選手たちにどうすればタイトルが獲れるか、彼が伝えてくれるからね」と、7つのトロフィーを前にワンダの会見場の舞台に上がったファンフランから言われていた来季の第1キャプテンを始め、後輩のサウール、先だってお別れイベントを開いたゴディン、多分その機会はないだろうグリーズマン、そしてアル・サッドでの最初のシーズンをチャビと共にリーグ優勝で飾ったガビ、シメオネ監督就任時からの古いメンバーで、4年前からアスレティックでプレーしているラウール・ガルシア、2年前に引退したチアゴらが長い付き合いの同僚を見送るために出席。 更にはヒメネス、オブラク、サビッチら、来られなかったチームメートやビジャ(ヴィッセル神戸)、フェルナンド・トーレス(サガン鳥栖)、ファルカオ(モナコ)、マリオ・スアレス(ラージョ)ら、かつての仲間たちからもお別れのビデオメッセージが届いていましたが、ファンフランのスピーチの中で一番心に残ったのは、「El otro día leía que vino un vikingo y se va un indio y así fue/エル・オトロ・ディア・レイア・ケ・ビノ・ウン・ビキンゴ・イ・セ・バ・ウン・インディオ・イ・アシー・フエ(先日、バイキングとして来てインディアンとして去ると読んだけど、その通りだ)」という言葉だったかと。 ええ、マドリーのカンテラ育ちの彼はトップチームにもデビューしたものの、定着できずにエスパニョール、オサスナなどでプレー。2011年の冬にアトレティコに入団し、ポジションを右の中盤からSBに変えたことで実力を発揮するようになると、シメオネ監督にとって欠かせない選手に。退団を告げた時にはあと1年いてくれと引き留められたものの、「Siempre pensé en retirarme aquí, pero quería salir estando fuerte/シエンプレ・ペンセー・エン・レティラールメ・アキー、ペロ・ケリア・サリール・エスタンドー・フエルテ(いつもここで引退することを考えていたけど、まだ力のあるうちに退団したかった)。今のように監督の信頼を得てプレーしている間にね」という当人の決意は固かったよう。 実際、来季もスペイン国外のプレーを続ける気は満々で、日本にいるトーレスなどからも誘われているそうですが、まだ移籍先は決めていないのだとか。うーん、ヒメネス、サビッチ、アリアスの残留は一応、決まっていますが、ゴディンはインテル、リュカはバイエルンに移籍、フィリペ・ルイスも先行き不透明ということで、とにかくこのオフシーズン、アトレティコのフロントがDF探しで大わらわなのは確か。2年前のネイマールのPSG入り以来、移籍金が高止まりしているのも困りもんですが、何とかグリーズマンとリュカで稼いだ2億ユーロ(約250億円)を有効活用できるといいのですが。 え、そんな話をしている間に土曜午後9時(日本時間翌午前4時)にはいよいよ、コパ・デル・レイの決勝が迫っているんだろうって?そうなんですが、今回はセビージャ(スペイン南部の都市)のベニト・ビジャマリン(ベティスのホーム)での開催で、バルサvsバレンシアとマドリッドもマドリッド勢も関係ないため、いささか私の興味が薄れてしまうのは仕方ないところかと。おまけにここ4年間、アスレティック、セビージャ、アラベス、セビージャと試合前のファイナリストたちは皆、大層な盛り上がりぶりだったんですが、どこもバルサに土をつけることはできず、向こうは4連覇中ですからね。 そこへ、金曜には4年ぶりに記者会見に現れたメッシがCL準決勝2ndレグでリバプールを前にアンフィールドで犯した失態をファンに詫び、2年連続の2冠獲得を誓っていたとなれば、たとえ、ルイス・スアレスやデンベレをケガで欠いていたとて、果たしてバレンシアに勝算があるものかどうか。いやまあ、そのバレンシアにしてもリーガ最後の2試合で弟分のヘタフェから、憧れのCL出場権、4位の座を奪った相手ですし、コパ準々決勝でもメスタジャでロスタイムにまさかの逆転敗退を喰らわされていますから、彼らが最後にタイトルを獲得した2008年のコパ決勝の相手がまさに、そのヘタフェだったことまで合わさって、とても応援なんてできるもんじゃなかったりするんですけどね。 かといって、すでに優勝を決めていながら、37節でバルサがヘタフェに勝ったせいで、ヘタフェは5位に落ちてしまったという事実も見逃せませんしね。まあ、ボルダラス監督などはマルカのインタビューで、「Si hubiéramos sacado un punto en Anoeta.../シー・ウビエラモス・サカードー・ウン・プントー・エン・アノエタ(もしアノエタで勝ち点1を取っていたら…)」とその2つ前の試合でVAR(ビデオ審判)にも恵まれず、レアル・ソシエダに2-1と惜敗してしまったことを大願成就が叶わなかった原因に挙げていましたが、それはそれ。今はもうヘタフェ、レガネス、そして2部に戻ってしまったラージョも皆、バケーションに入ってしまいましたし、コパのみならず、CLやELも決勝が他人事なシーズンの終わりは本当に寂しくてイヤなもんです。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.05.25 13:15 Sat
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