【CL決勝特集①】敵地で苦戦も要塞アンフィールドで圧巻の強さ見せ2年連続のファイナル進出《リバプール》
2019.06.01 21:31 Sat
2018-19シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)決勝、トッテナムvsリバプールが日本時間6月1日28時からスペイン・マドリードのエスタディオ・メトロポリターノで開催される。2007-08シーズンのマンチェスター・ユナイテッドvsチェルシー以来、11年ぶりのイングランド勢対決となったこの大一番を前に、ここまでの両チームの勝ち上がりを振り返っていく。
7勝4敗1分け
22得点12失点
◆死の組でアウェイ全敗も要塞アンフィールドで強さ発揮!
ツルヴェナ・ズヴェズダを除く三つ巴の争いが予想された中、PSGとのホームでの初戦をFWフィルミノの劇的な後半アディショナルタイム弾で3-2と競り勝ち幸先の良いスタートを切ったリバプールだが、第2節のナポリ戦では逆に試合終了間際にFWインシーニェに決勝点を許して今大会初黒星。その後、ツルヴェナ・ズヴェズダとの連戦ではホームで4-0の快勝を収めるも、敵地でのリターンマッチでは格下相手に0-2で敗れて大金星を献上することとなった。さらに、PSGとの重要なアウェイゲームにおいても1-2の敗戦を喫し、グループ最終節を前に3位に転落した。
逆転での決勝トーナメント進出のためには1-0の勝利か、2点差以上での勝利が必要な状況で臨んだ最終節のナポリとのホームゲームでは、ホームでのツルヴェナ・ズヴェズダ戦での2ゴールを除き沈黙が続いていたエースのFWサラーが34分にMFミルナーからのスルーパスに抜け出し、相手DF2枚を見事なドリブルでかわして相手GKの股間を抜くシュートを決めて先制に成功。その後、幾度かのピンチを冷静に凌いだ末に1-0で勝利。アウェイゲーム全敗もアンフィールドで全勝を飾って逆転での2位通過を果たした。
リバプール 3-2 パリ・サンジェルマン
ナポリ 1-0 リバプール
リバプール 4-0 ツルヴェナ・ズヴェズダ
ツルヴェナ・ズヴェズダ 2-0 リバプール
パリ・サンジェルマン 2-1 リバプール
リバプール 1-0 ナポリ
◆かつての宿敵との激闘制す!
グループステージでアウェイ全敗ということもあり、劣勢が予想されたアリアンツ・アレーナでの2ndレグでは相手が主力のDFキミッヒ、FWミュラーの出場停止で戦力を落とす中、ファン・ダイクらの復帰によってベストメンバーで臨んだ。立ち上がりにMFヘンダーソンの負傷交代と嫌な流れが漂うも、前半半ばにロングボールに抜け出したマネがGKノイアーのやや無謀な飛び出しの隙を突いて貴重なアウェイゴールを奪取。その後、前半終盤にDFマティプのオウンゴールで追いつかれたものの、後半の69分にはミルナーの右CKからファン・ダイクが勝ち越しゴールを奪う。さらに、試合終盤にはサラーとのコンビでマネがトドメの3点目を決めて難敵相手に今季CLアウェイ戦初白星を挙げて2戦合計3-1での勝ち上がりを決めた。
▽ラウンド16結果
リバプール 0-0 バイエルン
バイエルン 1-3 リバプール
◆昨季大勝のポルトを連破!
共に一部主力を欠く中で臨んだアンフィールドでの1stレグでは、相手が予想外の5バックの守備的な布陣を採用してきた中、先発に抜擢したMFナビ・ケイタが指揮官の期待に応える。開始5分、フィルミノのポストプレーを受けたボックス中央のケイタが右足を振り抜き公式戦2試合連続ゴールとした。さらに、26分にもヘンダーソンのスルーパスに抜け出したボックス右のDFアーノルドの折り返しをゴール前でフリーのフィルミノが難なく押し込み、追加点を奪い切った。その後は攻め手が薄いアウェイチーム相手に大人の試合運びで試合をクローズし、初戦を2-0で先勝した。
余裕を持って臨んだ敵地での2ndレグではリスクを冒して攻める相手に立ち上がりは防戦一方を強いられたが、26分にサラーのシュートのこぼれ球をマネが押し込んで相手の心を折るアウェイゴールを奪取。その後、後半にサラー、フィルミノと自慢の3トップが揃い踏みのゴールを奪うと、試合終盤にはファン・ダイクがトドメの4点目を奪い、4-1で圧勝。2戦合計6-1の圧勝劇で順当に準決勝へと駒を進めた。
▽準々決勝結果
リバプール 2-0 ポルト
ポルト 1-4 リバプール
◆“アンフィールドの奇跡”! CL史に残る大逆転劇!
バルセロナホームでの1stレグでは、「カンプ・ノウは聖地ではない」との試合前の会見でクロップ監督が発した一言がスペイン王者の闘争心に火を付けることに。コンディション不良のフィルミノや戦術的な理由でアーノルド、ヘンダーソンをベンチスタートとし、長期離脱明けのジョー・ゴメスを右サイドバックに、ワイナルドゥムを“ゼロトップ”起用する奇策を講じた中、前半半ばにケイタが負傷交代しヘンダーソンを緊急投入するアクシデントに見舞われる。すると、その直後の26分にはDFジョルディ・アルバの絶妙なアーリークロスに反応した古巣対戦のFWスアレスに手痛い恩返し弾を献上することに。
士気を落とさずに決定機の数では相手と互角以上に渡り合うが、サラーやミルナーらがことごとく決定機を決め切れずにいると、75分にスアレスのシュートのこぼれ球をFWメッシに決められると、82分にはボックス手前中央距離のあるFKを再びメッシに圧巻の左足シュートで直接決められて痛恨の3失点目を許す。その後、前がかった試合終盤にはMFデンベレに2度のビッグチャンスを与えるが、相手のシュートミスに助けられると、これがアンフィールドでの大逆転劇の布石となる。
その翌週に行われた要塞アンフィールドでの2ndレグでは1stレグでの途中出場でケガを悪化させたフィルミノに加え、直近のリーグ戦で脳震とうと診断されたサラーと、逆転突破に最低4点が必要な状況で2大エースを欠くことに。これによって熱心なKOPでも逆転突は不可能と思われた中、2人の伏兵が大仕事を果たすことに。
すでにリーグ戦優勝を決めたことで直近のリーグ戦で主力全員を温存した盤石のバルセロナに対して、満身創痍のリバプールが立ち上がりからまるで獣のようなアグレッシブなプレッシングで相手を圧倒。7分にはアルバの不用意なバックパスをかっさらったマネを起点に最後はオリジがルーズボールを押し込んで先制に成功。だが、その後が続かず前半を1-0のスコアで終えると、前半に足を痛めたDFロバートソンがプレー続行不可能となり、ワイナルドゥムを投入することに。すると、初戦では全く見せ場を作れなかったワイナルドゥムが54分にアーノルドからのクロスを押し込んで2点目を奪取。さらに、その2分後には左サイドからのシャキリのクロスを再びワイナルドゥムが頭で合わせ瞬く間の連続ゴールによって2戦合計スコアで追いつく。
アウェイゴールの脅威はあるものの、沸きに沸くアンフィールド劇場のハイライトは79分に起きる。右CKの場面でボールボーイとの“連係”からアーノルドが意表を突くクイックリスタートを試みると、相手守備陣と共に意表を突かれたオリジが何とかニアサイドでグラウンダーのクロスにダイレクトで合わせ、2戦合計スコアで逆転となる4点目を決めた。その後、決死の反撃を試みたアウェイチームの猛攻をチーム一丸となった守備で凌ぎ切ったリバプールが初戦の0-3の大敗から驚異のカムバックとなる4-0の勝利で“アンフィールドの奇跡”を実現。劇的過ぎる勝ち上がりで2年連続のファイナル進出を果たした。
▽準決勝結果
バルセロナ 3-0 リバプール
リバプール 4-0 バルセロナ
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◆リバプール 2018-19シーズンCL戦績7勝4敗1分け
22得点12失点
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昨季のプレミアリーグを4位で終えたリバプールは、フランス王者のパリ・サンジェルマン(PSG)と昨季セリエA2位のナポリ、セルビア王者ツルヴェナ・ズヴェズダと同じグループCに入った。ツルヴェナ・ズヴェズダを除く三つ巴の争いが予想された中、PSGとのホームでの初戦をFWフィルミノの劇的な後半アディショナルタイム弾で3-2と競り勝ち幸先の良いスタートを切ったリバプールだが、第2節のナポリ戦では逆に試合終了間際にFWインシーニェに決勝点を許して今大会初黒星。その後、ツルヴェナ・ズヴェズダとの連戦ではホームで4-0の快勝を収めるも、敵地でのリターンマッチでは格下相手に0-2で敗れて大金星を献上することとなった。さらに、PSGとの重要なアウェイゲームにおいても1-2の敗戦を喫し、グループ最終節を前に3位に転落した。
逆転での決勝トーナメント進出のためには1-0の勝利か、2点差以上での勝利が必要な状況で臨んだ最終節のナポリとのホームゲームでは、ホームでのツルヴェナ・ズヴェズダ戦での2ゴールを除き沈黙が続いていたエースのFWサラーが34分にMFミルナーからのスルーパスに抜け出し、相手DF2枚を見事なドリブルでかわして相手GKの股間を抜くシュートを決めて先制に成功。その後、幾度かのピンチを冷静に凌いだ末に1-0で勝利。アウェイゲーム全敗もアンフィールドで全勝を飾って逆転での2位通過を果たした。
▽グループステージ結果
リバプール 3-2 パリ・サンジェルマン
ナポリ 1-0 リバプール
リバプール 4-0 ツルヴェナ・ズヴェズダ
ツルヴェナ・ズヴェズダ 2-0 リバプール
パリ・サンジェルマン 2-1 リバプール
リバプール 1-0 ナポリ
◆かつての宿敵との激闘制す!
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決勝トーナメント初戦となったラウンド16ではクロップ監督のドルトムント時代のライバルでグループEを首位通過したバイエルンと対戦。国内リーグでは首位マンチェスター・シティと一騎打ちの状態が続いた中、ホームでの1stレグではDFファン・ダイクの出場停止に加え、DFジョー・ゴメス、DFロブレンと主力センターバック3人を欠く苦しい台所事情に。ここでクロップ監督はセントラルMFで順応し始めたMFファビーニョをセンターバックで起用。FWレヴァンドフスキらを相手に守備面が不安視されたものの、リバプールは真骨頂のハイプレスを武器に攻撃で相手を押し込むことで、その不安を払拭。サラーやFWマネを起点に幾度かの決定機を作って試合を通して優勢を保ったが、白熱の初戦は結局ゴールレスドローでの決着となった。グループステージでアウェイ全敗ということもあり、劣勢が予想されたアリアンツ・アレーナでの2ndレグでは相手が主力のDFキミッヒ、FWミュラーの出場停止で戦力を落とす中、ファン・ダイクらの復帰によってベストメンバーで臨んだ。立ち上がりにMFヘンダーソンの負傷交代と嫌な流れが漂うも、前半半ばにロングボールに抜け出したマネがGKノイアーのやや無謀な飛び出しの隙を突いて貴重なアウェイゴールを奪取。その後、前半終盤にDFマティプのオウンゴールで追いつかれたものの、後半の69分にはミルナーの右CKからファン・ダイクが勝ち越しゴールを奪う。さらに、試合終盤にはサラーとのコンビでマネがトドメの3点目を決めて難敵相手に今季CLアウェイ戦初白星を挙げて2戦合計3-1での勝ち上がりを決めた。
▽ラウンド16結果
リバプール 0-0 バイエルン
バイエルン 1-3 リバプール
◆昨季大勝のポルトを連破!
Getty Images
準々決勝の舞台では昨季ベスト4のローマを破って勝ち上がったポルトガル王者のポルトとの対戦に。昨季、ラウンド16で2戦合計5-0と圧倒した相手との1年ぶりの再戦では、その再現かのような力強い戦いぶりを見せた。共に一部主力を欠く中で臨んだアンフィールドでの1stレグでは、相手が予想外の5バックの守備的な布陣を採用してきた中、先発に抜擢したMFナビ・ケイタが指揮官の期待に応える。開始5分、フィルミノのポストプレーを受けたボックス中央のケイタが右足を振り抜き公式戦2試合連続ゴールとした。さらに、26分にもヘンダーソンのスルーパスに抜け出したボックス右のDFアーノルドの折り返しをゴール前でフリーのフィルミノが難なく押し込み、追加点を奪い切った。その後は攻め手が薄いアウェイチーム相手に大人の試合運びで試合をクローズし、初戦を2-0で先勝した。
余裕を持って臨んだ敵地での2ndレグではリスクを冒して攻める相手に立ち上がりは防戦一方を強いられたが、26分にサラーのシュートのこぼれ球をマネが押し込んで相手の心を折るアウェイゴールを奪取。その後、後半にサラー、フィルミノと自慢の3トップが揃い踏みのゴールを奪うと、試合終盤にはファン・ダイクがトドメの4点目を奪い、4-1で圧勝。2戦合計6-1の圧勝劇で順当に準決勝へと駒を進めた。
▽準々決勝結果
リバプール 2-0 ポルト
ポルト 1-4 リバプール
◆“アンフィールドの奇跡”! CL史に残る大逆転劇!
Getty Images
グループステージでの苦戦を除き決勝トーナメントではリーグ戦のような安定した戦いぶりで勝ち上がってきたリバプールだったが、優勝候補筆頭のバルセロナと対峙した準決勝ではCL史に残る大逆転劇を演じることになった。バルセロナホームでの1stレグでは、「カンプ・ノウは聖地ではない」との試合前の会見でクロップ監督が発した一言がスペイン王者の闘争心に火を付けることに。コンディション不良のフィルミノや戦術的な理由でアーノルド、ヘンダーソンをベンチスタートとし、長期離脱明けのジョー・ゴメスを右サイドバックに、ワイナルドゥムを“ゼロトップ”起用する奇策を講じた中、前半半ばにケイタが負傷交代しヘンダーソンを緊急投入するアクシデントに見舞われる。すると、その直後の26分にはDFジョルディ・アルバの絶妙なアーリークロスに反応した古巣対戦のFWスアレスに手痛い恩返し弾を献上することに。
士気を落とさずに決定機の数では相手と互角以上に渡り合うが、サラーやミルナーらがことごとく決定機を決め切れずにいると、75分にスアレスのシュートのこぼれ球をFWメッシに決められると、82分にはボックス手前中央距離のあるFKを再びメッシに圧巻の左足シュートで直接決められて痛恨の3失点目を許す。その後、前がかった試合終盤にはMFデンベレに2度のビッグチャンスを与えるが、相手のシュートミスに助けられると、これがアンフィールドでの大逆転劇の布石となる。
その翌週に行われた要塞アンフィールドでの2ndレグでは1stレグでの途中出場でケガを悪化させたフィルミノに加え、直近のリーグ戦で脳震とうと診断されたサラーと、逆転突破に最低4点が必要な状況で2大エースを欠くことに。これによって熱心なKOPでも逆転突は不可能と思われた中、2人の伏兵が大仕事を果たすことに。
すでにリーグ戦優勝を決めたことで直近のリーグ戦で主力全員を温存した盤石のバルセロナに対して、満身創痍のリバプールが立ち上がりからまるで獣のようなアグレッシブなプレッシングで相手を圧倒。7分にはアルバの不用意なバックパスをかっさらったマネを起点に最後はオリジがルーズボールを押し込んで先制に成功。だが、その後が続かず前半を1-0のスコアで終えると、前半に足を痛めたDFロバートソンがプレー続行不可能となり、ワイナルドゥムを投入することに。すると、初戦では全く見せ場を作れなかったワイナルドゥムが54分にアーノルドからのクロスを押し込んで2点目を奪取。さらに、その2分後には左サイドからのシャキリのクロスを再びワイナルドゥムが頭で合わせ瞬く間の連続ゴールによって2戦合計スコアで追いつく。
アウェイゴールの脅威はあるものの、沸きに沸くアンフィールド劇場のハイライトは79分に起きる。右CKの場面でボールボーイとの“連係”からアーノルドが意表を突くクイックリスタートを試みると、相手守備陣と共に意表を突かれたオリジが何とかニアサイドでグラウンダーのクロスにダイレクトで合わせ、2戦合計スコアで逆転となる4点目を決めた。その後、決死の反撃を試みたアウェイチームの猛攻をチーム一丸となった守備で凌ぎ切ったリバプールが初戦の0-3の大敗から驚異のカムバックとなる4-0の勝利で“アンフィールドの奇跡”を実現。劇的過ぎる勝ち上がりで2年連続のファイナル進出を果たした。
▽準決勝結果
バルセロナ 3-0 リバプール
リバプール 4-0 バルセロナ
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