【2018-19リーガエスパニョーラ・シーズン総括】最優秀選手はメッシ!

2019.05.28 21:00 Tue
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★安定感光ったバルセロナが連覇!
昨季、2年ぶりの優勝を果たしたバルセロナに対して、ロペテギ新体制のレアル・マドリー、積極補強のアトレティコ・マドリーと三つ巴の争いが想定された中、レアル・マドリーのシーズン早々の脱落、アトレティコの取りこぼしによってシーズン中盤から独走態勢に入ったバルセロナが2位以下に勝ち点11差を付けての圧勝劇で2連覇を達成した。

バルベルデ体制2年目となったバルセロナは巨星MFイニエスタの退団によって新たなサイクルを迎えた中、中盤にMFアルトゥール、MFビダル、補強ポイントだったセンターバックにDFラングレを加えた。第3節のウエスカ戦で8-2の大勝を飾るなど、開幕4連勝の好スタートを切ったが、第5節のジローナ戦でのドローから守備面の問題によってレガネス戦の初黒星を含め4戦未勝利に。さらに、5試合ぶりの白星を挙げたセビージャ戦ではエースFWメッシが右腕を骨折するアクシデントに見舞われ、今季最初のエル・クラシコでは大エースを欠くことに。それでも、FWスアレスのハットトリックの活躍でレアル・マドリーを一蹴すると、ベティス相手のホーム敗戦という屈辱こそ味わったものの、DFピケを中心とする守備陣の安定によってそこから無敗を継続。4月の第31節、アトレティコ戦を2-0で制して優勝に大きく近づくと、第35節のレバンテ戦をメッシのゴールで勝ち切って3節を残しての連覇を達成した。
そのバルセロナの後塵を拝して2位フィニッシュとなったアトレティコは、エースFWグリーズマン、守護神オブラクの残留に加え、クラブ史上最高額で獲得したMFレマル、FWジェウソン・マルティンス、MFロドリゴ・エルナンデスら新戦力の加入によって下馬評は高かったものの、グリーズマンやFWジエゴ・コスタの不振やロドリ以外の新戦力の適応の遅れに加え、DFゴディンら守備陣の不振も重なって第3節のセルタ戦で早くも土が付くなど、苦しい序盤戦に。その後、一度は盛り返したものの、2月始めのベティス、レアル・マドリー相手の連敗で優勝の可能性がほぼ潰えると、宿敵の予想外の躓きに2位確保に成功したものの期待外れの1年に。また、今季限りでグリーズマン、ゴディン、DFフアンフランら重鎮の退団が確定し、来季に向けては大きな再編を迫られることになる。

連覇が期待された中、ここ10数年で最悪のシーズンを過ごすことになったのが、3位のレアル・マドリー。ジダン監督、エースFWクリスティアーノ・ロナウドの退団を受けてロペテギ体制で再スタートを切ると、開幕4勝1分けと好スタートを切ったものの、第6節のセビージャ戦で初黒星を喫すると、深刻な得点力不足に陥って公式戦5戦未勝利と一転泥沼に陥る。そして、メッシ不在のバルセロナ相手の大敗を受けてロペテギ体制が終焉。その後、ソラーリ監督の下で復調気配を見せたが、コパ・デル・レイ、チャンピオンズリーグ(CL)での敗退を受け、ソラーリ監督も今年3月に解任。その後任としてジダン監督の電撃再任が発表されたが、モチベーションを著しく欠いたチームは“笛吹けど踊らぬ”という状態で最悪のシーズンを終えることになった。

優勝争い、残留争いが比較的早々に決着がついた中、最後まで熾烈な争いが繰り広げられた4位争いとヨーロッパリーグ(EL)出場争いでは、4位にバレンシア、以下ヘタフェ、セビージャ、エスパニョールという結果に終わった。CLとの二足の草鞋に深刻な得点力不足で序盤戦は降格圏に沈んだバレンシアだったが、シーズンを通じて安定した守備と、後半戦の攻撃陣の復調によって最終的に昨季と同じ4位フィニッシュに成功。また、昨季の堅守をベースに得点力を増したヘタフェ、中国旋風が巻き起こったエスパニョールの健闘も光った。
残留争いにおいては今季昇格組のラージョ(最下位)、ウエスカ(19位)の2チームに加え、昨季は昇格組として躍進を見せたジローナが無念の降格に。大苦戦を強いられたビジャレアルや昇格組唯一の生き残りとなったバジャドリーは終盤戦で粘り強く獲得した勝ち点が最後に生きた。

最後にヘタフェのMF柴崎岳、アラベスのMF乾貴士の日本人選手2選手に関してはいずれも厳しいシーズンを過ごすことになった。昨夏の退団も噂された柴崎はシーズン最終盤に出場機会を与えられたものの、今季リーグ戦の出場はわずか7試合に。一方、エイバルからベティスにステップアップを図った乾は、そのベティスで目に見える結果を残せず、今冬の移籍市場でアラベスにレンタルに出された。そのアラベスでは2試合連続ゴールを記録するなど、レギュラーポジションを掴んだが、シーズン終盤は足首のケガに悩まされ、最終的にはベティスで8試合、アラベスで12試合の合計20試合2ゴールという結果に終わった。

【最優秀選手&監督】
★最優秀選手
◆FWリオネル・メッシ(バルセロナ)
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今季も圧巻の輝きを放ったメッシが文句なしのMVPだ。今季の欧州得点王となる36ゴールに加え、リーガトップタイの13アシストとチームが今季記録した総得点90の半数以上に絡む圧巻の数字を残した。31歳という年齢もあって今季はバルベルデ監督の休養策に同意したことで出場時間は減ったものの、右腕の骨折というアクシデンタルなケガ以外に大きなケガに悩まされることなくシーズンを通してフレッシュな状態でプレーできた点も大きかった。来季に向けては完調のデンベレ、今夏加入が噂されるFWグリーズマンを新たに従えて今季以上の輝きを放つことになるのか。

★最優秀監督
◆ホセ・ボルダラス(ヘタフェ)
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惜しくもクラブ史上初のCL出場権を逃したものの、乏しい戦力を率いてヘタフェをクラブ史上最高位の5位に導いた55歳のスペイン人指揮官を最優秀監督に推したい。2016年に当時セグンダAに所属したヘタフェの指揮官に就任したボルダラスは就任1年目でプリメーラ昇格に導くと、昨季はアトレティコに迫る堅守を武器に昇格組ながら8位での残留に成功。そして、就任3年目となった今季はシーズンを通して4位争い、EL出場権争いに絡んだ中、2009-10シーズン以来のEL出場権獲得に成功した。対戦相手からの研究が進んだ中、昨季の42得点33失点から48得点35失点と数字面を改善。また、今季新加入のFWハイメ・マタがチーム最多タイの14ゴール、MFネマニャ・マクシモビッチが最多出場と戦術の落とし込みに関しても見事な手腕を発揮した。

【期待以上】
★チーム
◆エスパニョール
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2004-05シーズンの5位に次ぐ近年のクラブ最高位の7位に躍進したエスパニョール。昨季、ウエスカをプリメーラ初昇格に導いたクラブOBのルビ監督を新指揮官に迎え、攻撃的なスタイルに転換を図った中、シーズン序盤は安定した戦績を残した。その後、第12節のセビージャ戦から第17節のアトレティコ戦まで泥沼の6連敗。今年1月に入っても3連敗を喫する苦難の日々を過ごすことになった。これによって一時は残留争いに巻き込まれる形となったが、潮目が変わったのは1月末に中国サッカー界最高のアタッカーとして上海上港から加入した中国代表FWウー・レイの存在。当初は中国系オーナーによるマーケティング先行の補強と思われたが、リーグ戦16試合に出場したウー・レイは3ゴール3アシストと貴重な攻撃オプションとして活躍。さらに、中国でのエスパニョールフィーバーによって後押しされたチームは主砲ボルハ・イグレシアスやDFエルモソの活躍も光ってシーズン終盤9戦無敗を継続し、9位で迎えた最終節での劇的勝利で来季EL出場権獲得に成功した。

★選手
◆FWボルハ・イグレシアス(エスパニョール)
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26歳の苦労人ストライカーが本格挑戦のプリメーラで躍動。ビジャレアルの下部組織出身のボルハ・イグレシアスは、2015年1月にセルタでトップチームデビュー。しかし、その後はトップチームでの出場機会に恵まれず、2017年の夏にセグンダA(スペイン2部)のレアル・サラゴサにレンタル移籍。同シーズンに2部で22ゴールを挙げる活躍をみせ、昨夏エスパニョールにステップアップ。すると、ほぼ初挑戦のプリメーラの戦いにすぐさま順応すると、第9節のウエスカ戦から第13節のジローナ戦まで圧巻の5試合連続ゴールを記録するなど、37試合で得点ランキング7位の17ゴールを奪った。187cmと恵まれた体躯を持つものの、真骨頂はボックス内でのポジショニングや駆け引き。それを表すように今季奪ったゴールのほとんどはクロスやこぼれ球を押し込むワンタッチゴール。もちろん、右足のシュートは正確且つパワフルだ。

【期待外れ】
★チーム
◆レアル・マドリー
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近年で最も最悪なシーズン。ロペテギ、ソラーリとシーズンに2度の監督解任に踏み切ったレアル・マドリーは1998-99シーズン以来の1シーズン12敗、2001-02シーズン以降最少の勝ち点68と屈辱の1年を過ごした。昨夏、ジダン監督とC・ロナウドの電撃退団によって少なからず厳しいシーズンが予想されていたが、正直ここまでの不振は誰もが予想していなかったことだろう。その不振の要因もひとつに絞ることはできず、得点力不足、守備の脆さ、勝負弱さ、規律面の問題と多岐に渡った。そのため、今年3月に再任したジダン監督の下でもさすがに立て直しはできなかった。チームとしての体をなしていなかった中、及第点が与えられるのは孤軍奮闘のFWベンゼマただ1人だ。

★選手
◆FWガレス・ベイル(レアル・マドリー)
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問題の本質はC・ロナウドにあらず…。前述のように近年で最も最悪なシーズンを過ごしたエル・ブランコにあって戦犯はDFセルヒオ・ラモスやDFマルセロ、MFモドリッチ、MFイスコ、FWアセンシオと枚挙にいとまがないが、その中でも最も期待を裏切ったのが29歳のウェールズ代表だ。相性が悪かったC・ロナウドの退団に伴い、奮起が求められた今季だったが、開幕3試合連続ゴールを記録して以降、それまでの姿に逆戻り。今季に関してはケガによる離脱は例年に比べて少なかったものの、ピッチ内でのパフォーマンスが低調の一言。29試合で8ゴール3アシストの数字にとどまった中、攻撃面では効果的なプレーが少なく、守備では献身性のかけらも見せないという体たらく。確執が噂されるジダン監督の再任以降は、ベンチを温め続けた。
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2024シーズンの明治安田J1リーグが23日からいよいよ開幕する。今季からは20チーム制となり、降格も3つに増枠しての争いに。ここでは新シーズンの幕開けに先駆け、J1リーグ全チームをピックアップし、京都サンガF.C.を紹介していく。 【直近3シーズンの成績】 2023シーズン:13位(12勝4分け18敗) 2022シーズン:16位(8勝14分け12敗) 2021シーズン:J2・2位(24勝6分け12敗) 【昨季チーム得点王】 パトリック、豊川雄太 10ゴール 【今季ノルマ】 中位 【編集部イチオシ】 FW原大智 昨季J1:13試合出場/7ゴール <span class="paragraph-subtitle">◆2年目のJ1で改善</span> 曺貴裁監督が率いて3年目、J1に昇格して2年目のシーズンとなった2023シーズンは順位を上げて13位でフィニッシュ。継続路線でハードワークを続けて前進していくスタイルを継続した。一定の成果を得たシーズンだったと言えるが、ゴールに向かっていくワクワクさせるフットボールは見せられたとは言い難い。主導権を握り続ける戦いを目指したいところだ。 <span class="paragraph-subtitle">◆目標は高く設定、ハードな1年に</span> チームとしての目標は勝ち点60。2023シーズンに照らし合わせるとトップ3を争える成績。通常のシーズンでも5位以内に入ることができる数字を目標に掲げた。 それ以上の注目は得点を「60」に設定したこと。2023年は40得点、2022年は30得点と10得点は増えたが、今まで以上にゴールへの意欲を高める必要がある。感動、ワクワクを与えるサッカーを目指す中で、得点力向上は重要。昨季のチーム得点王のパトリックが去ったことは大きいが、新戦力のマルコ・トゥーリオ、昨季途中加入の原大智に懸かる期待は大きくなる。 失点は「45」と2023年と同じ数字を保ちたいという目標だが、守備陣には鈴木義宜を補強して浦和レッズへ移籍した井上黎生人の代役を確保。さらに湘南ベルマーレ時代の教え子である鈴木冬一をスイスから戻し、サイドにも厚みを持たせることにも成功した。中盤にもハードなプレーが得意で対人プレーが得意な塚川孝輝もFC東京から獲得。退団選手もいる中で、チームに必要な人材を揃えたと言える。 <span class="paragraph-subtitle">◆軸を定められるか</span> 京都として気になるのは、チームの軸になっている選手が少ないこと。2023シーズンから残る選手で先発出場を20試合以上達成したのは4名だけ。良く言えば実力が拮抗していると言えるが、悪く取れば固定できるほどのハイパフォーマンスを出し続けた選手がいなかったとも言える。自動降格が3チームになる今季は早くチームを波に乗せることが重要になる。目標に掲げた勝ち点60を達成するためにも任せられる軸になる選手が多く出ることは必要になるだろう。 【IN】 GKク・ソンユン(29)←北海道コンサドーレ札幌/期限付き移籍→完全移籍 GKファンティーニ燦(25)←福島ユナイテッドFC/完全移籍 DF飯田陸斗(18)←京都サンガF.C.U-18/昇格 DF喜多壱成(18)←京都サンガ.C.U-18/昇格 DF松田佳大(23)←水戸ホーリーホック/完全移籍 DF鈴木義宜(31)←清水エスパルス/完全移籍 DF鈴木冬一(23)←ローザンヌ・スポルト(スイス)/完全移籍 DF宮本優太(24)←浦和レッズ/期限付き移籍 MF安齋悠人(18)←尚志高校/新加入 MF塚川孝輝(29)←FC東京/期限付き移籍 FWマルコ・トゥーリオ(25)←セントラルコースト・マリナーズ(オーストラリア)/完全移籍 【OUT】 GK若原智哉(24)→V・ファーレン長崎/期限付き移籍 GKマイケル・ウッド(25)→未定 DF井上黎生人(26)→浦和レッズ/完全移籍 DF植田悠太(19)→大宮アルディージャ/期限付き移籍 DFイヨハ理ヘンリー(25)→サンフレッチェ広島/期限付き移籍満了 DF飯田貴敬(29)→ヴァンフォーレ甲府/期限付き移籍 MF三沢直人(28)→ヴァンフォーレ甲府/完全移籍 MF荒木大吾(29)→FC岐阜/完全移籍 MF山田楓喜(22)→東京ヴェルディ/期限付き移籍 FWパトリック(36)→名古屋グランパス/完全移籍 FW木下康介(29)→柏レイソル/完全移籍 FW木村勇大(22)→東京ヴェルディ/期限付き移籍 FW田中和樹(24)→ジェフユナイテッド千葉/期限付き移籍→完全移籍 FWイスマイラ(25)→栃木SC/期限付き移籍→完全移籍 2024.02.15 18:45 Thu

井原正巳監督がシーズン初めから指揮、天皇杯決勝の戦いを足がかりに【J1開幕直前ガイド|柏レイソル】

2024シーズンの明治安田J1リーグが23日からいよいよ開幕する。今季からは20チーム制となり、降格も3つに増枠しての争いに。ここでは新シーズンの幕開けに先駆け、J1リーグ全チームをピックアップし、柏レイソルを紹介していく。 【直近3シーズンの成績】 2023シーズン:17位(6勝15分け13敗) 2022シーズン:7位(13勝8分け13敗) 2021シーズン:15位(12勝5分け21敗) 【昨季チーム得点王】 細谷真大 14ゴール 【今季ノルマ】 残留 【編集部イチオシ】 FW細谷真大 昨季J1:34試合出場/14ゴール <span class="paragraph-subtitle">◆ギリギリの残留</span> 昨季は天皇杯で11年ぶりの決勝進出とタイトルにもう一歩のところまで迫ったが、リーグ戦はというと、前年の7位から大きく落としての17位に。ネルシーニョ監督の後任として井原正巳監督が指揮するようになってからも課題が少なかったわけではなかったが、最下位のみが降格というレギュレーションにも希望を見いだしつつ、犬飼智也の夏加入や守備整備で勝ち点を着実に積み上げ、残留を決めた。 <span class="paragraph-subtitle">◆補強は…</span> J1優勝の過去を持つチームであるのを考えると、到底満足できるものではなく、この冬のチーム整備から力を入れていきたいところだったが、補強はレンタルバックとJ2からのステップアップが中心に。昨年もJ1クラブでプレーした新戦力は木下康介に限られており、ほかの新顔では野田裕喜や白井永地、島村拓弥といった個人昇格者が占める。 <span class="paragraph-subtitle">◆細谷真大の残留は朗報だが</span> 一方、主力からの退団者では椎橋慧也、仙頭啓矢、山田康太がそれぞれ新たなチャレンジを選択。武者修行先の徳島ヴォルティスで昨季13ゴールとブレイクの森海渡は横浜FCによもやの完全移籍を決断した。昨季14ゴールのエース、細谷真大に冬の海外移籍がなさそうな情勢というのは朗報だが、チーム力は現時点でIN&OUTの動向からしてダウン感が強い。 <span class="paragraph-subtitle">◆若手の成長度合いでチーム力が変化も</span> ほかでは守備の立て直しにひと役を買った犬飼の完全移籍移行も良い知らせではあったが、現時点ではJ1経験の乏しい選手がどこまで戦力として独り立ちしていけるかどうかといったところ。修行でひと回り大きくなって戻った鵜木郁哉をはじめ、ポテンシャルを秘めた若手も多く、そこから何選手が台頭を遂げるかでチーム力も変わってくる。 <span class="paragraph-subtitle">◆シーズンを通じて天皇杯決勝の戦いを</span> 攻守にわたって多くの課題を持ち越しての今季だが、天皇杯決勝では川崎フロンターレを相手に前線からのプレッシングと組織としての守りで相手のパスワークに制限をかけ、PK戦にもつれる死闘。川崎Fを大いに苦しめたあのスタイルは可能性を感じさせ、今季の初めから打ち出していければ楽しみだ。井原監督も続投。17位に沈んだ昨季からの巻き返しを期す。 <span class="paragraph-subtitle">◆2024年冬移籍情報</span> 【IN】 DF野田裕喜(26)←モンテディオ山形/完全移籍 DF関根大輝(21)←拓殖大学/新加入 DF犬飼智也(30)←浦和レッズ/完全移籍移行 MF島村拓弥(24)←ロアッソ熊本/完全移籍 MF白井永地(28)←徳島ヴォルティス/完全移籍 MF熊坂光希(22)←東京国際大学/新加入 MF鵜木郁哉(22)←水戸ホーリーホック/期限付きより復帰 FW木下康介(29)←京都サンガF.C./完全移籍 FW升掛友護(20)←愛媛FC/期限付きより復帰 【OUT】 DFブエノ(28)→未定 DF岩下航(24)→期限付き移籍 DF田中隼人(20)→V・ファーレン長崎/期限付き移籍 DF大嶽拓馬(21)→EDO ALL UNITED/完全移籍 DFエメルソン・サントス(28)→インテルナシオナウ(ブラジル)/完全移籍 MF三原雅俊(35)→未定 MF椎橋慧也(26)→名古屋グランパス/完全移籍 MF山田康太(24)→ガンバ大阪/完全移籍 MF仙頭啓矢(29)→FC町田ゼルビア/完全移籍 MF落合陸(24)→水戸ホーリーホック/期限付き移籍 MF加藤匠人(24)→福島ユナイテッドFC/期限付き移籍 FWドウグラス(36)→未定 FWアンジェロッティ(25)→FC今治/完全移籍 FW森海渡(23)→横浜FC/完全移籍 2024.02.15 18:15 Thu

攻撃陣は多士済々、2年目のクラモフスキー体制は真価を発揮できるか【J1開幕直前ガイド|FC東京】

2024シーズンの明治安田J1リーグが23日からいよいよ開幕する。今季からは20チーム制となり、降格も3つに増枠しての争いに。ここでは新シーズンの幕開けに先駆け、J1リーグ全チームをピックアップし、FC東京を紹介していく。 【直近3シーズンの成績】 2023シーズン:11位(12勝7分け15敗) 2022シーズン:6位(14勝7分け13敗) 2021シーズン:9位(15勝8分け15敗) 【昨季チーム得点王】 ディエゴ・オリヴェイラ 15ゴール 【今季ノルマ】 上位 【編集部イチオシ】 MF松木玖生 昨季J1:22試合出場/1ゴール <span class="paragraph-subtitle">◆不完全燃焼に終わった昨シーズン</span> アルベル監督の下で2年目を迎えた2023シーズン。タイトル争いを目標としながら開幕から成績が安定せず、6月にリーグ戦3連敗を喫して12位にまで沈み、アルベル監督解任の決断を下した。後任にピーター・クラモフスキー監督が就任してからも劇的な改善はなく、パフォーマンスも低調に。最終的にはリーグ11位、3シーズン無冠の結果に終わり、誰にとっても不満の残る1年となった。 <span class="paragraph-subtitle">◆即戦力を補強し攻撃陣は多士済々</span> 思うような結果を残せなかった昨シーズンからの巻き返しを目指し、即戦力の補強に成功した。主だったところでは北海道コンサドーレ札幌から小柏剛、アルビレックス新潟から高宇洋、鹿島アントラーズから荒木遼太郎を獲得。さらに、ウニオン・ベルリンからは遠藤渓太が加わり、アタッカーの選択肢が豊富になったことは頼もしい。一方で、守備陣についてはユースからの昇格や大卒の加入など、最小限にとどまった。 <span class="paragraph-subtitle">◆クラモフスキー監督にとって勝負の年に</span> 即戦力の補強に成功し、渡邊凌磨こそ去ったもののディエゴ・オリヴェイラ、松木玖生、小泉慶ら多くの主力は残留。上位を争える戦力は十分揃っているだけに、就任2シーズン目を迎えるクラモフスキー監督の手腕が問われることになるだろう。昨シーズンは途中就任の難しさもあり、最後まで説得力のあるサッカーは見せられず。前クラブのモンテディオ山形でも2シーズン目に成績を上げJ1参入プレーオフにチームを導いているだけに、指揮官がどのような采配を振るうかは注目だ。 <span class="paragraph-subtitle">◆新時代に向けた第一歩を踏み出せるか</span> ここ最近はタイトル争いに絡めず、もどかしい想いを抱くファンも少なくない。そんな中で、クラブは創設25周年を契機にエンブレムを一新。ここから新しい歴史を築いていく決意を新たにした。今シーズンは東京ヴェルディやFC町田ゼルビアの昇格により、にわかに首都が熱気を帯びているが、そんな中で長年J1を戦ってきた矜持を示し、ファンを熱狂させるサッカーが見せられるか、クラブの真価が問われる。 <span class="paragraph-subtitle">◆2024年冬移籍情報</span> 【IN】 GK小林将天(18)←FC東京U-18/昇格 GK波多野豪(25)←V・ファーレン長崎/期限付き移籍より復帰 DF岡哲平(22)←明治大学/新加入 DFペク・インファン(18)←チョナンジェイル高校(韓国)/新加入 DF東廉太(19)←SC相模原/期限付き移籍より復帰 MF高宇洋(25)←アルビレックス新潟/完全移籍 MF安斎颯馬(21)←早稲田大学/新加入 MF荒木遼太郎(22)←鹿島アントラーズ/期限付き移籍 MF遠藤渓太(26)←ウニオン・ベルリン(ドイツ)/期限付き移籍 MF安田虎士朗(20)←栃木SC/期限付き移籍より復帰 MF品田愛斗(24)←ヴァンフォーレ甲府/期限付き移籍より復帰 MF原川力(30)←セレッソ大阪/完全移籍移行 FW小柏剛(25)←北海道コンサドーレ札幌/完全移籍 FW野澤零温(20)←松本山雅FC/期限付き移籍より復帰 【OUT】 GKヤクブ・スウォビィク(32)→コンヤスポル(トルコ)/完全移籍 DF木村誠二(22)→サガン鳥栖/期限付き移籍 DFペク・インファン(18)→ツエーゲン金沢/期限付き移籍 DF大森理生(21)→いわきFC/期限付き移籍 DF蓮川壮大(25)→清水エスパルス/期限付き移籍 DF岡庭愁人(24)→ジェフユナイテッド千葉/期限付き移籍 MF渡邊凌磨(27)→浦和レッズ/完全移籍 MF青木拓矢(34)→未定/契約満了 MF塚川孝輝(29)→京都サンガF.C./期限付き移籍 MFアルトゥール・シルバ(28)→大宮アルディージャ/完全移籍 MF西堂久俊(22)→鹿児島ユナイテッドFC/期限付き移籍 MF梶浦勇輝(20)→ツエーゲン金沢/育成型期限付き移籍延長 MF内田宅哉(25)→名古屋グランパス/完全移籍移行 FWアダイウトン(33)→ヴァンフォーレ甲府/完全移籍 FW熊田直紀(19)→ヘンク(ベルギー)/期限付き移籍 FWペロッチ(26)→シャペコエンセ(ブラジル)/期限付き移籍満了 2024.02.14 19:00 Wed
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