クラブから契約見送りもデ・ロッシがローマ愛を語る 「僕らの愛はこれからも別な形で続いていく」

2019.05.15 19:34 Wed
Getty Images
14日に今シーズン限りでの退団が発表された元イタリア代表MFダニエレ・デ・ロッシ(35)が、ローマへの溢れる愛を語った。クラブ公式サイトが会見コメントを伝えている。
PR
ローマのプリマヴェーラを率いるアルベルト・デ・ロッシを父親に持つデ・ロッシは、幼少期からローマ一筋のキャリアを歩み、2000年のトップチーム昇格以降、在籍18年間で公式戦615試合に出場し63ゴールを記録。“ローマの象徴”である元イタリア代表FWフランチェスコ・トッティに次ぐ、クラブ歴代最多出場記録を持つ生けるレジェンドだ。
しかし、13日にクラブ側から今季終了までとなっていた契約を更新する意思がないことを伝えられ、18年間を過ごしたクラブに別れを告げることになった。

そして、退団の経緯を話した際には、「もし自分が監督だったなら、自分のようなプレーヤーと契約を延長しただろう」と恨み節とも取れるコメントを残していたが、その後ローマへの溢れる愛を語った。

「このチームに対して忠実であり続けるという自分の考えに全く変更はないよ」
「もし、僕が魔法の杖を持っていたならば、きっともう少しだけ多くのトロフィーをキャビネットに飾ることができたかもしれない。しかし、誰もそんな魔法は使えないよ。長年に渡るここでのキャリアの中で幾つか間違いを犯したと思う。だけど、それはどうにもならないものでもあったんだ」

「僕とローマの間にはとてつもなく大きな愛があり、それはこれからも別な形で続いていくと思う。もしかしたら、こっそりとスタジアムに侵入したり、サンドウィッチとビールを片手にピッチの中の友人たちを応援することもあると思うよ」

また、“ローマの象徴”に次ぐクラブ歴代最多出場記録者となった事実を心から誇りに思っているという。

「これまでの自分のキャリアに関して神さまに感謝を捧げたい。14、15歳の頃に自分がこのようなレベルに達することができるとは思っていなかったよ」

「僕は父のキャリアを心から誇りに思っていたんだ。彼は15年間、セリエCでプレーを続けていた。そして、父は紛れもなく僕のアイドルであったし、彼を誇りに思っているんだ。僕自身、愛するチームで素晴らしい仲間と、素晴らしい対戦相手たちと愛する仕事を続けることができた」

「今は多くの美しい感情に溢れているよ。デルビーやナポリ、ベルガモ、レッジオ・カラブリアでの激しい戦いは僕に生きている実感を与えてくれた」

「個人的な意見だけど、フットボールはライバル意識、サポート、それに対する誠実さを表すものなんだ。スポーツを通じた友人、ライバルを持つことができたことは本当に嬉しいことだし、自分が相手にとってそう認識されたなら嬉しいよ」

また、2年前に現役を引退したトッティに続きロマニスタは愛するバンディエラを失うことになるが、デ・ロッシは自身と同じ生え抜きのローマっ子である、新キャプテンのMFアレッサンドロ・フロレンツィ、MFロレンツォ・ペッレグリーニらが新たな“ローマの象徴”となることを期待している。

「ロマニスモは僕たちにとって重要なものであるけど、アレッサンドロとロレンツォの安全な手の中にあるよ」

「彼らは僕やフランチェスコをコピーする必要なんてないんだ。だけど、彼ら自身のパーソナリティやクラブとの絆を示すべきだと思っているよ」

「それに彼らだけじゃない。ブライアン・クリスタンテはベルガモ、あるいはイタリア北部の出身だ。彼はローマ出身ではないけど、トレーニングや試合を通じてすべてを捧げてくれる。僕は彼のようなプレーヤーが他に100人ほしいと思っている。ローマが必要としているのは必ずしもローマ人ではないんだ。ローマが必要としているのは真のプロフェッショナルだよ。もちろん、それがアレッサンドロやロレンツォのようなローマっ子であれば、さらにいいことだけどね」

「成功を掴むためには強い側面を構築する必要があるんだ。他の成功しているクラブはそれを豊富な資金力で作り上げている。それが市場の原理ともいえるけど、僕はこのクラブがその状況を変えることに集中していると思っている。そして、彼らの成功を心から願っている」

PR
関連ニュース

4位争いから一歩後退のローマ…デ・ロッシ監督「こうした試合もある」

ローマのダニエレ・デ・ロッシ監督が、セリエAでの敗北を振り返った。クラブ公式サイトが伝えている。 22日、4位ボローニャとのセリエA第33節に臨んだ5位ローマ。4日前にはミランを破ってヨーロッパリーグ(EL)準決勝進出を決めたチームだったが、この日は14分に先制を許すとハーフタイム直前にも失点を喫する苦しい展開に。後半に入ると、56分にFWサルダール・アズムンのゴールで1点を返すも9分後に再び失点してしまい、そのまま3-1で試合を終えた。 セリエAで久々の敗北となりボローニャとの差が広がることになってしまったデ・ロッシ監督は、内容に満足できる点はあると強調しつつ改善の必要性を口にしている。 「今日の我々はいつものような鋭さがなかったかもしれないが、相手は良いフットボールをするチームだった。プレスをかけた際も彼らは体を張ってくるから、審判に悪い印象を与えてしまったと思う。それに、機動力あるチームを相手にして試合をクローズするのは簡単ではない」 「だが、こうした試合もあるだろう。ほぼすべてのチャンスをモノにして勝った試合もあったし、相手のシュート数のほうが多かった試合もあった。ボローニャは自分たちの役割を果たしていたが、データを見る限りではかなりの互角だったのだ。我々のほうが、相手より先に危険なプレーをしていたと思う」 「レアンドロ・パレデスへのイエローカードはフェアではなかった。そのせいで負けたわけではないが、あの判定とその直後に喫した失点で我々は少し調子を崩したと思う。それでも、選手たちは最後までパフォーマンスを続けてくれた」 「我々は大人であり、経験も備えている。長い間この仕事をしてきて、ポジティブな感情もネガティブな感情も扱いには慣れているはずだ。これまでの我々はライバルとの試合で常に良い結果を残しており、かなり過酷な試合の連続でもメンタル面はうまく対処できていた」 「(ELの勝利もあり)気が高ぶっていたかもしれないが、それはプレーに影響していないだろう。数字やパフォーマンスを見れば、我々は常に試合の中にいたと思う。いつものようにはいかなかったが、若者たちは決して諦めなかった」 「もちろん、完璧な試合をしたいのであれば、そして3カ月前に始まったこの好調を維持したいのであれば、さまざまな局面をうまく切り抜ける必要がある。経験豊富なチームなら44分に失点すべきではなく、1-2とした後に同点へと追いつく時間はあったと理解すべきだ。3点目を許したことで、風向きは変わってしまった」 <span class="paragraph-title">【ハイライト動画】ローマvsボローニャ</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="SI2nLCGDSuk";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.23 12:15 Tue

エル・アジズの華麗バイシクル弾にザークツィー1G1A、ボローニャがローマとの上位対決を制してCL出場権獲得に大きく前進【セリエA】

セリエA第33節、ローマvsボローニャが22日に行われ、1-3でボローニャが快勝した。 5位ローマ(勝ち点55/1試合未消化)と4位ボローニャ(勝ち点59)によるチャンピオンズリーグ(CL)出場権争い。 ローマは前節ウディネーゼ戦、エンディカがピッチで倒れて試合が中止に。1試合消化が少ない中、4ポイント差でボローニャを追うローマは4日前に行われたヨーロッパリーグではミランを下して2季連続準決勝進出とした。そのミラン戦で負傷交代となったルカクが欠場となった中、エイブラハムがディバラ、エル・シャーラウィと共に3トップを形成した。 一方、前節モンツァにゴールレスドローで2試合連続無得点のボローニャは、ザークツィー、エンドイエ、サーレーマケルスの3トップで臨んだ。 共に[4-3-3]でスタートした一戦。立ち上がりの主導権争いを経て14分、ボローニャが先制する。左サイドをオーバーラップしたカラフィオーリのクロスをエル・アジズが華麗なバイシクルシュートで蹴り込んだ。 失点したローマは20分、敵陣でボールを奪ったチェリクがボックス内へ侵入してシュートを放つ決定機を迎えるも、枠を捉えきれず。 ハーフタイムにかけては互角の攻防が続いていた中42分、ボローニャはサーレーマケルスの直接FKがバーに直撃すると、45分に追加点。サーレーマケルスの浮き球パスをエル・アジズが落とし、受けたザークツィーがボックス左で縦へ。左足で放ったシュートがGKスヴィラールの手を弾いてゴールラインを割った。 2点ビハインドで迎えた後半開始5分、ローマはエル・シャーラウィの強烈なミドルシュートが枠を捉えたが、ゴールライン前のポッシュに頭部でクリアされた。 それでも56分に1点差に強める。4分前に投入されていたアズムンがペッレグリーニの右クロスに頭で合わせるとGKスコルプスキを強襲。ルーズボールを押し込んだ。 しかし65分、ボローニャに決定的な3点目が生まれる。中盤でのボールカットからショートカウンターに転じ、ザークツィーのラストパスを受けたサーレーマケルスが独走。GKとの一対一をチップキックで制した。 終盤にかけてはボローニャがローマの攻撃をシャットアウト。3-1で快勝し、CL出場権獲得へ大きく前進している。 2024.04.23 03:29 Tue

カンナバーロが17位低迷ウディネーゼの新指揮官就任へ! 初陣はデ・ロッシとの代表元同僚対決か…

ファビオ・カンナバーロ氏(50)がウディネーゼの新指揮官に就任する見込みだ。 現役時代にナポリやパルマ、インテル、ユベントス、レアル・マドリーで活躍し、2006年のドイツ・ワールドカップ(W杯)制覇に導いた際にはバロンドールも受賞した稀代の名DFだったカンナバーロ氏。 現役引退後は中国の広州恒大(現:広州FC)や、天津権健(現:天津天海)、中国代表を指揮。ヨーロッパでは2022年9月にセリエBのベネヴェントの指揮官に就任したが、成績不振により4カ月で解任されている。 以降はアジア圏での代表監督や古巣ナポリの指揮官就任の噂も取り沙汰されたが、ここにきてウディネーゼの新指揮官就任の可能性が高まっている。 移籍市場に精通するジャーナリストのファブリツィオ・ロマーノ氏ら複数のイタリアメディアによると、20日に行われたセリエA第33節のエラス・ヴェローナ戦で0-1の敗戦を喫し、直近1分け3敗で自動降格圏とわずか1ポイント差の17位に低迷するウディネーゼはガブリエレ・チオフィ監督の解任を決断したという。 そして、その後任としてカンナバーロ氏の招へいに迫っており、週明けにも交渉が完了する見込みだという。 なお、ウディネーゼは、ローマDFエヴァン・エンディカの健康上の問題で後半半ばに中止となったセリエA第32節のローマ戦が25日に控えており、カンナバーロ氏の初陣は、アッズーリの後輩であるダニエレ・デ・ロッシとの元同僚対決となる可能性が高いようだ。 2024.04.22 07:00 Mon

ローマの連覇は持ち越しに…熊谷紗希&南萌華フル出場もフィオレンティーナとゴールレスドロー【女子セリエA】

20日、女子セリエA上位プレーオフ第5節のフィオレンティーナvsローマがヴィオラ・パークで行われ、0-0の引き分けに終わった。 ローマのなでしこジャパンDF熊谷紗希は中盤の底で、DF南萌華はセンターバックの一角でフル出場した。 首位のローマ(勝ち点60)は、前節2位ユベントス(勝ち点47)との直接対決を制し、今節勝てば2連覇が決まるという状況下で、3位フィオレンティーナ(勝ち点39)との敵地戦に臨んだ。 一方、プレーオフに入って3連敗中のフィオレンティーナも、女子チャンピオンズリーグ(UWCL)圏内死守への執念を見せ、立ち上がりから攻勢を掛けると、2分に右クロスからポーリーン・ハマランドがネットを揺らす。 だが、ここは直前のエンマ・セヴェリーニのGKへのファウルを取られて、ゴールを認められず。ローマは難を逃れた。 互いが好機を作りながらも、両者無得点のまま試合は推移し、終盤にはローマの時間が続くが、82分に迎えたバレンティナ・ジャチンティの決定機はGKの好セーブに遭い、88分には南のヘディングも力なく。互いにゴールが生まれぬまま、90分を終えた。 また、裏ではユベントスが4位サッスオーロ(勝ち点32)に2-1で勝利したため、今節のローマの優勝はお預けに。プレーオフは奇数チームのため、ローマは次節試合がないが、ユベントスが5位インテル(勝ち点30)と引き分け以下なら、優勝が決まる。 <span class="paragraph-title">【動画】熊谷紗希&南萌華フル出場のローマがフィオレンティーナとドロー</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="lI5p4il6T8c";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.21 20:45 Sun

2部リーズが岐路…若き人気銘柄と莫大な負債、もし1年でのプレミア復帰に失敗なら…

リーズ・ユナイテッドが、生きるか死ぬかの岐路に立たされているようだ。 1年でのプレミアリーグ復帰を目指す、チャンピオンシップ(イングランド2部)のリーズ。年明けからぐんぐん調子を上げ、現在は残り3試合で自動昇格圏2位と勝ち点「1」差の3位につけている。 少なくとも6位以内に与えられる昇格プレーオフ圏は確保したなか、昇格争いとともに現地で大きく注目されているのが、主力としてチームを引っ張る若きタレントの去就だ。 まず、すでにある程度サッカーファンにも名前が通るイタリア代表FWウィルフレッド・ニョント(20)。派手なタイプではないが、昨季のプレミア経験を通じ、若くして実力を伸ばしたウインガーで、イタリア代表にも継続招集される。 U-21イングランド代表MFアーチー・グレイ(18)は、今季トップ昇格1年目でチームの屋台骨となったセントラルハーフ。父や大叔父といった身内を含め、”グレイ一族”4人目のリーズ選手であり、18歳にしてチームの象徴となっている。 U-21オランダ代表FWクリセンシオ・サマーフィル(22)は背番号10を背負い、今季リーグ戦40試合17得点8アシスト。フェイエノールトが手塩にかけて育てたウインガーで、今やリーズの浮沈を最も左右する1人として認知されるエースだ。 ニョントはエバートンから執拗に狙われ、以前にはローマ&ラツィオからの関心も明らかに。グレイはトッテナムを筆頭にプレミアトップクラブがうなる人気銘柄。左ウイングのサマーフィルには、日本代表MF三笘薫が所属するブライトンからのリストアップが判明済みだ。 これらを踏まえたうえで、リーズの状況について。 多くの方がご存知の通り、プレミアかチャンピオンシップかでは、放映権収入に天と地ほどの差があり、この点はチーム運営資金に直結。今回でいえば、リーズは昇格成功なら3選手を売らなくても困らないし、新戦力獲得の余裕も生まれるが、昇格失敗なら運営全般の体裁を整えるべく、主力売却による資金確保が待ったなしとなる。 また、イギリス『フットボール・インサイダー』によると、リーズは現在1億9000万ポンド(約363億円)の負債を抱えているとのこと。もし今季で昇格できなければ、3選手の“売り”の必要性は加速し、戦力大幅ダウンで昇格なんて夢のまた夢…そんな時代が来るかもしれない。 ハッキリ言って、状況は、生きるか、死ぬか。これを“現場”が知らないはずもなく、まさに命懸けでプレミアリーグ昇格を掴まなければいけないリーズだ。 2024.04.20 20:55 Sat
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly