【CLプレビュー】宿敵からの“後押し”生かしたいスパーズ、今季1冠目獲得で勢いづくアヤックス撃破なるか?

2019.05.08 14:00 Wed
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チャンピオンズリーグ(CL)準決勝2ndレグ、アヤックスvsトッテナムが日本時間8日28:00にヨハン・クライフ・アレーナでキックオフされる。前日に奇跡の逆転突破を見せたリバプールの待つファイナル進出を懸けたアウトサイダー同士による運命の第2戦だ。
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先週にトッテナム・ホットスパー・スタジアムで行われた1stレグでは多くの主力不在にコンディション面で劣ったホームチーム相手に、絶好調のアウェイチームがMFファン・デ・ベークの早い時間対帯のゴールで先制に成功。その後は、ホームのトッテナムが盛り返すも若手のチームらしからぬ老獪な試合運びを見せたアヤックスが逃げ切り、敵地で1-0の先勝を手にした。
レアル・マドリー、ユベントスを連破した勢いそのままにトッテナムに対しても堂々と渡り合った末、敵地でアウェイゴールを奪って先勝したアヤックス。4日に行われたKNVBベーカー決勝では格下のヴィレムⅡを相手にベテランFWフンテラールの2ゴールなどで4-0の圧勝。シーズン3冠を目指す中でまずは今季1つ目のタイトル獲得に成功した。中6日で戦った初戦とは異なり、今回の一戦は中2日での戦いに加え、相手の一部主力も復帰する厳しい戦いとなる。その中で初戦の前半のように受け身にならず、いつも通り自分たちの戦いができるかが、23年ぶりのファイナル進出のカギを握る。

一方、過密日程と出場停止のFWソン・フンミンらの不在が響き、ホームでの初戦を0-1で落としたトッテナム。さらに、4日に行われたリーグ戦のボーンマス戦ではソン・フンミン、途中出場のDFフォイスの一発退場によって40分以上9人での戦いを強いられたうえ、ゴールレスドロー目前の後半アディショナルタイムにゴールを奪われ、公式戦3試合連続となる0-1の敗戦となった。ただ、トップ4フィニッシュに黄信号が灯った中、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナルが格下相手に取りこぼした結果、エバートンとの最終節で大量失点での敗戦且つ5位アーセナルが大量得点で勝利しない限り、4位以内を確定できることに。宿敵からの思わぬ“後押し”を受け、今回のアヤックス戦に全力を注げることになった。

なお、過去のCL準決勝でホームでの1stレグを落として逆転した例は17回の中でただ1度。そして、1995-96シーズンにオリンピアコス相手にそれを達成したのはアヤックスだ。トッテナムにとって厳しい条件に変わりはないが、前日にホームとはいえバルセロナ相手に奇跡の逆転突破を見せたリバプールの身近な成功例が精神的な後押しとなるはずだ。
最後に両チームの勝ち抜けの条件はアヤックスが引き分け以上の結果。一方、トッテナムはアウェイゴール2点以上を奪っての勝利で逆転突破となる。なお、トッテナムが1-0のスコアで90分の戦いを終えた場合のみ、延長戦に突入する。(延長戦でもアウェイゴールは適用)

◆アヤックス◆
【4-3-3】

▽アヤックス予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:オナナ
DF:マズラウィ、デ・リフト、ブリント、タグリアフィコ
MF:シェーネ、ファン・デ・ベーク、フレンキー・デ・ヨング
FW:ジイェフ、タディッチ、ネレス
負傷者:FWネレス
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関しては軽傷を抱えるネレスにスタメン落ちの可能性があるものの、それ以外は全選手の起用が可能だ。

そのネレスが起用不可能な場合、フンテラールやドルベリというセンターフォワードの選手を入れてタディッチをウイングに移す形か、より守備的にマズラウィを右ウイングで起用し、フェルトマンを引き続きサイドバックで起用する形のいずれかになるはずだ。

◆トッテナム◆
【4-3-1-2】

▽トッテナム予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:ロリス
DF:トリッピアー、アルデルヴァイレルト、ヴェルトンゲン、ローズ
MF:ムサ・シソコ、ワニャマ、エリクセン
MF:デレ・アリ
FW:ルーカス・モウラ、ソン・フンミン
負傷者:DFダビンソン・サンチェス、MFウィンクス、FWケイン
出場停止者:ヤンセン(登録外)

登録メンバー外のヤンセンが起用できないが、累積警告によって1stレグを欠場したソン・フンミンが出場停止明けで戻ってくる。負傷者に関しては奇跡の復帰が期待されたケインが間に合わず、ウィンクスと共に引き続き欠場となるほか、直近のボーンマス戦で太ももを痛めたダビンソン・サンチェスも欠場となる。ただ、オーリエ、ラメラのメンバー入りは朗報だ。

システムに関しては前線の構成次第で[4-3-1-2]、[4-2-3-1]の2つの形が想定されるが、前から相手のビルドアップに強烈なプレッシャーをかけるマンチェスター・シティとの準々決勝初戦のようなアプローチで臨むはずだ。したがって、プレスの機動力で劣るジョレンテはベンチスタートが濃厚だ。

★注目選手
◆アヤックス:MFフレンキー・デ・ヨング
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アヤックスの注目プレーヤーは中盤のコンダクター、F・デ・ヨングだ。敵地での初戦では見事なフィニッシュで先制点を挙げたうえ、相手の背後を突くスプリント、献身的なプレスバックと攻守両面で抜群の存在感を放ったファン・デ・ベークに主役の座を譲ったものの、その同僚に勝るとも劣らない輝きを放っていたのが来季バルセロナ移籍が内定している俊英MFだった。21歳らしい豊富な運動量と球際のアグレッシブさを見せた一方、百戦錬磨のベテランMFさながらの卓越したポジショニングやプレーリードで大先輩エリクセンらを擁する相手の強力中盤を相手に抜群のゲームメークを見せていた。

今回の一戦では相手がよりアグレッシブなプレーを見せてくる可能性が高く、1stレグの前半のようにチームとして主導権を握ることは難しいかもしれない。その中でF・デ・ヨングには守備面でのハードワークに加え、簡単にボールを奪わせない持ち味のキープ力を武器に味方に“時間”を与えるプレーが期待される。そして、あわよくば相手のハイラインを切り裂くラストパスでゴールを演出したい。

◆トッテナム:FWソン・フンミン
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トッテナムの注目プレーヤーは出場停止明けのソン・フンミンだ。前ラウンドのシティ戦でベスト4進出の立役者となった韓国代表FWだったが、それと引き換えにもらった警告によって先週行われたホームでの1stレグはスタンドからチームの敗戦を見守ることに。また、直近のボーンマス戦では前線で唯一のフレッシュなプレーヤーとしてチームを勝利に導く活躍が期待されたものの、前半終了間際に相手MFレルマを突き飛ばす報復行為によって一発退場となる愚行を犯した。ライバルチームの取りこぼしによって、チームのトップ4フィニッシュはほぼ確定することになったが、最終節のエバートン戦は出場停止でプレーできないため、今回の一戦ではピッチ内の誰よりも走り、誰よりも戦うことが求められる。

一部ではケインの復帰が期待されたものの、最終的にメンバー入りは見送られることになっており、攻撃のオプションはジョレンテや負傷明けのラメラのみと相変わらず厳しい状況だ。したがって、トッテナムとしては試合の入りから出し惜しみせず攻撃に出る必要があり、ファーストディフェンダー、フィニッシャーを担うソン・フンミンの働きは重要だ。とりわけ、初対戦ゆえのアドバンテージを持っている試合序盤のうちにゴールをこじ開けたい。

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チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝2ndレグ、ドルトムントvsアトレティコ・マドリーが日本時間16日28:00にキックオフされる。1週間前に行われた1stレグではアトレティコが圧倒した中、2-1で先勝していた一戦だ。 準優勝した2012-13シーズン以来、11季ぶりのベスト4進出を目指すドルトムントは敵地での1stレグ、終始守勢の展開を強いられた中、守護神コベルの奮闘で2失点に凌いだ。そして終盤のFWアラー弾の一撃で、内容を考えれば御の字の1点差負けでホームに戻ってくることに成功している。そのドルトムントは直近のボルシアMG戦でFWマレンが復帰したが、代わってアトレティコ戦同点弾のアラーが負傷し、再離脱となったのは痛い。 一方、2016-17シーズン以来、7季ぶりのベスト4進出を目指すアトレティコは1stレグ、ハイプレスをかけるアグレッシブな戦いを見せて前半のうちに2点のリードを得ることに成功。守備面もほぼ綻びを見せることなく試合を進めていたが、前述のように一瞬の隙を突かれてアラーにゴールを許した。そのアトレティコは直近のジローナとの上位対決をFWグリーズマンのドブレーテで鮮やかに逆転勝利。良い流れでリターンマッチを迎えている。 <div style="text-align:center;">◆ドルトムント◆ 【4-2-3-1】</div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2024/get20240414_5_tw.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div> ▽予想スタメン GK:コベル DF:リエルソン、フンメルス、シュロッターベック、マートセン MF:ジャン、ザビッツァー MF:サンチョ、ブラント、マレン FW:フュルクルク 負傷者:DFベンセバイニ、FWアラー 出場停止者:なし アラーが直近のボルシアMG戦で足首を負傷し欠場。1stレグではMFエンメチャを起用する[4-3-3]で臨んだもののハマらず、後半から投入されたMFブラントが好パフォーマンスだっただけに普段通りの[4-2-3-1]で行くと見られる。ボルシアMG戦で復帰したマレンはドイツ『キッカー』によるとスタメン予想となっている。 <div style="text-align:center;">◆アトレティコ◆ 【3-5-2】</div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2024/get20240414_5_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div> ▽予想スタメン GK:オブラク DF:ヴィツェル、ヒメネス、エルモソ MF:モリーナ、ジョレンテ、コケ、デ・パウル、アスピリクエタ FW:モラタ、グリーズマン 負傷者:MFレマル、FWデパイ 出場停止者:MFリーノ 攻守両面で存在感を見せるリーノが累積により出場停止となる。代わって左サイドにはアスピリクエタが入り、ジローナ戦で復帰したエルモソが左センターバックに入るとスペイン『アス』は予想している。 ★注目選手 ◆FWドニエル・マレン(ドルトムント) <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2024/get20240414_7_tw.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 3月下旬の代表戦で負傷し、公式戦3試合を欠場していたマレンに注目。ここまでFWフュルクルクと共にチームトップの公式戦13ゴールを挙げている得点源かつチャンスメーカーでもあるドリブラーは、1stレグではゴールシーン以外にチャンスを作れなかったチームにおいてキーマンとなる存在。直近のボルシアMG戦で試運転を終え、逆転突破の懸かる大一番での爆発に期待したい。 ◆FWアルバロ・モラタ(アトレティコ) <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2024/get20240414_7_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 対するアトレティコの注目選手にはモラタを挙げたい。引き分けでも突破となるアトレティコとしては1stレグのようにハイプレスをかける必要はなく、十八番の自陣に引いてロングカウンターを生かしやすい展開に持ち込める。長い距離をドリブルで運べ、フィニッシュに繋げることのできるモラタがアトレティコの準決勝進出のキーマンになりそうだ。 2024.04.16 18:00 Tue

【CL準々決勝プレビュー】元同僚指揮官初対決となるPSGvsバルサの強豪対決

チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝1stレグ、パリ・サンジェルマン(PSG)vsバルセロナが、日本時間10日28:00にパルク・デ・プランスでキックオフされる。元同僚指揮官初対決に注目集まる、パリの巨人とカタルーニャの雄の強豪対決第一ラウンドだ。 PSGは、ドルトムント、ミラン、ニューカッスルと今大会屈指の激戦区となった“死の組”をドルトムントに続いて2位通過。ラウンド16ではレアル・ソシエダを相手にエースFWムバッペの2試合連続ゴールの活躍によって2戦合計4-1のスコアで連勝での8強入りを決めた。 一時混戦に巻き込まれつつあったリーグ・アンでは引き分けこそ目立つものの、ライバルの取りこぼしを尻目に安定して勝ち点を重ねて2位以下に10ポイント差を付けて首位を快走中。1-1のドローに終わった直近のクレルモン戦では守護神ドンナルンマやデンベレ、ヴィティーニャらに完全休養を与え、今回のビッグマッチに向けて万全の準備をしてきた。 一方、バルセロナは組み合わせに恵まれたグループステージを首位通過し、3シーズンぶりの決勝トーナメント進出。ラウンド16では難敵ナポリを相手に敵地での初戦こそ1-1のドローで終えたが、ホームでの2ndレグを3-1で勝利し、2戦合計4-1でベスト8進出を果たした。 連覇を狙うラ・リーガでは直近7勝2分けと復調をみせ、首位のレアル・マドリーと8ポイント差の2位まで順位を上げてきたが、残り試合での逆転は厳しく、CLでのタイトル獲得へより注力したいところだ。前節のラス・パルマス戦をFWハフィーニャのゴールでウノセロと勝ち切ったブラウグラナは、コパ・デル・レイ決勝開催に伴い先週末にリーグ戦が行われなかったため、中10日と休養十分で敵地へ乗り込む形となっている。 両者の通算成績はバルセロナの5勝4分け4敗とほぼ五分の戦績。ただ、直近の2020-21シーズンのCLラウンド16ではPSGが初戦を4-1、第2戦を1-1で終えてベスト8進出を果たしている。 なお、ルイス・エンリケ監督とチャビ監督はバルセロナで選手として同僚、前者が監督を務めた際に後者が選手として指導を受けた関係にあり、今回の指揮官初対決に大きな注目が集まるところだ。 ◆パリ・サンジェルマン◆ 【4-3-3】 ▽予想スタメン <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2023/get20240409_100_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div> GK:ドンナルンマ DF:マルキーニョス、リュカ、ベラウド、ヌーノ・メンデス MF:ザイール=エメリ、ヴィティーニャ、ファビアン・ルイス FW:デンベレ、ムバッペ、バルコラ 負傷者:DFムキエレ、キンペンベ、FWバルコラ 出場停止者:DFハキミ(1/1) 累積警告でハキミが欠場となる。負傷者に関してはクレルモン戦で頭部を負傷したムキエレが欠場となるが、バルコラは全体練習をこなしておりメンバー入りの可能性が高い。 スタメンに関しての注目は本職不在の右サイドバック。マルキーニョスとザイール=エメリの2択となる可能性が高いが、中盤のバランスを考えてマルキーニョスの起用を予想。3トップではムバッペとデンベレの相棒に関してバルコラのぶっつけ本番の起用か、コロ・ムアニ、ゴンサロ・ラモスをセンターフォワードに置く形も想定される。 ◆バルセロナ◆ 【4-3-3】 ▽予想スタメン <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2023/get20240409_100_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div> GK:テア・シュテーゲン DF:クンデ、アラウホ、クバルシ、カンセロ MF:フレンキー・デ・ヨング、クリステンセン、ギュンドアン FW:ラミン・ヤマル、レヴァンドフスキ、ハフィーニャ 負傷者:DFバルデ、MFガビ、ペドリ、フレンキー・デ・ヨング 出場停止者:なし 出場停止者はいない。負傷者に関してはバルデ、ガビの欠場が確定。いずれもメディカルスタッフの許可待ちで遠征メンバーに入ったフレンキー・デ・ヨング、ペドリに関しては前者は復帰の可能性が高いようだ。 スタメンはデ・ヨングの復帰を前提に前述の11名を予想。デ・ヨングが間に合わない場合はフェルミン・ロペスかセルジ・ロベルトが代役を担うことになる。前線ではハフィーニャのところにフェリックス、フェラン・トーレスが入るオプションもある。 ★注目選手 ◆パリ・サンジェルマン:FWウスマーヌ・デンベレ <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2023/get20240409_100_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 古巣初対戦で存在感示せるか。チャビ監督から全幅の信頼を得て昨シーズンのラ・リーガ制覇に貢献したものの、昨夏PSGに電撃移籍して物議を醸したフランス代表FWはこれが古巣初対戦に。個人としてはこの移籍が正しい選択だったと示すために是が非でも勝ち抜けを決めたいところだ。 新天地では公式戦34試合1ゴール13アシストとチャンスメイクの部分で存在感を示しているが、その高額なサラリーや期待値を鑑みれば、物足りないと言わざるを得ない。そのため、クラブにとって悲願のビッグイヤー獲得に向けてここからの戦いでの活躍が求められるところだ。 今回の一戦では相棒ハキミ不在の中で右ウイングでの起用が見込まれるため、守備にやや難がある対面のカンセロを相手にいかにサイドで優位性を保てるかが、チームにとっても勝利を掴む上での重要なポイントとなるはずだ。 ◆バルセロナ:DFロナルド・アラウホ <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2023/get20240409_100_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> ムバッペを止められるか。2戦合計2-5で敗れた前回対戦ではムバッペに合計4ゴールを決められており、その相手のエースを封じ込められるかが、バルセロナの突破のカギを握る。その中で同胞の特徴をよく知る右サイドバックのクンデと共に“エースキラー”として知られるウルグアイ代表DFのパフォーマンスに注目が集まるところだ。 ラ・リーガではムバッペと比較的タイプが近いヴィニシウスを相手にしており、ある程度イメージを掴めている中、できるだけ早い段階でプレーのリズムにアジャストし、周囲と連携しながら抑え込みたい。 来季のレアル・マドリー入りが決定的と見られる中、その前哨戦という意味合いもあるため、持ち味であるタイトなチェックで自由を奪って嫌な印象も与えておきたいところだ。 2024.04.10 18:30 Wed

【CL準々決勝プレビュー】来季のCL出場権争い真っ只中のアトレティコとドルトムントが激突

チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝1stレグ、アトレティコ・マドリーvsドルトムントが日本時間10日28:00にキックオフされる。共に国内リーグでは来季のCL出場権争い真っ只中での大一番となった。 ラウンド16でインテルとの死闘の末、PK戦で勝ち上がり2季ぶりのベスト8進出としたアトレティコは、ラ・リーガでは4位に位置。5位アスレティック・ビルバオとは2ポイント差と熾烈なCL出場権争いが続いている。コパ・デル・レイ決勝があったため、中9日空いての試合でコンディションは万全で臨める。 一方、ラウンド16でPSVをホームでの2ndレグで勝利し、3季ぶりにベスト8進出としたドルトムントは、直近のシュツットガルトとの上位対決では0-1のシャットアウト負けを喫し、公式戦6試合ぶりの敗戦となった。こちらはライプツィヒに得失点差でかわされ、CL圏外の5位に後退。中4日、タフな試合を戦ったこともありコンディション面では不利と言えそうだ。 両チームは過去に4度対戦。2勝2敗の五分となっている。直近では2018-19シーズンのCLグループステージで対戦し、1勝1敗となっていた。 <div style="text-align:center;">◆アトレティコ◆ 【3-5-2】</div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2024/get20240409_2_tw.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div> ▽予想スタメン GK:オブラク DF:ヒメネス、ヴィツェル、アスピリクエタ MF:モリーナ、ジョレンテ、コケ、デ・パウル、リーノ FW:モラタ、グリーズマン 負傷者:MFレマル、FWデパイ 出場停止者:なし 6日のトレーニング中に筋肉を負傷したデパイが欠場となる。一方で前日練習を消化したエルモソがベンチ入りできる見込み。モリーナではなくバリオスが起用された場合、右MFにジョレンテが回る可能性がある。 <div style="text-align:center;">◆ドルトムント◆ 【4-2-3-1】</div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2024/get20240409_2_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div> ▽予想スタメン GK:コベル DF:リエルソン、フンメルス、シュロッターベック、マートセン MF:ジャン、ザビッツァー MF:サンチョ、ブラント、アデイェミ FW:フュルクルク 負傷者:DFベンセバイニ、FWマレン 出場停止者:なし 代表ウィーク中に負傷したマレンとベンセバイニが引き続き欠場する。直近のシュツットガルト戦のスタメンがベースとなりそうだ。 ★注目選手 ◆DFアクセル・ヴィツェル(アトレティコ) <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2024/get20240409_3_tw.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> アトレティコの注目選手には古巣対決となるヴィツェルを挙げたい。2018~2022年にかけてドルトムントに在籍し、4年間に渡って主力としてプレーしたヴィツェル。ボランチを主戦場にしていた35歳のベテランはアトレティコではリベロに下がり、新境地を切り開いている。古巣との初対戦でもリベロでの起用が想定される中、前日会見に臨んだヴィツェルは「ドルトムントにはスピードのある選手が多く居て違いを生み出すことができる」と警戒した。ディフェンスラインを統率するヴィツェルが対人に優れた両脇のヒメネスとアスピリクエタをうまく使ってドルトムントのストロングポイントであるウインガーのサンチョとアデイェミをいかに抑えるかに注目だ。 ◆DFマッツ・フンメルス(ドルトムント) <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2024/get20240409_3_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 対するドルトムントの注目選手にはフンメルスを挙げたい。ヴィツェルと同い年の35歳はバイエルンとのデア・クラシカーで秀逸のパフォーマンスを披露。衰えを隠せずにいたここ数シーズンのフンメルスだったが、ビッグマッチで全盛期を彷彿とさせるプレーを見せ付けた。アトレティコにはグリーズマンとモラタの強力2トップが構えており、一瞬の隙でも与えてしまえば失点に繋がりかねない状況に陥る。デア・クラシカーでのプレーを再現し、ドルトムントを先勝に導けるかに注目だ。 2024.04.10 18:00 Wed
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