【平成史に残るレジェンドチーム50選】vol.17“ダブルクラウン・FCハリウッド”ブンデスリーガ3連覇/バイエルン[2000-2001]
2019.04.11 22:00 Thu
1989年1月8日に日本で始まった「平成」。日本では31年にわたって使用されてきたが、2019年4月30日をもってその時代が終わりを告げる。
日本サッカーにおいても激動の時代であった「平成」だが、目をヨーロッパに向け、同じ時代で印象に残ったレジェンドチームを超ワールドサッカー編集部が選出。記憶や記録に残る50チームを紹介していく。
当時のバイエルンを指揮していたのは、オットマール・ヒッツフェルト。1990年代前半、低迷していたドルトムントを立て直すと、2度のリーグ優勝やCL制覇に導くなど、見事な手腕を発揮していたヒッツフェルトをバイエルンが1998年に招聘した。すると、ヒッツフェルトはバイエルンでも初年度からリーグ優勝を達成する。そして、自身の体制となって3年が経過した2000-01シーズンには、“FCハリウッド”(国外の有名選手が多く在籍していたため)と称されるメンバーにも恵まれて、高い完成度を誇るチームを形成。見事にブンデスリーガ&CL制覇のダブルクラウンを達成した。
とはいえ、ダブルクラウンの栄光は、苦しみぬいた末に手にした。このシーズンのブンデスリーガは、首位のバイエルンと2位のシャルケが最終節を前に勝ち点3差という接戦。得失点差で不利だったバイエルンは、敗れれば逆転される状況だった。迎えた最終節、バイエルンよりも先に試合を終えたシャルケは勝利。一方のバイエルンは、ハンブルガーSVを相手に1点のビハインドのままアディショナルタイムを迎えた。この時点で、多くの人がシャルケの逆転優勝を確信していた。しかし、バイエルンは試合終了間際にボックス内で与えられた間接FKをパトリック・アンデションが決めて同点に追いつく。起死回生の一撃で、バイエルンがブンデスリーガ3度目となる3連覇を達成した。
3連覇の余韻さめやらぬ1週間後、今度はCL決勝でバレンシアと対戦したバイエルン。当時のバレンシアは2年連続で決勝進出。前シーズンはレアル・マドリーを前に涙を呑んでいたバレンシアは、このシーズンこそはと意気込んでいた。対して、バイエルンもCLへの思いは強かった。準々決勝では、1999年の決勝でアディショナルタイムに2点を取られて敗れた因縁のマンチェスター・ユナイテッドを撃破していた。迎えた決勝は、バレンシアのメンディエタとバイエルンのエッフェンベルグという両チームの主将がそれぞれPKでゴール。1-1で90分を終えて迎えた延長戦でも決着は付かず、PK戦へ突入する。最後は、バイエルンの守護神・カーンがペジェグリーノのPKをストップして栄冠をもたらした。
当時、世界最高のGKと評価されていたカーンがゴールマウスを守り、守備陣には身体能力の高いクフォーと万能型のリンケ、統率力のあるアンデションが並んだ。ウイングバック、サイドバックには、フランス代表コンビのサニョールとリザラズが在籍。ディフェンスラインは質、量ともに非常にバランスの取れた陣容だった。
そして、最前線には不動のエースストライカーだったエウベルが君臨。また、2トップの際にはヤンカーとツィークラーという高さが売りのポストプレイヤーを起用することが多かった。
FWエウベル(28)
ブラジル人のエウベルは、高さ、強さ、スピード、決定力を高いレベルで兼ね備える万能型ストライカー。ブンデスリーガでは133得点を記録しており、クラウディオ・ピサーロに抜かれるまで外国人最多得点記録を保持していた。このシーズンは公式戦44試合に出場し、22ゴールを記録。チーム内得点王に輝き、ダブルクラウンに多大な貢献を果たした。
日本サッカーにおいても激動の時代であった「平成」だが、目をヨーロッパに向け、同じ時代で印象に残ったレジェンドチームを超ワールドサッカー編集部が選出。記憶や記録に残る50チームを紹介していく。
vol.17
2000-01シーズン/バイエルン
〜ダブルクラウン・FCハリウッド〜
(C)CWS Brians,LTD.
監督:オットマール・ヒッツフェルト(51)
獲得タイトル:CL、ブンデスリーガ
攻撃力7:★★★★★★★☆☆☆
守備力8:★★★★★★★★☆☆
タレント8:★★★★★★★★☆☆
連係9:★★★★★★★★★☆
選手層9:★★★★★★★★★☆
劇的なブンデスリーガ3連覇
当時のバイエルンを指揮していたのは、オットマール・ヒッツフェルト。1990年代前半、低迷していたドルトムントを立て直すと、2度のリーグ優勝やCL制覇に導くなど、見事な手腕を発揮していたヒッツフェルトをバイエルンが1998年に招聘した。すると、ヒッツフェルトはバイエルンでも初年度からリーグ優勝を達成する。そして、自身の体制となって3年が経過した2000-01シーズンには、“FCハリウッド”(国外の有名選手が多く在籍していたため)と称されるメンバーにも恵まれて、高い完成度を誇るチームを形成。見事にブンデスリーガ&CL制覇のダブルクラウンを達成した。
3連覇の余韻さめやらぬ1週間後、今度はCL決勝でバレンシアと対戦したバイエルン。当時のバレンシアは2年連続で決勝進出。前シーズンはレアル・マドリーを前に涙を呑んでいたバレンシアは、このシーズンこそはと意気込んでいた。対して、バイエルンもCLへの思いは強かった。準々決勝では、1999年の決勝でアディショナルタイムに2点を取られて敗れた因縁のマンチェスター・ユナイテッドを撃破していた。迎えた決勝は、バレンシアのメンディエタとバイエルンのエッフェンベルグという両チームの主将がそれぞれPKでゴール。1-1で90分を終えて迎えた延長戦でも決着は付かず、PK戦へ突入する。最後は、バイエルンの守護神・カーンがペジェグリーノのPKをストップして栄冠をもたらした。
厚い選手層
当時、世界最高のGKと評価されていたカーンがゴールマウスを守り、守備陣には身体能力の高いクフォーと万能型のリンケ、統率力のあるアンデションが並んだ。ウイングバック、サイドバックには、フランス代表コンビのサニョールとリザラズが在籍。ディフェンスラインは質、量ともに非常にバランスの取れた陣容だった。
セントラルMFも層が厚く、精度の高いパス出しを見せるセントラルMFのエッフェンベルグや豊富な運動量でチームに貢献するイェレミース、若かりし頃のハーグリーブス、ユーティリティ性あるフィンクらがローテーションしながらプレー。攻撃的MFも、突破力のあるサリハミジッチやテクニックに優れるショル、アップダウンと強烈なキックが持ち味のタルナトなど、多士済々だった。
そして、最前線には不動のエースストライカーだったエウベルが君臨。また、2トップの際にはヤンカーとツィークラーという高さが売りのポストプレイヤーを起用することが多かった。
ピックアップ・プレイヤー
FWエウベル(28)
ブラジル人のエウベルは、高さ、強さ、スピード、決定力を高いレベルで兼ね備える万能型ストライカー。ブンデスリーガでは133得点を記録しており、クラウディオ・ピサーロに抜かれるまで外国人最多得点記録を保持していた。このシーズンは公式戦44試合に出場し、22ゴールを記録。チーム内得点王に輝き、ダブルクラウンに多大な貢献を果たした。
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