【平成史に残るレジェンドチーム50選】vol.13“オランダ色に染まった100周年”批判高まる中で連覇/バルセロナ[1998-99]
2019.04.09 22:00 Tue
1989年1月8日に日本で始まった「平成」。日本では31年にわたって使用されてきたが、2019年4月30日をもってその時代が終わりを告げる。
日本サッカーにおいても激動の時代であった「平成」だが、目をヨーロッパに向け、同じ時代で印象に残ったレジェンドチームを超ワールドサッカー編集部が選出。記憶や記録に残る50チームを紹介していく。
当時のバルセロナは、アヤックスから招へいしたオランダ人指揮官のファン・ハール体制2年目。前年の1997-98シーズンは、リーガエスパニョーラで優勝こそ果たしたものの、不安定な内容が目立っていた。そのため、バルセロナサポーターの多くが、当時の会長であるヌニェス氏とファン・ハールへの不支持を表明。スタジアムの観客席には、白いハンカチを振るサポーターの姿が目立った。
迎えた1998-99シーズンは、バルセロナにとってクラブ創設100周年という記念すべきシーズンだった。しかし、バルセロナはクラブ創設100周年記念式典が行われる1998年11月29日のマジョルカ戦を落とすと、そこから泥沼の4連敗。最悪の状況となると、ファン・ハールの解任を求める声は最高潮に。しかし、その後バルセロナは、ファン・ハールがトップチームデビューさせたチャビの台頭などもあって、徐々に巻き返していく。そして結局、後半戦の19試合で15勝3分1敗という素晴らしい成績を残したバルセロナは、リーガエスパニョーラ連覇を達成した。
一方、決勝戦がカンプ・ノウで開催されたチャンピオンズリーグでは、グループステージ敗退という憂き目に遭った。バルセロナは運悪くグループステージで、後の決勝を戦うマンチェスター・ユナイテッド&バイエルンと同居。強豪を前に早々に敗退し、100周年記念のシーズンをビッグイヤー獲得で祝うことはできなかった。
当時のチームは、デ・ブール兄弟やコクー、クライファート、ゼンデン、ライツィハーなど、ファン・ハールが連れて来たオランダ人選手が多く在籍していた。中盤では、アンカーのグアルディオラが圧倒的な展開力と戦術理解能力でチームをオーガナイズ。GK以外ならどこのポジションでも高いレベルでこなすことができる“世界屈指の万能選手”コクーはバランサー、闘争心溢れるプレーが持ち味のルイス・エンリケが主に攻撃的MFとしてプレーした。
FWリバウド(26)
セレソンの10番を背負ったアタッカー。パスを出しても良し、ゴールを狙っても良しの“ゴールを奪えるクラック”だった。左足のパンチ力と精度は抜群で、素晴らしいFKも装備。このシーズンはリーグ戦37試合に出場して24ゴールを挙げる活躍を披露した。1999年にはバロンドール&FIFA年間最優秀選手賞をダブル受賞する快挙を達成している。
日本サッカーにおいても激動の時代であった「平成」だが、目をヨーロッパに向け、同じ時代で印象に残ったレジェンドチームを超ワールドサッカー編集部が選出。記憶や記録に残る50チームを紹介していく。
vol.13
1998-99シーズン/バルセロナ
〜オランダ色に染まった100周年〜
(C)CWS Brians,LTD.
監督:ルイス・ファン・ハール(46)
獲得タイトル: リーガエスパニョーラ
攻撃力9:★★★★★★★★★☆
守備力7:★★★★★★★☆☆☆
タレント8:★★★★★★★★☆☆
連係7:★★★★★★★☆☆☆
選手層7:★★★★★★★☆☆☆
批判高まる中で連覇
当時のバルセロナは、アヤックスから招へいしたオランダ人指揮官のファン・ハール体制2年目。前年の1997-98シーズンは、リーガエスパニョーラで優勝こそ果たしたものの、不安定な内容が目立っていた。そのため、バルセロナサポーターの多くが、当時の会長であるヌニェス氏とファン・ハールへの不支持を表明。スタジアムの観客席には、白いハンカチを振るサポーターの姿が目立った。
一方、決勝戦がカンプ・ノウで開催されたチャンピオンズリーグでは、グループステージ敗退という憂き目に遭った。バルセロナは運悪くグループステージで、後の決勝を戦うマンチェスター・ユナイテッド&バイエルンと同居。強豪を前に早々に敗退し、100周年記念のシーズンをビッグイヤー獲得で祝うことはできなかった。
タレントを活かした個人技が主体
当時のチームは、デ・ブール兄弟やコクー、クライファート、ゼンデン、ライツィハーなど、ファン・ハールが連れて来たオランダ人選手が多く在籍していた。中盤では、アンカーのグアルディオラが圧倒的な展開力と戦術理解能力でチームをオーガナイズ。GK以外ならどこのポジションでも高いレベルでこなすことができる“世界屈指の万能選手”コクーはバランサー、闘争心溢れるプレーが持ち味のルイス・エンリケが主に攻撃的MFとしてプレーした。
そして、ウイングのフィーゴ、リバウドの突破力を活かした攻撃は、破壊力抜群だった。両者共に懐の深いドリブルと精度の高いシュートで、一人で決定機を演出することも多かった。守備陣では、フィード能力の高いフランク・デ・ブールと対人プレーに強いアベラルドがセンターバック。また、両サイドバックのセルジとライツィハーは果敢な攻撃参加が持ち味で、積極的にオーバーラップを仕掛けていた。
ピックアップ・プレイヤー
FWリバウド(26)
セレソンの10番を背負ったアタッカー。パスを出しても良し、ゴールを狙っても良しの“ゴールを奪えるクラック”だった。左足のパンチ力と精度は抜群で、素晴らしいFKも装備。このシーズンはリーグ戦37試合に出場して24ゴールを挙げる活躍を披露した。1999年にはバロンドール&FIFA年間最優秀選手賞をダブル受賞する快挙を達成している。
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