【日本代表プレビュー】変幻自在のカタールに「総合力」で勝ち切り5度目のアジア制覇へ《AFCアジアカップ2019》2019.02.01 12:15 Fri

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日本代表は1日(金)、UAEで行われているアジアカップ2019の決勝でカタール代表戦と対戦する。

2大会ぶり5度目のアジア王者を目指す日本と、初優勝を目指すカタールの一戦。これまでの対戦成績は2勝4分け2敗の五分。ともに全勝で6試合を勝ち上がって来ている。

◆変幻自在のカタール
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前述の通り、グループステージからの6試合全てで勝利を収めて決勝までに勝ち上がって来たカタール。さらに、この6試合では16得点無失点と圧倒的な数字を残している。

カタールの特長は、相手に対して様々なシステムを使い分ける変幻自在の戦い方だ。基本システムは[4-3-3]だが、守備時は[4-4-2]を採用する場合もある。また、グループステージのサウジアラビア代表戦や準々決勝の韓国代表戦では[3-5-2]をベースに、守備時は[5-3-2]に変更するなど、相手に合わせてシステムを変えて勝ち上がって来た。

準決勝のUAE代表戦は[4-2-3-1]から[4-3-3]に変更。2点リードして迎えた後半は、[5-3-2]に変更してブロックを作りながらも、しっかりと前線からプレスをかける守備を見せており、その結果カウンターから2点を追加し勝利した。試合中にもシステム変更する辺りは、チームとしての完成度の高さを窺わせる。

◆大会最多8ゴールのエース
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注目は22歳のエースFWアルモエズ・アリ(アル・ドゥハイル)だ。今大会はグループステージの北朝鮮代表戦で4ゴールを記録するなど、3試合で7ゴールを記録。決勝トーナメントに入ってからはゴールから遠ざかっていたが、準決勝のUAE代表戦では美しい追加点を記録していた。

元イラン代表のアリ・ダエイ氏が持つ大会記録に並んだアルモエズ・アリは、スピードに長けたストライカー。スーダンにルーツを持ち、カウンター時にはそのスピードとシュート能力が最大限に生きるだろう。

また、左ウイングのFWアクラム・ハッサン・アフィフはビジャレアルに所属し、現在はレンタル移籍でアル・サッドでプレーする逸材。10番をつけるFWハサン・アル・ハイドスとはアル・サッドでチームメイトであり、アルモエズ・アリとのトリオは日本の脅威になるだろう。
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さらに、指揮を執るスペイン人指揮官のフェリックス・サンチェス監督はバルセロナの育成組織を指導した経験もある若手監督。カタール代表とU-23カタール代表の監督を2017年7月から兼任しており、その前にはアンダー世代のカタール代表監督を務めていたため、現在の主力選手との付き合いも長い。

チームとしての完成度の高さは前述の通り、今大会の結果にも現れている。日本と近しいチーム作りをしているだけに、決勝へ駒を進めたのもサプライズではない。

◆積み上げたものを出すとき
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1点差で勝ち上がってきた日本代表は、準決勝のイラン代表との大一番で3-0と快勝。大会中に浮き彫りとなった課題の回収もしっかりとできた一戦となった。

森保一監督は前日会見で「これまでやってきたことを決勝戦の舞台で思い切り出してほしいなと思います」とコメント。これまでの6試合で積み上げて来たもの、そしてチーム一丸となって試合に向けて準備して来たものを、決勝でも出すだけだという力強さを感じるコメントだ。

FW大迫勇也(ブレーメン)が復帰したことでピッチ内に流れが生まれ、選手たちが躍動した準決勝。後方では、成長著しいDF冨安健洋(シント=トロイデン)とDF吉田麻也(サウサンプトン)がしっかりと守備を構築している。チームとしての完成形が見えつつある中での決勝では、しっかりと勝利を収めたい。

カタールに対しては「非常に力のあるチーム」と森保監督は語ったが「常に相手がどこであろうと考え方は同じで、相手に敬意を払い、相手のことを知って、我々が持てる力をカタール戦でもすべて出す」と、自分たちのスタイルを変えることはないと宣言した。

これまでの戦いで見えた不安や課題は、様々な形で払拭されて来ている。決勝ではその集大成を見せ、タイトル獲得という形で見せてもらいたい。

★予想フォーメーション[4-2-3-1]
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◆日本代表
GK:権田修一
DF:酒井宏樹、冨安健洋、吉田麻也、長友佑都
MF:柴崎岳、塩谷司
MF:堂安律、南野拓実、原口元気
FW:大迫勇也
5度目のアジア制覇に向けては準決勝から負傷で起用できないMF遠藤航(シント=トロイデン)の1名が変更となると予想する。

GKはこれまで5試合でゴールを守って来た権田修一(サガン鳥栖)と予想。イラン戦でも立ち上がりにミスがあり、不安定さは拭い切れていないものの、5試合のうち3試合が無失点と結果も残している。日本代表の正守護神になるため、所属先がポルティモネンセに変わって最初のゲームでも無失点を期待したい。

最終ラインも同様だ。DF酒井宏樹(マルセイユ)、DF冨安健洋(シント=トロイデン)、DF吉田麻也(サウサンプトン)、DF長友佑都(ガラタサライ)が並ぶだろう。センターバックで安定感を見せている冨安、吉田のコンビは、高さ、強さではなく、速さへの対応が求められるだろう。酒井、長友のカバーリングもイラン戦は冴えていただけに、慣れ親しんだ4名での強固な守備に期待したい。

ボランチはコンディションとパフォーマンスを上げて来たMF柴崎岳(ヘタフェ)が先発。そして、遠藤の代わりにはMF塩谷司(アル・アイン)が入るだろう。追加招集として今大会に臨んだ塩谷だが、ウズベキスタン戦での豪快なミドルに始まり、その後はクローザーとして中盤に安定感をもたらせる活躍を見せていた。現地UAEでプレーしていることもあり、塩谷のファンも多い環境。決勝でのキーマンともなり得るだろう。

2列目もMF堂安律(フローニンヘン)、MF南野拓実(ザルツブルク)、MF原口元気(ハノーファー)が並ぶだろう。1トップに大迫が入ることで、2列目の3人に流動性が生まれ、裏への飛び出しやポジションチェンジ、ダイレクトプレーなど攻撃の幅が広がった。

カタールの守備は、ダイレクトプレーなどには強さがなく、個人でのミスも散見される。しっかりとポイントを突いた攻撃ができれば、イラン戦同様に無失点の壁を打ち破ることができるだろう。

◆「総合力」を発揮し集大成でタイトルを

「日本代表のチームとして優勝を掴み取りたい、勝ち取ってトロフィーを掲げたいという気持ちはあります」

森保監督は前日会見で語った。その一方で「個人としてその優勝がどうこうということにはあまり関心はありません」とも口にしている。

優勝には興味がないということではなく、準備して来たことを試合でしっかりと出すことが優勝に繋がるため、その準備と試合中のマネジメントに比重を置いているということだろう。

この大会でのチームの成長と、課題の克服、難しい試合を勝ち切って来たことによる自信を掴んだ日本。就任後、国内の試合で掴んだ良い流れとはまた違う流れを、この大会で掴み、タイトルが目前に迫っている。

吉田麻也も「ここで結果を出せるかどうかでスポーツとしての人気もそうですけど、成長にも大きく懸かってくると思います」とコメントしている。このタイトルを掴み切ることで、見えてくるものもあるはずだ。

残すは1試合。8年ぶりのアジア制覇なるか。カタール代表との決勝は、1日(金)の23時にキックオフを迎える。
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【平成サッカー30年の軌跡】 平成15年/2003年 リーグでの変化と代表が迎えた過渡期

新元号が「令和(れいわ)」に決定し、2019年4月30日をもって幕を閉じる「平成」。日本サッカーにとって、「平成」という時代は大きな変革を遂げた30年間となりました。Jリーグ設立、ドーハの悲劇、日韓W杯招致…。激動の30年を平成の出来事と共に振り返ってみましょう。 <span style="font-weight:800;font-size:1.1em;">世の中の流れ</span> <div style="text-align:center;" class="yui-wk-div"><img class="yui-img" src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/heisei0415.jpg" alt="" width="100%"></div> 2003年、イラク戦争が勃発した。大規模な戦闘は短かったものの、中東情勢はその後泥沼化していった。 <span style="font-weight:700;font-size:1.0em;">■泥沼化していく中東情勢</span> 平成15年(2003年)を代表する出来事と言えば、その後の世界に大きな影響影響を与えたイラク戦争の勃発です。3月に、大量破壊兵器の保持をめぐって、アメリカ・イギリスによるイラク侵攻作戦が開始。イラク軍との戦闘が開始されます。大規模な戦闘はわずか2カ月ほどで終わり、12月にはサダム・フセイン元大統領を米軍が拘束に成功しました。しかし、大量破壊兵器の発見には至らず、それどころかイラク国内の治安が悪化したことで戦闘は長期化。イラク戦争は泥沼化していきます。 一方、ちょうどイラク戦争が勃発した3月頃から、中国で新型肺炎SARS(サーズ)が大流行。7月に終息宣言が出されるまでに32カ国で700人以上が死亡するなど、世界中を震撼させるパンデミックとなりました。 日本では大相撲で横綱の世代交代が起こります。平成の大横綱として、絶大な人気を誇った貴乃花と武蔵丸が引退。代わって朝青龍が横綱に昇進し、モンゴル人初の横綱となります。この朝青龍を皮切りに大相撲では、しばらくモンゴル人横綱の時代が続くことになります。また、プロ野球では、故星野仙一監督が率いる阪神タイガースが18年ぶりのリーグ優勝を果たし、大きな話題を呼びました。 <div class="web-only" style="display:none;text-align:center;font-weight:800;font-size:1.0em;"> <a href="/index/index/c/FREE/id/heisei_lookback" target="_blank">【特集】“平成”で起きた出来事覚えてる?『平成サッカー30年の軌跡』を辿ろう!</a> </div> <span style="font-weight:800;font-size:1.1em;">サッカー界</span> <div style="text-align:center;" class="yui-wk-div"><img class="yui-img" src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/heisei041501.jpg" alt="" width="100%"></div> Jリーグでは、鹿島・磐田の2強を横浜FMが、最終節での奇跡の大逆転で破った。 <span style="font-weight:700;font-size:1.0em;">■2強時代の終わりを告げた、横浜F・マリノス”奇跡”のリーグ完全優勝</span> 2003年までのJリーグは鹿島アントラーズとジュビロ磐田の2強が続いていました。というのも、Jリーグ開幕の4シーズン目、1996年から7年間に渡って、鹿島アントラーズ(1996,1998,2000,2001)とジュビロ磐田(1997,1999,2002)がリーグ年間優勝の座を奪い合っており、その他のチームが年間優勝から遠ざかっていたからです。 迎えた2003年シーズン、1998年フランスW杯で日本代表を率いた岡田武史氏を監督に迎えた横浜F・マリノスが1stステージを優勝します。しかし、2ndステージでは鹿島、磐田の2強がやはり力を見せ、横浜FMはリーグ最終戦の時点で、首位磐田に勝ち点3差、2位鹿島に勝ち点1差、4位のジェフユナイテッド千葉と同勝ち点の3位でした。 横浜FMの最終戦の相手は首位の磐田。横浜FMが優勝する為には、①横浜FMが磐田に勝利、②鹿島が敗戦、③市原に得失点差、総得点で上回れないという3つの条件が必要であり、2ndステージを優勝しての完全優勝というのは、ほぼ不可能と見られていました。 そんな中、横浜FM vs磐田の試合が始まります。すると、開始2分でグラウのゴールが決まりあっさり磐田が先制。さらに、15分には横浜FMのGK榎本哲也が不要な暴力行為で退場し、10対11の数的不利な状況に追い込まれます。 その頃鹿島は、2-0で浦和相手にリードしており、横浜FMの完全優勝の夢は非常に厳しい状況にたたされていました。前半を終わり、首位磐田、2位に鹿島、3位には市原が入り、横浜FMは4位にまで転落していたました。 しかし、横浜FMは後半5分にセットプレーからマルキーニョスが決めて同点に追いつくと、後半ロストタイム、なんと久保竜彦がルーズボールを押し込み、1点ビハインドかつ、数的不利という絶望的な状況から逆転勝利を収めました。 一方、鹿島も後半に入ってから浦和に1失点を許し、後半ロスタイムへ。すると、エメルソンが土壇場でゴールを決め2-2の同点に。まさかの引き分けに終わり、市原も0-2で終了したものの得失点差で追いつけず、横浜FMが首位に立ちました。 なお、2位に市原、3位に磐田、4位に鹿島という最終結果となり、横浜FM、市原、磐田の3チームは勝ち点で並び、得失点差での順位決定となりました。横浜FMは“奇跡”の大逆転リーグ完全優勝を決めたのでした。 前述の通り、それまで7年間に渡り、鹿島と磐田がリーグ優勝をほしいままにしていましたが、2003年のこの横浜FMや後の日本代表監督となるイビチャ・オシム率いる市原など、Jリーグで2強以外のチームが台頭し始める事になります。 <span style="font-weight:700;font-size:1.0em;">■過渡期にあった日本代表</span> <div style="text-align:center;" class="yui-wk-div"><img class="yui-img" src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/heiseitop0415pc.jpg" alt="" width="100%"></div> ジーコ体制になって初めて挑むコンフェデ杯では思うような結果が出なかった。 その頃、ジーコの下で個性を強調したサッカーへの転換を進めていた日本代表は、アジア王者としてコンフェデレーションズカップに出場します。結果は1勝2敗で予選リーグ敗退。「組織」から「個人」への移行はスムーズには進められていませんでした。 また、このコンフェデレーションズカップでは後の大会に影響を及ぼす悲劇が起きました。準々決勝でコロンビアと対戦していた、アフリカ王者カメルーンのマルク=ヴィヴィアン・フォエ選手が試合中に心臓発作で倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまったのです。この悲劇をきっかけにFIFAが大会自体の方針を変更。コンフェデレーションズカップは現在のように4年に1度の開催になり、各国リーグ戦との日程を無視した超過密日程の見直しが行われました。 <div style="text-align:center;" class="yui-wk-div"><img class="yui-img" src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/heisei041502.jpg" alt="" width="100%"></div> 2019.04.15 21:00 Mon
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FW宮代大聖、海外へのアピールポイントは「ゴール前での落ち着きやシュートの精度」

U-20日本代表候補メンバーが集まるトレーニングキャンプが、14日から千葉県内でスタートした。 5月下旬に開幕するU-20ワールドカップ(W杯)に向けて、メンバー発表前の最後のトレーニングキャンプとなる今回。初日の14日には、8名でスタートした。 約2時間にわたるトレーニングの後、U-20日本代表のFW宮代大聖(川崎フロンターレ)が囲み取材に応対。チームや自身のストロングポイントを語った。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆FW宮代大聖</span>(川崎フロンターレ) <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">──トレーニングキャンプ初日を振り返って</span> 「良い集中力、良い雰囲気の中でトレーニングできていると思います。今日1日で強度というのは凄く良いものだったのかなと思います」 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">──トレーニング初日にしてはハードだったように見えましたが</span> 「ハードというか、メニューのなかでみんなが意識高くやれていたので、ハードに見えたのもあると思います。その点はこのチームの良さなのかなと思います」 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">──この3日間の個人としてのテーマは</span> 「個人としてはこの合宿が最後のアピールの場でもありますし、しっかりとメンバーに入りたいというのもあります。個人としても結果を求めてやっていきたいです」 「チームとしては少ない日程ですが、その中で戦術面だったりの細かい部分を積み上げたいと思います」 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">──Jリーグ開幕からチームでもトレーニングなどをしていると思うが、コンディション面は</span> 「チームでは出場機会に恵まれていないですが、1日1日の練習を大事にしています。そういう部分では、コンディションも良い状態で来ています。結果にこだわりたいです」 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">──W杯だとU-17W杯がありました。あのイングランドに敗れた試合から成長した部分は</span> 「ゴール前での落ち着きやシュートの精度というのは、あの試合、W杯を経験して、世界というのはシュート範囲も広いと感じました。そういった部分はこの1年、2年で、自分としては努力して積み上げられた部分かなと思います。そういった部分も試合で活かしていけたらなと思います」 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">──カテゴリーは違いますが、同じような雰囲気の中でW杯でプレーできる楽しみはあるか</span> 「U-17を経験して、あの舞台で試合をできたことは個人としては成長に繋がったと思います。イングランドに負けて悔しい思いをしているので、その借りを返したいという思いもあります。舞台に立つ立たないで、選手としての成長角度は全然違うと思うので、まずはしっかりアピールして、U-20のワールドカップで借りを返せるようにしたいと思います」 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">──海外クラブの注目度も高い大会になりますが、一番アピールしたい部分は</span> 「先ほども言った通り、ゴール前の落ち着きと精度は積み上げたものがあります。ボールを納めるところも、体の大きな相手に対して奪われない自信もあります。そういった部分を見せられたらと思います」 2019.04.15 15:40 Mon
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