4強に導きし堂安律、イラン戦で欧州若手10傑の実力を/編集部コラム
2019.01.27 18:00 Sun
日本代表(FIFAランキング50位)は24日、AFCアジアカップ2019準々決勝でベトナム代表(同100位)を1-0で退け、ベスト4に勝ち上がった。日本代表の準決勝進出は4度目の優勝を飾った2011年大会以来2大会ぶりとなる。
そのベトナム戦の内容は塩試合だった。ただ、負ければ何も残らないノックアウトステージで何より重要な結果を残せた点は、森保カラーの刷り込み段階にある日本代表にとって、今後の発展に意味を持つものになったに違いない。
そのベトナム戦、輝いた選手の1人が東京五輪世代でA代表の主軸に定着しつつある堂安律だった。正直、期待値を考慮すれば、総評はまずまず。だが、一発勝負の戦いの中で、チームを救った部分は真エースの座を狙う本人にとっても価値があった。
こう着状態の53分、ボックス右のスペースで原口元気のスルーパスを受けた堂安はドリブルを仕掛けると、相手の足に左足を取られて転倒。堂安はすかさずUAE人主審にアピールを試みたが、ノーファウルの判定でプレーが続いた。
今大会自身2得点目。日本代表の「次期エースに!」との期待が集まる男としては物足りない数字だ。それは本人も承知済み。堂安は試合前夜、師事を仰ぐ代表の大先輩である長友佑都に“プレッシャー”をかけてもらっていた。
長友はベトナム戦後に自身のインスタグラムに動画をアップ。長友の「得点を決められなければ坊主」という制裁条件に対して、「了解です。PK絶対取ります。チームが勝って、僕が得点します」と宣言する堂安の姿があった。
次の準決勝で迎え撃つ相手はFIFAランキングでもアジア最高位(29位)のイラン代表。守備タスクが重なったサウジアラビア代表戦に近い展開になる可能性が高く、ベトナム代表戦ほどボールの主導権を握れないかもしれない。
そうした展開が実際にピッチ上に描かれたとなれば、堂安の突破口としての働きは日本代表の決勝進出をも左右するぐらい重要度が増してくる。アジアの頂点まであと2試合。日本代表の次期エース候補として日本代表を引っ張ってほしい。
また、将来のビッグクラブ行きを夢見る堂安だが、今大会のここまで“若手版バロンドール”コパ・トロフィー候補10名に選ばれた実力を披露できているとは言い難い。そういう部分でも、28日のイラン代表戦はさらなる活躍に期待がかかる。
《超ワールドサッカー編集部・玉田裕太》
そのベトナム戦の内容は塩試合だった。ただ、負ければ何も残らないノックアウトステージで何より重要な結果を残せた点は、森保カラーの刷り込み段階にある日本代表にとって、今後の発展に意味を持つものになったに違いない。
こう着状態の53分、ボックス右のスペースで原口元気のスルーパスを受けた堂安はドリブルを仕掛けると、相手の足に左足を取られて転倒。堂安はすかさずUAE人主審にアピールを試みたが、ノーファウルの判定でプレーが続いた。
Getty Images
だが、その場面から約2分が経過しようとした55分、会場の大型モニターでVAR検証がアナウンスされ、日本代表にPKのチャンス。まさに棚からぼた餅のような形だったが、堂安の貪欲なゴールに向かう姿勢が口火となり、先制機に繋がった。日本代表のPK獲得が宣告されるやいなや、堂安は自らボールを持って、ペナルティスポットへ。その場面を試合後に「自信満々で蹴った」と振り返った堂安の左足シュートはゴール右下に決まり、日本代表に漂った重苦しい展開を吹き飛ばした。
今大会自身2得点目。日本代表の「次期エースに!」との期待が集まる男としては物足りない数字だ。それは本人も承知済み。堂安は試合前夜、師事を仰ぐ代表の大先輩である長友佑都に“プレッシャー”をかけてもらっていた。
長友はベトナム戦後に自身のインスタグラムに動画をアップ。長友の「得点を決められなければ坊主」という制裁条件に対して、「了解です。PK絶対取ります。チームが勝って、僕が得点します」と宣言する堂安の姿があった。
Getty Images
それこそが度々、強心臓ぶりがフォーカスされる堂安の真骨頂だろう。大きなプレッシャーが力となり、乗り越えた先に成長がある。その姿勢はなかなかトップチームに絡めずにいた頃のガンバ大阪U-23時代から変わっていない。次の準決勝で迎え撃つ相手はFIFAランキングでもアジア最高位(29位)のイラン代表。守備タスクが重なったサウジアラビア代表戦に近い展開になる可能性が高く、ベトナム代表戦ほどボールの主導権を握れないかもしれない。
そうした展開が実際にピッチ上に描かれたとなれば、堂安の突破口としての働きは日本代表の決勝進出をも左右するぐらい重要度が増してくる。アジアの頂点まであと2試合。日本代表の次期エース候補として日本代表を引っ張ってほしい。
また、将来のビッグクラブ行きを夢見る堂安だが、今大会のここまで“若手版バロンドール”コパ・トロフィー候補10名に選ばれた実力を披露できているとは言い難い。そういう部分でも、28日のイラン代表戦はさらなる活躍に期待がかかる。
《超ワールドサッカー編集部・玉田裕太》
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