トントン拍子に進んでいる…/原ゆみこのマドリッド2018.09.28 11:00 Fri

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▽「だからって浮かれていちゃいけないわよね」そんな風に私が気を引き締めていたのは木曜日、あれだけスタートダッシュの失敗を言われていたアトレティコがいつの間にやら、週末のマドリーダービーで勝てば、お隣さんの上に立てることに気づいた時のことでした。いやあ、このミッドウィークのリーガであそこまで彼らに嬉しい目が出るとは神様だって、予想していなかったと思いますけどね。おまけにこの夏、UEFAスーパーカップでもレアル・マドリーを倒したシメオネ監督はここ5年間、サンティアゴ・ベルナベウでのリーガ戦で3勝2分けの無敗としているなんて聞くと、期待でワクワクしてしまうファンも少なくないはずですが、実際、ツキなんていつ離れていくかわかったもんじゃなし。

▽その辺りを踏まえて、6節のマドリッド勢の試合を伝えていくことにすると、アトレティコより一足早く、火曜午後9時からアノエタでレアル・ソシエダと戦った弟分のラージョは、私がワンダ・メトロポリターノに着いた時間にはバウティスタにより序盤に先制された1点をGKルジのミスから、アドビンクラが返して同点に。更に前半36分にはPKをトレホが沈めて、1-2とリードしていたんですけどね。後半32分にウィリアン・ジョゼにヘッドを決められ、最後は2-2で引き分けることに。

▽まあ、アウェイだったため、勝ち点1でも頑張ったと褒めてあげないといけないところですが、彼らにとって正念場となるのは金曜午後9時、次節のエスパニョール戦。ええ、スタンド閉鎖の影響でまだ今季2試合しかしていないエスタディオ・バジェカスではセビージャに1-4、アラベスに1-5と大量失点負けをしていますからね。ルビ監督率いるエスパニョールは先週末、サンティアゴ・ベルナベウでも1失点だけの拮抗したゲームをしていますし、火曜のエイバル戦でも1-0と勝っているため、手強い相手になりそうですが、早くファンに3年ぶりの1部での勝利を見せてあげられるといいのですが。

▽一方、煌々と輝く中秋の名月の下で午後10時からという遅いキックオフを迎えたアトレティコはというと、これが信じがたいことに捕らぬ狸の皮算用が上手く行ったんですよ!そう、土曜のダービーを見越してここまで全試合に出場していたサウールはベンチ、30代のファンフランも招集外で温存し、20歳のカンテラーノ(アトレティコBの選手)、イサークが右SBを務めたんですが、相手のウエスカがあまり攻撃してくるチームでなかったため、その点は問題なし。それどころか、後で「次に大事な試合が控えている時、彼らは早めに勝負を決めにくることは話してあった」と、2004~09年にアトレティコの正GKを務めた、勝手知ったるレオ・フランコ監督にも手が打てない程の効率の良さを発揮したから、私も驚いたの何のって。

▽まずは前半17分、コレアのスルーパスをもらって敵エリア内に入ったジエゴ・コスタが折り返すと、ゴール前に詰めていたグリーズマンが先制点をゲット。続いて29分には、その日は急造右SBをやらされず、本職のボランチで先発させてもらえて発奮したんでしょうかね。トマスがエリア外から狙って追加点を奪うと、早くも3分後、コケが山なりのクロスを送ったところ、GKウェルネルがコレアに目を眩まされて触れず、そのままボールはネットに収まることに。いやあ、このプレーにはコレアのオフサイド疑惑があったため、VAR(ビデオ審判)で確認されるまで、選手たちも喜ぶのを待たなければいけなかったなんてこともあったんですけどね。前半で3-0となれば、もう大手を振るって、選手温存していいってことじゃないですか。

▽実際のところ、それからすぐ後、ヒメネスがふくらはぎの痛みを訴え、大事を取って、リュカと交代したため、お休みできたのは後半8分にカリニッチと代わったグリーズマン、19分にジェルソンと代わったコスタの2人だけに留まったんですが、「El rival fue superior/エルリバル・フエ・スペリオール(相手が上だった)」(レオ・フランコ監督)とあっさり、実力差を認めていたウエスカから、それ以上、ゴールが奪えなかったのはアトレティコがエネルギーの浪費を避けたせいだった?最近は目を覆うようなボールロストが少し、減ってきたコレアも「Me voy feliz porque el equipo volvió a ser el Atlético que todos queremos/メ・ボイ・フェリス・ポルケ・エル・エキポ・ボルビオ・ア・セル・エル・アトレティコ・ケ・トードス・ケレモス(皆が望むアトレティコが戻って来たから、ボクは幸せな気分で帰れるよ)」と言っていましたしね。

▽おかげで平日なのに試合終了が午前零時近くとあって、早く帰宅したかったファンも心おきなく、途中で席を立つことができましたし、見た目、かなり楽な展開だったにも関わらず、何故か、記者会見では声がかすれていたシメオネ監督も「エイバル戦で改善の兆しがあって、CLモナコ戦は良かった。ヘタフェ戦ではもっと良くなって、hoy fue un partido contundente/オイ・フエ・ウン・パルティードー・コントゥンデンテ(今日はガツンといけた試合だった)」を満足していましたしね。ヒメネスもすぐ治りそうだったため、これならダービーに胸を張って臨めそうだと私もホッとしていたところ…。

▽波乱が起きたのは翌水曜のことでした。まずは午後8時からのブタルケでのバルサ戦で、いやあ、何せ今季、まだ1勝もしていない最下位の弟分、レガネスですからね。スタンドを満員にしたファンがどんなに熱く応援しようと、バルベルデ監督がルイス・スアレス、ジョルディ・アルバを温存し、CFはムニル、左SBベルマーレンとメンバーを落としてこようと、5人DF体制で守りを固めたペレグリーニ監督のチームが序盤から、自陣エリア付近に押し込まれてしまったのは仕方なかったかと。その状態で前半11分にはコウチーニョのエリア前からのシュートが決まったとなれば、もう一体どうしたらいい?

▽いやあ、レガネスを見くびっていたのは私もバルサも同じですね。実は彼らが前半途中まで籠城状態になっていたのは、ペレグリーニ監督の説明によると、「ジョルディ・アルバを予想して、サイドに選手が必要だったから5-4-1にしたが、そのせいで中盤に人が足りなくなり、下がりすぎてしまった」からで決して、相手に臆していた訳じゃないんですよ。その証拠に組織的に守って1失点だけで前半を終えたレガネスは後半すぐ、合わせて68秒という速攻で逆転することに。ええ、7分にベスガが自陣からロングボールを出したところ、ジョナタン・シウバがエリア内にクロスを上げることに成功。ベルマーレンのチェックが遅れたため、身長差のかなりあるエル・ザールが頭で決めて同点になったかと思いきや、いや本当にまだ、私もメモを取っている最中だったんですよ。リスタート直後、またしても自陣から放たれたロングボールをエン・ネシリからピケが奪いながら、まさかオスカル・ロドリゲスにドンピシャの横パスを出してくれるとは!

▽そのシュートが逆転のゴールとなり、その後はルイス・スアレスやジョルディ・アルバ、マルコムを投入したバルサですが、メッシが精彩を欠いていたのも災い。そのまま2-1でレガネスが勝ったのがよっぽど心外だったんでしょうね。コウチーニョとラキティッチのダブルチャンスを連続paradon(パラドン/スーパーセーブ)で防ぎ、1点差を守るのに貢献したGKクエジェルなど、「Nadie ha venido a felicitarnos/ナディエ・ア・ベニードー・ア・フェリシタールノス(誰1人、お祝いを言いには来てくれなかった)」と、バルサの選手たちの対応が失礼だったことを怒っていましたが、まあ、彼らにしてみれば2-2で引き分けた前節ジローナ戦に続く、躓きですからね。

▽試合後、唯一、バルサでインタビューを受けていたブスケツなども「退場者のいた前の試合とは違う。今日は11対11で戦ったのに、no hemos sido sólidos y hemos dado facilidades/ノー・エモス・シードー・ソリドス・イ・エモス・ダードー・ファシリダーデス(ウチは堅固でなく、敵を手助けしてしまった)」と反省していましたけど、何せ、昨季はかなりシーズンの遅い時期まで黒星のなかったバルサ。RMカステージャ(マドリーのBチーム)から修行に来ている、殊勲のオスカルも「Seguro que muchos compañeros del Real Madrid se han alegrado por mí/セグロ・ケ・ムーチョス・コンパニェロス・デル・レアル・マドリッド・セ・アン・アレグラードー・ポル・ミー(レアル・マドリーの多くの同僚がボクのおかげで喜んでいるだろう)」と言っていたんですが…実はその頃、肝心の兄貴分は大変な目に遭っていたんです!

▽いえ、直後に始まったセビージャ戦をオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の中継でずっと聞いていたため、ブタルケを出て、セルカニアス(国鉄近郊路線)のサラケマダ駅に向かう頃にはマドリーが前半だけでもう、3点を取られていることは私も知っていたんですけどね。家に着いて映像を見たところ、マルセロのサイドを狙うというマチン監督の作戦がはまりまくり。ええ、17分には彼のパスミスを利用してヘスス・ナバスが突進すると、エリア内でアンドレ・シウバにアシストして先制点が入ったかと思えば、21分にもヘスス・ナバスのシュートをGKクルトワが弾きながら、マルセロのフォローが間に合わずにまたしてもアンドレ・シウバに決められてしまう羽目に。

▽29分など、まあこれは”ムード”・バスケスの方が背が高いため、CKから回ってきたボールのクリアで空中戦に勝てなくても仕方なかったんですが、それがベン・イェデルの3点目に繋がったとなれば、世間からマルセロが戦犯扱いされても仕方なかったかと。「La primera parte la hemos regalado/ラ・プリメーラ・パルテ・ラ・エモス・レガラードー(前半をウチは相手に贈ってしまった)」(カセミロ)マドリーは後半、反撃に転じたものの、8分にモドリッチが決めた見事なvaselina(バセリーナ/ループシュート)もほんの僅かなオフサイドをVARに指摘され、スコアには上がらず。ベイルの1対1のシュートも前夜、幼いお子さんがテラスから転落し、一晩中、病院で付き添っていたというGKバシリクに弾かれ、挙句の果てにマルセロが負傷で最後は10人でプレーって、これじゃ3-0の完敗でも仕方ありませんって。

▽え、ここ6シーズンで5敗しているサンチェス・ピスファンでのセビージャ戦とあって、ロペテギ監督はベストメンバーを並べたんじゃないのかって?そうなんですが、問題はその”ベスト”で実はこの日先発したモドリッチ、セルヒオ・ラモス、バラン、マルセロ、GKクルトワの5人は月曜にロンドンでのFIFA表彰式に出席。最優秀GK賞をもらったクルトワなど、「Yo a las 4.00 ya estaba durmiendo, descansé bien, entrené muy bien/ジョ・ア・ラス・クアトロ・ジャー・エスタバドゥルミエンド、デスカンセ・ビエン、エントレネ・ムイ・ビエン(ボクは午前4時には眠っていたし、よく休んだよ。とてもいい練習もした)」と言っていたものの、マドリッドに戻ったのは火曜の午前5時半だったというTVレポーターもいましたしね。

▽それで練習が午前11時からというのはやっぱりハードスケジュールだったかと思いますが、実はマドリーが同じ轍を踏むのはもう3年目。ええ、初代FIFAベストにクリスチアーノ・ロナウドが選出された2016-17シーズンも直後のコパ・デル・レイでセビージャと3-3と引き分けた後、リーガでも同じ相手に2-1で負けていますし、翌シーズンもロナウドを始め、5人の選手が表彰式に出向いた後、まさにマチン監督率いるジローナに2-1で負けているとなれば、毎年、ベストイレブンなどで大量に選手が表彰されるのも考えものかと。

▽まあ、そのおかげでこの土曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのマドリーダービーではアトレティコが上位2チームと勝ち点差2まで詰め、意外な程、早く首位到達への可能性が開かれたんですけどね。残念ながら、マチン監督を見習おうと、ファンフランをウエスカ戦で温存したシメオネ監督の作戦はマルセロが肉離れと見られるケガをしたことでムダになってしまいましたが、ヒメネスは木曜のセッションで普通に練習。対して相手は火曜に急性盲腸炎の手術をしたイスコが1カ月の離脱となっているのもあまりにタイミングが合いすぎて、逆に怖すぎるぐらいなんですが…いやいや、捕らぬ狸の皮算用が2度も続けて上手くいく保証など、どこにもないのがサッカー。バルサも土曜のアスレティック戦では黙っていないでしょうし、とりあえず、先は長いため、今はマドリーと引き分けても大丈夫そうなのを心の拠り所にして応援したいと思います。

▽そして最後に木曜、アラベスと戦ったヘタフェは1-1の引き分けで終了。せっかくアマトのゴールで後半35分に先制できた彼らだったものの、ロスタイムにカレリに同点弾を浴びてしまったんですが、実はこの試合、柴崎岳選手が今季初めて招集リスト落ち。まあ、順位的には11位と安定したところにいるヘタフェのため、これはアウェイ連戦となる月曜のセルタ戦も考えてのローテーションかもしれませんが、いよいよベルガラもケガ治って復帰してきただけにチーム内の競争が高まっているのは確かかと。ベティスに行った乾貴士選手が日曜のレガネス戦にも出そうなのと違い、なかなかピッチで見られないのは残念ですが、柴崎選手も早く、ボルダラス監督の信頼が得られるようになってもらいたいところです。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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去る者は追わず…/原ゆみこのマドリッド

「便利な時代で良かったよね」そんな風に私が感心していたのは金曜日、6月のスペイン代表招集リスト発表の際にもルイス・エンリケ監督が姿を現さず。いやあ、彼は3月のユーロ予選マルタ戦前夜に緊急帰国して以来、重い病を患った家族の看病に懸かり切っているため、27日から予定されているラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設での練習や6月7日のフェロー諸島戦、10日のスウェーデン戦もロベルト・モレノ第2監督が引き続き指揮を執るそうなんですけどね。「当人ができなかったのは試合に足を運んで選手を見ることだけで、我々とビデオ会議などで密に連絡を取っていた。Va a ver a todos los entrenamientos en directo/バ・ア・ベル・ア・トードス・ロス・エントレナミエントス・エン・ディレクト(全ての練習をライブで見ることになるだろう)」(モレノ監督)となれば、招集された選手たちも決して手は抜けない? うーん、協会のスポーツディレクター、モリーナ氏も「監督交代はまったく考えていない」と言っていたんですけどね。幸いだったのは今回の代表戦がグループ6チーム中、上位2チームにユーロ出場権が与えられるユルユル予選の3、4節。しかも3月に2勝しているスペインは首位で余裕があるからでしょうが、これが万が一、6月5~9日にあるネイションズリーグのファイナルフォー(準決勝はポルトガルvsスイス、オランダvsイングランド)に進出していたら、果たしてどうなったことか。その後は次の予選が9月ということで、また考える時間ができるんでしょうが、あまり例を見ない事態なのは間違いないかと。 え、それより同日に発表された来月16日から始まるU21ユーロ・イタリア/サンマリノ大会の招集メンバーにすでにA代表に出世しながら、ヘルプで加わる予定になっていたアセンシオ(レアル・マドリー)とロドリ(アトレティコ)がいなかった方が意外じゃなかったかって?そうですね、デ・ラ・フエンテ監督の話によると、前回、2017年のU21ユーロ・ポーランド大会にも出場した彼らですが、前者は2018年W杯ロシア大会にも参加し、後者も応援メンバーとして同行していたため、ここ2年間、ほとんど休暇が取れず。そのせいもあってか、今は最高のプレーができるレベルにないということで招集を見送ったのだとか。 そんな2人でも今回、A代表の方のリストに入っているのは置いておいて、逆に元気が有り余っているのか、オジャルサバル(レアル・ソシエダ)、ファビアン(ナポリ)ら、梯子をするメンバーもいますけどね。まあ、私としてもスペイン勢にはCL決勝もEL決勝もなく、国際メジャートーナメントもないこの夏はアセンシオもロドリもバケーションを満喫。来季はマドリッドの兄貴分チームでそれぞれ、飛躍の年にしてくれればいいんですが、いやあ、何だかそれも最近は雲行きが怪しくなってきて…。 というのも先週末、ワンダ・メトロポリターノでのゴディンお別れ試合から、アトレティコは近年では稀に見る退団ラッシュが始まっていて、火曜の夜には前々から噂のあったグリーズマンが同じラ・フィンカ(マドリッド郊外の高級住宅地)に住むヒル・マリン筆頭株主の自宅を訪問。シメオネ監督も加わった席で退団の意志を表明し、"La Decision(ラ・デシシオン/決心、昨季終了後にアトレティコ残留を決める過程を描いたドキュメンタル番組)"パート2の制作をピケに依頼する間も惜しんで、その日のうちにクラブのオフィシャルメディアにビデオメッセージを掲載することに。 曰く「He tomado la decision de irme, de ver otras cosas y tener otros desafios/エ・トマードー・ラ・デシシオン・デ・イールメ、デ・ベル・オトラス・コーサス・イ・テネール・オトロス・デサフィオス(出て行って、違うことを見て、違う挑戦をすることを決心した)」となれば、翌水曜、私がマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に駆けつけてしまったのもムリはない? いえ、もちろんセッション中には普段と変わったことはなかったんですが、丁度、その日はマドリッド市の祝日だったため、選手たちが出て来るのを待つファンで施設のゲートは大賑わい。それも出入り口が2カ所あるため、マスコミのカメラも含め、敷地の角を挟んで50メートル程の距離を何度も行ったり来たりする人が多かったんですけどね。結構、遅い時間に登場したグリーズマンは延々とサインやセルフィーに応じていたため、私も見逃すことはなかったんですが、SNSなどでは早速、「rata/ラタ(ドブネズミ)」なんて呼ばれていたものの、その場のファンたちからは一切、当人を批判する言葉はなく、「これまでありがとう」と言っているんですから、本当に皆優しい。 とはいえ、これが金曜の記者会見でシメオネ監督も仄めかしていたように、契約破棄金額が2億ユーロ(約246億円)から1億2000万ユーロ(約148億円)に下がる7月1日にバルサ移籍が決まり、来季アスグラナ(紺とエンジ)のユニを着て当人がワンダのピッチを踏む日にはスタジアム前の100試合以上出場の記念プレートもクルトワ(マドリー)同様になってしまうのは火を見るより明らか?おまけに彼の場合、ファルカオ(モナコ)やアグエロ(マンチェスター・シティ)移籍の際にはできなかった、2000万ユーロ(約25億円)強という破格の昇給をして去年の夏、引き留めたにも関わらず、こうもあっさり河岸を変えてしまえるとなれば、セレソ会長の「Mas que enojado estoy decepcionado/マス・ケ・エノハードー・エストイ・デセプシオナードー(怒りより失望している)」というコメントには私も頷いてしまうかと。 自分にも移籍の経験があるシメオネ監督などは、「Hay que entender que para los jugadores es un trabajo/アイ・ケ・エンテンデール・ケ・パラ・ロス・フガドーレス・エス・ウン・トラバッホ(選手にとって、これは仕事だということを理解しないといけない)」と言っていましたが、一説によると、バルサでは年棒が1700万ユーロ(約21億円)に下がるみたいですしね。となると、グリーズマンの移籍の理由も「リュカがバイエルンに行ったように、選手は歴史的により上のクラブに行って、自身の成長を探すもの」(シメオネ監督)ということになりますが、はあ。どんなに人材育成に励んでも所詮、名門チームのオーラの前には成す術ないって、やっぱり憂鬱としか思えないかと。 そんな現実もあるのか、グリーズマンの抜けた穴を埋めるFWの補強も「Es difícil apostar por un crack hecho, no lo vamos a buscar/エス・ディフィシル・アポスタール・ポル・ウン・クラック・エッチョー、ノー・ロ・バモス・ア・ブスカル(すでに出来上がったクラックに賭けるのは難しいし、ウチはそういうのは探さない)。レアル・ソシエダから来た時のグリーズマン、ビジャレアルから来た時のロドリ、ベンフィカから来た時のオブラクみたいなのを獲りたい」とシメオネ監督が言っていたため、せっかくグリーズマンとリュカで2億ユーロの売却益がありながら、即座に名前の出ていたディバラ(ユベントス)、カバーニ(PSG)、イカルディ(インテル)といった線は消失。今季のEL準々決勝フランクフルト戦でハットトリックを決めて注目されたベンフィカの19才、ジョアン・フェリックスなんてプロフィール的に該当しそうですけどね。それでも契約破棄金額が1億2000万ユーロ(約148億円)って、うーん最近の移籍金インフレってちょっと凄すぎない? だってえ、アトレティコはそのゴディンやグリーズマンに加え、やはり30才以上は1年契約というのがネックになってクラブのオファーを拒否したファンフランの代わりも探さないといけないんですよ。残留希望を訴えていたフィリペ・ルイスだって、コパ・アメリカのブラジル代表に招集されたため、条件のいいオファーが届かないとも限らないですし、若手だって、ロドリにマンチェスター・シティが満額の7000万ユーロ(約86億円)払うという話が出ているため、決して楽観はできず。もうこうなると、土曜午後1時(日本時間午後8時)からのレバンテ戦のことなんか、とても考えてなんていられないかと。 それでもアトレティコの今季リーガ最終戦を楽しみにしているファンのため、お伝えしておくと、この試合、すでに4年連続でサモラ(失点率が一番低いGKに与えられる賞)をゲットすることが確定しているオブラクは太もものケガで欠場。ヒメネスとカリニッチもまだリハビリ中でサウールとモラタは累積警告とあって、見どころはグリーズマンがゴールで5年間、プレーしたチームにささやながらも恩を返して終われるかどうか。まあ、2位が確定したアトレティコ同様、レバンテも前節に残留が決まり、パコ・ロペス監督はこれまで出番の少なかった選手を使うようですしね。親善試合でも面白いことはありますし、時間的にも日本のファンに見やすいため、チャンネルを合わせてみるのもいいかもしれません。 え、それよりその後、土曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)からはまだ順位が動く可能性のあるカードがまとめてキックオフするんだろうって?その通りでCL出場権末席の4位を目指して、弟分のヘタフェがコリセウム・アルフォンソ・ペレスにビジャレアルを迎えるんですが、いやあ、彼らは前節にバルサに負け、同じ勝ち点ながら、直接対決の結果でバレンシアに先を越されてしまうことに。要は向こうがバジャドリーから勝ち点を取りこぼしてくれないと、勝っても5位止まりなんですから、一体どうしたらいいものやら。 おまけに前節残留確定組のバジャドリーはお祝いに忙しくて、今週は木曜まで練習していないし、もうここはエースのセルジ・グアルディオラが今季前半に在籍していたため、ヘタフェからもらえるCL出場ボーナス20万ユーロ(約2500万円)を励みに頑張ってくれることを祈るしかないかと。ちなみにビジャレアルも1部残留を決めたばかりのチームなんですが、金曜にはカソルラが4年ぶりに代表再招集という嬉しいニュースが。ええ、2010年のW杯優勝メンバーでもあった彼はアーセナル時代から負傷ループに陥り、計10回も足の手術を受けているんですが、34才になってまた呼んでもらえるとはまさに逆境克服のお手本。 いやあ、その脇で3月に30才で初招集されたヘタフェのマタはセルタのイアゴ・アスパスのケガ治ったこともあり、今回は落選しちゃったんですけどね。とにかく今はビジャレアル戦に勝って、あとは運を天に任せるばかり。ボルダラス監督も「Pase lo que pase tiene que ser una fiesta/パセ・ロ・ケ・パセ・ティエネ・ケ・セル・ウナ・フィエスタ(何が起ころうとお祭りにならないといけない)。素晴らしいシーズンを送った選手たちを祝ってあげないとね」と言っていましたし、低予算の彼らがEL出場権を確保しているだけでも十分、称賛に値しますよね。 そしてバレンシアとヘタフェが負けた場合、4位になるチャンスがある現在6位のセビージャは、その順位を奪って、7月末から始まるELの予選2回戦からの参加を避けたい7位のアスレティックと対戦し、バルセロナではセビージャが勝った場合、自らも勝てばそのアスレティックの7位を奪い獲れるチーム同士、エスパニョールとレアル・ソシエダがぶつかるんですが、緊張感が続くのはこの時間帯だけ。いえ、土曜最後の時間帯にはシーズン開始前の目標だった勝ち点48に届きたいペジェグリーニ監督率いるレガネスが降格済みのウエスカと対戦。足並みを揃えてやはり2部逆戻りとなったラージョがセルタと当たり、ここでもし7点差で勝ったりすると、ジローナがアラベスに勝てば降格を免れたりするんですが、そんな展開はかなり非現実的かと。 一方、やはり消化試合となったマドリーは日曜正午(日本時間午後7時)にサンティアゴ・ベルナベウでのベティス戦でファンと今季のお別れをするんですが、ここ7試合をふくらはぎのケガで欠場し、最終節での復帰を目指していたセルヒオ・ラモスはどうやら間に合わないよう。いえ、スペイン代表には招集されていますし、この火曜には当人もモラレハ(マドリッド近郊の高級住宅地)の教会で洗礼を受け、6月15日にセビージャのカテドラル(大聖堂)で予定されているタレントのピラル・ルビオさんとの挙式準備には余念がないようなんですけどね。 オドリオソラ同様、まだ全体練習には加われていないため、ピッチに立つのは難しいかと。その横で本当にマドリーファンと最後のお別れとなってしまうのはケイロル・ナバスで何せ、クラブの意向で来季の正GKがクルトワに決まってしまいましたからね。CL3連覇の立役者がこうもムゲに扱われるのを見るのは私も残念なんですが、すでにマスコミの注目は来季の第2GKがジダン監督の次男、リュカになるのか、今季はレガネスで修行していたルニンになるのかの方へ。ちなみに売却を望まれていながら、プレーすると値段が下がると心配され、ここ2試合ベンチに入らなかったベイルが招集されるかはどうかは微妙なようです。 そんなマドリーはすでにオフシーズン体制に入っていて、もう来週には昨年夏に契約、今季はサントスにレンタルで留まっていたロドリゴのプレゼンがあるなんて話もあり、ほぼ合意ができているらしいアザール(チェルシー)は29日のEL決勝アーセナル戦の後、21才のFWヨビッチ(フランクフルト)、左SBメンディ(リヨン)ともあとはクラブと金額を詰めるだけになっているのだとか。うーん、こんな調子でポンポン、補強が決まり、6月中もプレゼンで賑わうと私も暇を潰せて嬉しいんですが、金曜にはマルセロとビニシウスがコパ・アメリカのブラジル代表に呼ばれなかったという意外なニュースも。カセミロと3月に来季の入団が決まったミリトン(ポルト)は参加するんですけどね。19才のビニシウスはケガが治ったばかりなこともあり、仕方ないような気がしますが、今季はマドリーでも惨々だったマルセロはこの先、代表復帰に苦労するかもしれませんね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.05.18 18:15 Sat
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決着がついていく…/原ゆみこのマドリッド

「やっぱり階段は1つ1つ上がらないといけないのかな」そんな風に私が悔しさを紛らわそうとしていたのは月曜日、ここしばらくリーガ4位の特等席を占有していたマドリッドの弟分、ヘタフェが5位に転落してしまった事実を反芻している時のことでした。いえ、先週末、まんまと彼らを追い越したバレンシアと勝ち点差はなく、直接対決成績で劣っているせいでの順位逆転なんですけどね。7位のアスレティックとは5差あるため、最終節に何が起ころうがELグループリーグ出場権は手中にしているんですが、来季は兄貴分たちと肩を並べて晴れのCLの舞台を闊歩するという夢が叶わないのは何だか、残念だったから。 え、といってもヘタフェが最後にヨーロッパの大会行きの切符を掴んだのは2009-10シーズン。ミチェル監督の下、6位となってEL出場権をゲットしたんですが、それは折しもアトレティコがフラムを倒してこの大会に初優勝した年で、リーガでは弟分のずっと下、9位で終わっていなかったかって?その通りで実際、シメオネ監督が2012年にEL優勝をリピートした後、毎年CLに出られるようになったのは2013-14シーズンからのことですからね。ヘタフェもELで16強対決までプレーした2010年にはリーガ16位と振るわず、降格の危機も味わっているため、やっぱりまずはハードルの低い大会で数シーズン修行、それからCL出場を目指す方が無難なのかも。 ちなみにどうしてそんな状況になったのか、日曜午後6時30分から10試合が同時開催となった37節の様子をお伝えしていくことにすると。マドリッドで開催される3試合のうち、私が足を運んだのはゴディンのお別れ試合となったワンダ・メトロポリターノでのアトレティコvsセビージャ戦だったんですが、キックオフ前にはリーガ2連覇を果たした女子チームがトロフィーを持って場内一周。いえ、彼女たちは前日、グラナダで行われたコパ・デ・レイナ(女王杯)決勝で1週間前、最終節で優勝を決める1-3の勝利を挙げた相手だったレアル・ソシエダに1-2と逆転負けしちゃたんですよね。 そう、せっかく前半15分にはエステルが完璧に流し込んだゴールで先制しながら、18分にはパラシオスのエリア外からのシュートをGKロラが逃してしまい同点に。後半15分にはナイカリに決勝点を奪われ、今季もdoblete(ドブレテ/2冠優勝)はならなかったんですが、いえいえ。「No somos felices por acabar segundos, pero estamos contentos/ノー・ソモス・フェリセス・ポル・アカバル・セグンドス、ペロ・エスタモス・コンテントス(2位で終わったのは嬉しくはないが、我々は満足している)」(シメオネ監督)という、今季は昨年夏にUEFAスーパーカップを獲得しただけ。コパ・デル・レイもCLも16強敗退で終わってしまった男子チームと比べたら、全然偉いってもんですよ。 おまけにこの試合のハーフタイムには今季、それぞれ所属のカテゴリーで優勝したカンテラ(ユース組織)、7、8チームの選手たちが続々とピッチに登場して、スタンドから拍手を贈られていましたが、すみませんねえ。去年は男子チームがネプトゥーノ広場に舞台を組んでEL制覇をお祝い。女子やカンテラの優勝メンバーもそれに便乗してイベントを楽しめたものの、2位ではとても望めませんからね。ここは来季、男子チームが発奮して、再びネプトゥーノに連れて行ってくれるのを期待するしかない? まあ、そんなことはともかく、試合の方は前半、意外なことにまだCL出場権を争っているセビージャより、アトレティコの方に覇気があったんですよ。ええ、20分には誰にも邪魔されず、ドリブルで敵エリアに近づいたコケがパスの送り先を見つけられなかったんでしょうかね。思い切ってシュートを撃ってみたところ、ボールがケアーに当たり、GKバチリクを破ってしまったから、ビックリしたの何のって。負傷禍でカリーソ、メルカード、エスクデーロとDF陣が不足しているセビージャは左SBゴナロンがハーフタイム前にケガでアマドゥと交代した上、ケアーもロッカールームで気分が悪くなって後半はピッチに出ず。 そのため、久々に見るワンタッチの華麗なパスが繋がり、途中出場したコレアのシュートがVAR(ビデオ審判)でオフサイドとされ、追加点にならなくてもあまり心配していなかったんですが、25分にはアレイシ・ビダルのクロスをサラビアに決められてしまうとは!その後もチャンスはあったものの、応援団席から、「Un gol en la memoria, un Faraón para la historia/ウン・ゴル・エンラ・メモリア、ウン・ファラオン・パラ・ラ・イストリア(記憶に残るゴール、ファラオはクラブ史に残る)」という横断幕を掲げてもらい、「Nos diste la vida y el campeonato. Ganamos LaLiga, qué cabezazo. Es historia viva. Godín es nuestro faraón/ノス・ディステ・ラ・ビダ・イ・エル・カンペオナートー。ガナアモス・ラ・リーガ、ケ・カベサソ。エス・イストリア・ビバ。ゴディン・エス・ヌエストロ・ファラオン(ボクらに命とリーガを与えてくれた。リーガ優勝を決めた凄いヘッド。生きている歴史だ。ゴディンはボクたちのファラオ)」というカンティコ(応援歌)を贈られていた、この日、ワンダでの最後の試合となったキャプテンのお別れゴールは生まれず。 そのまま1-1で引き分けることになりましたが、別にいいですよね。昨季のリーガ最終戦でのフェルナンド・トーレス(サガン鳥栖)、12月のガビ(アル・サッド)に続いて3人目となるため、もうアトレティコのスタッフも試合後はスムースに舞台を準備。9年間の在籍中に獲得した8つのトロフィーがピッチ中央に運ばれると、名場面ビデオの上映、記念プレート贈呈と進み…おやおや、ガビ、ゴディンの後を継ぐ第1キャプテンとしては「そこまで強い性格をしていない」という評価もあったせいですかね。ファンの見守る中、コケへbrazalete(ブラサレテ/キャプテンマーク)を引き渡しするなんて一幕も。 確かに記者会見で今季の総括を訊かれ、「Es una buena temporada/エス・ウナ・ブエナ・テンポラーダ(いいシーズンだったよ)。沢山負傷者が出たし、大事な選手も出て行ってしまった。スーパーカップでマドリーに勝ったし、2位になって…グレートなシーズンだ」なんて当人が答えているのを聞くと、私も少々、不安になってしまいますけどね。ゴディンの方は「Este es un homenaje para mi afición/エステ・エス・ウン・オメナヘ・パラ・ミ・アフィシオン(これはボクのファンへの感謝のイベントだ)。遠くから来た自分に1日目から家にいるように感じさせてくれた。このクラブの紋章を愛するように教えてくれた。今日、サッカー選手のゴディンは別れを告げるけど、常に1ファンであり続けるだろう」という感動的なスピーチで締めくくり、最後は恒例の場内一周と胴上げでセレモニーは終了。 そんなお別れイベントも含め、アトレティコの選手を何人も顧客に抱える近所の美容師のお兄さんの情報によると、前日、合宿先ホテルにサウールの髪を切りに行ったところ、「あと1枚で累積警告になって、最終節には出なくていいんだ」と言っていたそうですが、見事に有言実行。モラタと共にイエローカードをもらって週末のレバンテ戦に出場停止になるなど、あまりに今季はもう店仕舞いの雰囲気が強かったため、私もこの勝ち点1で2位確定の宿題を今週末まで持ち越さなくて済んだのは嬉しいんですが、え?別にその1ポイントは必要なかったんじゃないかって? いやあ、実際そうなんですよね。というのも同時刻、3位のお隣さんは女子チームがコパのトロフィーを持って場内一周した後のアノエタで3-1と負けていたから。そう、この日も先発のチャンスをもらった19才のブラヒムが「Yo quiero estar en el Madrid sí o sí/ジョ・キエロ・エスタル・エン・エル・マドリッド・シーオ・シー(ボクは何が何でもマドリーにいたいんだ)」という意地を見せ、前半6分にはルーベン・パルドとディエゴ・ジョレンテをかわして先制点をゲット。そこまでは順調だったようですが、どうやらEL予選2回戦からの出場権がもらえる7位になりたいというレアル・ソシエダの執念が勝ったよう。 26分にミケル・メリーノに同点にされると、いえ、34分にはバジェホが手でウィリアム・ホセのシュートを遮り、ハンドでレッドカードとペナルティ宣告というダブルパンチを受けた際にはGKクルトワがPKを弾き、難を逃れたんですけどね。1人少ない状態の後半12分にはマルセロの後ろでサルドゥアが悠々ヘッド、リードを奪うと22分にはオジャルサバルのシュートがゴールポストに嫌われた後、17才のバレネチェアに初ゴールを決められてしまうってもう一体、どうしてよいのやら。うーん、ジダン監督も試合後は「Mejor que acabe la temporada cuanto antes/メホール・ケ・アカベ・ラ・テンポラーダ・クアントー・アンテス(できるだけ早くシーズンが終わった方がいいようだ)」と言っていましたしね。 前節に続き、2試合連続で招集リストに入らなかったベイルの先行きも放出で決定のようですし、月曜にはとうとう、ケイロル・ナバスにも来季は戦力外の通告があったとの報道が。その横では先週末、プレミアリーグが終了したアザール(チェルシー)の入団が確実になったとか、もう完全にシーズンオフに入ってしまったようなマドリーなんですが、こんなんだと、サンティアゴ・ベルナベウでファンと今季のお別れをする日曜のベティス戦も憂鬱なだけかもしれない? おかげで来季もマドリーにレンタル継続を希望して、同日はブタルケでの最終戦にGKルニンを先発に立てたレガネスもトバッチリを喰らいそうですしね。ちなみに残留を確定していたこの弟分は前節、アトレティコとの試合でも2ゴールを挙げたボルハ・イグレシアスに2得点を許し、エスパニョールに2-0と敗戦。この日はアスレティックも3-1でセルタに勝っていたため、順位は変わらなかったんですが、7位争いの行方は今週土曜午後4時15分、サンチェス・ピスファンでのセビージャvsアスレティック戦と、勝ち点3少ないものの、並べば直接対決の結果で優位なチーム同士がぶつかるエスパニョールvsレアル・ソシエダ戦の結果に委ねられることに。 そして2部降格決定済みのラージョはエスタディオ・バジェカスでキックオフ早々、PKでリードを奪われた後、一旦はメドランのゴールで追いついたものの、最後は後半34分、セルジ・グアルディオラが決勝ゴールを挙げたバジャドリーが1-2で勝利。エイバルに1-0で勝ったビジャレアル、ジローナに1-2で勝ったレバンテと共に残留を確定させたんですが…いやあ、この結果が最終節、ヘタフェの4位奪還という野望にとって、良かったのやら、悪かったのやら。 え、元を正せばカンプ・ノウで先週はCL準決勝2ndレグでリバプールに悪夢の4-0負け。3-0のリードを大逆転され、決勝進出を逃したショックの抜け切れていないバルサに負けた彼らが悪いんだろうって?そうなんですけどねえ、こんな時、思い出すのは以前、ヘタフェを率いていたシュスター監督が何かと、「Somos el Getafe/ソモス・エル・ヘタフェ(ウチはヘタフェだから)」とビッグクラブとの差を強調していたこと。実際、彼らはここ数年、サンティアゴ・ベルナベウやワンダに来た時などもちょっと大舞台が苦手というか、この日も前半、ホルヘ・モリーナのゴールがVARでオフサイドとされてスコアに上がらず。 そうこうするうち、39分にはメッシの蹴ったFKをピケがヘッド、GKダビド・ソリアが弾いた後の混戦からアルトゥーロ・ビダルに先制点を決められてしまいましたしね。柴崎岳選手からポルティージョ、そしてサム・サイス、ウーゴ・ドゥーロとアタッカーをリフレッシュしていった後半もゴールを挙げられないまま、挙句の果てに45分、セルジ・ロベルトと連携したメッシがシュートに行くのを止めようとして、アランバリとジェネがオウンゴールにしているんですから、悲しいじゃないですか(最終スコア2-0)。 そこへ先週、アーセナルとのEL準決勝2ndレグでも連敗し、決勝進出の夢破れたバレンシアも素早く立ち直り、シーズン後半はどんどん尻すぼみになっていたアラベスに3-1と快勝したため、ヘタフェが追い抜かれてしまったんですが、いえ、ボルダラス監督は「Queda una jornada todavía/ケダ・ウナ・ホルナーダ・トダビア(まだ最後の節が残っている)。バジャドリーだって、バレンシア戦でいいイメージをファンに見せたいはず」と諦めていませんでしたけどね。 つまりこの土曜午後4時15分からの最終節、ヘタフェはビジャレアルをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎え、バレンシアはホセ・ソリージャでのバジャドリー戦で4位を獲りにいくんですが、はい、前述のように相手はどちらも先週末、残留が決まってホッとしているチーム。常識的に考えると、ヘタフェとバレンシアが揃って勝つんじゃないかと思いますが、その場合、同勝ち点で上に立っているのは後者ですからね。そこでバジャドリーには頑張ってもらわないといけないんものの、ラージョ戦でチームが来季も1部で戦えるよう導いたセルジ・グアルディオラが実は12月までヘタフェにいたというのはまさに運命の皮肉。 そう、あまり経緯には詳しくないんですが、今季、2部のコルドバからレンタルでヘタフェ入団を果たした27才の彼はシーズン前半、ホルヘ・モリーナ、マタ、アンヘルら30代FWトリオに付け入る隙を見つけられず、出場もたった5試合に留まることに。そこでバジャドリーに河岸を変えたんですが、果たして半年間いた古巣には一体、何を感じている?うーん、最終節、ラージョがセルタに0-7以上で勝たない限り、アラベスに勝っても降格が決まるジローナの方がはるかに不幸なのは当然ですが、最後の奇跡を待つという意味ではヘタフェも近いものがあるかもしれないですね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.05.14 17:15 Tue
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そして誰もいなくなった…/原ゆみこのマドリッド

「まさかここまで決勝と無関係になるとは!」そんな風に私が嘆いていたのは金曜日、6月1日のCL決勝のみならず、28日のEL決勝までプレミア勢対決という驚きにまだ浸っていた時のことでした。いやあ、かなり前にマドリッドの両雄はCL16強対決で敗退、今季はワンダ・メトロポリターノが決勝の舞台になるという以外、早々にヨーロッパとは縁がなくなっていたんですけどね。それでも過去5年はその間、4度優勝したレアル・マドリー、残りの1回がバルサと、スペイン勢のいないCL決勝は2013年のバイエルンvsドルトムント戦以来だった上、2009年から始まったELなど、9回あった決勝のうち、スペイン勢がいないのはたった3回だけとなれば、時代の変化を感じるのはきっと私だけではない? どちらにしろ、あと2節しかないリーガの試合が今季中、マドリッドのサッカーファンが楽しめる残り少ない機会なんですが、何だか間も悪いんですよ。ええ、優勝は2節前にバルサが決めているものの、ヨーロッパの大会出場権が懸かった順位や前節に2部降格となったラージョとウエスカに続く第3のチームが決定していないため、この37節は日曜午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)に10カード全てのキックオフがunifiacion(ウニフィカシオン/統一)。つまり、マドリッド勢の5試合のうち、3試合が開かれるマドリッドでも見に行けるのは1つしかないということで、私も頭を悩ますところなんですが…。 え、そうは言っても一番気になるのがバルサvsヘタフェ戦というのは否定できないんじゃないかって?その通りで何せ、この弟分にはCL出場圏の末席、4位を死守という目標がありますからね。しかも相手は前節もセルタ戦で大々的ローテーションを敢行、2連覇済みのリーガにはもう力をさかない姿勢を全開にしていたため、マタとブルーノが累積警告でいなくても結構、分はいいのでは思ったところ、予定が狂ったのは彼らが火曜のCL準決勝2ndレグでリバプールに大逆転を許してしまったせい。 だってえ、昨季も準々決勝ローマ戦1stレグで4-1と勝ちながら、アウェイで3-0と負けて敗退してしまったバルサですよ。普通ならここはしっかり学んで、スコアレルドローでもいいから、手堅く決勝進出を目指さなきゃいけないのに、サラーとフィルミーノ、敵の主要得点源2人がケガで休場となったのに油断しましたかね。ええ、前半6分にはジョルディ・アルバのミスから、オリジに先制点を許したのはともかく、後半早々には負傷したヘンダーソンの代わりに入ったワイナルドゥムに立て続けに2点を決められ、総合スコアで追いつかれてしまったから、さあ大変! それでもまだ時間は残っていましたから、メッシが虎の子の1点をもぎ取って逃げ切るのかと思いきや、とんでもない。33分にはCKキッカーのシャキリが近づくのを見て一旦、コーナーを離れたアレクサンダー=アーノルドが不意に身を翻してボールを蹴り、空中戦に備えてマーク担当の敵選手たちが位置につくのをノンビリ待っていたバルサ勢の虚を突くと、オリジが撃ち込んで勝ち越しとなる4点目をゲットって、そりゃあ世間から、「フベニル(ユース)のゴール」って嘲笑もされますって。 いやあ、これは後日、クアトロ(スペインの民放)がバルセロナにある17~18才の選手がプレーするユースチームの手を借り、実験してみたところ、3度目でようやく成功とあって、CKを蹴ったアレクサンダー=アーノルドもシュートを決めたオリジも正確にボールコントロールできる能力があっての賜物だったとわかったんですけどね。おかげでアンフィールドで4-0と負け、2年連続、赤っ恥の大逆転敗退を喰らったバルサではバルデベルデ監督を始め、チームが大きな批判の嵐にさらされることに。 リバプールから戻った翌日にはラキティッチがセビージャ(スペイン南部の都市)でFeria de Abril/フェリア・デ・アブリル(春祭り)を楽しんでいるところを目撃されたり、木曜にはルイス・スアレスが今季ずっと悩まされていた右ヒザ半月板の内視鏡手術を受け、リーガ残り2試合どころか、25日にある5連覇の懸かったコパ・デル・レイ決勝もパス。ウルグアイ代表で6月のコパ・アメリカに参加する方を選んだというのもバルサファンにいい印象を与えなかったというのもあるんですが、ここで問題となるのは今季最後のホームゲームをベルベルデ監督が勝利で飾り、少しでもダメージを和らげようと、主力を投入するかもしれないってこと。 まあ、そうであっても今週は木曜にマドリッド市内のレストランで決起ランチ会を開き、100試合出場を達成したポルティージョやクラブ通算600得点目を挙げたアンヘルに記念品を贈っていたヘタフェの方が休養十分なのは事実なんですけどね。さすがにここまで来ると、ボルダラス監督にCLについて話すことを禁じられていた選手たちも、「Ya que estamos ahí, queremos la cuarta plaza/ジャ・ケ・エスタモス・アイー、ケレモス・ラ・クアルタ・プラサ(もうボクらはそこにいるからね。4位を手に入れたいよ)」(ポルティージョ)とあからさまに口にするようになっているとあれば、たとえバルサがベストメンバーを並べてこようと心配することはない? そして水曜にはトッテナムがアヤックスをルーカス・モウラが土壇場で挙げたハットトリックで逆転敗退に追い込み、リバプールと一緒にワンダを訪れることが決まる傍ら、今節はCL出場圏争いの渦中にある6位のセビージャと対戦、弟分の歴史的偉業達成に重要な役割を担っているアトレティコはどうしていたかというと。いやあ、こちらも明るい話題は先週、リーガ3連覇を果たした女子チームがこの土曜にはレアル・ソシエダとのコパ・デ・レイナ(女王杯)決勝に挑み、doblete(ドブレテ/2冠優勝)を狙うことぐらいで、爪のアカを煎じて飲ませたいぐらいの男子チームはもう目標があと勝ち点1を獲得して、お隣さんを見下ろせるリーガ2位になるぐらい。そのせいか、この火曜には今季最後のホームゲームを前にこの9年間、アトレティコの屋台骨を支えていたゴディンの退団お別れ会見があったんですが、まあこれもファンには納得のいく類の話じゃないですよね。 というのもずっとクラブと契約延長の交渉を続けてきたゴディンでしたが、「al final no hemos llegado a un acuerdo/アル・フィナル・ノー・エモス・ジェガードー・ア・ウン・アクエルドー(最終的に合意に至らなかった)」ということで、以前、アトレティコでCBコンビを組んだミランダがいるインテルへの移籍を決心。お別れイベントにはシメオネ監督を始め、チームの同僚も大勢駆けつけて、ステージ上で涙に言葉を詰まらすキャプテンにもらい泣きしていたものの、どうして決裂したのか、その理由は最後までわからなかったから。 いえ、後日、今季からカタールのアル・サッドでプレーしているガビなど、「30才以上の選手は1年ごとに契約を延長というクラブの規則は公正なものじゃない。Porque no todos somos iguales, sobre todo cuando alguien da el nivel de Diego/ポルケ・ノー・トードス・ソモス・イグアレス、ソブレ・トードー・クアンドー・アルギエン・ダ・エル・ニベル・デ・ディエゴ(何故なら、皆同じじゃないし、とりわけゴディンのようなレベルを示してくれる選手の場合はね)」と抗議していましたけどね。そういう方針の違いだけでなく、世間からは「超高額年棒の新契約を結んだグリーズマンやシメオネ監督が少しでも報酬を諦めれば、ゴディンに払うお金もあったに違いない」という意見も聞かれたため、クラブの予算も関係していたのかと。 とりわけ今季は人件費に圧迫され、トップチームの選手を20人しか持てない中、プレシーズンの練習不足による負傷者が多発。8月のUEFAスーパーカップ以外、タイトルと無縁になってしまったアトレティコですしね。ケガ人による人出不足は今節も例外でなく、ヒメネス、サビッチが欠場。先発CBの片割れはカンテラーノ(アトレティコBの選手)のモンテロで落ち着いたものの、先週のトマス、サウールに続き、マハダオンダ(マドリッド郊外)のセッションではシメオネ監督が未体験のロドリまで、CBの位置で試していたとか。うーん、もしかしてこれはスタンドが拍手で送れるよう、ゴディンを途中交代した際、DFがいなくならないようにという用心の意味もあるのかもしれませんけどね。 とりあえず、この日曜はチームで一番仲のいいゴディンの移籍を機に再び、バルサ行きの噂が出てきたグリーズマンを筆頭にチーム全員で必勝を心して、セビージャに挑んでもらいたいもの。その結果、弟分に援護射撃ができて尚且つ、2位を確定できればそれに越したことはありませんしね。ちなみにヘタフェのライバルとしては同じ勝ち点差3、こちらもEL出場権は確定した5位のバレンシアがいるんですが、彼らは木曜のEL準決勝2ndレグでもアーセナルに2-4と負け、メスタジャでremontada(レモンターダ/逆転突破)を果たすことができず(総合スコア3-7)。コパ決勝でバルサに勝ってもCL出場権はもらえないため、残り2試合、死に物狂いで勝ちに行くはずですが、その点、ヘタフェはあと勝ち点4でいいのはちょっと気が楽でしょうか。 え、それで木曜の夜はELもう1つの準決勝でチェルシーとフランクフルトが激突。おそらくジダン監督も来季の補強候補、アザールとヨビッチが延長戦後、最後のPK戦でもそれぞれしっかり沈め、最後はチェルシーの決勝進出が決まるまでしっかり観察していたはずのマドリーの今週末の試合はどうなっているのかって?いやあ、彼らはアノエタでのレアル・ソシエダ戦になるんですが、相手はアスレティック、エスパニョール、アラベス、レガネス、ベティスと共にコパのフィナリストがリーガでヨーロッパの大会出場権を得ているため、EL出場権が回ってくる7位を争うチーム。ただこの権利は予選2回戦からの参戦と、7月末からシーズン開幕をしないといけないという代償も伴うため、本気で狙っているチームは少ないはずですが、そういう意味で言えば、ソシエダは強く望んでいる方かも。 対するマドリーにはもう、ファンの怒りを招かないプレーをする程度の目的意識しかないため、勝敗より、むしろ前節、ケガから復帰したビニシウスがコパ・アメリカのブラジル代表に招集されるよう、アピールできるか、ベイルやイスコ、ジョレンテ、セバージョスといった放出が噂される選手たちが招集されるのかといったぐらいしか、世間も興味を抱いていないんですけどね。朗報はここ2試合、負傷で出られなかったベンゼマの復帰。ふくらはぎを痛めたセルヒオ・ラモスはもう1カ月も経つのにまだ回復せず、最終節のベティス戦、そして6月のユーロ2020予選のスペイン代表でプレーして今季を終わらせたいという意向のようです。 そして木曜にペレグリーノ監督が2021年まで指揮を執ることを発表したレガネスは、いえ、数字的に彼らも7位になれるんですが、7月末にはまだ選手が半分ぐらいしかいない可能性が高いですからね。無理はせず、今季ブタルケで最後となるエスパニョール戦でファンと共に前節、確定した3シーズン連続の1部残留を祝うのが得策かと。一方、降格が決まったラージョはエスタディオ・バジェカスにバジャドリーを迎えるんですが、何せ相手はセルタ、ビジャレアル、レバンテ、ジローナと共に2部行き最後のババを引くまいと必死。今季はもうチームに見切りをつけたabonado(アボナードー/年間指定席購入者)たちが応援に駆けつけるバジャドリーファンに席を譲っているなんて話も聞きますし、ここで勝ったらそれこそ悪役決定? まあ、そんなこともないでしょうけど、同じ2016年には揃って降格したヘタフェとラージョながら、片やCL出場目前、他方は1年で逆戻りと随分と差が開いてしまったもの。やはりその辺はクラブのプランニングやフロントの目利きの差になるんでしょうが、今季は2部の弟分、アルコルコンとラージョ・マハダオンダも昇格の目はなく、果たしてこの先、マドリッド5チーム体制が復活するシーズンはあるのかどうか。それより4チームが揃ってヨーロッパを闊歩する日の方が近そうな気もしますが、何はともあれ、一斉開催のこの日曜日、マドリッドを訪れているファンは3試合、観戦のオプションがあることを覚えておくといいかもしれませんね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.05.11 13:00 Sat
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とうとう脱落者が出た…/原ゆみこのマドリッド

「試合を見られるならやりたいかも」そんな風に私が思案を巡らしていたのは月曜日、マルカ(スポーツ紙)のウェブ版にUEFAがワンダ・メトロポリターノのCL決勝オープニングセレモニーのパフォーマンスに参加するボランティアを募集しているという記事を見つけた時のことでした。いやあ、「200 voluntarios bailarines, deportistas y estudiantes de teatro y música/ドスシエントス・ボルンタリオス・バイラリネス、デポルティスタス・イ・エストゥデアンテス・デ・テアトロ・イ・ムシカ(ダンサー、スポーツ選手、演劇と音楽専攻の学生のボランティア200人」とあるため、全然自分は条件に当てはまらなかったりするんですけどね。 実際、記事の焦点もマドリッド州のプロダンサー協会や興行アーティスト労働組合が芸術家の尊厳と権利を侵犯する行為と抗議、要はタダ働きさせようというのはけしからんという、まあ、どこか東京五輪のために大量のボランティアスタッフを募集していた際と同じような文句が出ていたことにあるとはいえ、いやいや、絶対いますって。セレモニー後も居座って、火曜のリバプールvsバルサ戦(1stレグは3-0でバルサ勝利)、水曜のアヤックスvsトッテナム(同0-1でアヤックスが勝利)の準決勝2ndレグが終わるまで、ファイナリストがわからなくてもビッグマッチを覗き見したいと思って応募するファンは。 まあ、2010年のサンティアゴ・ベルナベウでのバイエルンとインテルのCL決勝同様、すでにマドリッド勢とは何の関係もない6月1日、シーズンのトリを飾る大一番のことは置いておいて、今は激動だった先週末のリーガのことをお話ししないと。いえ、金曜にはレガネスがサンチェス・ピスファンでセビージャに0-3で大勝と良き隣人ぶりを発揮してくれたため、これは幸先がいいとニンマリした私だったんですけどね。残念ながら、土曜の部は最低で、お昼にはラージョがシュタット・デ・バレンシアでまだ残留が決まっていないレバンテに4-1とコテンパンにのされてしまうことに。 そう、前半8分のカンパーニャに先制されると、43分にもベスガに追加点を奪われ、後半にはアルバロ・ガルシアのゴールで一矢を報いたものの、エンバルバが退場になる始末。最後はジェイソン、バルディに止めを刺されてしまったから、見るも無残とはまさにこのことだった?これではせっかく前節では兄貴分のレアル・マドリーにエスタディオ・バジェカスで1-0と勝ったのも焼け石に水、パコ・ヘメス監督も「Con los seis puntos que hay en juego no nos va a llegar/コン・ロス・セイス・プントス・ケ・アイ・エン・フエゴ・ノー・ノス・バ・ア・ジェガール(残りの勝ち点6を溜めても届かないかもしれない)」と覚悟を決めていたようでしたが…。 実際、その予想が現実化したのは翌日曜だったんですが、土曜は続いてエスパニョール戦に挑んだアトレティコも最低で、うーん、序盤にはモラタがGKディエゴ・ロペスとの1対1を弾かれたり、ロドリやレマルもシュートを撃っていたんですけどね。あと少しでハーフタイムという時に失点してしまったんですよ。ええ、グリーズマンがエリア内に通そうとしたパスが敵に渡り、そこから20才のカンテラーノ(下部組織の選手)、左SBのペドロサが急発進。追いすがるロドリも立ちふさがるサビッチもものともせず、「Mi velocidad es innata y la intento explotar/ミ・ベロシダッド・エス・インナタ・イ・ラ・インテントー・エクスプロタル(ボクのスピードは生来のもので活用しようとしている)」(ペドロサ)と80メートルを走り抜くと最後はゴール前にラストパス。これをゴディンがクリアしようとしたところ、運悪くゴールに入ってしまったから、さあ大変! おまけにこれだけならまだ許せたんですが、やはり前節にはバルサの優勝が決まって気が緩んでいたんですかね。ペロロサを止めようとして太ももにケガをしたサビッチがコレアに交代、サウールがCBに転用された後半にもアトレティコは8分にロドリが中盤でボールをメレンドにプレゼント。そこからボルハ・イグレシアスを決めて2点目を奪われると、残り2分にはファンフランがエリア内でプアドに体当たりをかまし、ペナルティを取られるという災難も。いえ、そのPKもボルハ・イグレシアスに沈められ、結局3-0で負けたものの、通算23失点のGKオブラクは2位のアスレティックのエレリンとは5ゴール差あるため、4年連続でのサモラ(リーガで一番失点率の低いGKに与えられる賞)獲得には余裕なんですけどね。 だからって、「Siempre jugamos para ganar/シエンプレ・フガモス・パラ・ガナール(常に勝つためにプレーする)」(コケ)はずのアトレティコが、「後半のボクらはボクら自身でなかった。他に説明する方法はないよ」と開き直られてもねえ。お隣さんの上で終わるという目標を達成するにもあと勝ち点1は必要ですし、何より次に当たるのは弟分ヘタフェとCL出場圏末席の4位を争っているセビージャとなれば、このまま頭がバケーション入りしてしまっては困るかと。ちなみにそのワンダでの今季最後のホームゲームは2010年から、8タイトル獲得したアトレティコ黄金期の屋台骨となり、今季終了後のインテル移籍が濃厚になっているゴディンのお別れ試合となりますが、きっと最後は当人もまっとうなゴールを挙げて、ファンに感謝を示したいと思っているはずですよ。 え、私が絶対にセビージャに勝ってもらいたいと思うのはゴディンのためだけでなく、翌日、前節はVAR(ビデオ審判)に冷遇され、レアル・ソシエダ戦に負けながら、コリセウム・アルフォンソ・ペレスのファンの前で見事に立ち直ったヘタフェを見たせいじゃないかって?そうですね、まぶしい正午の光が降り注ぐ中、相手のジローナが残留争いの渦中にあり、どこか動きが固かったせいもあったんですが、最初に満員のファンの応援に応えてくれたのは37才のベテラン、ホルヘ・モリーナ。 いやあ、それは前日、マルカのインタビューで22才の誕生日前に選ばないといけない国籍について、「Claro que sé el que voy a elegir y será el japonés. Aunque si quiere puede hacer ver como que no lo sabe/クラーロ・ケ・セ・エル・ケ・ボイ・ア・エレヒル・イ・セラ・エル・ジャポネス。アウンケ・シー・キエレ・プエデ・アセール・ベル・コモ・ケ・ノー・ロ・サベ(どちらを選ぶかはわかっていて、日本になるはずよ。望むなら、まだわからないように見せかけることはできるけどね)」と答えているのを読み、私も嬉しくなった大阪なおみ選手のマドリード・オープン1回戦中。チブルコアに勝つのをスマホでテレ・デポルテ(スペイン国営放送のスポーツチャンネル)をつけながら、チラ見していた最中のことだったんですが、前半11分にはエリア内から狙い澄ましたシュートを決めて、自身リーガ1部ではシーズン最多となる今季14本目のゴールを決めているんですから、これにはシャッポを脱がない訳にはいかない? とはいえ、ようやく追加点が入ったのは後半32分になってからなんですけどね。それまでも彼やマタ、そして交代で入ったアンヘルに絶好機がありましたし、神経質になっていたジローナが審判への悪態でボルハ・ガルシアがレッドカードを受けて1人少なくなるという有利な状況も発生。最後はブルーノのパスをアンヘルが撃ち込んで、スコアが2-0となったから、前節の退場でその日はラジオのボックス席から観戦していたボルダラス監督も安心できたかと。 ただこの勝利で、来季EL予選2回戦から出場の権利が回る予定の7位以上が確定したヘタフェですが、まだ正念場が残っていて、今週末はカンプ・ノウでのバルサ戦。ええ、リーガ優勝を決め、今週はリバプール戦2ndレグを控えているため、土曜のバライドスではレギュラー全員を温存。結果、セルタに勝ち点3を贈り、残留争いに絡んでいる他のチームから顰蹙を買ったバルベルデ監督のチームですが、「el Barca ya habra jugado contra el Liverpool y alineara su mejor once/エル・バルサ・ジャー・アブラ・フガードー・コントラ・エル・リバプール・イ・アリネアララ・ス・メホール・オンセ(バルサはリバプール戦が終わって、ベストメンバーを並べてくるだろう)」というボルダラス監督の懸念はもっともですからね。 まったく気は抜けないんですが、実はこの日のヘタフェはマタとブルーノがイエローカードを受け、累積警告になるという逆境も。いえ、考えようによっては、おかげでフルキエが負傷から復帰したため、ジローナ戦でベンチ外になってしまった柴崎岳選手が遠征に参加できるかもしれないという希望も出てきたんですけどね。まだ最終節のビジャレアル戦もあるため、4位を確定するまでに必要な勝ち点4を溜められる可能性は大いにあると思いますが、さて。実際、今季のセビージャを見てもわかるように7位となって、7月末からEL予選が始まると、チームがシーズン中に息切れしてしまう危険が高いため、是非ともそこは避けてもらいたいところではあるんですよね。 そしてアトレティコ女子がサン・セバスティアン(スペイン北部の都市)でレアル・ソシエダに1-3と勝利、2位のバルサに勝ち点差6をつけて、3年連続のリーガ優勝トロフィーを掲げている間にコリセウムからサンティアゴ・ベルナベウに直行した私でしたが、やはりいくら陽気が良くても先日のラージョ戦を見て失望したファンが多かったんでしょうか。スタンドは今季リーガ戦で最低となる4万6254人という観客数で隙間が沢山あったんですが、fondo sur/フォンド・スール(南側ゴール裏席)に「EL MADRIDISMO ESTÁ CONTIGO. FUERZA IKER, ETERNO CAPITÁN/エル・マドリディスモ・エスタ・コンティーゴ、フエルサ・イケル、エテルノ・カピタン(マドリーファンは君と共にある。頑張れ、イケル、永遠のキャプテン)」と先日、ポルトの練習中に心臓発作を起こし、入院していていたカシージャスを励ます横断幕が登場。 選手たちも「Iker, todos contigo/イケル、トードス・コンティーゴ(イケル、皆君と共に)」とプリントされたTシャツを着用し、モウリーニョ監督時代から一部のマドリーファンと折り合いが悪くなり、2015年に移籍したレジェンドの早期回復を願ってキックオフしたゲームの方はすぐさま盛り上がります。ええ、開始2分には今、チームで一番、ジダン監督にアピールしてやるという熱意を持っている19歳のブラヒムが34才のカソルラから敵陣でボールを奪いマリアーノにパス。そのシュートがネットに突き刺さり、それまでの8得点、全てがベンゼマによるものという独占状態を解消してくれたから、助かったの何のって。 とはいえ、今季はずっと続いているベテランたちのレベル低下によるミスはこの日も起こり、11分にはカセミロが自陣エリア近くでアルバロにボールを奪われてしまう失態を犯してしまいます。ジェラール・モレノのシュートが決まり、すぐに同点にされてしまったんですが、大丈夫。40分にはカルバハルのキラーパスを再びマリアーノがゴール前から押し込み、再びマドリーがリード。後半開始早々にはショートCKからマルセロが送り込んだボールが敵DFに当たって転がり、バジェホが3点目を挙げてくれたんですが、いやあそれが、2カ月のブランクを経て、ビニシウスもようやく出場を果たした終盤、あんなにボールが行ったり来たりすることになろうとは。 もちろんビジャレアアルにはあと勝ち点1で残留が確定するという目標があったからですが、おかげでロスタイム4分にはGKクルトワがジャウメ・コスタに強烈な一撃を喰らい、とにかく残り時間がなかったのが幸いしましたかね。何とか3-2で逃げ切り、面目を保つことができたのは良かったかと。シュートは負傷前と変わらず、決められなかったもの、これでビニシウスもコパ・アメリカのブラジル代表招集に向けて、一歩進めましたしね。 この日はリバビリ中のセルヒオ・ラモス、オドリオソラ、ベンゼマに加え、ベイル、モドリッチ、セバージョスがベンチ外となり、私などただのローテーションだろうとしか思わなかったんですが、スペインマスコミは話題作りもあってか、完全に放出要員扱いにしていたりするのはあまり感心しないものの、3月から続く彼らの消化試合もあと2つ。週末のレアル・ソシエダ戦は相手がまだ、7位に上がる可能性があるため、ちょっと苦労しそうですが、最終節のベティス戦はpito(ピト/ブーイング)なしでベルナベウのファンに見送ってもらえるといいのですが。 え、それよりドラマが待っていたのはその後じゃなかったのかって?その通りで次の試合ではバジャドリーがアスレティックに1-0で勝利、ジローナを18位に突き落としたのみならず、この時点でラージョの2部降格が決定したんですよ。おまけに日曜最後の試合では、木曜のEL準決勝2ndレグではメスタジャでアーセナルに2-0以上で勝たないと逆転できないバレンシアが予行演習。勝てばまだかすかながら、残留の可能性があった相手から、前半だけで5点も奪い、最後は2-6の大勝となったため、ラージョに続いてウエスカも来季は2部の住民に戻ることに。 まあ、ラージョはもう自業自得だったので、私も腹を括っていたんですが、おかげでバレンシアが5位に上がり、ヘタフェと勝ち点差3になってしまったのは非常に痛いところ。うーん、こうなると残り2節、今週は火曜まで練習しないアトレティコと水曜まで練習しないマドリーの2位争いはともかく、ヘタフェの4位死守を全力で応援するばかりですが、もう人ごとながら、セルタ、ビジャレアル、レバンテ、バジャドリー、ジローナが勝ち点差3の中で降格の残り1席を争う戦いも熾烈なことになりそうな。果たして日曜午後6時30分に全てのカードがunificacion(ウニフィカシオン/統一)された次節、ババを引くのはどのチームになるのでしょうか。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.05.07 12:30 Tue
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リーガはまだ終わらない…/原ゆみこのマドリッド

「やっぱり何もないからかしら」そんな風に私が首を傾げていたのは金曜日、マハダオンダ(マドリッド近郊)のアトレティコ練習場でシメオネ監督の記者会見を聞いた帰りがけ、Puente de mayo/プエンテ・デ・マジョ(5月の連休)で学校がないにも関わらず、駐車場出口で選手を待っているファンが意外に少ないことに気がついた時のことでした。いやあ、折しも前日はバレンシアがEL準決勝1stレグでアーセナルと対戦。自宅のTVで見られたのはもう1つのカード、フランクフルトvsチェルシーだったため、長谷部誠選手やレアル・マドリーの補強候補に挙がっているヨビッチ、そしてアザールらのプレーを眺めていたんですが、その後、エミレーツ・スタジアムのサマリー映像に何とも言えない懐かしさを感じることに。 ええ、というのも1年前、やはりEL準決勝でアーセナルを当たったアトレティコを応援に私もロンドンでの1stレグに駆けつけていたから。それもあの時は前半10分にベルサイコが退場させられるわ、続いてシメオネ監督も抗議で退席処分になるという恐ろしい始まり方で、おかげでポゼッションなんて30%を切るぐらい。挙句の果てに後半16分、ラガゼットに先制点を奪われた日にはもう、せめて最小得点差負けに留めてくれと祈るばかりに。 ところが何と37分、グリーズマンが起死回生の同点ゴールを挙げてくれたんですよ!すると翌週のワンダ・メトロポリターノでの2ndレグではジエゴ・コスタ弾で1-0での勝利で突破、リヨンでのマルセイユとの決勝なんて0-3と圧巻の強さで優勝を決め、8月にはタリンでのUEFAスーパーカップまでお隣さんを制してトロフィーを掲げてしまったとなれば、その間、ずっとシメオネ監督がベンチ入り禁止処分でいなかったことなんて誰も思い出さない? まあ、要はアトレティコファンもその間、エキサイティングな日々を過ごしていたということですが、それとは対照的だったのがバレンシア。ええ、前半10分にディアカビのヘッドで先制したものの、ベンゲル監督からウナイ・エメリ監督に代わっていたアーセナルは30分になる前にラカゼットの2発で逆転に成功すると、終了間際にもオーバメヤンに決められて、3-1で負けてしまったから、さあ大変!こうなると同日の昼間は25日にバルサとベニト・ビジャマリンで対戦するコパ・デル・レイ決勝のチケットを求め、メスタジャの窓口に長蛇の列を作っていたバレンシアファンたちも先に来週木曜の2ndレグでいかに、かつて1度もヨーロッパの大会でこれだけの差を覆したことのないチームを奇跡のremontada(レモンターダ/逆転突破)ムードに持っていくか、応援に知恵を絞る方が優先になりそうですが、その辺は所詮、ヨソ様のチームのこと。 翻って今季はCL16強対決でユベントスに逆転敗退して以来、3月半ばから週1ペースの試合をしているアトレティコはこの水曜なんて、まさにカンプ・ノウでの1stレグでバルサがリバプールを3-0で下し、CL決勝進出に王手をかけている時間にチーム全員揃って、セントロ(市内中心部)にあるヌエボ・アポロ劇場でミュージカル鑑賞していたんですよ。そりゃあコケなどに言わせると、「Tenemos la decepcion de la Juve, pero al final te echa un gran equipo/テネモス・ラ・デセプシオン・デ・ラ・ユーベ、ペロ・アル・フィナル・テ・エチャ・ウン・グラン・エキポ(ユーベ戦での失望はあったけど、最後は偉大なチームに負けたんだよ)。マズかったのはコパで、準々決勝には行くべきだった」という話なんですけどね。 でもねえ、「En general es buena temporada/エン・ヘネラル・エス・ブエナ・テンポラーダ(全般的にはいいシーズンだった)。だって、またリーガでマドリーより上で終われるんだからね」(コケ)というのが慰めになったのは一昔前のアトレティコファン。シメオネ監督も「1位になれないのなら、2位にならないといけない。 Es lo que nos da la regularidad, que es lo que podemos festejar/エス・ロ・ケ・ノス・ダ・ラ・レグラリダッド、ケ・エス・ロ・ケ・ポデモス・フェステハール(ウチに規則的な実力を発揮させることになるし、それは祝うことができる)」と言っていましたが、はい、先週末にはバルサのリーガ優勝が数字的に確定し、もう白日夢すら見られませんからね。 おまけにこの土曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)からのリーガ36節なんて、相手もすでに残留決定済み、かといってEL出場権がもらえるかもしれない7位までは勝ち点差6と難しいところにいるエスパニョールなため、せっかくアジアに優しい時間帯ながら、ウー・レイの活躍を楽しみにしている中国のサッカーファンたちの方がずっと多くチャンネルを合わせてくれそうですし、日本のアトレティコファンにアピールできるところがなかないのが私にとっても悩みの種。ちなみに今週前半はサビッチがジムごもりしていて、ネウエンもU-20アルゼンチン代表に行ってしまったため、シメオネ監督はサウールとトマスに更なるマルチぶりを発揮してもらおうとCBをやらせていたりしたんですが、幸い木曜には合流。 私が見学できた最初15分の練習ではジエゴ・コスタが張り切っていましたが、こちらは出場停止処分消化に来季1節までかかるため、再び前線はグリーズマンとモラタ頼りとなりそう。このエスパニョール戦の後は弟分のヘタフェとCL出場圏の末席、4位を争っているセビージャ、締めは降格圏すぐ上の3チームの一角を占めるレバンテと、もしかしたらラージョの最後の命綱になるかもしれない大事な試合が控えているアトレティコですからね。最近はお隣さん同様、シーズンオフの人事系話題が増えていることなどには惑わされず、リーガ優勝の目が消えたバルサ戦での負け以来、驀進している連勝街道を途切れさせることなく、今季を終わってくれるといいのですが。 え、それで土曜にはアトレティコの前に奇跡の残留を懸けたレバンテとの一戦に挑むラージョはどうしているのかって?いやあ、丁度今週は水曜にエスタディオ・バジェカスで公開練習があったため、私も覗きに行ってみたんですけどね。その日はDía del Trabajador/ディア・デル・トラバハドール(労働者の日)の祝日だったというのに、前節は兄貴分のマドリーに1-0で勝ち、激しく盛り上がっていたスタンドに来ていたサポーターはせいぜい2、30人といったところ。おかげでロッカールームへの出入り口の上に陣取ったファンたちは選手にサインやセルフィーを頼み放題でしたが、やっぱり連休の初日とあって大多数はバケーションに行ってしまった? 練習の方は私もほとんどラージョのセッションは見たことがなかったため、興味を持って眺めていたところ、ちょっと他のチームと違うんですよね。位置を変えながらのパス交換では3組程に分かれてやるアトレティコに対し、全員一緒でやるため、選手たちが順番待ちする時間が長かったり、攻撃陣と守備陣に分かれての演習も動きを説明するのがパコ・ヘメス監督しかいないせいか、前者のパスをつないでシュートというエクササイズが始まるまで、後者は手持無沙汰にしていたり、それより何より、partidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)をやるとなってから、用具係がビブスを取りにスタジアム内部まで行っていたのにはビックリ。 素人ながら、もうちょっと要領良くやれないのかと思ったものですが、最後はここ2試合、出場停止とレンタル移籍による契約条項でプレーできなかったラウール・デ・トマスを始め、ファンたちがいるスタンド側にあるゴールに向かって選手たちがシュートというサービスタイムも。ええ、もう今の段階ではどんな練習をするより、気合で頑張るしかありませんからね。ただ、パコ・ヘメス監督も前日記者会見で「El partido de mañana va a ser mucho más complicado de lo que fue el del Real Madrid/エル・パルティードー・デ・マナヤナ・バ・ア・セル・ムーチョ・マス・コンプリカードー・デ・ロ・ケ・フエ・エル・デル・レアル・マドリッド(明日の試合はレアル・マドリー戦よりずっと難しくなるはず)」と言っていたように、相手はすでに頭がバケーションに行っているような兄貴分とは違い、残留争いの直接ライバル。 おまけに前節はバルサの優勝を遅らせる寸前までいきながら、後半に出場したメッシにゴールを許し、勝ち点1も獲得できないという悔しい思いをしているレバンテだけに、かなり手ごわそうですが、その後もバジャドリー戦、セルタ戦とラージョが残留争い渦中のチームとばかり当たるのはいいんだか、悪いんだか。どちらにしろ、現在、残留ラインと勝ち点差が6ある彼らはとにかく勝ち続けるしか、道はないですし、来季もマドリッドが1部5チーム体制を維持できるよう、私も応援していますよ。 そして今週末の日曜はスペインの首都で2試合が開催されて、正午(日本時間午後7時)からはコリセウム・アルフォンソ・ペレスでヘタフェがやはり、残留争いの渦中にあるジローナと対戦。うーん、前節のレアル・ソシエダ戦ではVAR(ビデオ審判)が入りながら、ペナルティを2つもスルーされるという不運に見舞われ、2-1で負けてしまった彼らですが、幸いながら、その日は4位争いのライバル、セビージャとバレンシアも共に躓くというラッキーが。おまけに金曜に一足先にプレーした同じ弟分のレガネスが前半8分にはエン・ネシリが、20分にはブライトワイトが決め、後半にもオスカルが3点目をゲット。何とサンチェス・ピスファンで0-3の勝利という、信じられない援護者射撃をしてくれたって、持つべきものは良き隣人? おかげでレガネスも数字的に残留が確定しましたし、ヘタフェもセビージャとは同じ勝ち点で4位という状態を保ったまま、仕切り直しができるんですが、実は審判の抗議で退場させられたボルダラス監督が2試合のベンチ入り禁止処分を課されるという逆境も。いえ、くだんのシメオネ監督の例を見れば、それでチーム力が落ちる訳ではないんですけどね。前節と違うのはミッドウィーク開催リーガがなかった今週はホルヘ・モリーナ、マタ、アンヘルの30代FWトリオもしっかり体力を回復できたこと。逆にアノエタで90分プレーした柴崎岳選手はまたベンチに戻ってしまう気がしますが、こればっかりはねえ。何はともあれ、最下位のウエスカと対戦するバレンシアにもELの疲れがありますし、ラージョのためにもこのチャンスは逃さないでくれるといいのですが。 え、それで日曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)からのマドリー戦は何を楽しみにしたらいいのかって?そうですね、まだ残留は確定していないものの、一応勝ち点40を貯め、降格圏まで間に3チームあるため、少し余裕が出てきたビジャレアルをサンティアゴ・ベルナベウに迎えるジダン監督のチームなんですが、むしろ今週は水曜に元キャプテンのカシージャスがポルトでの練習中に心臓発作を起こして緊急入院。幸い手当てが間に合って、月曜には退院できる程、回復したようですが、この先の選手生命についてはわからないという心配な話題で持ちきりに。 それ以外では相も変わらず、アザール、ポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)、エリクセン(トッテナナム)、バン・デ・ビーク(アヤックス)ら戦力補強候補について、ベイル、イスコ、セバージョス、レギロンといった放出候補について、更にはハメス・ロドリゲスやコバチッチらレンタル移籍からの帰還組についての話ばかり。その辺を見ても今季の残り試合はただただ、辛抱して消化するものになりそうなんですが、どうやらそろそろビニシウスの復帰は期待しても良さそう。ええ、CL16強対決アヤックス戦の2ndレグで負傷した彼は全体練習に加わってもう2週間。ここ2試合、ヘタフェ、ラージョと弟分たちから1点も奪えていない攻撃陣だけにいい刺激になってくれるかと。 いえ、ラージョ戦直前にケガをしたベンゼマはランニングをした程度で今週末には間に合わないんですけどね。セルヒオ・ラモスとオドリオソラもまだリハビリ中とあって、それ以外、メンバー的にあまり変わりはないんですが、せめてホームのファンの前ではいいプレーを見せてほしいかと。ちなみにこの日曜の試合は間が2時間以上あるため、セルカニアス(国鉄近郊路線)やメトロを使って梯子が可能。たまたまマドリッドに観光に来ているファンでしたら、チャレンジしてみるのも面白いかと思いますが、プレーの温度差は大きいかもしれませんね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.05.04 08:00 Sat
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