【ブンデスリーガ移籍総括】無風の王者バイエルンを含めビッグネーム到来はなし…日本人選手が活発な動き2018.09.05 18:00 Wed

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▽現地時間8月31日18時(日本時間9月1日25時)に今夏のブンデスリーガ移籍市場が閉幕した。例年、移籍市場序盤のうちにほとんどの取引を決める堅実な動きが特徴のドイツだが、今季はセリエAやプレミアリーグの移籍市場閉幕前倒しの影響などもあり、比較的デッドライン付近まで各チームが補強を行う場面が目立った。

◆絶対王者は無風の夏
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▽今夏、ハインケス監督の2度目の勇退を経て前フランクフルト指揮官のコバチ監督が新指揮官に就任したバイエルンは同監督が望む新戦力の獲得も噂されたが、結果的に無風の夏を過ごすことになった。純粋な意味での選手獲得はシャルケからフリートランスファーのMFゴレツカのみに終わり、ここにレンタルバックのFWニャブリ、今冬加入予定の逸材FWデイビスが新たにスカッドに加わる。

▽一方、放出に関してはゴレツカの加入で押し出される形となったMFビダルがバルセロナ、ポジション争いに敗れたMFルディ、DFベルナトがそれぞれシャルケ、パリ・サンジェルマンへと旅立った。それ以外は今夏の流出濃厚とみられたDFボアテングの残留を含め昨季の主力の残留に成功し国内での戦いに大きな問題が生じる可能性は低い。あとはシーズン前半戦を戦いながら今冬の移籍市場開幕までに人員の整理や補強候補の選定を行うことになりそうだ。

◆新生ドルトは主力流出回避も目玉補強なし
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▽前ニースのファブレ新監督の下でバイエルンから覇権奪還を目指すドルトムントはDFパパスタソプーロスがアーセナルに引き抜かれたものの、MFプリシッチやMFヴァイグル、MFロイスなど今夏引き抜きの噂があった主力の慰留に成功した。その一方で、新加入選手に関してはチェルシーにレンタルバックしたFWバチュアイの後釜にバルセロナからFWパコ・アルカセル、現役引退のGKヴァイデンフェラーの後釜にアウグスブルクの守護神ヒッツという穴埋め補強が目立ち、チーム力向上に繋がる補強はMFヴィツェル、MFヴォルフ、MFデラネイの3選手にとどまった印象だ。

▽放出に関しては前述のパパスタソプーロスを除きMFシャヒンやFWシュールレ、FWヤルモレンコなど余剰人員の整理に着手し、まずまずの成果を上げた。なお、トルコやスペイン行きの噂が伝えられていたMF香川真司に関しては今夏の残留が決定しており、今後はファブレ監督の覚えがめでたくない中で序列を上げていくようなアピールが求められる。

◆その他の上位陣も堅実な夏に
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▽ドルトムントと同様に盟主バイエルンの遠き背中を追う上位陣ではいずれもヨーロッパのコンペティションとの二足の草鞋に向けて量的な面での補強には成功したものの、ビッグネームは皆無。それでも、思わぬ掘り出し物やブレイクが期待される若手逸材の登場は期待できそうだ。

▽昨季2位のシャルケはMFゴレツカ、MFマイヤー、DFケーラーという若手逸材の後釜に経験豊富なMFルディ、DFサネ、フランクフルトで結果を残したMFマスカレルらを獲得。また、アーセナルも興味を示した左サイドバックの逸材メンディルの獲得にも成功している。

▽昨季3位のホッフェンハイムでは主力の流出がなかった一方、補強は国内で実績があるMFグリフォ、MFビッテンコート、FWベルフォディルというやや小粒な補強が目立ち初参戦のCLとの並行に不安を残す。

▽その他の上位陣の補強ではレバークーゼンが獲得したブラジルの次代を担う逸材アタッカーのパウリーニョやRBライプツィヒが獲得したU-21フランス代表DFムキエレ、シュツットガルトに加入したマンチェスター・シティ出身のDFマフェオら若手選手に注目したいところだ。

◆久保、浅野、原口、大迫が新天地に
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▽今夏の移籍市場では日本人選手にも大きな動きがあった。ロシアW杯での活躍で一気に知名度を増したFW大迫勇也はケルンの降格に伴い、W杯開催前にブレーメンへの移籍が決定。また、同じくW杯参加組ではFW宇佐美貴史が昨季に続きアウグスブルクからのレンタルという形で自身が昇格させたフォルトゥナ・デュッセルドルフに残留。FW原口元気は不遇をかこったヘルタ・ベルリンを離れてハノーファーに完全移籍した。なお、そのハノーファーには昨季シュツットガルトでプレーしたFW浅野拓磨がアーセナルからのレンタルという形で加入している。

▽さらにベルギーのヘントで実績を作ったFW久保裕也はレンタルで昇格組のニュルンベルクに加入し、今季からブンデスリーガ初挑戦となる。

▽一方、ブンデスリーガからの移籍組ではFW武藤嘉紀が予てよりの希望だったプレミアリーグのニューカッスルにステップアップの移籍を果たし、フランクフルトで構想外となったMF鎌田大地は日本資本で多くの同年代の日本人選手が在籍するベルギーのシント=トロイデンで再起を図ることになる。

▽今夏ブンデスリーガ主な移籍の一覧は以下の通り。

【今夏のブンデスリーガ主な移籍】

◆バイエルン
【IN】
MFレオン・ゴレツカ←シャルケ
FWアルフォンソ・デイビス←バンクーバー・ホワイトキャップス(カナダ)

【OUT】
GKトム・シュターケ→現役引退
DFフアン・ベルナト→パリ・サンジェルマン(フランス)
MFセバスティアン・ルディ→シャルケ
MFアルトゥーロ・ビダル→バルセロナ(スペイン)

◆シャルケ
【IN】
DFサリフ・サネ←ハノーファー
DFハムザ・メンディル←リール(フランス)
MFセバスティアン・ルディ←バイエルン
MFオマル・マスカレル←レアル・マドリー(スペイン)
MFスアト・セルダー←マインツ
FWマルク・ウート←ホッフェンハイム

【OUT】
DFティロ・ケーラー→パリ・サンジェルマン(フランス)
DFベネディクト・ヘヴェデス→ロコモティフ・モスクワ(ロシア)
MFマックス・マイヤー→クリスタル・パレス(イングランド)
MFレオン・ゴレツカ→バイエルン

◆ホッフェンハイム
【IN】
DFカシム・アダムス←ヤング・ボーイズ(スイス)
DFヨシュア・ブレネト←PSV(オランダ)
MFレオン・ビッテンコート←ケルン
MFヴィンチェンツォ・グリフォ←ボルシアMG
FWイシャーク・ベルフォディル←スタンダール・リエージュ(ベルギー)

【OUT】
MFフィリップ・オクス→オールボー(デンマーク)
MFユーゲン・ポランスキ→無所属
FWマルク・ウート→シャルケ

◆ドルトムント
【IN】
GKマーヴィン・ヒッツ←アウグスブルク
DFアブドゥ・ディアロ←マインツ
DFアクラフ・ハキミ←レアル・マドリー(スペイン)※
MFアクセル・ヴィツェル←天津権健(中国)
MFトーマス・デラネイ←ブレーメン
MFマリウス・ヴォルフ←フランクフルト
FWパコ・アルカセル←バルセロナ(スペイン)※

【OUT】
GKロマン・ヴァイデンフェラー→現役引退
DFエリック・ドゥルム→ハダースフィールド(イングランド)
DFソクラティス・パパスタソプーロス→アーセナル(イングランド)
DFフェリックス・パスラック→ノリッジ(イングランド)※
MFゴンサロ・カストロ→シュツットガルト
MFヌリ・シャヒン→ブレーメン
FWアンドレ・シュールレ→フルアム(イングランド)※
FWアンドリー・ヤルモレンコ→ウェストハム(イングランド)

◆レバークーゼン
【IN】
GKルーカス・フラデツキー←フランクフルト
DFミチェル・ヴァイザー←ヘルタ・ベルリン
FWパウリーニョ←ヴァスコ・ダ・ガマ(ブラジル)
FWイサーク・キース・テリン←アンデルレヒト(ベルギー)※

【OUT】
GKベルント・レノ→アーセナル(イングランド)
DFベンヤミン・ヘンリクス→モナコ(フランス)
FWシュテファン・キースリンク→現役引退

◆RBライプツィヒ
【IN】
DFノルディ・ムキエレ←モンペリエ(フランス)
DFマルセロ・サラッキ←リーベル・プレート(アルゼンチン)
FWマテウス・クーニャ←シオン(スイス)

【OUT】
DFベルナルド→ブライトン(イングランド)
MFドミニク・カイザー→ブレンビー(デンマーク)
MFナビ・ケイタ→リバプール(イングランド)

◆シュツットガルト
【IN】
DFマルク=オリヴァー・ケンプフ←フライブルク
DFパブロ・マフェオ←マンチェスター・シティ(イングランド)
DFボルナ・ソサ←ディナモ・ザグレブ(クロアチア)
MFダニエル・ディダヴィ←ヴォルフスブルク
MFゴンサロ・カストロ←ドルトムント
FWニコラス・ゴンサレス←アルヘンティノス(アルゼンチン)

【OUT】
DFジェローム・オンゲネ→RBザルツブルク(オーストリア)
FWダニエル・ギンチェク→ヴォルフスブルク

◆フランクフルト
【IN】
GKケビン・トラップ←パリ・サンジェルマン(フランス)※
GKフレデリック・レノウ←ブレンビー(デンマーク)
MFルーカス・トロ←レアル・マドリー(スペイン)
MFフィリップ・コスティッチ←ハンブルガーSV
MFアラン←リバプール(イングランド)※
FWニコライ・ミュラー←ハンブルガーSV
FWゴンサロ・パシエンシア←スポルティング(ポルトガル)

【OUT】
GKルーカス・フラデツキー→レバークーゼン
MFケビン=プリンス・ボアテング→サッスオーロ(イタリア)
MFアレキサンダー・マイアー→無所属
MFマリウス・ヴォルフ→ドルトムント
MF鎌田大地→シント=トロイデン(ベルギー)※

◆ボルシアMG
【IN】
DFミヒャエル・ラング←バーゼル(スイス)
MFキーナン・ベネッツ←トッテナム(イングランド)
FWアラサンヌ・プレア←ニース(フランス)

【OUT】
GKクリストファー・ハイメロート→現役引退
DFヤニック・ヴェステルゴーア→サウサンプトン(イングランド)
MFヴィンチェンツォ・グリフォ→ホッフェンハイム

◆ヘルタ・ベルリン
【IN】
DFデリック・ルカセン←PSV(オランダ)※
MFマルコ・グルイッチ←リバプール(イングランド)※
MFジャバイロ・ディロルスン←マンチェスター・シティ(イングランド)
FWヴァレンティノ・ラザロ←RBザルツブルク(オーストリア)

【OUT】
DFミチェル・ヴァイザー→レバークーゼン
FW原口元気→ハノーファー
FWユリアン・シーバー→アウグスブルク

◆ブレーメン
【IN】
GKステファノス・カピノ←ノッティンガム・フォレスト(イングランド)
MFダヴィ・クラーセン←エバートン(イングランド)
MFヌリ・シャヒン←ドルトムント
FW大迫勇也←ケルン
FWクラウディオ・ピサーロ←ケルン
FWマルティン・ハルニク←ハノーファー

【OUT】
MFトーマス・デラネイ→ドルトムント
MFズラトコ・ユヌゾビッチ→RBザルツブルク(オーストリア)

◆アウグスブルク
【IN】
DFフェリックス・ゲッツェ←バイエルン
MFフレドリク・イェンセン←トゥベンテ(オランダ)
FWアンドレ・ハーン←ハンブルガーSV
FWユリアン・シーバー←ヘルタ・ベルリン

【OUT】
GKマーヴィン・ヒッツ→ドルトムント
MFゴイコ・カチャル→アノルトシス(キプロス)
FW宇佐美貴史→デュッセルドルフ※

◆ハノーファー
【IN】
DFケビン・ヴィマー←ストーク・シティ(イングランド)※
MFワラセ←ハンブルガーSV
FWボビー・ウッド←ハンブルガーSV※
FW浅野拓磨←アーセナル(イングランド)※
FW原口元気←ヘルタ・ベルリン

【OUT】
DFサリフ・サネ→シャルケ
FWマルティン・ハルニク→ブレーメン
FWジョナタス→コリンチャンス(ブラジル)※

◆マインツ
【IN】
DFアーロン・カリコル←エスパニョール(スペイン)※
DFムサ・ニアカテ←メス(フランス)
MFピア・カンディ←アトレティコ・マドリー(スペイン)
MFジャン=ポール・ボエティウス←フェイエノールト(オランダ)
FWジャン=フィリップ・マテタ←リヨン(フランス)

【OUT】
DFアブドゥ・ディアロ→ドルトムント
DFレオン・バログン→ブライトン(イングランド)
MFナイジェル・デ・ヨング→アル・アハリ(カタール)
MFスアト・セルダー→シャルケ
FWパブロ・デ・ブラシス→エイバル(スペイン)
FW武藤嘉紀→ニューカッスル(イングランド)

◆フライブルク
【IN】
DFドミニク・ハインツ←ケルン
DFフィリップ・ラインハート←レアル・マドリー(スペイン)
MFロランド・サライ←アポエル(キプロス)
FWルカ・ワルドシュミット←ハンブルガーSV

【OUT】
DFマルク・オリヴァー・ケンプフ→シュツットガルト
DFチャグラル・ソユンク→レスター・シティ(イングランド)

◆ヴォルフスブルク
【IN】
DFジェローム・ルシヨン←モンペリエ(フランス)
FWダニエル・ギンチェク←シュツットガルト
FWヴォウト・ヴェグホルスト←AZ(オランダ)

【OUT】
MFダニエル・ディダヴィ→シュツットガルト
FWランドリー・ディマタ→アンデルレヒト(ベルギー)※
FWヴィクター・オシムヘン→シャルルロワ(ベルギー)※

フォルトゥナ・デュッセルドルフ
【IN】
DFディエゴ・コンテント←ボルドー(フランス)
MFアイメン・バルコク←フランクフルト※
MFダボル・ロブレン←ディナモ・ザグレブ(クロアチア)
FW宇佐美貴史←アウグスブルク※

【OUT】
なし

◆ニュルンベルク
【IN】
GKクリスティアン・マゼニア←ハンブルガーSV
FWヴィルヒル・ミシジャン←ルドゴレツ(ブルガリア)
FW久保裕也←ヘント(ベルギー)※

【OUT】
GKトールステン・キルシュバウム→レバークーゼン

※はレンタル移籍
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終焉を迎えたレアル・マドリーのサイクル⑦~ソラーリ体制プレイバック~

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終焉を迎えたレアル・マドリーのサイクル⑥~ロペテギ体制プレイバック~

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終焉を迎えたレアル・マドリーのサイクル⑤~第一次ジダン体制プレイバック~

2018-19シーズン、レアル・マドリーは3月に入ると同時に全てのタイトルへの望みを絶たれた。2009年夏にフロレンティーノ・ペレス会長が2度目の就任を果たして以来、数々の栄光を手にしてきたクラブも、明確な後退を余儀なくされている。本稿では、このサイクルの軌跡を振り返っていく。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆ジネディーヌ・ジダン体制/2016-2018</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190313_21_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>現役時代に当代一の名選手としてあらゆる栄光を手にしていたジダン監督は、マドリーの下部組織から指導者生活をスタート。2013-14シーズンからのカルロ・アンチェロッティ体制下ではトップチームのアシスタントコーチも務め、経験を積んだ。しかし、当時はレアル・マドリー・カスティージャ(Bチーム)でしか監督経験がなく、その手腕の程は全くの未知数だった。 そして、ジダン監督就任時のマドリーは、規約違反によりコパ・デル・レイを失格となっており、リーガでも3位。チャンピオンズリーグ(CL)こそベスト16進出を決めていたものの、悲観的なムードが漂っていた。その混迷度合いは、本拠地サンティアゴ・ベルナベウで自チームにブーイングが飛び、前任者のラファエル・ベニテス前監督がわずか半年での解任を言い渡される程。このタイミングでのレジェンド登用には悲観的な意見も少なくなかった。就任当初、目指すべきものとしてはチーム再建やタイトルが掲げられていたが、周囲からのハードルはそれほど高く設定されていなかったのが実情だ。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆基本フォーメーション[4-3-3]</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190313_21_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(c) CWS Brains, LTD.<hr></div>ジダン監督が就任してからのマドリーは、移籍市場において明確に方針を転換。FWアルバロ・モラタの復帰がビッグディールとなったが、これまでの様に世界的なスター選手に手は伸ばさず。MFダニ・セバージョスを獲得し、レンタルで経験を積んでいたMFアセンシオにトップチームでの機会を与えるなど、未来を見据えたオペレーションを目立たせた。同時に、既存のスタープレーヤーを不良債権化させることもなく、バランスの良いチーム作りを試みている。 基本となった布陣は守備的MFカゼミロをアンカーに据えた[4-3-3]だが、対戦相手によって複数のフォーメーションを使い分け。イスコをトップ下に配した[4-3-1-2]や、MFルーカス・バスケスとMFアセンシオを両サイドに置き安定感を重視した[4-4-2]など、多くのパターンを有した。特に、C・ロナウドをサイドでなく中央で起用するアイデアは、多くの得点をもたらしている。 さらに、2年目の2016-17シーズンにはAチーム、Bチームと言われる2つのチームを組み、ローテーション。主力のコンディション、若手を含む全選手の試合勘を保ち、あらゆる大会を勝ち抜く総力を培った。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆Turning Point! ~ヴォルフスブルク戦の大逆転~</span> 就任時こそ悲観的な見方も多かったジダン政権だが、その声は半年後にはかき消え、2年半が経つ頃には大音量の声援へと変わっていた。言わずもがな、わずか半年でCLのタイトルを獲得し、前人未到の3連覇を達成したためだ。 さらに、初年度からリーガエスパニョーラでも凄まじいスピードで巻き返し、優勝したバルセロナとの勝ち点差はわずか「1」。ベニテス政権時のリーグ前半戦で0-4の大敗を喫していた“エル・クラシコ”でも、後半戦では2-1でリベンジを果たした。また、2年目には5年ぶりのリーガ奪還を成し遂げている。 指導者としても伝説的な成績を収めているジダン監督だが、その道程の中では2015-16シーズンのCL準々決勝ヴォルフスブルク戦がターニングポイントに挙げられる。マドリーはアウェイでの1stレグを0-2で落とし、絶体絶命となっていた。しかし、2ndレグではFWクリスティアーノ・ロナウドがハットトリックを記録し、3-0で終えて逆転突破。それから3年後、ユベントスに移籍したC・ロナウドが同様の偉業を成し遂げ、時を同じくしてジダン監督も再びマドリー指揮官に復帰したのは、何の因果か…。 ともあれ、ヴォルフスブルクを劇的な形で破ったマドリーは、勢いそのままに欧州制覇。その後も一切チャンピオンの座を渡すことなく、3連覇を果たした。 そして、2017-18シーズン終了と当時にジダン監督は電撃辞任。「今こそ変えなければ」、「勝てる気がしないときは何か変化が必要だ」と語り、マドリーでは稀有なことに好印象だけを残してクラブを去っていった。<hr>▽ジネディーヌ・ジダン 【在任期間】 2.5シーズン(2016/1/4~2018) 【戦績】 [2015-16シーズン]※半シーズン 公式戦27試合22勝3分け2敗 チャンピオンズリーグ:優勝 リーガエスパニョーラ:2位(勝ち点90) コパ・デル・レイ:-※規約違反により就任前に失格 [2016-17シーズン] 公式戦60試合44勝11分け5敗 チャンピオンズリーグ:優勝 リーガエスパニョーラ:優勝(勝ち点93) コパ・デル・レイ:ベスト8 [2017-18シーズン] 公式戦62試合39勝14分け9敗 チャンピオンズリーグ:優勝 リーガエスパニョーラ:3位(勝ち点76) コパ・デル・レイ:ベスト8 [合計] 公式戦149試合115勝28分け16敗 【主な獲得選手】 FWアルバロ・モラタ、DFテオ・エルナンデス、MFダニ・セバージョス 【主な放出選手】 FWアルバロ・モラタ、FWヘセ・ロドリゲス、FWデニス・チェリシェフ、MFハメス・ロドリゲス、DFアルバロ・アルベロア、DFダニーロ、DFペペ 2019.03.13 18:00 Wed
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終焉を迎えたレアル・マドリーのサイクル④~ベニテス体制プレイバック~

2018-19シーズン、レアル・マドリーは3月に入ると同時に全てのタイトルへの望みを絶たれた。2009年夏にフロレンティーノ・ペレス会長が2度目の就任を果たして以来、数々の栄光を手にしてきたクラブも、明確な後退を余儀なくされている。本稿では、このサイクルの軌跡を振り返っていく。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆ラファエル・ベニテス体制/2015</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190312_17_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>選手としてマドリーの下部組織で育ったベニテス監督は、指導者としてのキャリアもマドリーのコーチからスタートさせた。その後、バレンシアで2度のリーガエスパニョーラ制覇を成し遂げて頭角を現すと、リバプールではチャンピオンズリーグ(CL)も獲得。しかし、リバプール以降はなかなかファンが求めているタイトルには手が届かず、戦術家としての手腕を評価される反面、人心掌握に関しては懐疑的な目が向けられていた。 マドリーは、前年を主要無冠で終えていたものの、前任者のカルロ・アンチェロッティ前監督が選手やファンから高い評価を得ており、ベニテス監督は強い逆風の中で到着。監督交代の必要性に関してフロレンティーノ・ペレス会長への批判も聞こえる中、ベニテス監督には主要タイトルの獲得だけでなく、クラシコやダービーなど重要な試合で手腕をアピールする必要があった。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆基本フォーメーション[4-3-3]</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190312_17_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(c) CWS Brains, LTD.<hr></div>夏の移籍市場では、MFマテオ・コバチッチ、DFダニーロが大型補強となったほか、MFカゼミロをポルトからレンタルバック。反対に、MFサミ・ケディラやレジェンドGKイケル・カシージャスが退団し、左SBのバックアップを務めていたDFファビオ・コエントランもレンタルで放出された。 シーズン当初はMFイスコやMFベイルをトップ下に置き、MFトニ・クロースとMFルカ・モドリッチがボランチを務める攻撃的な[4-2-3-1]を多用していたが、次第に[4-3-3]にシフト。MFカゼミロをアンカーに配すバランス重視の形に落ち着き、内容に応じてMFコバチッチやMFハメス・ロドリゲス、FWヘセ・ロドリゲスといったバリエーション豊かなカードの投入で変化を付けた。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆Turning Point! ~国王杯での恥辱~</span> 開幕戦こそスポルティング・ヒホンと0-0で引き分けたものの、その後のベティス戦を5-0、エスパニョール戦を6-0で進むなど、ベニテス監督の船出は順調だった。しかし、11月に入ってリーガでセビージャに2-3で敗北すると、翌節で宿敵バルセロナにも0-4で完敗。アンチェロッティ前監督解任で燻っていた不満が表面化し始めた。 さらに、ベニテス・マドリーはコパ・デル・レイ4回戦のカディス戦で出場停止処分中だったMFデニス・チェリシェフを起用してしまい、屈辱の失格処分。年末には、ベニテス監督の名前がコールされた際にホームスタンドからブーイングが飛ぶ状態となり、監督交代を行ったペレス会長の解任も叫ばれた。 そして、クラシコ大敗後にペレス会長が緊急記者会見でベニテス監督の続投を表明していたのも空しく、2016年1月4日に解任が発表されている。<hr>▽ラファエル・ベニテス 【在任期間】 0.5シーズン(2015/6/3~2016/1/4) 【戦績】 公式戦25試合17勝5分け3敗 チャンピオンズリーグ:グループステージ突破※解任時点 リーガエスパニョーラ:3位(勝ち点37)※第18節終了時点 コパ・デル・レイ:ベスト32※規約違反により失格 【主な獲得選手】 MFマテオ・コバチッチ、MFルーカス・バスケス、DFダニーロ 【主な放出選手】 FWハビエル・エルナンデス、MFサミ・ケディラ、MFアシエル・イジャラメンディ、DFファビオ・コエントラン、GKイケル・カシージャス 2019.03.12 18:00 Tue
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終焉を迎えたレアル・マドリーのサイクル③~アンチェロッティ体制プレイバック~

2018-19シーズン、レアル・マドリーは3月に入ると同時に全てのタイトルへの望みを絶たれた。2009年夏にフロレンティーノ・ペレス会長が2度目の就任を果たして以来、数々の栄光を手にしてきたクラブも、明確な後退を余儀なくされている。本稿では、このサイクルの軌跡を振り返っていく。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆カルロ・アンチェロッティ体制/2013-15</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190310_25_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>ミラン長期政権時代にチャンピオンズリーグ(CL)を制し、チェルシーでも欧州の頂に立った経験を持つアンチェロッティ監督は、マドリー指揮官就任前年までパリ・サンジェルマン(PSG)を指揮。ビッグクラブで築いた輝かしい実績が評価され、ジョゼ・モウリーニョ前監督の後任としてチームの再建を託された。 前年までのマドリーでは、モウリーニョ前監督とGKイケル・カシージャスらの確執が各紙から噴出。穏やかで真摯な人柄で知られるアンチェロッティ監督には、ロッカールームの規律を取り戻すことが期待され、同時に当人が就任会見で宣言した通り“デシマ”(10度目の欧州制覇)達成が切望された。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆基本フォーメーション[4-3-3]</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190310_25_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(c) CWS Brains, LTD.<hr></div>アンチェロッティ政権では、MFガレス・ベイル、MFイスコ、MFハメス・ロドリゲスといった強力なアタッカーのほか、退団間近となっていたMFシャビ・アロンソの穴にはMFトニ・クロースを獲得。負傷により度々欠けるDFマルセロのバックアップ問題は残されたものの、DFダニエル・カルバハルやGKケイロル・ナバスも加えたことで概ねの心配事は取り除かれた。 アーセナルに去ったMFメスト・エジルの代役は見つからなかったものの、2013-14シーズンからのマドリーはMFルカ・モドリッチを中心に据えた[4-3-3]にシフト。3トップの並びは“BBC”と呼ばれるユニットが固定されていたが、中盤の組み合わせに関しては2014-15シーズンからはMFトニ・クロースが欠かせない選手となり、MFハメス・ロドリゲス、MFイスコ、MFアシエル・イジャラメンディといった豊富な選択肢が用意されていた。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆Turning Point! ~アトレティコとのダービーマッチ~</span> 見事に選手たちのポテンシャルを引き出したアンチェロッティ監督は、初年度から主要二冠を達成。コパ・デル・レイ決勝でバルセロナを破り、CL決勝でアトレティコ・マドリーを破ったとなれば、その喜びは尚更だ。リーガエスパニョーラでは両クラブの後塵を拝したものの、それをかき消すほどに、悲願の“デシマ”達成への称賛は止まなかった。 そして、2014-15シーズンの前半戦では前年の好調を引き継ぎ、公式戦22連勝を記録。しかし、そのシーズンにはスーペル・コパ、コパ・デル・レイでアトレティコに敗退に追い込まれ、リーガでの“マドリッド・ダービー”でも2敗を喫した。優勝したバルセロナ(勝ち点94)と勝ち点2差でタイトルを逃しており、ユベントスに敗れたCL以外の大会で、隣のクラブとの直接対決で失っている。 結局、2015年夏に解任されたアンチェロッティ監督に問われた責は、主要大会を無冠で終えたことだ。しかし、いずれの大会も惜しい所までは進んでおり、解任報道噴出時には選手たちがSNSを通じて慰留を呼び掛け。前年にクラブの悲願を達成した監督を追い出すにはあまりにもな状況だったが、だからこそアンチェロッティ政権からは、ペレス会長が長を務めるマドリーのシビアさが読み取れる。<hr>▽カルロ・アンチェロッティ 【在任期間】 2シーズン(2013-15) 【戦績】 [2013-14] 公式戦60試合46勝8分け6敗 チャンピオンズリーグ:優勝 リーガエスパニョーラ:3位(勝ち点87) コパ・デル・レイ:優勝 [2014-15] 公式戦59試合43勝6分け10敗 チャンピオンズリーグ:ベスト4 リーガエスパニョーラ:2位(勝ち点92) コパ・デル・レイ:ベスト16 [合計] 公式戦119試合89勝14分け16敗 【主な獲得選手】 FWハビエル・エルナンデス、MFガレス・ベイル、MFイスコ、MFハメス・ロドリゲス、MFトニ・クロース、DFダニエル・カルバハル、GKケイロル・ナバス 【主な放出選手】 FWゴンサロ・イグアイン、FWアルバロ・モラタ、MFメスト・エジル、MFカカ、MFアンヘル・ディ・マリア、MFシャビ・アロンソ、DFラウール・アルビオル 2019.03.11 18:00 Mon
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