【超WS選定ロシアW杯ベストイレブン/最終節】首位通過スウェーデンとブラジルから最多2選手! ドイツ撃破の立役者も

2018.06.29 19:15 Fri
©超ワールドサッカー
▽ロシア・ワールドカップの各グループ最終節が終了。超WS編集部が今節の各試合で印象に残った選手の中からベストイレブンを紹介する。

◆寸評
GKチョ・ヒョヌ(韓国)
▽前大会王者を敗退に追い込んだ立役者。今大会正GKに抜擢された26歳はチームこそ連敗を喫したものの自身は安定したパフォーマンスを披露。そして、ドイツとの対戦となった今節はゴレツカの決定的なヘディングを阻止するなど圧巻のビッグセーブとハイボール処理をみせ、ジャイアントキリング達成に貢献。今夏の移籍市場でステップアップか。
DFマルコス・ロホ(アルゼンチン)
▽アルゼンチンを逆転突破に導く。グループリーグ敗退危機に見舞われた中、ナイジェリアの攻撃を持ち味の機動力を生かして最少失点で凌ぐと、86分には右センターバックのメルカドのクロスを左センターバックながら絶妙なゴール前のポジション取りから利き足と逆の右足ボレーで流し込み、2大会連続でナイジェリア相手に決勝点を記録。

DFチアゴ・シウバ(ブラジル)
▽攻守両面で気迫をみせ、セレソンの首位通過に貢献。前節のコスタリカ戦ではフェアプレーを行った結果、エースFWネイマールに侮辱される悲運を味わったものの、今回の試合ではセットプレーから貴重な追加点を挙げると、守備の局面でも総合力高いディフェンスでセルビア攻撃陣を見事に封殺した。

DFアンドレアス・グランクビスト(スウェーデン)
▽頼れる主将が首位突破に貢献。初戦に続きプレッシャーがかかるPKを見事に決め切ると、守備では持ち味の強さと読みを利かせた守備で多彩なメキシコの攻撃に対応。また、攻撃時のセットプレーでは圧巻の高さを武器に相手の脅威となり続けた。
DFルドヴィグ・アウグスティンション(スウェーデン)
▽チームを勢いに乗せる先制点を奪取。豊富な運動量と身体能力を武器に左サイドで積極的な攻撃参加を繰り返し、チームの重要な攻め手となった。また、守備でもソリッドな対応でサイドを制圧。

MFミラン・バデリ(クロアチア)
▽クロアチアの3連勝に貢献。今大会初先発で中盤のバランサーの役目を担った中、求められた安定した守備に加え、積極的な攻撃参加をみせ、攻守両面で絶大な存在感を発揮。先制点の場面では難度の高いボレーシュートも決めた。

MFカゼミロ(ブラジル)
▽持ち味を遺憾なく発揮し中盤の守備を締めた。マティッチやミリンコビッチ=サビッチと屈強な選手が揃うセルビアの中盤を相手に、持ち味の危機察知能力と機動力、強さを武器に互角以上の戦いを披露。地味ながらチームの勝利に大きく貢献した。

MFイスコ(スペイン)
▽不調の優勝候補を救う好パフォーマンス。モロッコ戦ではチーム全体が低調だった中、貴重な同点ゴールを挙げるなど獅子奮迅の活躍を見せた。ボールのオン・オフ両面で質の高いパフォーマンスを披露し、1人で攻撃を牽引した。

FWリオネル・メッシ(アルゼンチン)
▽今節のMVP。ここまでの2試合ではPK失敗など難しい戦いを強いられていたが、チームが崖っぷちの状態で迎えたナイジェリア戦で世界最高のフットボーラーがようやくお目覚め。異次元のスキルを発揮した今大会初ゴールに続き、流れの中でも鋭い仕掛けやスルーパスで攻撃を牽引。さらに終盤は不得手とする守備でも気迫を見せた。

FWパオロ・ゲレーロ(ペルー)
▽ペルーの英雄が有終の美を飾る。ドーピング問題で紆余曲折を経て本大会に臨んだゲレーロは直近の2試合では一定の存在感を見せたものの、チームを勝利に導くエースの仕事は果たせず。それでも、今大会初勝利を懸けたオーストラリア戦では効果的なプレーで攻撃をけん引し1ゴール1アシストの活躍をみせ、ペルーに40年ぶりとなるW杯勝利をもたらした。

FWリカルド・クアレスマ(ポルトガル)
▽得意の形から圧巻ゴールを記録。今大会初出場ながらも経験を武器にチームの攻撃の起点となる質の高いプレーを見せた。また、得意の右足アウトサイドから放たれた美しいシュートは圧巻の一言。
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【超WS選定ロシアW杯大会ベストイレブン】優勝フランスから最多5選手! MVPモドリッチも文句なしの選出

▽ロシア・ワールドカップの全日程が終了し、フランスの20年ぶり2度目の優勝で幕を閉じた。超WS編集部が今大会のベストイレブンを紹介する。 ◆ロシアW杯ベストイレブン GK:ピックフォード DF:トリッピアー、ヴァラン、ロブレン MF:モドリッチ、カンテ、ポグバ、ペリシッチ FW:ムバッペ、グリーズマン、アザール ◆寸評 GKジョーダン・ピックフォード(24歳/イングランド) 出場試合数:7(先発:7)/出場時間:690分 失点数:8<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180716_100_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽スリーライオンズの若き守護神が躍動。大会公式では最多セーブを記録したベルギーGKクルトワが選出されたが、通算キャップ数一桁台で本大会直前に正GKに据えられた中、大会を通して安定感を示したピックフォードを最優秀GKに選出。持ち味の反応速度を生かしたショットストップに加えて、冷静な飛び出しやハイボール処理でもチームを助けた。とりわけ、イングランド鬼門のPK戦を制したコロンビア戦やビッグセーブ連発のスウェーデン戦の出来は秀逸だった。 DFキーラン・トリッピアー(27歳/イングランド) 出場試合数:6(先発:6)/出場時間:577分 得点&アシスト:1ゴール1アシスト<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180716_100_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽今大会のイングランドのベストプレーヤー。右ウイングバックのレギュラーとしてプレーした27歳は、豊富な運動量と安定した守備に加え、ビルドアップの局面では正確なパスを散らした。さらに、ベッカム級と評される右足のキックを生かして今大会出場選手中最多の24回の決定機を演出。また、クロアチアとの準決勝で見事な直接FKを記録するなど、プレースキックの場面での存在感は絶大だった。 DFラファエル・ヴァラン(25歳/フランス) 出場試合数:7(先発:7)/出場時間:630分 得点&アシスト:1ゴール0アシスト<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180716_100_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽百戦錬磨の若きディフェンスリーダーが堅守を支えた。25歳ながら所属するレアル・マドリーで3度のチャンピオンズリーグ決勝(優勝は4回)を経験するなど百戦錬磨のDFはほぼ同年代の若い最終ラインを見事に統率。圧倒的な強さを誇る対人守備に加え、絶妙なカバーリングで幾度もピンチを救った。さらに得意の空中戦の強さを生かしたセットプレーでは準々決勝ウルグアイ戦の決勝点や決勝クロアチア戦で相手オウンゴールを誘発するなど存在感を示した。 DFデヤン・ロブレン(29歳/クロアチア) 出場試合数:7(先発:6)/出場時間:650分 得点&アシスト:0ゴール0アシスト<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180716_100_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽“世界最高”にはなれなかったが、クロアチアの躍進に大貢献。所属するリバプールではポカが目に付くものの、今大会を通じては相棒ヴィダと共に流れの中での守備では抜群の安定感を誇った。決勝トーナメントではセットプレーなどの失点で常にビハインドを強いられた。そしてチームが前がかりに戦う中、相手の強力なカウンターに対して数的不利や同数での難しい対応を強いられたが、読みと気迫の守備で防ぎ続けた。 MFルカ・モドリッチ(32歳/クロアチア) 出場試合数:7(先発:7)/出場時間:694分 得点&アシスト:2ゴール1アシスト<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180716_100_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽今大会のMVP。卓越したテクニックと戦術眼に加え、豊富な運動量にリーダーシップとその存在感を遺憾なく発揮した。32歳という年齢を感じさせない“走れる天才”は、豊富な運動量でパスコースを常に提供すると共に守備の局面では素早い切り替えで幾度もピンチの芽を摘み続けた。準優勝という結果で微妙な状況だが、是非とも世界最高のMFにバロンドールを! MFエンゴロ・カンテ(27歳/フランス) 出場試合数:7(先発:7)/出場時間:595分 得点&アシスト:0ゴール0アシスト<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180716_100_tw6.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽レ・ブルー陰のMVP。クロアチアとの決勝では早い時間帯のカードやマイボール時のミスなどが影響して後半早い時間帯での交代を余儀なくされたが、大会を通した貢献度は絶大だった。持ち味のボール奪取能力、圧巻の守備範囲の広さを生かして、ことごとく相手のキープレーヤーの前に立ちはだかった。デシャン監督が自信を持って守備的な采配を執れたのはこの男の存在あってこそ。 MFポール・ポグバ(25歳/フランス) 出場試合数:6(先発:6)/出場時間:539分 得点&アシスト:1ゴール0アシスト<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180716_100_tw8.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽黒子の役目も覚えた怪物MFが抜群の存在感。所属するマンチェスター・ユナイテッドでは見栄えのする攻撃的なプレーで存在感を放つ一方、守備の局面やオフ・ザ・ボールの部分で甘さが見え隠れするポグバ。しかし、今大会ではカンテと共に中盤の守備的な役割を見事にこなし、クロアチアとの決勝やベルギーとの準決勝では献身的な守備がチームを大いに助けた。また、持ち味の攻撃面では決勝での鮮やかなミドルシュートによる1ゴールに終わったものの、正確なミドルレンジのスルーパスや豪快な持ち上がりで必ずと言っていいほど決定機の起点となっていた。 MFイバン・ペリシッチ(29歳/クロアチア) 出場試合数:7(先発:7)/出場時間:632分 得点&アシスト:3ゴール1アシスト<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180716_100_tw9.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽巧さ、強さ、速さと三拍子揃った圧巻の攻撃でサイドアタックを牽引。今大会大躍進を遂げたクロアチアにおいてモドリッチやラキティッチの中盤と共にチームを牽引したのが、レビッチとペリシッチの両ウイング。とりわけ、左ウイングを主戦場とした29歳は圧倒的なスピードと両利きの利点を生かした掴み辛いドリブル突破で貴重な攻め手となった。さらに、準決勝イングランド戦、決勝フランス戦ではいずれも難易度が高いフィニッシュワークで貴重な同点ゴールを記録。なお、今大会を通じた72kmという走行距離は出場選手中最長の数字だ。 FWキリアン・ムバッペ(19歳/フランス) 出場試合数:7(先発:7)/出場時間:534分 得点&アシスト:4ゴール1アシスト<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180716_100_tw10.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽今大会の最優秀若手選手。大会MVPはモドリッチに譲ったものの、今大会で最もインパクトを残したのはレ・ブルーが誇る驚異のティーンエイジャーだった。デシャン監督から背番号10を託された19歳はグループリーグを通じて驚異的なスピードとテクニックで世界中のフットボールファンを魅了すると、相手の10番メッシとの直接対決に注目が集まったラウンド16アルゼンチン戦では2ゴールにPK奪取と異次元のパフォーマンスを披露。その後のウルグアイ戦やベルギー戦では若さ故の過ちを犯すも、クロアチアとの決勝では王様ペレ以来となる10代での決勝戦でのゴールを記録し、きっちり10番の役目を果たした。 FWアントワーヌ・グリーズマン(27歳/フランス) 出場試合数:7(先発:7)/出場時間:572分 得点&アシスト:4ゴール2アシスト<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180716_100_tw7.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽エースとしてレ・ブルーを優勝に導く。大会前は自身の去就を巡る精神面の不安定さからやや精彩を欠いていたが、大会直前にアトレティコ・マドリー残留を宣言してからは一気にパフォーマンスが向上。今大会で奪った4ゴールはPK3本と相手GKのミス、2アシストもセットプレーのキッカーとして記録したものだった。それでも、重圧のかかる中でブレない技術とメンタルはさすがの一言。それ以上に評価したいのが、アトレティコ仕込みのソリッドな守備や若き10番ムバッペらを快適にプレーさせるため泥臭い仕事を厭わなかったその献身性だ。 FWエデン・アザール(27歳/ベルギー) 出場試合数:6(先発:6)/出場時間:518分 得点&アシスト:3ゴール2アシスト<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180716_100_tw11.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽レッドデビルズのエースが史上最高位の3位に導く。今大会を通じて良好なコンディションを保った27歳は、各国が組織的な守備を構築したことによって多くのドリブラーが苦戦を強いられた中、緩急自在の仕掛けで抜群の存在感を放った。とりわけ、チームのシステム、戦術変更で前線での攻め残りが許されるようになった決勝トーナメントではオープンスペースで無双状態に入り、ブラジルやイングランドの守備陣を痛快に切り裂いた。 2018.07.17 18:00 Tue

【超WS選定ロシアW杯ワーストイレブン】連覇逃したドイツから最多4選手…ポーランドのエースFWも

▽ロシア・ワールドカップの準決勝が終了し、残すは決勝と3位決定戦の2試合のみに。超WS編集部が今大会を通じて期待を大きく裏切ったワーストイレブンを紹介する。 ◆寸評 GKダビド・デ・ヘア(スペイン) ▽ユナイテッドとは別人の低調な出来に。ユナイテッドでは聖ダビドと評される圧巻のパフォーマンスを披露するデ・ヘアだが、ラ・ロハでは大会直前からミスが目立つと、ポルトガル戦では失点に絡む痛恨のミスを犯した。その後も細かいミスが目立つ一方、ユナイテッドで見せるような神通力は一度も発揮できず、多くの批判に晒される中で大会を終えることに。アルゼンチンGKカバジェロも酷かったが、期待値を考えればワーストはスペインの守護神で致し方ない。 DFジェローム・ボアテング(ドイツ) ▽コンディション不良顕著で精彩欠く。バイエルンでのシーズン終盤に痛めた筋肉系のケガの影響か、メキシコ戦、スウェーデン戦共に無理が利かない様子が散見。加えて、前線や中盤の守備のリスク管理の甘さから難しいカウンターへの対応を強いられ、スウェーデン戦では退場する散々な内容だった。 DFチャン・ヒョンス(韓国) ▽最終節で意地を見せたが低調なパフォーマンスで批判の的に。センターバックでプレーした初戦と第2戦では不用意なハンドによるPK献上など、著しく安定感を欠くプレーで戦犯に。中盤でプレーした最終節のドイツ戦ではまずまずのプレーを見せたが、全体的なパフォーマンスを考えれば厳しい評価は避けられないところだ。 DFニコラス・タグリアフィコ(アルゼンチン) ▽サンパオリ監督の抜擢に応えられず。今大会全試合でプレーをしたものの、攻守両面で説得力のあるパフォーマンスを見せることができなかった。なかなか特長が分かり辛かった中、ラウンド16のフランス戦では対面のムバッペに為すすべなく蹂躙された。 MFサミ・ケディラ(ドイツ) ▽攻守両面でクオリティを欠く。前回大会の主力として大きな期待を集めたものの、攻守両面で低調なプレーに終始。ボールを持てばミスや意図のないプレーが目立ち、守備では切り替えやリスク管理を怠るプレーで最終ラインに余計な負担をかけるなど、チームの足を大いに引っ張った。 MFハビエル・マスチェラーノ(アルゼンチン) ▽気迫を見せるも身体と技術が付いてこなかった。今大会のためにバルセロナを離れて中国行きを決断したものの、レベルの落ちるリーグでプレーした影響か全盛期からは程遠いプレーに。ナイジェリア戦ではPKこそ与えたものの良いパフォーマンスを見せられたが、それ以外の試合では不用意なパスミスや相手のスピードに振り切られる場面が目立った。 MFメスト・エジル(ドイツ) ▽今大会のワーストプレーヤー。元々のコンディション不良に加え、ギュンドアンと共に起こした政治的な問題の影響で心身ともに戦える状況ではなかった。90分間存在感を示すタイプのプレーヤーではないが、消えている時間の多さに加えて攻撃面でほぼ何の見せ場も作れなかった。 MFピオトル・ジエリンスキ(ポーランド) ▽今大会のブレイク候補も全く輝けず。レヴァンドフスキと共に攻撃面の中心を担うことが期待されたものの、チーム全体の不調に引きずられる形で低調な出来に終始。持ち味のダイナミズムや攻撃センスは全く影を潜めたうえ、守備の局面での淡白さも目立った。 FWニコラ・カリニッチ(クロアチア) ▽今大会大躍進のクロアチアで蚊帳の外に。予選ではマンジュキッチと共に前線の主軸を担うもミランでの不振の影響もあって大会直前に控えに転落。そして、ナイジェリアとの初戦では交代出場を拒否して代表追放に。決勝トーナメントに入って3戦連続延長戦を戦い疲労困憊のチームにあって重要な登録枠を無駄にした罪は重すぎる。 FWロベルト・レヴァンドフスキ(ポーランド) ▽大会得点王はおろか1ゴールも奪えず。今大会得点王候補として挙げられたものの、相手の徹底マークに遭い、グループリーグを通じてほぼ何もできなかった。もちろん、チーム全体の機能不全で孤立を強いられた面はあったが、日本DF吉田に「やる気が感じられなかった」と指摘されたように覇気のなさも目に付いた。 FWティモ・ヴェルナー(ドイツ) ▽エースストライカーの役目を果たせず。今大会でエースの役割を期待された若きストライカーだったが、スペースを必要とするプレースタイルの影響もあって徹底的に引いてスペースを消す相手の守備を前に存在感を示せず。左ウイングへのポジション変更で見せ場は作ったものの、相手に脅威を与えるようなプレーはほとんど出せなかった。 2018.07.13 18:01 Fri

【超WS選定ロシアW杯サプライズイレブン】躍進日本から最多3選手! 今大会限りで現役引退のロシア重鎮も

▽ロシア・ワールドカップの準決勝が終了し、残すは決勝と3位決定戦の2試合のみに。超WS編集部が今大会を通じて予想外の活躍を見せた選手の中からサプライズイレブンを紹介する。 ◆寸評 GKチョ・ヒョヌ(韓国) ▽世界的に無名な26歳GKが躍動。今大会正GKに抜擢されたチョ・ヒョヌは、チームが連敗となった中でもスウェーデン、メキシコ相手に安定感際立つパフォーマンスを披露。さらに、世界王者ドイツとの最終節では圧巻のビッグセーブとハイボール処理をみせ、ジャイアントキリング達成に貢献。世界に自身の名を知らしめた。 DFジェリー・ミナ(コロンビア) ▽セットプレーから3戦連発。バルセロナで出場機会に恵まれず、日本との開幕戦はベンチに甘んじたものの、第2節のポーランド戦、最終節のセネガル戦では安定した守備に加え、2試合連続で決勝点を記録。さらにラウンド16のイングランド戦では後半ラストプレーで劇的同点ゴールを記録するなど、勝負強い活躍が光った。 DFセルゲイ・イグナシェビッチ(ロシア) ▽母国ロシアのベスト8進出に貢献した英雄。主力DFの度重なる負傷によって2年ぶりの代表復帰を果たした38歳は今大会の5試合全てに出場。抜群の存在感で最終ラインを統率し、2度のPK戦ではいずれもキッカーを務めて成功。そして、クロアチア戦敗戦後に現役引退を発表する美しい引き際も見事。 DF昌子源(日本) ▽Jリーグ屈指のセンターバックが圧巻のパフォーマンス。海外組主体のメンバー構成となった中、唯一Jリーグ所属選手として主力を担うと、ファルカオ、ニアン、ルカクとワールドクラスの相手エースFWを相手に一歩も引かない見事なバトルを繰り広げた。欧州のスカウトから高評価を得ている中、代表と鹿島の後輩DF植田に続き、今夏海外挑戦を選ぶのか。 MFバンジャマン・パヴァール(フランス) ▽決勝進出レ・ブルーのシンデレラボーイ。主力DFシディベの不調を受けて今大会で右サイドバックのレギュラーに抜擢されると、レジェンドDFテュラムを彷彿させる一対一の強さを武器に守備面で抜群の安定感を披露。加えて、ラウンド16のアルゼンチン戦では驚愕のボレーシュートで代表初ゴールを記録するなど、勝負強さも際立つ。 MF柴崎岳(日本) ▽日本が誇る司令塔が世界を魅了。今大会、主将の長谷部と共に日本の中盤を支えた柴崎は持ち味のキック精度とパスセンスに加え、スペインで培った守備や切り替えを武器に圧巻のパフォーマンスを披露。乾と共に今大会の日本のMVPに推される26歳は今夏CL出場可能なビッグクラブへのステップアップを狙う。 MFアレクサンドル・ゴロビン(ロシア) ▽ロシアの新皇帝。今大会を通じて最も世界に名を広めた選手の1人であるゴロビンは、卓越した攻撃センスとキックを武器にロシアの攻撃を牽引。加えて、テクニシャンとは思えない圧倒的なスタミナとスプリント能力を生かして守備やオフ・ザ・ボールの局面でも存在感を放った。現在、多くのビッグクラブの関心を集める中、チェルシー行きが濃厚と伝えられている。 MFノルディン・アムラバト(モロッコ) ▽未勝利の好チームの勇敢な戦いぶりを体現。初戦イラン戦での不運な敗戦が響き、大会未勝利で今大会を終えたものの、格上スペインとポルトガルの2試合では相手を完全に食う見事な活躍を披露。攻守両面で球際の強さを発揮し、右サイドを制圧した。リーガエスパニョーラファンにはお馴染みの31歳だが、W杯で初見のサッカーファンにも大きなインパクトを残したはずだ。 FWイルビング・ロサーノ(メキシコ) ▽今大会のライジングスター候補がきっちり活躍。PSVで印象的なシーズンを過ごしたロサーノは自身初のW杯でも大きなインパクトを残した。逆サイドでの起用となったラウンド16のブラジル戦こそややインパクトを欠いたものの、グループリーグでは世界王者を相手に決勝点を記録するなど、持ち味の決定力や突破力を遺憾なく発揮。代理人のミーノ・ライオラ氏も今夏の売り込みに奔走か。 FWアンテ・レビッチ(クロアチア) ▽躍進クロアチアを象徴するプレーヤー。主砲カリニッチのクラブでの不調、大会期間中の背信によってマンジュキッチが1トップに移ったことでペリシッチと共にウイングのレギュラーポジションを完全に掴んだ24歳は強靭なフィジカルと推進力を武器に躍動。攻守両面で非常にタフなプレースタイルは相手サイドバックにとって非常に厄介な存在だ。W杯初優勝を引っ提げて今夏恩師コバチと共にバイエルン入りか。 FW乾貴士(日本) ▽世界絶賛のサムライドリブラー。シーズン最終盤の負傷もなんのその。勝負師西野監督の信頼に応えて左ウイングの絶対的レギュラーに君臨すると、セネガル戦でのW杯初ゴールや優勝候補ベルギーを涙目にさせた驚愕の無回転ミドルシュートなど、大会を通じて印象的なプレーを随所に見せた。ベティスの新14番は今季のリーガでも大暴れしてくれそうだ。 2018.07.13 18:00 Fri

【超WS選定ロシアW杯ベストイレブン/準々決勝】王国撃破ベルギーとイングランドから最多3人選出!

▽ロシア・ワールドカップの準々決勝が終了。超WS編集部が今節の各試合で印象に残った選手の中からベストイレブンを紹介する。 ◆寸評 GKジョーダン・ピックフォード(イングランド) ▽PK戦で決定的な仕事を果たしたコロンビア戦に続きチームを救った。後半に訪れたスウェーデンの3度の決定機を圧巻のビッグセーブで阻止。とりわけ、1点リードで迎えた後半立ち上がりのFWベリのヘディングシュートの阻止はチームに大きく流れを引き寄せた。ベルギーGKクルトワ、フランスGKロリスの活躍も見事だったが、スリーライオンズの新守護神を選出。 DFドマゴイ・ヴィダ(クロアチア) ▽攻守に奮闘したクロアチア最終ラインの要。W杯予選を含めてクロアチアの最終ラインを支え続ける闘争心と読みに長けた29歳DFは開催国ロシアとの準々決勝でも奮闘。加えて、延長前半での貴重なゴールやPK成功、DFヴルサリコの負傷交代を受けて右サイドバックにスライドするなど、チームへの貢献度は非常に高かった。 DFラファエル・ヴァラン(フランス) ▽ウルグアイの堅守打ち破る決勝点を記録。今大会屈指の堅守を誇る相手に対して、どのようにゴールをこじ開けるかに注目が集まった中、用意してきたセットプレーを見事に決め切って今大会初ゴール。また、FWカバーニ不在で迫力を欠いた相手攻撃陣もきっちり封じ切った。 DFミランダ(ブラジル) ▽絶体絶命の王国に最後まで希望を残す堅守を披露。アクシデンタルな失点、デ・ブライネのスーパーゴールによって窮地に立たされた中、極端に前がかりになったチームを見事な対人守備とカバーリングで最後まで支え続けた。とりわけ、相手の巨漢FWルカクとのマッチアップでは強さと巧みな守備で互角以上に封じ込めるなど、世界屈指のセンターバックの妙技を披露した。 DFハリー・マグワイア(イングランド) ▽サマーラ・アリーナの制空権を掌握。194cmと100kg超えの巨漢DFが空中戦とセットプレーに長けたスウェーデンを粉砕。今大会を通じて起点となっていた攻撃時のセットプレーで初ゴールを奪うと、守備の局面でも屈強な相手FWに完勝。また、フィジカル面ばかりに注目が集まるものの、冷静なカバーリングや持ち出しのテクニックなど総合力の高さも見せていた。 MFルカ・モドリッチ(クロアチア) ▽2試合連続の激闘を制す原動力に。今大会を通じて持ち味のエレガントさ加え、鬼気迫るプレーでチームを牽引する背番号10は開催国ロシアとの激戦でも卓越した戦術眼とテクニック、運動量を武器に中盤で抜群の存在感を放った。延長前半にはヴィダの勝ち越しゴールをお膳立てし、PK戦では2試合連続で決め切った。 MFマルアン・フェライニ(ベルギー) ▽本職のセントラルMFで充実のパフォーマンス。日本とのラウンド16では途中出場でルカクと共に前線のターゲットマンとして機能した偉丈夫だが、ブラジル戦ではチームが守備時[4-3-3]、攻撃時[3-4-3]の可変システムを採用した中、セントラルMF、インサイドハーフのポジションで持ち味のフィジカルを存分に発揮。とりわけ、守備時はリーチの長さ、強さを武器に慎重且つ大胆なチェックでネイマールら相手のメガクラックを見事に封じた。 MFジョーダン・ヘンダーソン(イングランド) ▽若きスリーライオンズを支える中盤の要。スウェーデン戦では守護神ピックフォードやマグワイア、デレ・アリとW杯初出場組の活躍が目立った一方、中盤で攻守に気の利いたプレーを見せた28歳MFの存在感も抜群だった。経験に裏打ちされた予測、試合の流れを読む確かな戦術眼を生かした抜群のポジショニングでセカンドボールの回収やカウンターの起点潰し、機を見た前線へのスルーパスと多岐に渡る仕事をこなした。コロンビア戦で唯一PKを失敗したショックを見事に払拭して見せた。 FWアントワーヌ・グリーズマン(フランス) ▽1ゴール1アシストの活躍でチームをベスト4に導く。絶妙なキック精度とタイミングでヴァランの先制点をアシストすると、相手GKのファンブルという部分はあったものの強烈なミドルシュートで今大会初めて流れの中からゴールも記録した。しかし、決定的な仕事以上に評価したいのが、献身的なプレスバックや中盤と前線を繋ぐリンクマンなど地味ながらも重要な仕事を当たり前のようにこなし続けた点だ。 FWケビン・デ・ブライネ(ベルギー) ▽準々決勝のMVP。システムの縛りから解き放たれて躍動。マルティネス監督が[3-4-3]のセントラルMFに固定したことで、守備のタスクやポジショニングの制限の影響を受け窮屈なプレーを強いられてきたが、ブラジル戦では前線でアザールと共に自由を与えられたことで持ち味の攻撃センスが爆発。代名詞のミドルシュートで奪った貴重な追加点に加え、カゼミロ不在でバイタルエリア付近の監視が緩くなったセレソンの守備陣を縦横無尽のプレーで蹂躙した。 FWエデン・アザール(ベルギー) ▽異次元のドリブルでセレソン守備陣を切り裂く。今大会を通じてコンディションの良さが顕著なレッドデビルズのエースは優勝候補筆頭のブラジル相手でも巧さ、速さ、強さを兼ね備えたドリブルで再三の決定機を創出した。また、抜群のキープ力を生かしてチームがボールを奪った後の預けどころとしても機能し、劣勢を強いられた後半に守備陣を大きく助けた。とりわけ、ルカクが退いた試合終盤の気迫のボールキープが印象的だった。 2018.07.08 18:00 Sun

【超WS選定ロシアW杯ベストイレブン/ラウンド16】ウルグアイから最多3選手! 善戦の日本から2選手選出!

▽ロシア・ワールドカップのラウンド16が終了。超WS編集部がラウンド16の各試合で印象に残った選手の中からベストイレブンを紹介する。 ◆寸評 GKカスパー・シュマイケル(デンマーク) ▽グループリーグで躍動した守護神が再び安定感あるゴールキーピング。クロアチア戦の延長終盤には決まれば敗戦という重圧の中、名手モドリッチのPKを圧巻の反応でストップ。PK戦では味方の失敗で敗れたものの自身は2本をストップし、観戦に訪れた父親を前にその雄姿を見せつけた。いずれもPK戦で輝いたクロアチアGKスバシッチやロシアGKアキンフェエフは次点に。 DFアンドレアス・グランクビスト(スウェーデン) ▽スウェーデンの快進撃を支えてきた頼れるキャプテンがラウンド16でも躍動。試合を通してスイスの攻撃に晒されたものの、的確なポジショニング、カバーリングで最終ラインを統率。球際の競り合いでもほぼ無敵だった。なお、コロンビアDFダビンソン・サンチェスやブラジルDFチアゴ・シウバらは次点に。 DFディエゴ・ゴディン(ウルグアイ) ▽チームはセットプレーから今大会初失点も相手のエースであるC・ロナウドを見事に封殺。試合終盤の相手の猛攻に晒されてもチームが全く動じなかった要因は間違いなくこのディフェンスリーダーの存在だった。 DFリュカ・エルナンデス(フランス) ▽難敵アルゼンチン相手に攻守両面で圧巻の存在感。守備ではサイドに流れるメッシと対面のパボンを相手にソリッドな守備を披露。さらに、課題の攻撃では機を見た攻撃参加からパヴァールのゴールをアシストするなど2点の起点に。 MFキリアン・ムバッペ(フランス) ▽ラウンド16のMVP。メッシとの10番対決に注目が集まった中、今大会の主役候補に相応しい圧巻の活躍でチームをベスト8進出に導いた。優れた決定力に加え、爆発的なスピードとそれをコントロールするコーディネーションやテクニックで右サイドを切り裂いた。 MFルーカス・トレイラ(ウルグアイ) ▽ウルグアイの悲願の優勝に向けて最後のピースに。ロシア戦の好アピールによって大一番で先発に抜擢されると、抜群の危機察知能力と闘争心溢れる守備でピンチの芽を見事に摘み切った。また、アンカーの位置でシンプルな繋ぎをみせ、カウンターの起点にもなった。今夏アーセナル行きが噂される中、早くもガナーズファンに好アピールか。 MF柴崎岳(日本) ▽クラブW杯で躍動した勝負強い男がW杯の舞台でも躍動。グループリーグ突破の立役者となったサムライブルーの司令塔はタレント軍団ベルギーを前にしても堂々のパフォーマンス。前半こそミスもあったものの、必殺のスルーパスで先制点をお膳立てすると、正確な繋ぎや球際での粘りも目立ち攻守に圧巻の仕事ぶりだった。対戦相手のFWシャドリやスウェーデンMFフォルスベリも印象的だったが、世界に与えたインパクトをより評価した。 MFエンゴロ・カンテ(フランス) ▽フランスのガーディアンが特大の輝き。世界屈指のアタッカーであるメッシをマンマークで封じるという、フットボール界屈指の難問を見事に解決。さらに、攻撃では4点目に繋がる絶妙なグリーズマンへの縦パスを通してみせた。 MF乾貴士(日本) ▽優勝候補に敗退の恐怖を与える衝撃の一撃。グループリーグと同様に長友、香川との好連係で左サイドで攻め手となると、先制点に繋がるボール奪取を披露。さらに、52分には名手クルトワの牙城を破る圧巻の無回転ミドルシュートを絶妙なゴール右隅に突き刺し、世界を驚愕させた。 FWエディンソン・カバーニ(ウルグアイ) ▽ポルトガル撃破の立役者。ロシア戦での今大会初ゴールで完全にのったエル・マタドールは、盟友スアレスとの圧巻の連係から先制点を奪うと、絶妙なコントロールシュートで決勝点まで記録。また、持ち味の献身的な守備など攻守両面でチームをけん引。ふくらはぎのケガが気がかりだが、是非ともフランスとの準々決勝でその雄姿を拝みたいところだ。 FWネイマール(ブラジル) ▽セレソンのエースがチームを勝利に導く仕事。前半はアルバレスのタイトなチェックに苦戦も、勝負どころとなった後半に先制点を含む1ゴール1アシストの大活躍。“俳優”と揶揄されるコンタクトプレーのリアクションは頂けないが、その存在感は絶大だった。 2018.07.04 14:30 Wed
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