【日本代表コラム】疑問が生じ、疑念を抱かされた日本代表発表2018.05.20 18:45 Sun

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▽18日、30日に行われるキリンチャレンジカップのガーナ代表戦に向けた日本代表メンバー27名が発表された。ロシア・ワールドカップ(W杯)に向けたラージリスト35名の提出期限が14日であり、そこから4日、8名が落選となった。

▽27名の名前は、既にみなさんが把握している通り。ここから4名がさらに落選となり、本大会に臨むこととなる。様々な感情が生まれかねないメンバー構成となったが、まずは選ばれた選手たちには全力でプレーし、結果を求めてもらいたいということだ。

▽本大会のGK登録が3名ということを考えると、GK川島永嗣(メス)、GK東口順昭(ガンバ大阪)、GK中村航輔(柏レイソル)はケガがない限りは確定している。アジア最終予選で日本のゴールを守り続けたGK西川周作(浦和レッズ)は残念ながら落選となった。

▽つまり、ここから外される4名は全てフィールドプレーヤーということ。21日から始まる合宿、そして30日のガーナ代表戦、31日に予定されているトレーニングマッチでのパフォーマンスで最終決断がされることとなる。

▽さて、話を戻すが、今回のメンバー発表にはいささか疑問が生まれる点、そして疑念を抱かさざるを得ない点があった。大会開幕まで2カ月となった時点でヴァイッド・ハリルホジッチ前監督を突如解任することも疑問ではあるが、本来であれば応援してもらうはずの人々に、最後まで大きな不信感を抱かせたまま本大会に臨むこととなってしまう結末となりそうだ。

◆負傷者情報の不足
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▽疑問の1つ目は、負傷者の情報を把握できていなかったということだ。今回のメンバー発表で2名が外されていた。それは、MF今野泰幸(ガンバ大阪)とFW小林悠(川崎フロンターレ)だ。

▽小林に関しては、発表当日の朝(18日)に負傷の報告を受けたとのこと。14日のラージリスト提出の時点でどうであったかはわからないが、ここは致し方ない部分もあるのかもしれない。

▽問題は今野の方だ。西野監督は「リストを上げた翌日にそういう結果が出たので、やむなくリスト外としました」と会見で語ったが、手術が必要な状況にある選手の状況をなぜ把握できていなかったのか。クラブとの連係が悪かったとしか言えないだろう。貴重な候補の1枠を自らの手で手放したということは、日本サッカー協会としていかがなものかと思う。

▽さらに、この時点でガンバ大阪からは今野の負傷については発表されておらず、手術を受けるという事実を公表して良かったのか。小林も同様だ。リーグ戦が1試合残っていた時点での公表という判断は疑問だ。(原稿執筆時点の20日でも発表はされていない)

◆クラブチームへの不可解な配慮
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▽疑問の2つ目は、海外クラブへの配慮だ。西野監督は会見でFW久保裕也(ヘント)の招集について問われ、「自クラブで27日までプレーオフというシビアなゲームを控えています」と答えた。そもそも、ベルギー・ジュピラーリーグのプレーオフは20日までであり、スケジュールの間違いもあるが、それ以前に招集外の理由が疑問だ。

▽クラブにとっての大事な試合があることは十分理解できるが、それを理由に選出しないというのは前代未聞だ。大事な試合があるから合流が遅れるのは理解できる。しかし、W杯に向けた準備をする中で、招集ではなく追加招集を考えるというのも疑問だ。理解し難い理由を並べたことは疑念も抱かさせることとなったと言える。

◆判断基準となった「ポリバレント」
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▽疑問の3つ目は、会見で西野監督が口にした「ポリバレント」だ。かつて日本代表を率いたイビチャ・オシム監督が使った「ポリバレント」。「多くの価値を持つ」という意味もあり、サッカーにおいてはユーティリティ性を表すときに使われる。

▽その「ポリバレント」という言葉によって選外となったのが、FW中島翔哉(ポルティモネンセ)だ。今シーズンのポルトガル・プリメイラリーグで29試合に出場し、10ゴール12アシストを記録。左ウイングでの起用がメインだったが、リオ・デ・ジャネイロ・オリンピックではトップ下でもプレーし、「ポリバレント」ではないとは言い切れない。

▽一方で、招集を受けた選手が「ポリバレント」なのかと言われると、その印象がない選手も多い。例えば、FW浅野拓磨(シュツットガルト)だ。スピードが武器の浅野だが、基本的には右ウイングでプレー。2トップの一角でもプレーはできるが、「ポリバレント」とは言いがたい。

▽そもそも、中盤や守備的なポジションの選手に対して「ポリバレント」であることを求めるのは理解できる。23名という限られたメンバーで、累積警告や負傷などで選手を欠くこともあるだろう。それを想定し、複数ポジションをこなす選手が居ることはチームにとってプラスだ。例えばMF遠藤航(浦和レッズ)はセンターバックだけでなく、ボランチ、右サイドバックでもプレーが可能だ。DF酒井高徳(ハンブルガーSV)は両サイドバックで起用可能であり、チームではボランチを務めていた時期もあった。

▽逆に、攻撃的なポジションでプレーする選手は、「ポリバレント」というよりも、何か特長を持った選手が重要だと思う。スピード、テクニック、高さ…さらには、得点力、チャンスメイク、セットプレーと、戦い方によって必要な特長は変わるが、局面を打開する力を持った選手が必要だろう。

◆選考基準の曖昧さ
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▽最後は、疑問であり、疑念を抱かせる選考基準だ。今回招集を受けた27名には、負傷明けの選手、クラブチームで出場機会に恵まれていない選手もいる。一方で、前述の中島以外にも、クラブで結果を残している選手が招集外となっている。

▽例えば、久保。追加招集を示唆されているが、今シーズンはリーグ戦で30試合に出場し7ゴール2アシスト、プレーオフでは6試合で3ゴールを記録している。また、同じベルギーでプレーするMF森岡亮太(アンデルレヒト)は、リーグ戦で30試合に出場し10ゴール14アシスト、プレーオフでも9試合に出場し3ゴール1アシストを記録している。その他にも、MF堂安律(フローニンヘン)はエールディビジで29試合に出場し9ゴール4アシストを記録している。クラブで結果を残し、調子もコンディションも悪くない選手が選外となった。これは国内組にも言えることだ。

▽一方で、選出された浅野はブンデスリーガで15試合1ゴール。しかし、2018年は1度も試合に出ていない。1月にガンバ大阪からクルトゥラル・レオネサへと移籍したMF井手口陽介は、5試合の出場にとどまり、2月18日を最後に試合に出場していない。

▽浅野と同じスピードを武器とする選手ならば、FC東京のFW永井謙佑や柏レイソルのFW伊東純也の方がコンディション、試合勘はあるだろう。MF井手口陽介と同じボランチを務める選手は7名も招集されているため、ここは井手口のコンディションを考慮しているのかもしれない。

▽出場機会や結果が有力な選考基準とはならず、コンディションさえも不確実な選手が優先される状況。選手にとっては4年に1度の大事なイベントとなるだけに、曖昧な基準が説明されたことが残念でならない。

▽「間違いなく6月19日にワールドカップの大舞台で最高のコンディションになるであろう選手たちを自分の中でも予測した」と西野監督は口にしたが、試合に出ていない選手が1カ月を切った公式戦が少ない中で、トップコンディションに戻るものなのか。どのような勝算があるか分からないが、疑問が残る選出となった。

◆将来性がなければ求められるのは結果
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▽今回招集された27名のうち、リオ五輪世代以降の選手は7名となっており、決して若い選手が多いとはいえない。また、2014年のブラジル・ワールドカップに出場していたメンバーは12名が呼ばれている状況だ。

▽全ての選手を一新する必要性はないが、選手の年齢を考えると、2022年のカタール・ワールドカップに繋がる選考とは言いがたい状況だ。加えて、若い世代でも活躍している選手がいる中で、招集を考慮していなかったことを考えると、これまでの3年間で多くの選手を試してきたハリルホジッチ監督を交代させた影響が出ているとも言える。

▽結果を求めるために監督を交代したと田嶋幸三JFA会長は明言していた。経験豊富な選手を揃えたのであれば、より結果が求められることとなる。将来性を考慮しないのであれば、今大会で結果を残すことが最低条件となり、そのための時間はもう残されていない。いずれにしても、開幕2カ月前の監督交代から続く煮え切らない状況は、最後の局面を迎えても変わらなかった。求心力を失いつつある日本代表、今後の日本サッカーに与える影響は、国内にとどまらず、海外に向けても小さくはなさそうだ。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
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「善戦」との決別へ…柴崎岳が見せた対応力と残り続ける課題/日本代表コラム

アジアカップ決勝での敗戦後、2019年最初のホームゲームとなったコロンビア代表戦は、0-1で敗戦に終わった。 今回のメンバーには、初招集となる選手が5名、さらにはMF香川真司(ベシクタシュ/トルコ)、DF昌子源(トゥールーズ/フランス)など、ロシア・ワールドカップ以来の招集となった選手がおり、アジアカップからメンバー変更を行って臨んだ。 森保一監督は「チームの底上げ」をテーマに、どの選手が今の代表チームにフィットするのか、また初めて見る選手の能力を見極めることを目的としていながらも、「勝つことにこだわって戦ってほしい」とも語っていた。しかし、結果は敗戦。6万3000人を超える観客が見守る中で見せたサッカーには、多くの課題と、少しの収穫があった。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆アジアカップ決勝と同じ課題</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20190325_9_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>森保監督は前日の「アジアカップと新戦力をミックスして戦う」というコメント通りのスターティングメンバーで試合に臨んだ。 1トップに初招集の鈴木武蔵(北海道コンサドーレ札幌)、ボランチに山口蛍(ヴィッセル神戸)、センターバックに昌子源(トゥールーズ/フランス)と3名を新たに起用。既存の戦力との噛み合わせを考えてのメンバー選考となった。 森保体制になってから攻撃の中心となっている、2列目の中島翔哉(アル・ドゥハイル/カタール)、南野拓実(ザルツブルク/オーストリア)、堂安律(フローニンヘン/オランダ)がこの試合でも攻撃陣を牽引。それぞれの特徴を生かしてコロンビアゴールに迫った。 アジアカップを欠場した中島は、左サイドで攻撃の起点となり、縦へのドリブル突破や中央に切れ込んでのシュートなど持ち味を発揮。右サイドの堂安も、アジアカップでは結果を残せなかったが、中島が逆サイドに入ったことで一対一の仕掛けや積極的にシュートを放つなど良さを出した。 前半だけで決定機を少なくとも3度は作った日本だったが、得点を奪い切ることができず。前半をゴールレスで終えたが、この展開は失点こそしなかったものの、アジアカップ決勝のカタール代表選と同じだった。 アタッキングサードまでの展開は高いレベルを見せているものの、フィニッシュの精度は低く、シュートが枠に飛ばないことが多い。さらに、積極的にミドルシュートを打つ姿勢は良かったものの、それを生かしたライン裏を突く攻撃があまり見られず、攻撃の手詰まり感が否めなかった。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20190325_9_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>また、特に右サイドで堂安とサイドバックの室屋成(FC東京)が良い関係を築き、オーバーラップを促していたが、クロスの精度を欠いた。この辺りは以前にも指摘したが、攻撃参加だけでなく、中の状況を考えたクロスの精度が室屋の課題だろう。もちろん、2列目の選手も、サイドバックも、トップに初めて入った鈴木と合わせなくてはいけないということもあったが、チャンスを作っているだけにゴールが欲しい前半だった。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆守備は及第点も…</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20190325_9_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 一方の守備面は、前半は完璧に近い出来だったと言える。前線からのプレスもハマり、サイドでの勝負も負けず、中盤で奪い切ってからのショートカウンターという攻撃も見られていた。 立ち上がりに左右に振られてあわやというシーンがあったが、それ以外はコロンビアの攻撃を封殺。それだけに、前半のうちにゴールが欲しかったというのもある。 しかし、後半はハーフタイムで修正したコロンビア相手に、守備がハマらない時間帯が続いた。ボールの回し方、選手の立ち位置をコロンビアが変更したことに対し、日本は前半同様の守備を見せ、結果主導権を渡すことに。失点はハンドによるPKからだったとはいえ、やはり流れの中で変化に対応できないというもろさを見せた。 アジアカップの決勝でも同様の事態はみられ、カタールの攻撃に対応しないまま2失点。これが大きく響いての準優勝となった。さらに遡れば、ロシア・ワールドカップのベルギー代表戦も同様。相手の変化に対応できず、2失点を喫している。 日本代表にとって、この部分が最も欠けている部分であることは、これまでも何度も主張してきたが、今回の一戦でも同じ課題を露呈。早急に改善できることではないものの、2022年のカタール・ワールドカップ、それ以前の予選でも、同じ課題を残したままでは痛い目に遭う可能性はあるだろう。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆対応力を見せた柴崎岳の戦術眼</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20190325_9_tw6.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>そんな中でも、1つ気になったポイントは、ゲームキャプテンを務めた柴崎岳(ヘタフェ/スペイン)のプレーだ。 この日は山口とボランチコンビを形成した柴崎だったが、攻守のリンクマンとしてプレー。慣れ親しんだ関係性もあり、互いに相手のカバーを意識してプレーしていた。特に柴崎は、ボールを奪った後のポジショニングに優れ、味方から自分へのパスコース、自分から味方へのパスコースを確保した位置どりを見せていた。クラブでの出場機会が限られている中で、改めて柴崎の能力の高さを見せた形となった。 また、後半のビハインド時、山口に代えて小林祐希(ヘーレンフェーン/オランダ)が入り、同点を目指して攻勢を掛ける状況となると、自らセンターバックの間に下りて、3バックの陣形に変更した。さらに、これに呼応するように小林はダイヤモンド型の中盤の底に入り、全体のバランスをとっていた。 この3バックの陣形は一時的なものであり、定かではないがベンチからの指示ではないように思う。となると、コロンビアの陣形に対してズレを生ませるための策であり、香川真司(ベシクタシュ/トルコ)や乾貴士(アラベス/スペイン)らを生かす形を作ろうとし手の行動だろう。ピッチ内での判断ができている状況であったと言える。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆「再現性」を重視し「パターン」を作れるか</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20190325_9_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>以前からも指摘している通り、日本代表に足りないことは攻守における「再現性」だ。ピッチ内で、いかに同じ形を作り出して攻撃、守備を再現するか。ここがこの先の戦いにおいては、最も重要になると考えられる。 しかし、招集する期間も短く、準備する時間も少ないことは承知の上。監督が意図することを体現するだけでも難しい中で、再現性を身につけることは簡単ではない。しかし、それは代表チームだからこそ、重要であると指摘したい。 短い時間の中でも一定の「パターン」を作ることで、選手はオートマチックに動くことが可能となる。決して能力が低いわけではない代表選手なのだから、監督やコーチングスタッフが局面ごとの「パターン」を用意することが大事になるだろう。 当然相手がいるスポーツであり、その「パターン」があれば勝てるわけではない。その時こそ、ピッチ内での判断力、個人の感覚が求められる訳であり、全てが個人の感覚と判断で動いていては、準備期間が短いからこそ個に頼らざるを得なくなってしまう悪循環に陥るだろう。その点は、監督以下、コーチングスタッフも同様だ。 強豪国を相手にした試合での「善戦した」、「チャンスは多く作っていた」、「良い形はあった」という類のフレーズとはそろそろお別れにしたい。その為にも、強豪国こそ持ち合わせる「再現性」、そして「パターン」を見つけるべきではないだろうか。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2019.03.25 11:45 Mon
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次世代の旗手となれ! これが森保ジャパンの新鋭5名だ!

ロシア・ワールドカップ後、森保一監督が新指揮官として就任した日本代表は、選手の入れ替えを行い世代交代を実施。MF中島翔哉(アル・ドゥハイル/カタール)やMF堂安律(フローニンヘン/オランダ)、MF南野拓実(ザルツブルク/オーストリア)、DF冨安健洋(シント=トロイデン/ベルギー)といった新たな選手が頭角を現してきた。 しかし、2019年1月に戦ったアジアカップでは、決勝まで勝ち上がるも、カタール代表の前に力の差を見せつけられ敗戦。アジアの覇権を奪還することはできなかった日本は、6月に南米王者を決めるコパ・アメリカに招待。強豪揃いの南米勢を相手に、力試しを行う。 そのコパ・アメリカを前に、森保ジャパンはキリンチャレンジカップでコロンビア代表、ボリビア代表の南米勢と対戦。MF香川真司(ベシクタシュ/トルコ)やDF昌子源(トゥールーズ/フランス)、MF宇佐美貴史(デュッセルドルフ/ドイツ)といったロシア・ワールドカップ組を復帰させた一方で、5名の若手選手を招集した。 そこで、今回は新たに日本代表入りを果たした5名の選手に注目。超ワールドサッカー編集部が独断で分析したレーダーチャートとともに、選手の魅力をお伝えする。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;color:#0e3897;">◆伸び代十分の現代型センターバック</span> <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/cws20190321_hatanaka_tw.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div>DF畠中槙之輔(23) 所属:横浜F・マリノス<hr>まず1人目は、横浜F・マリノスのDF畠中槙之輔だ。東京ヴェルディの下部組織で育った畠中は、FC町田ゼルビアへの武者修行を経験。そして、2018シーズン途中に横浜FMへと完全移籍を果たした。 東京Vユース出身とあって、テクニックも兼ね備えている畠中だが、それぞれのクラブで多くの能力を身につけた。町田では、相馬直樹監督の下、コレクティブな守備と対人守備の強さを習得。町田のスタイルに馴染み、主力としてプレーしていた。2017年に東京Vに復帰すると、ここではミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(現セレッソ大阪監督)の下でスペイン流の戦術を習得。後方からのビルドアップ能力に加え、周りに合わせた守備、試合を読む力を培った。そして、その力が横浜FMのアンジェ・ポステコグルー監督の下で増幅。今シーズンはレギュラーポジションを獲得した。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/cws20190321_hatanaka_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div>ドリブル:3 シュート:4 パス:<span style="color:#d67a03;font-weight:700;">7</span> スピード:6 ディフェンス:<span style="color:#d67a03;font-weight:700;">7</span> フィジカル:<span style="color:#d67a03;font-weight:700;">7</span><hr>大きな魅力は、その両足から繰り出される正確なパス。ビルドアップ、ポゼッションという戦い方の中で、後方からのパスが出ることはとても重要なファクターに。さらに、ロングパスも出せるため、前線へ一発でボールを渡すこともできる。J2では90試合に出場している畠中だが、J1での出場経験は9試合。日本代表にとってはシンデレラボーイ的な存在にもなり得る。しっかりとこの2試合で、伸び代を見せてもらいたい。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;color:#0e3897;">◆圧倒的なスピードでゴールを奪うハンター</span> <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/cws20190321_musashi_tw.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div>FW鈴木武蔵(25) 所属:北海道コンサドーレ札幌<hr>2人目は、北海道コンサドーレ札幌の点取り屋であるFW鈴木武蔵だ。アルビレックス新潟、水戸ホーリーホック、松本山雅FCでプレーするも、期待された得点力は発揮できず。伸び悩みが見えた鈴木は、リオ・デ・ジャネイロ五輪のメンバーから落選。追加招集という形でメンバー入りを果たした。 しかし、そんな不遇の時期を過ごしていた鈴木が花開いたのは、V・ファーレン長崎への移籍だった。日本代表としても活躍し、アジアの大砲とも呼ばれていた高木琢也監督(現大宮アルディージャ)の下でストライカーとしての能力が開花。新潟時代にはJ1通算で7ゴールしか挙げていなかった鈴木が、1シーズンで11ゴールを記録。持ち前のスピードと優れた身体能力を生かしたプレーで、ゴールを量産した。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/cws20190321_musashi_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div>ドリブル:<span style="color:#d67a03;font-weight:700;">7</span> シュート:6 パス:7</span> スピード:<span style="color:#ed0b9b;font-weight:700;">9</span> ディフェンス:3 フィジカル:6<hr>そして今シーズンから札幌へと移籍。すると、2018シーズンの活躍がブラフではなかったことを証明。ここまで4試合に出場し3ゴールを記録。札幌の新たな攻撃ユニットを担う存在として、日本代表招集につながった。FW大迫勇也(ブレーメン/ドイツ)への依存傾向が強い日本代表だけに、鈴木の躍動はこの先に繋がる可能性が高い。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;color:#0e3897;">◆前後左右、万能サイドプレーヤー</span> <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/cws20190321_anzai_tw.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div>DF安西幸輝(23) 所属:鹿島アントラーズ<hr>3人目は、鹿島アントラーズでプレーするDF安西幸輝だ。畠中と同様に、東京Vの下部組織で育った安西はルーキーイヤーの2014年に右サイドバックのポジションを獲得。オフにはプレミアリーグのウェストハムでトレーニングに参加するなど、将来性が見込まれていた。 安西の最大の特徴は、サイドであればどのポジションでもプレーできるということ。サイドバック、サイドハーフ、ウイングバック、ウイングと攻守どちらでも高いレベルを発揮。さらに、右でも左でもプレーできるという特異なキャラクターが魅力だ。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/cws20190321_anzai_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div>ドリブル:<span style="color:#d67a03;font-weight:700;">7</span> シュート:5 パス:6 スピード:<span style="color:#d63003;font-weight:700;">8</span> ディフェンス:6 フィジカル:6<hr>さらに、豊富な運動量でピッチを縦横無尽に駆け回り、時には得点も奪い切ってしまうほど。その能力の高さは、2018年に加入した鹿島でも発揮し、1年目で28試合に出場。アジア王者のタイトルも獲得すると、2年目の今シーズンもレギュラーとしてプレー。サイドでのポリバレント性が目に留まり、日本代表初招集となった。ピッチを駆け回り、攻守にセンスの良さを発揮する安西のプレーは注目だ。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;color:#0e3897;">◆ベルギーで花咲いた天才肌アタッカー</span> <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/cws20190321_kamada_tw.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div>FW鎌田大地(22) 所属:シント=トロイデン(ベルギー)<hr>4人目は、ベルギーのシント=トロイデンでプレーするFW鎌田大地だ。ガンバ大阪の下部組織で育った鎌田は、高校進学後にサガン鳥栖へと入団。1年目から攻撃的ミッドフィルダーとして鳥栖の攻撃陣をけん引。自身も3ゴールを記録するなど、持ち前の能力の高さをみせ、世代別の日本代表にも招集された。 2年目の鳥栖の中心選手として攻撃面でチームに貢献すると、J1で7ゴールを記録。2017年途中にはMF長谷部誠が所属するフランクフルトへと完全移籍を果たす。 しかし、ドイツでは自身の良さを出すことができず、さらに守備面での課題が重くのしかかり、試合に絡めない苦しい日々を過ごす。結局、ドイツ挑戦1年目はブンデスリーガで3試合の出場に終わった。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/cws20190321_kamada_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div>ドリブル:<span style="color:#d63003;">8</span> シュート:<span style="color:#d67a03;font-weight:700;">7</span> パス:<span style="color:#d67a03;font-weight:700;">7</span> スピード:<span style="color:#d67a03;font-weight:700;">7</span> ディフェンス:3 フィジカル:6<hr>そして迎えた2018-19シーズン、鎌田は心機一転、ベルギーへと活躍の場を移した。すると、より攻撃的なプレーが求められるシント=トロイデンでは、ベルギー・ジュピラー・プロ・リーグで24試合に出場し12ゴールを記録。自身の得点力が花開き、チームの躍進に貢献していたが、最終節の敗戦でプレーオフ1への進出を逃す苦いシーズンとなった。 世代別の日本代表でもあまり結果を残せていない鎌田だが、森保ジャパンではFW登録に。その得点力の高さを認められたことの表れであり、この2試合で目に見える結果を残すことは、日本代表定着への一歩となるだろう。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;color:#0e3897;">◆守備のユーティリティプレーヤー</span> <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/cws20190321_hasihmoto_tw.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div>MF橋本拳人(25) 所属:FC東京<hr>最後の5人目は、FC東京のMF橋本拳人だ。メンバー発表時には招集されていなかった橋本だが、Mf守田英正(川崎フロンターレ)が負傷により離脱。これにより、追加招集ながら日本代表に初選出された。 FC東京の下部組織で育った橋本は、ユース時代からボール奪取能力に秀でており、注目を集める存在に。2種登録されるなど将来が有望視されていたが、トップチーム昇格後は出場機会に恵まれず、2013年途中にロアッソ熊本へとレンタル移籍した。 熊本では、持ち前のボール奪取能力を発揮。ボランチで起用されると、守備範囲の広さとトランジションの早さでチームの守備の要となる。チームのシステムが3バックに変更になると、センターバックとしてもプレー。ボランチで培ったビルドアップの能力も発揮し、橋本のプレーの幅が大きく広がっていった。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/cws20190321_hasihmoto_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div>ドリブル:6 シュート:5 パス:6 スピード:<span style="color:#d67a03;font-weight:700;">7</span> ディフェンス:6 フィジカル:<span style="color:#d67a03;font-weight:700;">7</span><hr>その後、左ヒザ内側半月板断裂という大ケガを乗り越え、熊本で2シーズンプレー。2015年にFC東京へ復帰すると、徐々に出場機会を増やし、ベンチ要員からレギュラーへとのし上がっていった。中盤でのフィルター役は日本代表に不足しており、守備的なポジションでのユーティリティ性も魅力の1つ。日本代表として、世界を相手にその能力を発揮できるのかに注目だ。 2019.03.21 22:34 Thu
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今後の日本代表に必要なのは経験者か、経験値か/日本代表コラム

2大会ぶりのアジア王者まで、あと一歩と迫った日本代表。しかし、決勝では初優勝を目指すカタール代表の前に1-3と完敗。得点差以上に、内容で差をつけられ、目標であったアジア制覇はならなかった。 日本に足りなかったものは何だったのか。長らく言われ続けた、「個」の能力なのか。それとも、チームとしての「総合力」なのか。その答えを見つけ出すのは簡単ではないが、発足から約半年の森保一監督率いる日本代表のアジアカップでの戦いを見れば、どちらも必要と言えるだろう。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆現段階では足りない経験値</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20190203japan_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 今回のアジアカップに招集された日本代表23名のうち、13名がA代表のキャップ数が10試合以下。招集数も多くはなく、国際経験という点では乏しいものがある。 2018年、ベスト16に進出したロシア・ワールドカップ(W杯)でピッチに立ったのは、このうちの9名。MF青山敏弘(サンフレッチェ広島)は2014年のブラジルW杯を経験しているため、W杯経験者は10名となる(GK権田修一(ポルティモネンセ)、MF遠藤航(シント=トロイデン)はW杯メンバー入りも出場なし)。 今大会で主軸を担った選手の多くはW杯経験者であり、主軸では権田、DF冨安健洋(シント=トロイデン)、MF南野拓実(ザルツブルク)、MF堂安律(フローニンヘン)、MF遠藤が未経験者。しかし、冨安と堂安は2017年にU-20ワールドカップを経験。南野は長らくヨーロッパの舞台でプレーしている。 国際経験というものは、その字のごとく経験を積まなければ身につくものではない。その点では、冨安、堂安、南野、遠藤が大会を通して経験を積めたことは大きい。特に、世代別でしか経験したことのないアジア諸国との戦いを、A代表の大陸王者を決める戦いで経験できたことは、9月から始まるカタールW杯予選にもプラスに働くはずだ。 一方で、Jリーグ組の経験不足は否めない。グループステージ突破が決定した後の3戦目、ウズベキスタン代表戦では大幅にメンバーを入れ替えて日本は戦った。スターティングメンバー11名のうち、Jリーガーが8名。森保監督は、グループステージ首位通過が懸かった試合で、主力を休ませるとともに、経験の少ない選手たちをピッチに送り出した。 Jリーグにも素晴らしい能力を持った選手はおり、外国人選手のレベル、実績も年々上昇。それらの選手と対戦したり、味方であったりするわけだが、代表チームの公式戦とは訳が違う。タイトルを懸けた戦いでの真剣勝負を経験できたことは大きなプラス材料だ。 特にFW大迫勇也(ブレーメン)の影響は大きく、ピッチ内に居ると居ないでは大きく状況が変わることも今大会見られた。大迫以外にも、替えの効かない選手が増える状況は好ましくなく、チームとしての底上げという点でも、経験を積んでいく必要はあるだろう。マッチメイクも含め、JFA(日本サッカー協会)には真剣に考えてもらいたいところだ。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆経験者の追加は必然ではない</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20190203japan_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 翻って、経験値が不足していることを補うために、経験者が必要なのかというと、個人的には「ノー」と言いたい。アジア王者になることは日本代表として当然の目標であった。しかし、「ゴール」はここではなく、それは3年後のカタール、さらにその先にあるはずだ。 今回のメンバー構成を見ても、経験という点でのバランスは悪くはない。年代で見ても、W杯経験者と2020年の東京オリンピック世代が混ざっており、バランスは良いと考えられる。 一方で、これまで日本代表を支えてきたMF香川真司(ベシクタシュ)やFW岡崎慎司(レスター・シティ)、GK川島永嗣(ストラスブール)といった経験値のある選手たちは、ロシアW杯以降招集されていない。MF長谷部誠(フランクフルト)、MF本田圭佑(メルボルン・ビクトリー)は代表キャリアを終える意思を示しているが、そうでない選手は代表復帰を窺っているだろう。 もちろん、これまでの実績と経験、そして能力を考えれば、日本代表に値するかもしれない。しかし、将来性と現在のチーム作りを考えると、復帰が必然だとは思えない。 前述の3名は、チームで出場機会が限られている状況。香川は出場機会を求め、アジアカップ中にドルトムントからトルコのベシクタシュへとレンタル移籍。デビュー戦となった3日のアンタルヤシュポル戦では、81分にデビューを果たすと、ファーストプレーでゴール。さらに、約25mの位置からFKを直接叩き込む衝撃のデビューを見せたが、代表復帰にはこのパフォーマンスを継続する必要があるだろう。 若手の台頭という点では、カタールのアル・ドゥハイルへと移籍したMF中島翔哉、代表には招集されていないものの、クラブで結果を出し続けているMF鎌田大地(シント=トロイデン)もいる。最終ラインも冨安を筆頭に、今冬海外移籍を果たしたDF中山雄太(ズヴォレ)、DF板倉滉(フローニンヘン)と有望株が居る。東京五輪チームの監督も兼任する森保監督だけに、彼らをA代表で試す可能性もある。 これまで支えてきた選手たちを無下にする訳ではなく、同じレベルであれば、将来性を買う可能性は高い。必要とされるプレーに合わせなければならいことも出てくるだろう。一時的な復帰ではなく、将来的な戦力として計算する上では、経験者を呼ぶことよりも、経験値を積ませることが大切になるだろう。経験者には“プラスアルファ”を求めていいはずだ。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆局面を打開する策の準備、求められる「再現性」</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20190203japan_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> そして、今の日本代表に最も足りていないところは、相手チームのことをしっかりと理解し、判断し、戦うという部分だろう。 スカウティングという点では、今回の決勝・カタール戦も、ロシアW杯のラウンド16・ベルギー戦も、相手より遅れを取ったと言わざるを得ない。ベルギー戦では2点リードを追いつかれるまでの部分、カタール戦では相手の出方に合わせ戦い方をできずに2失点を喫した部分だ。 日本の立ち位置を考えれば、アジアでは相手が対策を練ってくる試合が多い一方で、W杯などでは相手への対策を練る必要がある。しかし、アジアで対策を練られた場合でも苦戦をし、相手への対策を用意しても、相手のさらなる変化にはついていけずに結果を残せなかった試合は、これまで少なくない。 ピッチ内での判断が最終的には重要となるサッカーにおいて、この部分の育成、成長は、今後レベルを上げていく上では必要条件だろう。それは「個」の能力でもありながら、チームとしての「総合力」でもあり、どちらも磨いていくことが重要となる。 そして、そこに関わってくるものが「再現性」だ。攻撃の形を持っていても、相手が対応してくれば崩すことは難しくなる。しかし、崩しの形を持っていなければ、相手にとっては怖さは格段に減ることとなる。活動期間が短い代表チームにおいて、プレーに「再現性」を求めるのは難しいかもしれない。しかし、これをなくしては、さらに上のレベルに到達することは難しい。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20190203japan_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 現に、決勝で日本が敗れたカタールは、「再現性」を持って、組織として高い完成度を見せて居た。それは、攻守にわたってのことであり、守り方、攻め方、選手の立ち位置を含め、チームとして機能することで、日本を翻弄していった。「経験値」では日本の方が高く、「個の能力」も日本の方が高かった可能性もある。しかし、相手への対策をピッチ内で変化させていったカタールには敵わなかったのだ。 それは、半年前に敗れたベルギーも同様だ。2-0とリードされたベルギーは、マルアン・フェライニを投入し、明確な攻撃の形を打ち出した。そして、ラスト14秒のカウンターも、チームとしての「再現性」があるからこそ、GKティボー・クルトワのキャッチから、日本ゴールを揺らすまでの一連の流れが、スムーズに生まれたはずだ。 日本代表に限らず、Jリーグでもプレーの「再現性」が高いチームは多くない。まだまだ、世界と比べれば、パターンを数多く用意して、相手や局面に合わせて選択するということはできていない。育成年代を含め、戦術的な要素、戦略的な要素をしっかりと鍛えることも、この先の日本サッカーのためには重要なポイントとなる。 まだまだチームが発足して時間が経過していないだけに、森保監督にはこの辺りを考えながらチーム作りをして欲しい。本番までは、まだ3年以上残されている。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2019.02.04 07:00 Mon
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悔やまれる前半、「差」が見えた敗戦から学ぶべきこと/日本代表コラム

2大会ぶり5度目のアジア王者を目指した日本代表だったが、1日に行われたカタール代表との決勝では1-3と敗戦。カタールに初優勝を許すとともに、目標であったアジア王者への返り咲きは叶わなかった。 大会初戦から苦しい戦いが続いた日本は、1点差ゲームをものにして準決勝に進出。準決勝では優勝候補最有力とも言われたイラン代表に3-0と快勝。2大会ぶりの優勝への機運は高まっていた。 しかし、蓋を開けてみれば、立ち上がりから苦しい展開となり前半で2失点。後半に1点を返すも、追加点を許し準優勝に終わった。2点差での敗戦となったが、それ以上にカタールの戦い方との差は歴然。日本は負けるべくして負けたといっていいだろう。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆相手を考えたカタール、考えなかった日本</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20190202japan_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 問題は試合開始直後から起こっていた。日本はいつもの[4-2-3-1]のシステムで臨み、イラン戦で負傷したMF遠藤航(シント=トロイデン)に代わってMF塩谷司(アル・アイン)が先発した。 一方のカタールは、韓国代表戦、サウジアラビア代表戦と同じ[3-5-2]でスタート。日本はMF南野拓実(ザルツブルク)がFW大迫勇也(ブレーメン)と2枚で守るため、守備時は[4-4-2]となる。 [4-4-2]と[3-5-2]という2つのシステムの噛み合わせが悪いことは明白だが、日本は準決勝のイラン戦と同様に前線からプレスをかけて守備を仕掛けていった。 しかし、カタールは日本のことも研究済み。前線2枚のプレスを回避すると、中盤では数的有利が生まれ、スペースを有効活用できるようになる。特に、11番のFWアクラム・ハッサン・アフィフ、10番のFWハサン・アル・ハイドスがポジションを自由に変えてプレー。日本の中盤は掴み所がなかなか見つけられず、守備で後手を踏んでいた。 先制点が生まれたシーンもカタールの研究の成果だろう。その前からDF酒井宏樹(マルセイユ)の外側にアフィフやアル・ハイドスがポジションを取っていた。そしてそこにロングボールが入り、ボックス付近からクロス。大会得点王に輝いた19番のFWアルモエズ・アリの見事なコントロールからバイシクルシュートは見事だったが、その前の崩しの段階でカタールは勝っていた。 直後にも日本は決定的なピンチを迎える。ボランチの脇でボールを受けられると、プレスがかからずスルーパス。ボックス内からのシュートはDF吉田麻也(サウサンプトン)がなんとか反応したものの、崩され方に対しては無力だった。 対する日本は、攻撃面でもカタールの守備を崩せない展開が続く。大迫、南野の2人に対しては、準決勝のイラン同様にしっかりとケアがなされていた。その結果、右サイドのMF堂安律(フローニンヘン)にボールが入ることが前半は多かったが、カタールのカウンターを警戒するあまり、酒井が追い越すほど上がることができず。堂安の単騎突破も左足だけをケアするという弱点を突かれた守りで、無力化された。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆2失点目も明確な狙い、日本は「対応力」を見せられず</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20190202japan_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 2失点目もカタールの完勝といえる。掴み所を見つけられないまま時間が経過し、MF柴崎岳(ヘタフェ)と塩谷のボランチも守備面では機能しない時間が続いていた。 そんな中、カタールは6番のMFアブドゥラジズ・ハティムと10番のMFアル・ハイドスが一時的にポジションを変更。左利きのハティムが右に、右利きのアル・ハイドスが左に立つことで、シュートコースを作る形を作った。そして迎えた27分、ボランチの脇でボールを受けたハティムが、空いたコースを狙って左足一閃。見事なミドルシュートが決まり、リードを2点を広げた。 日本はプレスが前線からハマらない中でも、プレスをかけることを選択していた。しかし、大迫、南野に加え、サイドハーフのMF原口元気(ハノーファー)、堂安がプレスに参加。そのスペースをボランチのどちらかがケアしに行くという守り方を見せていた。これが、カタールの狙いでもあり、その瞬間に前線にボールを入れてカウンターを仕掛ける。日本は5枚が守備に出ている状況であり、カタールはここに4枚しか使っていない状況のため、フリーの選手が生まれていた。 2点リードを奪ったカタールは、3バックを5バック気味にしてブロックを形成。日本が攻め込むスペースを消し、奪いどころではしっかりとプレスに行く得意の形に持ち込んでいった。前線からのプレスはかけず、ミスでボールを奪えば3枚でカウンター。2点目以降に決定機こそ作らなかったが、日本にも決定機は作らせなかった。フェリックス・サンチェス監督にとっては、100点といってもいい前半だったはずだ。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆「再現性」なくして、自分たちのサッカーはなし</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20190202japan_tw6.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> この試合の展開を見ていると、やはりロシア・ワールドカップのラウンド16・ベルギー代表戦を思い出さずにはいられない。試合展開は違えど、日本代表が抱えている問題は根本では解決していなかったと言わざるを得ない。 ベルギー戦はロストフの悲劇としてラスト14秒のシーンがクローズアップされてるが、日本と世界トップクラスの差は、カウンターの精度というよりも、その前の2失点の部分にある。あの試合、日本はしっかりとゲームに入り、カウンターから原口がネットを揺らし先制。さらに、ベルギーの守備陣が浮き足立っている間に乾貴士(ベティス)にもゴールが生まれ、2点のリードを得ることとなった。 ここまでの展開は完璧と言ってもいいが、ここからの展開は最悪だ。ベルギーは2点ビハインドでマルアン・フェライニ(山東魯能)を投入。明らかに高さを使ってくる意図が示され、結果的にそこから2得点を奪った。一方で、日本はこの場面で手を打てずに終わった。そして、ラストプレーで敗退に追いやられた。 日本代表という括りというよりは、日本人指揮官にありがちなことと言っても良いかもしれない。これはJリーグクラブでもしばしば見られる事象だが、相手を見てサッカーをするという部分が欠けているように思えてならない。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20190202japan_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> Jリーグでは下位チームが上位チームの対策をし、準備を行なった結果、引き分けや勝利という結果を得ることはよくある。一方で、上位チームは下位チームとの対戦で取りこぼすことがよくあり、その大半は相手の準備にハメられ、自分たちのサッカーができないパターンだ。それでも勝ち切れるチームは、90分間に訪れる相手のミスやセットプレーを生かしたもの。また、個人のパフォーマンスで得点を取り切るパターンだ。 自分たちのサッカーを出し続けて戦いたいのであれば、プレーの再現性が求められる。攻撃にしても守備にしても、いくつかのパターンをピッチ内で状況に合わせて再現できるかだ。選手の立ち位置、相手の陣形、試合の状況に合わせて、パターンを用意することができるかどうか。その点でも、カタール代表にはパターンが用意されており、日本代表にはそのパターンが十分ではなかったと言わざるを得ない。 前半の戦い方で、相手の戦い方にアジャストせず、不安定なまま2失点を喫し、最後までこの失点が影響した。その点では、半年前のベルギー戦で2-2に追いつかれた展開から、積み上げられたものはないように思う。これは個人の責任というよりも、日本サッカー全体のもの。ロシア・ワールドカップで何を学び、何が必要と判断したのか。日本サッカー協会(JFA)の分析と反省が生かされているのかは、まだ見えてこない。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆収穫は個人の成長、課題は今後の強化</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20190202japan_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 準優勝に終わったことで、アジアの覇権を取り戻すことはできず、目標も達成されたとは言えない。ただ、立ち上げから約半年のチーム、メンバーも入れ替わり、活動期間も短いチームとしては、一定の結果を残した。カタールがサンチェス体制下で、育成年代も含めて積み上げてきた年数を考えれば、チームとしての「差」が生まれることは当然であり、完成度にも差があることは致し方ない。 収穫だったのは、日本代表として初の公式大会に臨んだ冨安の目覚ましい成長や、これまで控えに甘んじていた遠藤の万能性が見て取れたことだろう。ともにシント=トロイデンに所属し、チームの主力としてベルギー・ジュピラー・プロ・リーグを戦っている両者。彼らが一定のパフォーマンスを出せたことは、この先の日本代表にとっても大きい。 一方で、大迫に代わる選手が見つからない攻撃陣、国内の親善試合では輝けていた南野、堂安の不発、クラブで出場機会が得られていない柴崎のコンディション問題と課題も出ている。そして、Jリーグ組と海外組の差も感じさせられる大会でもあった。 この1カ月の戦いで、全ての答えが出せるわけではないが、大会中に一定の結果を出せたことと、決勝で力の差を見せつけられて敗れた経験値は、この先の日本代表に影響するはずだ。3月には、コロンビア代表、ボリビア代表との親善試合がある。そして6月にも2試合の親善試合が組まれ、その後にコパ・アメリカに参戦する。9月から始まるカタール・ワールドカップに向けたアジア予選まで、どのようにチームを作り上げていくのか。今大会の経験と課題をしっかりと生かして、森保監督にはチーム作りをしてもらいたい。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2019.02.02 17:00 Sat
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