【原ゆみこのマドリッド】マドリッド勢だけが生き残った…2018.04.14 21:45 Sat

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▽「もしやこの週ってゴールデンウィーク?」そんな風に私が日本のカレンダーを確認していたのは金曜日、UEFA本部でのCL準決勝抽選が終わり、試合日程が決まった時のことでした。いえ、すでに1時間前に先行していたEL準決勝抽選ではアトレティコとアーセナルと対戦することが決定。こちらの大会は2カードとも木曜開催となるため、3日の2ndレグではワンダ・メトロポリターノでプレミアリーグの老舗を見られるのがすぐわかったんですけどね。奇しくもバイエルンを引いたレアル・マドリーも2ndレグが1日にサンティアゴ・ベルナベウって、要は5月の第1週にマドリッド滞在を予定している観光客には、ヨーロッパの2大クラブ大会のファイナリストが決まる大一番をまとめて観戦する機会があるってことじゃないですか。

▽え、でもどちらもチケットをゲットするのは難しいんだろうって?まあ通常、大会のこの辺りになると、相手に関わらず、即日完売することも多いんですが、意外にもこの水曜のCL準々決勝2sdレグ。先週の1stレグが0-3と大勝だったせいか、ユベントスというネームバリューでは決して引けを取らない相手だったにも関わらず、80~300ユーロ(約1万1000~4万円)ぐらいで、当日売りのチケットが出ていましたからね。いよいよ、コペンハーゲン、ロコモティブ・モスクワ、スポルティングCPとは一線を画す強敵、アーセナルを迎えるワンダもここまでのEL戦が満員御礼にならなかったという先例があるとなれば、結構、スタジアム窓口で買えてしまったりするかも。

▽その辺はまだ3週間も先の話なので、情報が入り次第、お伝えしていくことにしますが、まずは今週の準々決勝2ndレグがどう決着したかを語っておかないと。いやあ、火曜は1stレグに4-1と快勝していたバルサが一体、何がどうしたんでしょうかね。スタディオ・オリンピコでは序盤にジェコに決められると、後半にはデ・ロッシがPKで、残り8分にはマノラスがセットプレーからヘッドで、両者共にカンウ・ノウで献上したオウンゴールの無念を晴らされて、総合スコアが4-4に。まさに先週末のリーガ、レガネス戦でハットトリックを挙げたメッシが1本でもこのローマ戦にゴールを取っておけばと思わせる展開で、結局、無得点に終わったバルサはアウェイゴール差による大逆転負けって、こんな奇跡があっていい?

▽おかげで翌水曜のお昼のニュースでは、宿敵のCL敗退に溜飲を下げているマドリー・サポーターの姿を何度も見たものですが、彼らもこの先、何が待っているのか知っていたら、きっとあんなに有頂天にはならなかったかと。というのもその夜、いえ、私も前日にドシャ降りの中、見学に行ったバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でのジダン監督とバランの会見や夕方、ベルナベウであったアッレグリ監督とブッフォンの会見でもほとんど、奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)の可能性は話されていなかったため、むしろ恐れていたのは再び、ぶり返してきた寒さの方だったんですけどね。それが何と、同じイタリア勢でも4位のローマとは勝ち点差21をつけて、優勝が間近に迫っているユベントスだからでしょうか。前日の先制点より、全然早い開始1分18秒にはケディラのクロスから、カルバハルを軽々超えて、長身のマンジュキッチがヘッドで決めてしまったから、意表を突かれたの何のって。

▽ただ、それでもまだ2点差ありましたし、13分にはイスコのゴールが怪しいオフサイドで認められないなんてこともあったため、じきに相手の攻勢も収まるだろうと私など、楽観視していたんですが、いえいえ、とんでもない。37分には再び、マルセロの守る左サイドからクロスを上げられ、またしてもマンジュキッチに頭で得点されてしまっては心落ち着かず、ハーフタイムに定番のボカディージョ(スペイン風バゲットサンド)を食べることもできないファンがいても仕方なかったかと。さすがこれにはジダン監督も「Hay que cambiar algo/アイ・ケ・カンビアール・アルゴ(何かを変えないといけない)」と思ったそうで、マドリーは後半頭から、ベイルとカセミロを下げ、ルーカス・バスケスとアセンシオを投入したものの…。

▽悪夢が現実になったのは後半15分、この日、ユベントスの攻撃を牽引していたドグラス・コスタが入れたクロスをGKケイロル・ナバスがしっかり掴めず、詰めていたマトゥイディに押し込まれてしまったんですよ。いえ、バルサとは違い、これで総合スコアは互いにアウェィゴールでの3-3ですから、あくまでユベントスはprorroga(プロロガ/延長戦)に持ち込める権利を得たに過ぎないんですけどね。おそらく、それで安心してしまったのでしょうか。その後の彼らは4点目を奪いに行くことより、失点を避けることを優先したのを大いに悔やむことに。

▽ええ、いよいよ試合も後半ロスタイムに入り、その頃には出場停止でこの試合に出られず、ソンブレロ(帽子)を被ってパルコ(貴賓席)で優雅に観戦していたセルヒオ・ラモスも危ないと思ったか、ベンチ脇にあるトンネルから檄を飛ばしていたんですけどね。私も厚めのヒートテックを着てきた先見の明に感謝しながら、更なる30分の長丁場に耐える覚悟を決めていたところ、何と48分、クリスチアーノ・ロナウドが頭で落としたボールをゴール前に受けに行った身長172センチ、体重70キロのルーカス・バスケスが190センチ、92キロのベナティアに後ろから足を回されて転倒。ペナルティの笛が吹かれるって、こんなラッキーな出来事があっていい?

▽というのもこのプレー、専門家でも意見が分かれる程、判断が微妙で、アッレグリ監督などはCLにVAR(ビデオ審判)がないのを嘆いていましたけどね。もちろんルーカス・バスケスは「Es penalti claro/エス・ペナルティ・クラーロ(明らかにペナルティだ)。ボールをコントロールしようとした時、敵CBに倒されたんだからね」と正当性を主張、対するベナティアは「自分の太ももが触れたけど、接触は最小限で、これはサッカーの一部」と互いの言い分が相反するのは当然で、ユベントスの選手たちも主審を取り巻いて猛抗議をしたところ、何とGKブッフォンがレッドカードで退場させられてしまったから、逆転突破の夢もここでジ・エンドに。

▽だってえ、どの選手が蹴ってもPKが入らない弟分のヘタフェじゃあるまいし、キッカーはあのロナウドですよ。代わりのGK、シュチェスニーが用意する時間も含め、4分程、間があったため、当人も「Los minutos antes de tirar el penalti se hicieron eternos・ロス・ミヌートス・アンテスデ・ティラール・エル・ペナルティ・セ・イシエロン・エテルノス(PKを蹴るまでが永遠に感じられた)」と言っていたものの、大丈夫。ドサクサに紛れ、ユベントスの選手たちが入れ替わり立ち替わり、PKマーク付近をスパイクで荒らしていたのもモノともせず、しっかり総合スコア4-3で準決勝進出を決めるゴールを挙げているのですから、歓喜の余り、またユニフォームを脱いで、自身の筋肉を見せつけていたって、ここはもう褒めるしかないかと。

▽え、ロナウドは昨夏、スペイン・スーパーカップ1stレグでもユニを脱いで、それが2枚目のイエローカードだったために退場。更に5試合の出場停止処分を受けていなかったかって?いやあ、そこは少し学んだようで、この日はまだカードをもらっていませんでしたし、大会通算でも2枚目。累積枚数にはならない上、準決勝では全員ゼロからスタートになるって知っていたんでしょうね。おかげで心いくまでゴールを祝うことができたんですが、ラモスの方もスタッフが必死に止めて、ピッチレベルまで上がらなかったため、UEFAのお咎めがなかったのは幸い。何せ、バランとバジェホのCBコンビではその日のように、大物相手では頼りないのが発覚してしまいましたからね。準々決勝こそ、2ndレグは0-0で、セビージャのオウンゴール2本で勝った1stレグのおかげで突破したバイエルンとはいえ、レバンドフスキを前にラモス抜きで戦うなんて、想像したくもありませんって。

▽そして試合後は、「Si hay penalti, lo hay. Pasamos y estamos contentos/シー・アイ・ペナルティ、ロ・アイ。パサモス・イ・エスタモス・コンテントス(ペナルティがあると言われればある。ウチは突破して満足だ)」(ジダン監督)というマドリーだったんですが、マルセロなどからは「no nos iba a pasar como al Barcelona porque somos el Real Madrid/ノー・ノス・イバ・ア・パサール・コモ・アル・バルセロナ・ポルケ・ソモス・エル・レアル・マドリッド(バルサみたいにはならないよ。ウチはレアル・マドリーだからね)」なんて、ちょっと調子に乗ったコメントも聞かれたんですが、ミックスゾーンで誰より吠えていたのはブッフォンだったかと。

▽ええ、最初は放映権のあるTVカメラ、次になしのTV、イタリアのラジオ、最後は新聞記者たちの前で、「93分にあんなペナルティを取るなんて、人間のやることじゃない。彼はキラー、アニマルだ。ハートの代わりにゴミバケツを持っている」と各所で主審批判をリピート。うーん、世間から、CLの試合はこのマドリー戦が最後となるだろうと言われていた彼ですから、有終の美を飾れなかったのが悔しいのはわかりますけどね。あの手のジャッジは時の運ですし、昨季もバイエルン相手の準々決勝2ndレグ、延長戦にもつれ込みながらも勝ち抜けを決めたマドリーですから、やっぱり残り30分に畳かけず、120分勝負に懸けたユベントスの戦略にこそ、敗因があったんじゃないかと私など、思ってしまうんですが…。

▽え、それで木曜にスポルティングとの2ndレグを戦ったアトレティコはどうしたんだって?うーん、リスボンは大雨だったからですかねえ。1週間前のワンダとは違い、相手にガンガン攻めてこられた上、パスが3回と繋がらない惨状にとうとう、普段は見て見ぬ振りをしている番記者たちも試合後は「就任して以来、最低の試合だったのでは?」と記者会見で尋ねざるを得ない始末。それには「この6年間、もっとひどい試合はあったが、comparto que estuvimos tremendamente imprecisos en el primer tiempo/コンパルトーケ・エストゥビモス・トレメンダメンテ・インプレシソス・エン・エル・プリメール・ティエンポー(ウチが前半、恐ろしく正確さを欠いていたという意見には同意する)」と答えていたシメオネ監督ですけどね。

▽もうホント、私だって、視界が悪くてスポルティングの緑のユニと芝生の区別がつきにくいのだろうとか、濡れた髪でヘディングすると滑って狙いが狂うんだろうとか、TVを見ながら、自分で自分に言い訳するのがどんなに苦しかったことか。どうやらコケなどに言わせると、「相手もプレーしているんだから、hay veces que no es culpa tuya/アイ・ベセス・ケ・ノー・エス・クルパ・トゥジャ(自分たちのせいじゃない時もある)」そうですが、何せ、1stレグでは2-0で勝利しているとはいえ、バルサやマドリーの先例がありましたからねえ。GKオブラクの奮闘も空しく、とうとう前半27分、彼が弾いたクロスをノーマークだったモンテロに決められてしまった時にはどんなに背筋が凍ったことか。

▽おまけにリュカは前半の接触プレーで顔を強打され、後半からはベルサイコが出場していたのに加え、5分にはダッシュをかけた際にジエゴ・コスタが左太ももを痛め、交代要請って一体、どこまでアトレティコは祟られている?それでも幸い、この時は先日、今季限りのアトレティコ退団宣言をしたフェルナンド・トーレスがアップなしで入り、更にスポルティングも「70分までウチは素晴らしい試合をしていたが、リスクを犯して点を取りにいかないといけない時間帯になり、アトレティコがスペースを得てチャンスを作った」(ジェズス監督)という状態になったため、そのまま試合は1-0で終了。総合スコア2-1で逃げ切りましたが、30分過ぎにグリーズマンが迎えたGKルイ・パトリシオとの1対1の好機にシュートを決めていてくれれば、あそこまでファンをヒヤヒヤさせることもなかったはずでよ。

▽まあ、内容はともかく、今はアトレティコがリヨンへの道から外れなかったことを喜んでいればいいんですが、気になるのはコスタのケガがいつ治るのか。一応、全治2週間という報が金曜の検査の後、出ていましたが、4年前は負傷から復帰の後、リーガ優勝が決まった最終戦でもCL決勝でもすぐ再発させて、序盤で交代という黒歴史の持ち主ですからね。今週末、日曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)から、ワンダ初のDia del Nino/ディア・デル・ニーニョ(子供の日)が祝われるレバンテ戦はもちろん、アーセナルとの2試合もあまり期待しない方がいいかも。ちなみにもう1つのEL準決勝はオリンピック・マルセイユvsザルツブルクで、前者にはライプツィヒとの準々決勝2ndレグでチームの5点目を挙げた酒井宏樹選手、ラツィオを大逆転で退けた後者には南野拓実選手がいるため、どちらが勝っても決勝に必ず日本人選手が参加するっていうのは楽しみですね。

▽そして他のマドリッド勢の週末の日程は土曜にレガネスがセルタとブタルケで対戦。日曜午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスにエスパニョールを迎えるヘタフェ同様、残留をほぼ達成してしまったため、このところ2連敗とモチベーションを奮い立たすのが難しいようですが、せめてホームゲームではいいプレーをして、サポーターを喜ばせてあげてほしいかと。兄貴分のマドリーは日曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)から、降格決定が秒読みに入っている最下位マラガとのアウェイ戦ですが、ユベントス戦で負傷したモドリッチ共々、金曜のセッションでグラウンドに姿を見せなかったカルバハル辺りはお休みしそうです。

▽実際、バルサとは勝ち点差15とすでにリーガ優勝の望みは失くしている彼らですが、一応、前節にバレンシに奪われてしまった3位の座は取り戻したいですからねえ。来週はミッドウィークの水曜にアスレティック戦をこなした後、週末21日にコパ・デル・レイ決勝が開催。そのファイナリストであるセビージャとの対戦が先送りにされているため、バイエルン戦1stレグまでの丸々1週間、調整に使えるのは羨ましい限りですが、ジダン監督がどんな風にロナウドやクロース、カセミロらをローテーションしてくるのか、ちょっと興味が湧くところでしょうか。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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肩に力を入れて試合を見ることはもうないとはいえ…/原ゆみこのマドリッド

「絶対、初仕事だなんて思ってないから」そんな風に私が呟いていたのは火曜日、CL準々決勝2ndレグでマンチェスター・ユナイテッドの一員として、夜にはカンプ・ノウでプレーするはずのポグバが映った時、お昼のスポーツニュースのアナウンサーがレアル・マドリーに貢献する最初のチャンスと言っているのを聞いた時のことでした。いやあ、3月半ばには今季が終わり、長いプレシーズンに入ったお隣さんには昨今、補強選手候補の話題しかなく、彼もアザール(チェルシー)と共に日替わりでスポーツ紙のマドリーページで取り上げられる選手ではあるんですけどね。 だからって、別にユナイテッドが0-1で負けた1stレグの結果をポグバの活躍で引っくり返し、バルサを敗退に追いやってくれたとて、16強対決で消えたマドリーにミッドウィークのビッグマッチが戻って来る訳じゃありませんしね。おかげでリーガ前節など、月曜試合に回されたため、バルベルデ監督の前日記者会見やユナイテッドの練習風景をスマホで見ながら、ブタルケに向かう私の情けなさったらなかったんですが、まあそれはそれ。とりあえず、マドリッド勢の週末の試合をお伝えしていくことにすると。 土曜に先陣を切ったのはアトレティコで丁度、その日は毎年恒例のDia del Nino/ディア・デル・ニーニョ(子供の日)のイベントがワンダ・メトロポリターノ周辺で開催。トランポリンや人間フットボリンで楽しむ家族連れはもちろんのこと、大人のファンたちもすでにこちらもコパ・デル・レイ、CLを敗退。バルサがユナイテッド戦に備え、ローテーションをしたため、最下位のウエスカとずっと0-0だった試合に「直接対決に勝っていれば、勝ち点差5になったはずだったのに」なんて私のように嘆くこともなく、セマナ・サンタ(イースター週間)のお祭り気分に包まれていたのは羨ましかったかと。スタンドの入りも上々であとはチームがファンを楽しませるプレーができるかどうかだったんですが…。 最初に脚光を浴びたのはやっぱりオブラクでした。ええ、前半はボールを支配していたアトレティコだったんですが、何故かセルタにチャンスを作られて、17分にはマリオ・ゴメスとブデブスの至近距離からのシュートを連続paradon(パラドン/スーパーセーブ)。30分にもブファフの意表を突くシュートを超人並の反射神経で弾いているとなれば、彼に「Es el mejor portero del mundo, ojala siga creciendo/エス・エル・メホール・ポルテーロ・デル・ムンド、オハラ・シガ・クレシエンドー(彼は世界一のGK、成長し続けてくれますように)」と望むシメオネ監督はもしや、バルサ戦終盤のルイス・スアレスの先制ゴールですら阻止できる超人レベルを求めている? いやあ、この日はイアゴ・アスパスが出場停止でいなかったため、何とか1部残留を争っている相手をかわして、前半を無失点で切り抜けたアトレティコでしたが、ハーフタイム間際には「Adan me dijo de pegar al lado del portero/アダン・メ・ディホ・デ・ペガール・アル・ラドー・デル・ポルテーロ(アダンがボクにGKのいる側のサイドに蹴るように言った)」というグリーズマンが第2GKのアドバイスに従い、FKから直接ゴールを決めるという嬉しいおまけも。贅沢を言えば、ユベントス戦やバルサ戦で決めてほしかったものですが、おかげで当人も先週生まれた次女のアマロちゃんにゴールを捧げることができたのは良かったかと。 後半にもグリーズマンは28分、カウンターから途中出場のモラタに独走できるスルーパスを自陣から供給。GKルーベン・ブランコをかわして決まったゴールが2点目となり、そのままアトレティコは2-0で勝利を飾ることに。ちなみにこの日はゴディン、サビッチの負傷、ヒメネスの出場停止でトップチームのCBが不足。1月に合流した18才のネウエン(アルヘンティーノ・ジュニアーズから移籍)を避け、カンテラーノ(アトレティコBの選手)のモンテーロとトニ・モヤのコンビで何とか凌いだ形でしたが、そんな逆境にも「Si no podemos quedar primeros haremos todo lo posible por quedar segundos/シー・ノー・ポデモス・ケダール・プリメーロス・アレモス・トードー・ロ・ポシーブレ・ポル・ケダール・セグンドス(もし1位になれないのなら、ボクらは2位になるため全力を尽くす)」(グリーズマン)という言葉にウソはなかったよう。 ええ、シメオネ監督も「2014年の前が1996年だったようにアトレティコがリーガ優勝するのは難しい。その分、王者となった時はどこよりも満喫する。Hay que quedar segundos, terceros hasta que te toca/アイ・ケ・ケダール・セグンドス、テルセーロス・アスタ・ケ・テ・トカ(それまで2位、3位でいないといけない)」と言っていましたしね。土曜のエイバル戦では8試合の出場停止処分が下っているジエゴ・コスタはもとより、グリーズマンも累積警告となるため、またしてもゴールを入れるのに苦労しそうな彼らですが、ここは足首のネンザが完治したモラタに期待ですかね。 そして土曜の夜にはアンダルシアダービーでベティスを3-1と制したセビージャに4位の座を奪われ、日曜正午のバジャドリー戦にCL出場権奪還を懸けて挑んだ弟分のヘタフェだったんですが、前半14分にはアランバリのエリア外からのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)で先制したものの、30分にはこの冬に移籍したセルジ・グァルディオラに“恩返し”のゴールをお腹で決められ、1-1の同点で折り返すことに。いやあ、実際ツキもなかったのか、前半途中にはアントゥネスがヒザの靭帯断裂という重傷に見舞われ、後半18分にはオリベイラが2枚目のイエローカードで退場されられた上、24分にはジェネが不可抗力のハンドでPKを献上。ウナルにバジャドリーの2点目を決められてしまった時にはもう、万事休すかと思ったんですが…。 捨てる神あれば拾う神ありとはまさにこのことで、何とロスタイム4分、ウーゴ・ドゥロがオスカル・プラーノに倒され、今度はヘタフェの方がPKをもらえるとはこれ如何に。近々、37歳のバースデーを迎えるエースのホルヘ・モリーナがしっかり決め、2-2で引き分けたため、4位は取り戻せなかったものの、勝ち点1差で日曜にセビージャをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えられるとなれば、チームの士気も上がったのでは?ただアントゥネスが今季絶望、ダミアンとオリベイラが次戦出場停止とあって、ボルダラス監督もDF陣の編成に苦労しそうなんですけどね。もう半分バケーションに入ってしまった兄貴分たちと違って、まだ大きな目標があるっていうのはいいことですよ。 そして同じく、もしくはそれ以上の残留という課題を担ったラージョの試合が始まったんですが、サン・マメスでは前半のうちからVAR(ビデオ審判)が大忙し。ええ、2分に決まったウィリアムスのゴールはともかく、18分にはメドランがラウール・ガルシアをエリア内で倒したとされると、いえ、ラウール・ガルシア自身が蹴ったPKはGKアルベルトが前節のバレンシア戦に続き、跳ね返りの撃ち直しまで弾いて、事なきを得たんですけどね。39分にもアブドゥライ・バがウィリアムスにペナルティを犯したという嫌疑を受け、この時はVARでお咎めなしになることに。するとようやくハーフタイム前にはアレックス・モレノのシュートが決まり、何とか同点に追いついた彼らだったものの…。 後半早々、ウィリアムスに自身2点目を挙げられた上、アドビンクラが4分間でイエローカードを2枚もらって退場していてはねえ。おまけにせっかくマリオ・スアレスが同点ゴールを挙げたと喜んでもVARでオフサイドが発覚。そこへ29分、ラウール・ガルシアの一発で加点されてはロスタイムにラウール・デ・トマスが1点を返しても焼け石に水ですって。うーん、土曜の前日記者会見では丁度、セマナ・サンタで休暇を取っている記者が多いからでしょうかね。シュダッド・デポルティバのプレスルームでの会見にマルカ(スポーツ紙)のラージョ番1人しかおらず、「Esto sera una broma, no? Si lo se no vengo/エストー・セラ・ウナ・ブロマ、ノー?シー・ロ・セ・ノー・ベンゴ(これは何かの冗談か?知っていたら、私は来なかったぞ)」と怒っていたパコ・ヘメス監督でしたけどね。 それだけにホセ・ソリージャのプレスルームでは複数のカメラを前に「Cuando no había VAR iba todo mucho mejor que ahora/クアンドー・ノー・アビア・ヴァル・イバ・トードー・ムーチョ・メホール・ケ・アオラ(今より、VARがなかった時の方が全てずっと上手くいっていた)」と文句を言えたのは良かったんですが、先週末はウエスカ、セルタ、ビジャレアルと残留を争うライバルが負けていたのを利用できなかったのは残念。もうあと6試合しかありませんし、現在、17位と5ある勝ち点差を縮めるにはこの土曜、エスタディオ・バジェカスでのウエスカとの最下位決戦が本当に最後のチャンスとなるかもしれませんよ。 そして月曜にはブタルケで兄弟分ダービーがあったんですが、昼間は気温20度以上となってもまだまだ夜のマドリッドは油断がならず。その日も吹きつける風で氷つきそうな思いをした私でしたが、このところのマドリーがさっぱり気合を見せてくれないのもその寒さに輪をかけることに。ええ、レガネスは元々、沢山ゴールを入れるチームではありませんから、最初の得点がハーフタイム間際だったのも頷けるんですが、ブスティンサのスローインをカリージョがエリア内で落とすと、ブライトワイテがキープして外へ。アセンシオが鷹揚に見守る中、ジョナタン・サントスに撃ち込まれているとなれば、まったく困ったもんじゃないですか。 それでも後半6分には、おそらく前節のエイバル戦同様、ジダン監督がロッカールームで檄を飛ばしたんですかね。モドリッチからパスを受けたベンゼマが1度はGKクエジェルに弾かれながら、戻って来たボールを角度のないところからネットに収めて同点にしてくれたんですが、あれ?もしかして最近、マドリーでは彼のゴール以外見ていなくない?実際、それは私の錯覚ではなく、ウエスカ戦の3点目以来、2-1で負けたバレンシア戦、逆転勝ちしたエイバル戦の2点と全て得点者はベンゼマで他の選手は全然、スコアシートに名前を刻んでおらず。 大体、クリスチアーノ・ロナウドのユベントス移籍後、ゴール数の穴埋めを期待されたベイルなど、この日も残り10分になってようやく登場と、むしろ早めにエル・ザールや急いでヒザのケガを治したエン・ネシリを投入したレガネスの方が2点目ゲットに近そうに見えたんですが、もしや彼らが勝った場合、事前に60ユーロ(約7600円)のユニフォームをオフィシャルショップで買ったファンに全額返金するという公約が災いした?それでもここ2試合、後半ロスタイムに得点して、勝ち点を稼いできただけに最後にブスティンサが長いFKを蹴った時には私ももしやと目をこらしていたんですが…ボールが空中にある間に審判の笛が鳴ってしまいましたっけ(最終結果1-1)。 え、試合後はジダン監督が、前日バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で見た時と打って変わって深刻な表情を浮かべていたのには私も驚いたんだろうって?そうですね、マスコミに公開される15分間の練習中も笑顔で選手たちのロンド(輪になって中の選手がボールを奪うゲーム)を眺めていましたし、記者会見でも「No le he dicho a ningun jugador si cuento con el o no para la proxima temporad/ノー・レ・エ・ディッチョー・ア・ニングン・フガドール・シー・クエントー・コン・エル・オ・ノー・パラ・ラ・プロキシマ・テンポラーダ(来季、戦力として数えるか、1人の選手にも言っていない)」と持ち前の幸せオーラに包まれて答えていたのが、この日はさすがに手応えのなさに参ったんでしょうか。 「Debemos jugar mejor con los jugadores que tenemos por muy mala que sea la temporada/デベモス・フガール・メホール・コン・ロス・フガドーレス・ケ・テネモス・ポル・ムイ・マラ・ケ・セア・ラ・テンプラーダ(いくら今季が悪いシーズンとはいえ、この選手たちなら、もっといいプレーをしないといけない)」と真剣な顔で言っていましたが、そんな時、チームの印象と折しもその夜、母国のパリでノートルダム寺院が大火事に遭っていた件についてどう思うかという質問をまとめてする記者の神経もちょっと、並ではなかったかと。もちろんジダン監督は人間のできた方ですから、ちゃんと対応していましたが、あとでそこだけ時事ニュースに使うのが見え見えとはいえ、本当に有名人は大変ですよね。 そんなマドリーは次戦、日曜にサンティアゴ・ベルナベウにアスレティックを迎えるんですが、あと一歩で兄貴分にリーガ初勝利を挙げるところだったレガネスのペジェグリーノ監督は「No es lo mismo para el club salir décimo que decimosexto/ノー・エス・ロ・ミスモ・パラ・エル・クルブ・サリール・デシモ・ケ・デシモセストー(クラブにとって10位で終わるのと16位で終わるのは同じじゃない)」とTV放映による配分金も増えるためえ、現在、11位という順位を更に改善するのに意欲的。とはいえ、もうほぼ残留は確定していますからね。今週末のビジャレアル戦は同じ弟分のラージョへの援護射撃といったところでしょうが、あまりに活躍する選手は売却されてしまうという宿命を背負ったチームだけに今季の成果が先に繋がらないのはちょっと、寂しいかと。 そんな話をしているうちにバルサはユナイテッドにメッシの2発とコウチーニョのゴールで3-0の完勝。試合は見られなかったため、ポグバが株の上がる働きをしたのかはわからないんですが、同日の試合でユベントスを来季バルサへの入団が決まっているデ・ヨングとそれに続きたいデ・リフトのいるアヤックスが1-2で破り、総合スコア3-1で準決勝に進出したのには驚いたの何のって。しかもロナウドに先制されながら、逆転するなんて、それだけの根性がアトレティコにもあったら良かったんでしょうが、こればっかりはねえ。おかげで4月の末にあるCL準決勝のミッドウィークもマドリッド勢は肩身の狭い思いをしないとならなくなったのは確かですが、もしかしてその分、バルサはリーガで勝ち点落とすかもなんて、ほんの僅かでも夢を見ちゃダメでしょうかね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.04.17 17:30 Wed
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ないものねだりをしてしまう…/原ゆみこのマドリッド

「昨季は良かったなあ」そんな風に私が遠い目をしていたのは金曜日、ビジャレアルとのヨーロッパリーグ準々決勝ダービー1stレグに1-3と勝利したバレンシアが来週の2ndレグで勝ち抜けを決めると、次は2-0とナポリに先勝したアーセナルと対戦という可能性が高いことに気がついた時のことでした。いやあ、シメオネ監督になって初めてCLグループリーグで敗退したのは肩すかしもいいところだったとはいえ、去年の今頃のアトレティコはEL決勝トーナメントを優勝に向けて驀進中。自分もウキウキと準決勝のアーセナル戦のため、ロンドン応援旅行の計画を練ったりしたものでしたが、今季はもうそういった楽しみがなかったから。 おまけに昨季はレアル・マドリーもCL決勝トーナメントを快進撃。過去3年間同様、決勝を除いて、サンティアゴ・ベルナベウでPSGを始め、ユベントス、バイエルンといったヨーロッパの強豪とのCLビッグマッチを5月の頭まで堪能できたのに比べ、今年はアヤックスを見ただけで終わってしまいましたからね。いえ一応、この水曜など、スペイン勢唯一の生き残りだからと、オールド・トラフォードでの準々決勝マンチェスター・ユナイテッド戦1stレグを観戦に近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に私も足を運んだんですけどね。序盤にショーのオウンゴールで0-1とバルサがリードするのを眺めながら、裏でマドリッドの両雄にそれぞれ逆転敗退を喰らわせたチーム同士の顔合わせ、アヤックスvsユベントス戦が1-1で拮抗しているのに驚かされたものですが、店内でTVを見ていたお客さんたちもあまり盛り上がっていなかったのはやっぱり、地元チームが出ないと応援する気がおきないせい? まあ、今季はもうマドリッド勢に関係ないヨーロッパの大会はともかく、話を週末のリーガに移すことにすると、まず土曜にスタートするのはアトレティコで午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)、ワンダ・メトロポリターノにセルタを迎えるんですけどね。前節、バルサとの直接対決に2-0と負け、首位との勝ち点差が11となって逆転優勝の目が完全になくなってしまった彼らには木曜、更に追い打ちをかけるバッドニュースが。そう、カンプ・ノウで前半27分にレッドカードで退場させられたジエゴ・コスタにヒル・マンサノ主審への悪態分4試合、続いてゴディンとヒメネスにイエローカードを出そうとするのを止めようとして主審の腕を掴んだとして4試合の、計8試合の出場停止処分が下ったんですよ。 いやあ、実際私も目標が完全になくなったアトレティコを心配して、木曜金曜と連続してマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に行ってみたんですけどね。今季の残り7試合、プラス来季初戦に出られなくなった当人はバルサ戦の前の試合もケガで欠場していましたし、まだ12月の手術から完璧に回復している訳でもなかったのか、今週は1度もグラウンドに姿を現さずにジムごもり。おかげで八つ当たりもあって、もうバケーション入りして母国のブラジルに帰ってしまったんじゃないかと疑ってしまったりもしたんですが…。 でも大丈夫。金曜の記者会見でシメオネ監督も「当人とは月曜に45分、火曜にも30分話し合った。互いに言うべきことを言い合った」と話していましたし、車で練習場に入るコスタの姿もTVE(スペイン国営放送)のカメラに映っていたため、どうやらいることはいるらしいんですが、上訴委員会に嘆願して減刑が決まったとて、1カ月近く間を開けて最後の試合だけ出るとか、まったく意味ないですしね。よって自身も2014年、スペイン・スーパーカップでの退場し、8試合(リーガで4試合消化)のベンチ入り禁止処分を受けた経験のあるシメオネ監督も「Esperamos que tenga una pretemporada fantástica y pueda reponder como queremos/エスペラモス・ケ・テンガ・ウナ・プレテンポラーダ・ファンタスティカ・イ・プエダ・レポンデル・コモ・ケレモス(素晴らしいプレシーズンを過ごして、こちらが望むように応えてもらいたい)」としか言えないようでしたが、はあ。 実は今週末の試合には問題が他にもあって、コスタに加え、バルサ戦で5枚目のイエローカードを受けたヒメネスとトマスも出場停止。その上、CLユベントス戦2ndレグでもアップしていただけでケガをしたサビッチがカンプ・ノウでも出番がなかったにも関わらず、太ももを負傷してしまったんですが、止めは金曜のパルテ・メディコ(クラブの負傷レポート)で、ゴディンまでダウンしちゃったんですよ。結果、CBコンビが1月にアルヘンティノス・ジュニアースから到着した18才のネウエンと20才のカンテラーノ(アトレティコBの選手)、モンテーロになるって、何せセルタは長期離脱から復帰したここ3試合、5得点と当たりに当たっているイアゴ・アスパスが累積警告とはいえ、16位で残留争いに必死なチームですからね。 練習の方は開始からの15分、木曜はお楽しみ半分のフットバレー、金曜はシメオネ監督も加わって和気あいあいとロンド(輪になって中にいる選手がボールを奪うゲーム)しか、報道陣は見せてもらえなかったんですが、選手たちの気合がどの程度、入っているものか、これだけではとても判断できるものではなし。唯一の朗報は捻挫が完治しないまま、バルサ戦に出て、今週前半はリハビリをしていたモラタが金曜にはグループに戻っていたことぐらいだったかと。 これではあまりに収穫がないので、またしても練習場から追い出された後、天気もいいし、覗ける隙間はないかとシートで覆われた敷地の周りを回っていた私が目撃できたのは3節前のアラベス戦でケガしたレマルがコーチとマンツーマンで1つだけ、外からも見えるグラウンドでボールを使ったエクササイズをしているところでしたが…横で選手の子供たちが遊んでいるような状態だったため、多分、まだ復帰には時間がかかるんじゃないでしょうか。 え、それより今はCL出場圏内の4位という、いまだかつてない高みで頑張っている出世頭の弟分、ヘタフェの試合の方が気になるって?そうですね、前節はコリセウム・アルフォンソ・ペレスでアスレティックを1-0で破り、同じ弟分のラージョがエスタディオ・バジェカスで奮闘したため、バレンシアに勝ち点差3をつけられたんですが、とにかくこの順位は激戦区。代わりにセビージャが5位に上昇して、やっぱりヘタフェとは1差しかないとなれば、日曜正午(日本時間午後7時)からのバジャヤドリー戦を見逃す訳にはいかない? いえ、今節はセビージャもベティスとのアンダルシアダービーですから、順調に勝ち点を伸ばせるとも限りませんけどね。何よりヘタフェには再来週、セビージャとの直接対決、兄貴分マドリーのコリセウム来訪、そしてEL圏内を狙っているレアル・ソシエダとハードな3試合が待っているため、17位と残留争いの渦中にあるバジャドリー戦は絶対落とせないところかと。ちなみにこの試合の見どころはホルヘ・モリーナ、アンヘルと共にヘタフェの30代黄金FWトリオの一角を占め、3月にはスペイン代表にもデビューしたマタが昨季までの古巣だったホセ・ソリージャに戻ることで、それに立ち向かうのがそのベテランストライカーたちの好調で出番が回って来ず、この冬にヘタフェからバジャドリーに移籍した27歳のセルジ・グァルディオラ。 どちらが“恩返し”に成功するのか、気になるところですが、クールなファンが多いヘタフェながら、今回はチームのCL出場を後押しするため、1000人近くのサポーターがバジャドリッド(マドリッドの北西にある車で2時間強の町)まで応援に行く予定だとか。いやあ、出場停止者もおらず、負傷者もCBのカブレラだけなので、柴崎岳選手が招集リストに入る可能性は低いんですけどね。チームが好調なだけにボルダラス監督もメンバーを変えにくいところもあるんでしょうが、それだけはちょっと残念ですよねえ。 そして先週、売った恩を郊外の弟分が返してくれることを期待して、日曜午後2時からアスレティックにサン・マメスで挑むのがラージョなんですが、実はそのバレンシア戦がパコ・ヘメス監督に代わって3試合目での初勝利。その前の2試合はどちらも先制しながら、追いつかれたり、逆転されていたんですが、前節はこの冬、中国の貴州智誠から戻って来たマリオ・スアレスが定番のラウール・デ・トマスに続き、追加点を挙げることに成功したのが大きかったよう。アスレティックもヘタフェとの試合を見る限り、それ程、大量にゴールが入るようではないため、この日曜も兄貴分からのレンタルエース以外の選手たちも得点に貢献して、何とか残留ゾーンとの勝ち点3差縮まるといいのですが。 一方、今節珍しい日程となったのはマドリーで何と、レガネスとの兄弟分ダービーが月曜午後9時(日本時間翌午前4時)から開催されることに。彼らが月曜試合に当たるのは3年ぶりだそうですが、何せ来週はセマナ・サンタ(イースター週間)で学校が休みですからね。そこへCL敗退により、ミッドウィークが空いたせいもあったんですが、翻って、ここ3年間で8回も月曜に戦っているレガネスは手慣れたもの。成績も5勝3敗と勝ち越していますし、ブタルケも決してガラガラにならないのはやっぱりファンの忠誠心が強いから? そこへ今回はまだリハビリ中のキャプテン、シマノフスキが音頭を取って、マドリー戦前にレガネスの定価60ユーロ(約7500円)程のユニフォームを購入したファンにはチームが勝利した場合、全額返金というキャンペーンを実施。今年は1月に結局敗退したものの、コパ・デル・レイ16強対決2ndレグではブライトワイトのゴールで1-0と勝っていますしね。存外に売れ行きはいいんじゃないかと思いますが、嬉しいのは最近、スタジアム正面ゲートの改修に伴って、クラブのオフィシャルショップもキレいにリニューアルされたこと。以前は事務所かと思うような入り口しかなく、初めて訪れるファンには見過ごされかちだったのが、夜に眩しく浮かび上がる大きなショーウィンドーですぐわかるため、これなら買い忘れの心配はない? ちなみにチームの方はここ2試合、後半ロスタイムの得点でバジャドリーに勝利、アラベスと1-1の引き分けと粘り強くなっているのが評価できるんですが、残念ながら3月のモロッコ代表戦でヒザを痛めたエン・ネシリは練習には復帰したものの、まだ出場はできず。そこへ控えGKルニンはともかく、オスカルもマドリーからのレンタルのため、契約条項でプレーできないとなると、少々辛いところかと。すでに残留目安の勝ち点40は溜まった彼らですが、11位とはいえ、EL出場圏の6位まで勝ち点3と可能性がない訳じゃありませんからね。ここは兄貴分も気合を入れてかからないと、痛い目に遭うかもなんですが…。 いやあ、本当に今週はマルカ(スポーツ紙)など、4日連続で政治家のインタビューを巻頭紙面に持ってきていたぐらいで、来季獲得選手候補の噂を除くと、マドリーの情報が少ないんですよ。いえ、どうやら練習のなかった木曜にはアサドール・ドノスティアラ(マドリッド市内のバスク料理レストラン)で決起ディナーがジダン監督を始めとするスタッフと選手たちであったようですけどね。ケイロル・ナバス、ベンゼマ、そして午後11時にはベッドにいるというベイルだけが欠席で、現在勝ち点2つ上にいるお隣さんの占める2位奪取を誓い合ったようですが、やはり彼らの敵はモチベーション。ええ、先日のエイバル戦でもジダン監督がそれを認めていましたしね。 そんな時に限って、前節はお休みをもらいながら、キャプテンのセルヒオ・ラモスがふくらはぎを金曜の練習で痛めてしまい、出られないのはツイていませんが、カルバハルは負傷が完治、マルセロも出場停止が終わって戻って来られるのは朗報。微妙なのはGKクルトワでまだ全ての練習には加わっていないようですが、とりあえずメンバー的には過不足ないのは羨ましいかと。この後、マドリーはサンティアゴ・ベルナベウでのアスレティック戦、コリセウムでのヘタフェ戦、エスタディオ・バジェカスでのラージョ戦と丸々2週間、ずっと首都を出ることがないため、マドリッド訪問の予定があるファンはもしかしたらの遭遇を狙って、セルカニア(国鉄近郊路線)のバルデベバス駅すぐ近くにある練習場出入り口で選手の車を待ってみるのもいいかもしれません。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.04.13 13:20 Sat
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あと7試合が長い…/原ゆみこのマドリッド

「大体、悪口のフレーズがありすぎるのがいけないのよ」そんな風に私が頭を悩ましていたのは月曜日、あまりに悲惨なカンプ・ノウの敗戦で受けたショックを徐々に乗り越え、ジエゴ・コスタの言葉の何がマズかったのか、少し考える余裕ができた時のことでした。いやあ、ヒル・マンサノ主審は公式試合記録にコスタから「ME CAGO EN TU PUTA MADRE!!/メ・カゴ・エン・トゥ・プータ・マドレ(お前のビッチな母親にクソしてやる)」と2度、侮辱の言葉を受けたと書いていたんですけどね。TV局が当人の唇を読んでかぶせていたテロップは「la puta madre que ME pario/ラ・プータ・マドレ・ケ・メ・パリオ(自分を生んだビッチな母親)」というもので、これだと自分自身への罵りに。 表現の違いはともかく、シメオネ監督も後でコスタはレッドカードに値するようなことは言ってなかったと怒っていたんですが、要はあの極限状態で外見にも迫力のある当人を前にして、審判は「mi/ミ(私の)」と「tu/トゥ(君の)」を聞き間違えたんじゃないかという意見が多かったんですが、まあどっちにしてもねえ。大体、2014年にはリーガ優勝を懸けた一戦が同じスタジアムであり、その時もコスタはケガで前半16分に離脱。幸い、ゴディンがヘッドで同点ゴールを挙げて1-1の引き分けをゲット、勝ち点1で優勝するには十分だったため、大事には至りませんでしたが、まったく何が悲しくて、必勝が最低条件の試合で前半に退場するんでしょう!これにはただただ、アトレティコの不運を呪うしかありませんが、とりあえず、先週末のマドリッド勢の試合を順々にお話ししていくことにすると。 まずは土曜は昼食の後、サンティアゴ・ベルナベウに向かった私だったんですが、この日は寒くて雨が降ったり止んだりという悪天候も良くなかったんでしょうかね。スタンドにはかなりの空きが見えましたが、だからって、レアル・マドリーの選手たちが気の抜けたプレーをしてもいいってことにはならないかと。ええ、前節のラージョ戦では決勝ゴールを挙げ、2年間の負傷生活にピリオドを打ったペドロ・レオンが試合前のアップ中にふくらはぎに痛みを感じ、せっかくの古巣への御恩返しのチャンスを見送ったエイバルでしたが、相手のリアクションが薄いのをいいことに前半38分、代理先発だったカルモナが先制点をゲット。となれば、ハーフタイムでロッカールームに戻る選手たちに大きなpito(ピト/ブーイング)が降り注いでいたのも仕方ない? まあ、これにはジダン監督も後で「En la temporada no vamos a ganar nada, asi que jugar para nada es complicado/エン・ラ・テンポラーダ・ノー・バモス・ア・ガナール・ナーダ、アシー・ケ・フガール・パラ・ナーダ・エス・コンプリカードー(今季のウチはタイトルを獲れない。何も懸かっていない試合でプレーするのは難しい)」と認めていたんですけどね。それでも「Nos ha dicho cuatro cosas al descanso/ノス・ア・ディッチョー・クアトロ・コーサス・アル・デスカンソ(ハーフタイムにボクらに4つのことを言った)」(レギロン)のが功を奏したか、いえ、後半早々、エイバルのラミスが負傷。代わりのCBがおらず、メンディリバル監督がMFのオレジャナを入れ、チーム編成を変えないといけなかったのもラッキーだった面もあったんですが…。 後半14分、オドリオソラのクロスをベンゼマがヘッドで決め、36分にも今度は途中出場したクロースのボールを頭で押し込んで、最後は2-1で逆転勝利となれば、終わり良ければ全て良し?うーん、これでベンゼマが今季通算26ゴール、ユベントスに移籍したクリスチアーノ・ロナウドより2本多いと聞いても、コパ・デル・レイ準決勝のバルサ戦やCL16強対決アヤックス戦2ndレグでは得点できず、結局、チームは敗退しているため、あまり慰めにはならないんですけどね。その一方でベイルなど、序盤にボールロストするやいなや、あとはブーイングされっぱなしだったのを見ると、本当に今季はチームプランニングに失敗したなあと思うしかありませんが、こればっかりはねえ。 この先もまた、マドリーは選手の出入りの話題ばかりになってしまうのは目に見えているため、さっさと次の試合の話をすると、いやあ、続く時間帯でバレンシアをエスタディオ・バジェカスに迎えた弟分のラージョがとうとう、やってくれたんですよ!うーん、前半にはディミトリエフスキに代わり、パコ・ヘメス監督に抜擢されたベテランのGKアルベルトがパレホのPKを弾いた後、31分にラウール・デ・トマスのゴールで先制したとオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の中継で知った時は、ここ2試合、同じ展開でベティスには後半に追いつかれ、エイバルには逆転負けしているため、全然安心できなかったんですけどね。 この日は何とか持ちこたえ、後半ロスタイムにはマリオ・スアレスがCKからヘッドで追加点。2-0で前節はマドリーを破り、出世頭の弟分、4位につけるヘタフェに勝ち点差1と迫っていたバレンシアに勝ってしまったとなれば、どんなに有難かったことか。おかげで彼ら自身も残留圏との差が勝ち点3に縮まりましたしね。あと7試合ありますし、次は土曜にサン・マメスでアスレティックと戦わないといけないラージョですが、下位チームはどこもあまりいい結果を掴めていないため、まだ救われるチャンスは残っているんじゃないでしょうか。 そしてマドリッド勢2連勝が吉兆となるかと、夜には近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)にいそいそと出かけた私でしたが、いえ、序盤もジョルディ・アルバのシュートがポストに当たったり、コウチーニョの一撃をGKオブラクがparadon(パラドン/スーパーセーブ)したりと危ない場面はあったんですけどね。コスタとグリーズマンの前線で挑んだアトレティコは決してバルサに比べて劣っていなかったんですよ。それをブチ壊したのが前半28分、アルトゥールから受けたファールを取ってもらえなかったのを審判に抗議に行き、コスタが一発退場になってしまったことなんですが、バルサ戦11試合でこれが7人目の退場者という経験豊富なシメオネ監督は即座にアリアスを下げ、コレアを投入。トマスを右SBに回して態勢を立て直すことに。 そのおかげあってか、勝利以外選択肢のなかったアトレティコは後半、フィリペ・ルイスに代わりモラタを入れ、左SBもサウールという守備的にとっても怖い状態になりながら、最後の砦、オブラクがメッシのシュートを何度も止めて失点を逃れていたんですが、とにかくゴールが奪えなくてはねえ。39分にはとうとう、ルイス・スアレスにエリア外からのシュートを決められると、その2分後にはメッシにも追加点を奪われ、最後は2-0で見事に散ってしまいましたっけ。 いやあ、試合後にはシメオネ監督も「バルサの選手もひどいことを言っているのに同じ形で退場させられることはない。ウチはトーレスも退場させられた。スペインサッカーの至宝と言ってもいい彼がだ。Despues de ahi nos pueden echar a todos/デスプエス・デ・アイー・ノス・プエデン・エチャール・ア・トードス(それからすれば、ウチは全員が退場させられこともありうる)」と怒っていましたが、確かにこの試合に限らず、同じ南米人のメッシやルイス・スアレスは審判に侮辱的な言葉を発してもレッドカードをもらったことがありませんからね。ただもう、そういう不公平感は昔からあるため、今更愚痴っても仕方ないんですが、とにかく困るのはこの退場でコスタに4試合、下手したら8試合の出場停止処分が下り、まだ4月なのに1人バケーションに入ってしまいかねないこと。 いえ、本当に首位と勝ち点差11となった今ではマドリーより上の2位でリーガを終わるぐらいしか目標がなく、「Deberia servir de motivacion para la temporada que viene empezar por un titulo/デベリア・セルビル・デ・モティバシオン・パラ・ラ・テンポラーダ・ケ・ビエネ・エンペサール・ポル・ウン・ティトゥロ(来季をタイトル獲得で始めるというモチベーションにならないといけない)。2位になれば、スペイン・スーパーカップのファイナルフォーに出られるからね」なんていう、コケの言葉を真に受けるチームメートもいないと思いますけどね。大体、コパ優勝、準優勝チーム、リーガ1位、2位チームでスペイン・スーパーカップをミニ大会にするというのはまだサッカー協会の試案の段階にすぎませんし、実現しても夏の間は日にちが足らず、開催するとしたら、冬になるって、ちゃんとニュース読んでる? まあ、インタビューに答えていたコケはまだ、疲れと悔しさでちゃんと考える力がなかったんだと思いますが、そうなるともう、月曜の練習では速攻で足首のネンザを治してカンプ・ノウの舞台に間に合わせたモラタがまた痛みを覚え、早退したなんてどうでもいいかと。一応、次は土曜にあるセルタ戦で、相手は残留争いに加わっているチーム。今回は累積警告で頼りのイアゴ・アスパスもいませんし、ラージョのために勝ってあげたいところではあるんですけどね。土曜の結果で再び勝ち点差2に縮まったお隣さんとの距離を保つためだけに試合するというのはきっと、選手たちもあまり力が入りませんよね。 え、それでも日曜にはいいニュースがなくはなかったんだろうって?その通りで正午からメンディソロサでアラベスに挑んだレガネスは前半にPKで先制され、ずっと1-0で負けていたんですけどね。私がコリセウム・アルフォンソ・ペレスに着く頃には最後のプレーでジョナタン・サントスがエリア外から、クロスを狙ったところ、ボールがゴール枠に当たってgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)となることに。いやあ、ミッドウィークのバジャドリー戦でも後半ロスタイム6分にカリージョのヘッドで勝利をもぎ取ったペジェグリーニ監督のチームでしたが、この1-1の引き分けで勝ち点もとうとう40に到達。ほぼ残留確定となり、あとは現在勝ち点差6あるヨーロッパリーグ出場圏にどこまで近づけるか、見守るだけかと。 といっても次は来週月曜、ブタルケに兄貴分を迎える難しい試合なんですけどね。初めてマドリーが平日開催試合に当たるため、マドリッド観光のついでに覗いてみたいというファンもいるかと、先程、40ユーロ(約5000円)というお手頃値段から出ているクラブのチケット販売サイトを見たところ、どうやら完売が近そう。夜9時からという遅い試合ではありますが、今年はコパの16強対決2ndレグで1-0と勝った(総合スコア1-3で敗退)なんてこともありましたしね。丁度、その週から学校が休みになるセマナサンタ(イースター週間)が始まるため、地元のファンも家族連れで楽しみたいというところでしょうか。 いやいや、それよりもっと感動したのは午後2時から始まったヘタフェの試合で、この日もボルダラス監督の采配が大当たり。調子の悪いフルキエを前半のうちにポルティージョに代えると、後半にはホルヘ・モリーナ、マタに加え、アンヘルを投入、衰え知らずの30代tridente(トリデンテ/3人FWのこと)で攻めたところ、32分にはポルティージョのパスをアンヘルが決めてくれたとなれば、笑いが止まらないとはまさにこのこと?ええ、相手のアスレティックもEL出場圏、上手くいけばCLに出られる4位の座をモノにしようと狙っている直接ライバルでしたしね。 2試合連続ゴールを挙げたアンヘルも「Hay que ir poco a poco, tenemos que jugar contra rivales muy dificiles/アイ・ケ・イル・ポコ・ア・ポコ、テネモス・ケ・フガール・コントラ・リバレス・ムイ・デフィシレス(少しずつ行かないといけない。ウチは凄く難しい相手とプレーしないといけないんだから)」と言っていたように、まだこの先、4月の第4週にはセビージャ、マドリーをホームに迎え、最後はアノエタでレアル・ソシエダ戦という上位対決3連戦があるため、まだ楽観はできないんですが、とりあえず当面は日曜のバジャドリー戦に専念するべきかと。 ボルダラス監督が目を光らせているため、どうやら目標であった残留を達成した後、選手たちがリラックスしてしまう悪癖も今のところ、レガネスとの弟分ダービー以外、避けられているみたいですしね。何はともあれ、ここ2週間はCL準々決勝でマンチェスター・ユナイテッドと戦うバルサの話題一辺倒となってしまうスペインサッカーですが、マドリッド勢にもまだ夢を見られるチームがあるのはいいことです。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.04.09 14:00 Tue
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第2戦が凄いことになっている…/原ゆみこのマドリッド

「まさかヘタフェにこんな熱い戦いが待っていたなんて!」そんな風に私がドキドキしていたのは金曜日、世間が逆転優勝への最後のチャンスと、必死でバルサvsアトレティコ戦を盛り上げようとしているのを冷ややかに眺めながら、ミッドウィーク節の終わった順位表を見直していた時のことでした。いやあ、paron(パロン/リーガの停止期間)前のアスレティック戦をアトレティコが落としていなければ、今頃、首位との勝ち点差が5になっていたため、それならちょっとは直接対決に期待してもいいかなと思わなくもなかったんですけどね。CL16強敗退のショックが大きすぎたか、彼らはサン・マメスでも負けてしまい、前節でちょっとは縮まったとはいえ、今の差は8もあるんですよお。 その一方でちょっと下を見れば、4位ヘタフェから12位レガネスまでも同じ勝ち点差とあって、要は今からアトレティコがバルサとの順位を引っくり返せるのなら、マドリッド郊外南部のお隣さん同士もCL出場権争いを繰り広げているってことにならない?まあ、こちらは間にバレンシア、セビージャ、アラベス、アスレティック、レアル・ソシエダ、ベティス、エイバルを挟んでいるため、そう単純な図式ではないんですけどね。でもこうなると、今週末の大事なカードは弟分たち。いつの間にか、4位に勝ち点差1まで迫ってきたバレンシアとラージョの土曜の対戦に加え、5位まで後退したものの、ヘタフェと勝ち点3差のアラベスにレガネスが挑む日曜正午、そして4差のアスレティックをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えるヘタフェの午後2時(日本時間午後9時)からの試合を注目するべきという気がしないでもありませんが…。 いやいや、先走りしないでこの平日開催のリーガの様子をお伝えしないといけませんよね。まず火曜にトップバッターを飾ったのはアトレティコで、久々のワンダ・メトロポリターノはかなりスカスカに見えたものの、これはジローナ戦の前半12分まで、fondo sur/フォンド・スール(ゴール裏南側席)の応援団がトリノでのユベントス戦に駆けつけた際、クラブやチームの対応が悪かったことに抗議するため、着席を控えていたせいも大きかったかと。もっとも彼らが定位置に陣取っても応援をしなかった前半に何があったということもなく、いやあ、実際、前節0-4と大勝としたアラベス戦をもう忘れてしまったか、5人DF体制で守るジローナの弱点を見つけられず、後半もかなりモタモタしていたアトレティコだったんですけどね。 ようやく31分にはツキが巡ってきたようで、途中出場のビトロが入れたクロスをGKイライソスがクリアしたところ、そのボールをノーマークだったゴディンが悠々とヘッド。あまりに簡単なゴールだったため、主審もVAR(ビデオ審判)に確かめていましたが、「Por suerte el VAR hizo justicia. Otras veces se equivoca/ポル・スエルテ・エル・バル・イソ・フスティシア。オトラス・ベセス・セ・エキボカ(運良くVARが正しいことをしてくれた。他の時は間違えたりもする)」と当人も認めていたように、GKと最初にボールを争ったグリーズマンもオフサイドではなかったことが判明。これで何とか先制することができたんですが、とにかくジローナには3-3に追いつかれて敗退したコパ・デル・レイ16強対戦2ndレグを含め、ここまで6回顔を合わせて1度も勝っていませんからね。 終盤にグリーズマンがGKとの1対1を止められてしまった時には嫌な予感もしたんですが、大丈夫。ロスタイム4分に再び、カウンターから抜け出した彼が今度はvaselina(バセリーナ/ループシュート)を成功させ、2点目を奪ってくれたとなれば、勝ち点3はもうワンダから逃げていきませんって。これでグリーズマンも7試合連続ノーゴールのスランプから脱出できましたしねえ。翌日にはマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場でセッション後、決起バーベキュー大会を開いたアトレティコは木曜に休養して、金曜に練習を再開。その時にはスペイン代表から足首を痛めて帰還、ジローナ戦で途中交代したモラタやアラベス戦でケガをしたジエゴ・コスタも普通にトレーニングに加わっています。 実際、「En principio los dos están bien/エン・プリンシピオ・ロス・ドス・エスタン・ビエン(基本的に2人共、状態はいい)」とシメオネ監督もお墨付きを与えていたため、あとはtridente(トリデンテ/3人FW体制のこと)でもcuatrivote(クアトリボテ/4人ボランチ)でも、土曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのカンプ・ノウでは好きにしてくれればいいんですが、何せ、リーガで当人は5分け9敗とバルサに1勝もできていませんからね。最後に勝ったのは2016年、ビセンテ・カルデロンでのCL準々決勝2ndレグでしたが、やっぱり火曜の結末を考えるとあまり楽観的になれないのは私だけではない? そう、このミッドウィークリーガは午後7時30分から1時間刻みに試合がスタート。ワンダのプレス・コンファレンスルームでシメオネ監督やロドリゴの記者会見を私が聞いていた頃、ボルハ・イグレシアスのゴールで1-0とエスパニョールに負けていたヘタフェも家に着いてみれば、ホルヘ・モリーナの投入が起爆剤に。後半29分には彼からのスルーパスを受けたアンヘルが同点弾を挙げ、1-1の引き分けに終わっていましたが、先日、レガネスに0-2と負けた弟分ダービーから、少々失速気味なのも確かかと。 ボルダラス監督が「Como todos sabeis somos un equipo pequeno y modesto/コモ・トードス・サベイス・ソモス・ウン・エキポ・ペケーニョ・イ・モデスト(皆が知っているようにウチは小さくて質素なチーム)。これから何が起きても素晴らしいシーズンを送っているのは間違いない」と予防線を張るのもわかりますが、今ではもうコリセウムでCLアンセムを聞きたいというファンの期待もかなり高まってきていますからね。今週末のアスレティック戦を始め、この先まだセビージャ、レアル・ソシエダ、マドリー、バルサと強敵との対戦も残ってはいるものの、何とか4位を死守できるといいのですが。 まあそれはともかく、驚いたのは最初、0-2と負けていたビジャレアルが4-2と逆転していたことの方で、家では中継が見られない私はGOL TVのminuto a minute(ミヌート・ア・ミヌート/1分1分、試合放映権のない同局のレポーターが中継を見ながら様子を伝えてくれる)を流しながら、もしや世の中には奇跡というものがあるのではないかと信じかけていたんですけどね。やはりそうは問屋が卸さず、ていうか、後半45分にメッシのFKが決まって4-3、ロスタイム3分にはルイス・スアレスのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)で同点となり、4-4の引き分けに持ち込まれるなんてあっていい? そんな肩透かしを食らったせいで、いくら相手はアルトゥル・ビダルが出場停止、デンベレもまだ負傷から戻らず。来週にはCL準々決勝マンチェスター・ユナイテッド戦1stレグがあって気が散っている相手だろうと、逆転不可能に見える勝負に挑むアトレティコの選手たちに何て声をかけていいかわからないんですが、それでもすでに来季のプレシーズンに入ってしまったお隣さんよりはマシかも。だってえ、レアル・マドリーは弟分ヘタフェへのバックアップになるのもすっかり忘れ、水曜のメスタジャでバレンシアに負けてしまったんですよ! いやあ、この試合、先週末のウエスカ戦とは違い、モドリッチ、クロース、カセミロら、CL3連覇の中盤を並べたジダン監督でしたが、いつになっても得点ができず。それどころか、前半34分にはグエデスに見事なゴールを決められると、後半にはベイルやイスコも入ったものの、とうとう37分、CKからガライのヘッドで差を広げられてしまうことに。ロスタイムには何とかベンゼマが頭で1点を返したんですが、それ以上反撃の時間もなく、2-1で終わったとなれば、今季前半は不調に苦しみながら、いよいよ目標のCL出場圏まであと一歩と迫った相手をそれこそ、勢いづかせることにならない? まあ、ジダン監督からして、「ウチは調子のいいバレンシアと当たって、彼らには懸かっているものが沢山あった。A lo mejor ahi ha estado la diferencia/ア・ロ・メホール・アイー・ア・エスタードー・ラ・ディフェレンシア(おそらくその辺に差があったのかもしれない)」という調子で、選手たちも「Estamos trabajando para volver el ano que viene y seguro que el Madrid Vuelve/エスタモス・トラバハンドー・パラ・ボルベル・エル・アーニョ・ケ・ビエネン・イ・セグロ・ケ・エル・マドリッド・ブエルベ(ボクらは来季に戻るつもりで働いているし、絶対マドリーは戻って来る)」(カセミロ)という姿勢では現在、4位とは勝ち点差10があってCL出場は安泰とあって、試合の勝敗にあまりこだわらないのもわかるんですけどね。 ただ、その日1時間前にエイバル戦をスタートしていたラージョが、いやあ、彼らは前半40分にはポソのゴールで先制ながら、またしても後半にはお決まりのようにチャルレスとペドロ・レオンのゴールで2-1と逆転負け。順位は19位のまま、残留圏との差は6であまり変わっていないものの、残りが8試合とあって、いよいよ日曜のバレンシア戦では1部での生き残りを懸けて、何が何でも勝たないといけなくなったから。うーん、マドリー戦で5枚目のイエローカードをもらったパレホもバレンシアの競技委員会への申し立てが功を奏して、出られるようですしね。 この先もアスレティックやセビージャ、マドリーと上位チームとの対戦が残っているラージョだけに、何よりエイバル戦を落としたのは痛かったんですが、おかげでほぼ残留が決まった相手を土曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)にサンティアゴ・ベルナベウに迎える兄貴分は幾分、気が楽になったかと。ええ、ソラリ監督が率いていた昨年11月にはイプルアで3-0の完敗を喫していましたからね。ジダン監督もセルヒオ・ラモスを招集外にする余裕を見せていますし、マルセロが累積警告で出場停止となるのはレギロンがスタメン復帰するいい口実になるかも。GKはクルトワがまだ治っていないため、ケイロル・ナバスがリピートするはずですが、また次男のリュカ起用なんていうのもありますかね。 そして木曜はブタルケに出かけた私だったんですが、途中までは相手のバジャドリーも残留確定はまだながら、切迫した勝利の必要性がないチームだったからでしょうか。前半はこの冬、ヘタフェから移籍したセルジ・グアルディオラが3度程、絶好機に失敗して悔しがっていたんですが、後半になるとホームチームのレガネスが押すように。それでも一旦はホアキンがハンドを取られ、主審がペナルティを宣告したプレーもVAR判断でPKがもらえず、0-0のまま、いよいよ5分間の長いロスタイムに入ったところ…。 いやあ、1部に昇格してからここ2年、ギリギリの17位で残留を決めていた弟分だっただけに、順位表の中程にいられる今季はもう満足しているんだろうなと思い込んでいた私が浅はかでした。残り時間、相手を自陣エリア周辺に追い詰めたレガネスは、それはまあ凄まじい猛攻ぶりで、いえ、この日はブライトワイトが出場停止でおらず、エン・ネシリもまだリハビリ中なため、大型FWカリージョの頭目掛けて、CKやらスローインからハイボールの一辺倒だったんですけどね。何と、バジャドリーが最後の交代を行ったため、延長された6分目にファンフランのクロスをとうとうカリージョがヘッドで決めてくれたから、寒い夜に応援に駆けつけたサポーターもどんなに盛り上がったことか。 前節のヘタフェ戦でPKをダビド・ソリアに止められていた当人もこれには我を忘れたか、ユニフォームのシャツを脱いでしまい、日曜のアラベス戦に累積警告となってしまったんですが、いやいや、こういう粘りを見せられるチーム、私は好きですよ。1-0で勝ったペジェグリーニ監督も「El objetivo mínimo es la permanencia/エル・オブヘティボ・ミニモ・エス・ラ・ペルマネンシア(最低限の目標が残留)」と更に上を目指すのにやぶさかないようでしたしね。いよいよ戦国時代の様相を呈してきたリーガで4位から6位or7位(バルサがコパで優勝した場合、EL出場権がもらえる)の座を狙ってみるのも悪くはないのでは? ちなみにCL戦が早々とマドリッドから姿を消してしまった今季ですが、来シーズンはマドリッド勢4チームがヨーロッパの大会出場という可能性が出てきたのは私にとっても朗報で、心配なのはラージョだけ。それでもバジャドリーがビジャレアルと共に勝ち点差6と射程圏内に留まってくれたのはレガネスのナイスなアシストのおかげですしね。少ないながら、これからの残り試合、弟分同士が助け合って、最後は皆が満足できる結末になってくれるといいんですが。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.04.06 14:00 Sat
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今更なんだけど…/原ゆみこのマドリッド

「そうか、もう次の試合なんだ」そんな風に私が不意を突かれていたのは月曜日、夕方にシメオネ監督の記者会見がネットに上がっているのを見つけた時のことでした。いやあ、ここ2週間は各国代表戦のせいでのんべんだらりとしていた自分も悪いんですけどね。マドリッドでは3月の16強対決で今季のCLが終わったため、これから夏までミッドウィークの試合であたふたすることはないんだとゆったり構えていたところ、とんでもない。ヨーロッパでの大会での生き残りがCL準々決勝はバルサだけ、ヨーロッパリーグも直接対決となるビジャレアルとバンレシアしか残っていない上、コパ・デル・レイも5月25日の決勝を残すのみとなったのをいいことに、4月は第1週だけでなく、第4週の平日にもリーガ戦があるとはプロ・サッカーリーガ協会のテバス会長、やってくれるじゃないですか。 え、そうは言ったって、今季はもうあと9節。しかもバルサが大差をつけて首位を独走しているため、私が気を揉むのはせいぜい、ヘタフェが現在の4位という高みを維持、クラブ史上初のCL出場権をゲットして、常連の兄貴分2チームに肩を並べることができるのか、今季3年ぶりに1部に戻ってきたラージョが何とか降格圏を脱して残留、マドリッドの1部5チーム体制が来季も存続できるのかといったぐらいじゃないのかって?そうですね、実際、その通りで先週末の結果はどちらもかなり、不安を残すもの。というのも…。 いやあ、まずはヘタフェが土曜のお昼過ぎにお隣さんのレガネスとの弟分ダービーに挑んだんですが、ここしばらく、見たことがない程、気が抜けていたんですよ。それも前半16分、オスカルのシュートにマキシモビッチが腕を当てて献上したPKはカリージョがGKダビド・ソリアに弾かれてコトなきを得たものの、これで選手たちが目を覚ますこともなし。後半3分にはジョナタン・シルバのクロスをモロッコ代表で負傷したエン・ネシリの代わりを務めていたミカエル・サントスにヘッドされ、あっさり先制されてしまうことに。その後も反撃の気配がなく、あまつさえ、38分にはファンフランに右サイドを独走され、2点目を入れられてしまうんですから、まったくいけていません。 ちなみにボルダラス監督の弁によると、「El Leganes corrio 5 kilometros y medio mas que el Getafe/エル・レガネス・コリオ・シンコ・キロメトロス・イ・メディオ・マス・ケ・エル・ヘタフェ(レガネスはヘタフェより5.5キロ多く走った)」とのことで、どうやらこの日のチームには競争心が欠けていたようですけどね。ちょっと気になるのは「No estamos obligados a jugar en Europa/ノー・エスタモス・オブリガードー・ア・フガール・エン・エウロッパ(ウチにはヨーロッパの大会でプレーする義務はない)」という彼の言葉で、うーん、これって6、7年前にはルイス・ガルシア監督の下、ユーロヘタともてはやされながら、残留を確定するやいなや、シーズン終盤で失速、最後は順位表の中程で終わっていた時代を思い出さない? まあ中途半端にELに行くと、木曜の夜、コリセウム・アルフォンソ・ペレスのスタンドに荒寥感が漂うのを久々に目撃することになるかもしれないため、それも困ってしまうんですけどね。とりあえず、私もその日は16年ぶりにヘタフェのホームで勝利を挙げたレガネスが勝ち点36とまた一歩、残留に近づいたことを喜ぶことにしたんですが、大丈夫。2ポイント差で5位につけるアラベスもどうやら、すでに目標達成済みのバケーションムードにあったのは同じだったよう。 だってえ、そうでなかったら、あの代表戦週間前、ユベントスにCL16強対決で無残な逆転敗退を喫し、続くリーガ戦でもアスレティクに2-0の負け。首位との差を勝ち点差10に広げられ、夢も希望もなくなっていたアトレティコが大勝なんて、できる訳ないじゃないですか。そう、最近習慣になっていたゆとりサッカーをかなぐり捨て、キックオフと同時に猛攻をかけた彼らはワンタッチで素早く繋ぐパスを繰り出すと、4分にはサウールが先制点をゲット。いやあ、その1分前には似たようなシュートをGKパチェコに弾かれていただけに、ホッとしたのは「El gol me alivia mucho/エル・ゴル・メ・アリビア・ムーチョ(ゴールはボクの気分をとても軽くしてくれた)。スペイン代表でも3度、絶好機に失敗していたからね」という当人だけではなかったかと。 それから間もなく、10分に続いたのはジエゴ・コスタ。コケからエリア前でボールをもらうと、狙い澄ましたvaselina(バセリーナ/ループシュート)を決めてくれるんですから、驚いたの何のって。2点を先取したアトレティコはそこから、通常モードに戻り、ハールタイム前にはピナのヘッドをサウールがゴールライン上でクリアするなんてピンチもあったんですが、後半にはカウンターが炸裂。ええ、こちらもスペインのユーロ予選1戦目、ノルウエー戦でチャンスを何度もムダにした後、2戦目のマルタ戦で2ゴール挙げて風向きが変わったんでしょうかね。13分には敵ゴールに向かって独走したモラタがGKとの1対1に勝ち、3点目を入れてくれることに。加えて38分にはトマスも自慢のキック力を披露、エリア前から弾丸シュートでgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を挙げているって、やだあもう。何でそれをトリノでやってくれないんです! はい、解答はご存知の通り、コスタもトマスもユベントスとの2ndレグは出場停止でピッチにいなかったから。だったら何でサン・マメスではダメだったんだと悔しがってもあの時はまだ、選手たちも予想外のCL早期敗退にショック状態でしたからね。それだけに「Necesitabamos un partido de esta magnitud ante un rival que esta haciendo una gran temporada/ネセシタバマオス・ウン・パルティードー・デ・エスタ・マグニトゥッド・アンテ・ウン・リバル・ケ・エスタ・アシエンドー・ウナ・グラン・テンポラーダ(ウチには今季素晴らしいシーズンを送っている相手にこういうガツンとした試合が必要だった)」というシメオネ監督の言葉は真実味がありますが、はあ。 丁度、その日はヘタフェから帰って来た後、カタルーニャダービーだったバルサがエスパニョールにメッシの2発で2-0と勝っていましたからねえ。「Hasta que las posibilidades esten, soy exageradamente optimista/アスタ・ケ・ラス・ポシビリダーデス・エステン、ソイ・エクサヘラーダメンテ・オプティミスタ(可能性がある限り、自分は極端なまで楽観主義者)。サッカーでは1週間に沢山のことが起きる」という彼の態度を見習いたいと思っても凡人の私ではなかなか難しいかと。まあ少しは慰みになるのは、おかげでヘタフェが4位の座を奪われず、火曜のエスパニョール戦に姿勢を改めて挑めることですが、フラミニが出場停止でありながら、バルセロナ遠征に柴崎岳選手が招集されなかったのはちょっと残念でしたでしょうか。 え、そんな稀に見る0-4のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)で驚かせたアトレティコだけど、またコスタが負傷という悪いニュースもあるんだろうって?そうですね、太ももに痛みを覚えてハーフでレマルと交代したんですが、火曜午後7時30分(日本時間翌午前2時30分)から、ワンダ・メトロポリターノで行われるジローナ戦には間に合わないものの、幸い土曜のバルサ戦は大丈夫なよう。むしろ試合後にハムストリングのケガが発覚したレマルの方が長引くようで、うーん、シメオネ監督も今季の負傷者大量発生には、月曜の記者会見で「昨年のプレシーズン練習がリーガに必要とされるレベルに合っていなかったんだろう。Ahi hemos fallado y eso nos servira para el futuro/アイー・エモス・ファジャードー・イ・エソ・ノス・セルビラ・パラ・エル・フトゥロ(ウチはそこでしくじったが、これは将来役に立つはず)」と反省していましたけど、その通り。 この夏は国際主要大会もありませんし、7月には心おきなく、ロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)での地獄のキャンプを堪能してほしいかと。ちなみにこのミッドウィーク節でバルサは同じ火曜にビジャレアル戦なんですが、今更気にしてどうなるような差ではありませんしね。ジローナは丁度、12位レガネスと2差下の13位ですし、今季はコパ・デル・レイ16強対決で負かされたリベンジも兼ねて、木曜にバジャドリーとのアウェイ戦に挑む、もう1つの弟分に力を貸してあげられるといいですよね。 そして翌日曜、午後2時にエスタディオ・バジェカスに足を運んだ私でしたが、スペインのランチタイムに行われる初めての試合ながらスタンドは大盛況。paron(パロン/リーガの中断期間)中にミチェル監督から交代したパコ・ヘメス監督の初陣だけあって、期待されていたのもありますが、前半34分にベベのラストパスをラウール・デ・トマスが撃ち込んで先制点を奪った時には確かにチームの変化が感じられたかと。ええ、あのポゼッション命のセティエン監督率いるベティスにボールを持たせず、ゲームの主導権を握っていたため、これでようやく泥沼の7連敗から脱出が叶うかと思われたんですが…。 あと一息でした。残り8分、カルバーリョのクロスをテジョがシュートしたところ、ティトに当たって同点ゴールを奪われてしまったから、熱い応援を続けていたファンたちもガッカリしたの何のって。うーん、その後もベベにチャンスがあったんですが、最終判断を誤り、ラージョは勝ち越し点を挙げることはできず。パコ・ヘメス監督は「引き分けだけでは価値がないが、これから勝利が伴えばいい結果と言える」とさほど落胆はしていませんでしたが、いやあ、だんだんタイムリミットが近づいてきていますからね。とにかく水曜のエイバル戦では勝ち点3を貯めて、現在5差ある残留ゾーンに一刻も早く到達してほしいものです。 そして夜には前節最後の試合、マドリーvsウエスカ戦をサンティアゴ・ベルナベウに見に行った私でしたが、まさかあそこまでジダン監督が思い切ったローテーションをやるとは!ええ、こちらは勝ち点差12とお隣さん以上にリーガ逆転優勝の可能性がないのはわかっていますが、アセンシオ、バラン、モドリッチ、クロースが招集外、カセミロもベンチでセバージョスやナチョ、ケガの治ったマルコス・ジョレンテがスタメンに入ったのはともかく、まさか冬の市場でマンチェスター・シティから移籍。ここまでプレー時間が10分程しかない19歳のブライムや20歳のGKルカ・ジダンが先発ってあまりに怖すぎない? いえ、開始2分でクチョに決められて、ウエスカに先制点を奪われたのはナチョがチミ・アビラを逃してしまったせいで、別にジダン監督の次男が悪い訳じゃないんですけどね。いくら「クルトワは具合が悪くて、コスタリカから帰って来たケイロル・ナバスには休養を与えたかった」(ジダン監督)とはいえ、昨季最後のリーガ戦に出場したのみで、今季はもっぱらRMカスティージャ(リーガ2部BにいるマドリーのBチーム)でプレーしているGKが出てきたとなれば、昇格1年目の今季はここまで最下位が定位置。次はいつになるかわからないと遥々、ウエスカ(スペイン北東部の町)からチームを応援に駆けつけた2000人のサポーターをどんなに力づけたことか。 ただそれも前半25分、ベンゼマのシュートはGKサンタマリアが弾いたものの、こぼれ球を拾ったブライムが反対サイドにいたイスコにアシスト。これで同点となっただけでなく、後半19分にはベイルのクロスをベンゼマが頭で落とし、ゴール右前に詰めていたセバージョスが勝ち越しゴールを挙げたため、ウエスカの野望もここまでと思われたんですけどね。29分にはモイ・ゴメスのクロスをエチェイタが頭で決め、追いかれてしまったから、さあ大変!このままではロペテギ監督やソラリ監督の時と何も変わらないと私も呆れていたんですが、やっぱりツキを持っている監督というのはいるんですねえ。 まさか44分、ベンゼマがふわりと対角線上に放ったシュートが入り、久々に"奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)“が見られることになろうとは。結局、これが決勝点となり、3-2で何とか勝利したマドリーですが、いやあ、「Cuando un equipo como el Madrid sabe que no va a ganar trofeos cuesta/クアンドー・ウン・エキポ・コモ・エル・マドリッド・サベ・ケ・ノー・バ・ア・ガナール・トロフェオス・クエスタ(マドリーのようなチームが何も獲れるトロフィーがない時は苦労する)」というジダン監督の言い分もわかりますけどね。上司が代わっても相変わらずパッとしないベイルやマルセロにはpito(ピト/ブーイング)が飛んでいましたし、何よりスタンドが半分程しか埋まっていなかったのは淋しいばかり。 そこへ、ジダン監督は否定しているものの、シーズン終了まで来季に向けた選手たちのテストが続くかと思うとちょっと私も憂鬱になりますが、もしからしたら、この先ベルナベウであるエイバル、アスレティック、ビジャレアル、ベティス戦はマドリッド観光の予定があるファンにとって、チケットが簡単に買えて狙い目かも。まあ当面はこの水曜日、午後9時30分(日本時間翌午前4時30分)に控えているメスタジャでのバレンシア戦、相手は先週末に倒したセビージャと共にヘタフェと勝ち点差3に迫るCL出場権争いのライバルなため、弟分のためにも頑張ってもらいたいんですけどね。クルトワはまだ太もものケガでお休みですが、今度は代表戦明けで休養していたメンバーも戻りますし、もう少し上級のプレーが見られるといいですよね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.04.02 13:10 Tue
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