【J1ピックアッププレビュー】主力不在を抱える両者の上位決戦《川崎FvsC大阪》
2017.09.29 20:45 Fri
▽明治安田生命J1リーグ第28節の注目カードは、30日に行われる2位の川崎フロンターレが4位のセレッソ大阪を本拠地・等々力陸上競技場に迎える上位対決だ。
◆チームを進化させた両新指揮官
▽今シーズン就任した川崎Fの鬼木達監督とC大阪の尹晶煥監督。新指揮官を迎えた両クラブの開幕前の下馬評は、高いものではなかった。川崎Fは、4年半にわたって指揮を執った風間八宏監督からの移行。さらに、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)も並行して戦うということもあり、苦戦を強いられると予想する人も少なくなかった。
▽しかし、風間監督が築き上げてきたポゼッションサッカーに守備意識を植えつけることで、徐々にチームが進化。ACLは準々決勝で浦和レッズの前に逆転負けで敗退したものの、YBCルヴァンカップはベスト4、天皇杯ではベスト8に勝ち残っており、リーグ戦でもここまで勝ち点53を積み上げて2位に位置している。
▽対するC大阪も、3年ぶりにJ1の舞台を戦うことに加え、才能溢れた選手たちに組織と規律を求める尹晶煥のスタイルが浸透するのには、時間が要すると思われた。
▽しかし、前線からの守備を定着させ、MF山村和也を前線で起用することでアタッカーとして覚醒。開幕前に騒がれたプレーオフ昇格チームの1年での降格というジンクスも杞憂に終わり、勝ち点48で4位に位置している。
▽川崎Fは、難しいピッチコンディションの影響もあり、前節のヴィッセル神戸戦では攻撃に精彩を欠いてゴールレスドローに終わったものの、リーグ戦8戦無敗を継続。しかし、試合中に攻守に渡って貢献してきたMF大島僚太が左ハムストリングの肉離れで負傷交代。検査の結果、2カ月程度の離脱を強いられることとなった。
▽今シーズンのリーグ戦において、大島不在時の川崎Fは3分け2敗。好調を維持しているとはいえ、大きな不安材料を抱えて残りシーズンに臨むこととなった。しかし、悲願の初タイトルを獲得するためには、乗り越えなくてはいけない壁。逆を言えば、リーグ戦のラストスパート、YBCルヴァンカップ、天皇杯に向けてチームを1ランク上に引き上げるチャンスでもある。その点でも、ターンオーバー時にボランチで起用されていたMF森谷賢太郎やDF板倉滉の奮起に期待が懸かる。チーム全体で勝利を掴みとり、首位との勝ち点差を縮めていきたいところだ。
◆不動の左サイドバックが不在~セレッソ大阪~
▽対するC大阪は、後半戦に入って急ブレーキ。10試合で4勝1分け5敗、とりわけ直近5試合では1勝1分け3敗と勝ちきれない苦しい時期を過ごしている。また、前節のベガルタ仙台戦では、チャンスを数多く作ったものの、ゴールはわずかに1に留まり、1-4で敗れて連敗を喫した。さらに、ここまでリーグ戦全試合に出場していたDF丸橋祐介が累積警告で出場停止となってしまった。
▽今節は、丸橋を欠くことで、左サイドの攻守のコンビネーションに不安を抱えて臨む。さらに、直近5試合の得点数は6。しかし、第25節のFC東京戦で4得点を記録しており、残り4試合では得点数が2とリーグ2位の攻撃力が発揮されていないのも気がかりだ。優勝争いに生き残るためには3連敗を喫することは許されない。対戦相手が同じく高い攻撃力を誇る川崎Fだけに、複数得点を奪って勝利し、再び勢いに乗りたい。
【予想スタメン&フォーメーション】
◆川崎フロンターレ[4-2-3-1]
DF:エウシーニョ、奈良竜樹、谷口彰悟、車屋紳太郎
MF:森谷賢太郎、エドゥアルド・ネット
MF:家長昭博、中村憲剛、長谷川竜也
FW:小林悠
監督:鬼木達
▽システムは常用の[4-2-3-1]。負傷離脱となった大島の位置には、森谷が入ることになりそうだ。また、MF阿部浩之が前々日の練習から欠席しており、左サイドハーフにはMF長谷川竜也を配置すると予想する。左サイドバックには日本代表に選出されたDF車屋紳太郎が入るだろう。1トップには14ゴールで得点ランキング3位のFW小林悠が務める。
◆セレッソ大阪[4-2-3-1]
DF:松田陸、山下達也、マテイ・ヨニッチ、田中裕介
MF:山口蛍、ソウザ
MF:水沼宏太、山村和也、柿谷曜一朗
FW:杉本健勇
監督:尹晶煥
▽C大阪も同じく[4-2-3-1]を採用。丸橋の位置にはターンオーバー時に左サイドバックを務めていたDF田中裕介が入ることを予想する。右サイドハーフには前節1ゴールを記録したMF水沼宏太が、1トップには16ゴールで得点ランキング2位のFW杉本健勇が務めるだろう。
【キープレーヤー】
◆MFエドゥアルド・ネット(川崎フロンターレ)
◆MF山村和也(セレッソ大阪)
◆古巣対決に燃えるC大阪の二人が川崎Fに牙を向く!?
▽ポイントロスの許されない一戦で、ベストメンバーを組むことができない両者。それでも、ここ数試合での調子が良く、チームの充実度も過密日程の中で少人数を入れ替えながら戦い続けてきたのを見れば、川崎Fの方がやや分がありそうだ。
▽しかし、C大阪には、古巣対決に燃える杉本、田中がいる。2015年に川崎Fに所属していた杉本は、今シーズン16ゴールを記録し、日本代表デビューも飾った。成長した姿をゴールという形で見せたいはず。一方、田中は今シーズン、先発回数はわずか3回。そんな中、丸橋の出場停止もあり、等々力での出場が濃厚となった。強力な攻撃陣を封殺し、アピールできるか。優勝争いへの重要な一戦は、30日の19時にキックオフを迎える。
◆チームを進化させた両新指揮官
▽今シーズン就任した川崎Fの鬼木達監督とC大阪の尹晶煥監督。新指揮官を迎えた両クラブの開幕前の下馬評は、高いものではなかった。川崎Fは、4年半にわたって指揮を執った風間八宏監督からの移行。さらに、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)も並行して戦うということもあり、苦戦を強いられると予想する人も少なくなかった。
▽対するC大阪も、3年ぶりにJ1の舞台を戦うことに加え、才能溢れた選手たちに組織と規律を求める尹晶煥のスタイルが浸透するのには、時間が要すると思われた。
▽しかし、前線からの守備を定着させ、MF山村和也を前線で起用することでアタッカーとして覚醒。開幕前に騒がれたプレーオフ昇格チームの1年での降格というジンクスも杞憂に終わり、勝ち点48で4位に位置している。
◆チームを支えてきた司令塔の不在~川崎フロンターレ~
▽川崎Fは、難しいピッチコンディションの影響もあり、前節のヴィッセル神戸戦では攻撃に精彩を欠いてゴールレスドローに終わったものの、リーグ戦8戦無敗を継続。しかし、試合中に攻守に渡って貢献してきたMF大島僚太が左ハムストリングの肉離れで負傷交代。検査の結果、2カ月程度の離脱を強いられることとなった。
▽今シーズンのリーグ戦において、大島不在時の川崎Fは3分け2敗。好調を維持しているとはいえ、大きな不安材料を抱えて残りシーズンに臨むこととなった。しかし、悲願の初タイトルを獲得するためには、乗り越えなくてはいけない壁。逆を言えば、リーグ戦のラストスパート、YBCルヴァンカップ、天皇杯に向けてチームを1ランク上に引き上げるチャンスでもある。その点でも、ターンオーバー時にボランチで起用されていたMF森谷賢太郎やDF板倉滉の奮起に期待が懸かる。チーム全体で勝利を掴みとり、首位との勝ち点差を縮めていきたいところだ。
◆不動の左サイドバックが不在~セレッソ大阪~
▽対するC大阪は、後半戦に入って急ブレーキ。10試合で4勝1分け5敗、とりわけ直近5試合では1勝1分け3敗と勝ちきれない苦しい時期を過ごしている。また、前節のベガルタ仙台戦では、チャンスを数多く作ったものの、ゴールはわずかに1に留まり、1-4で敗れて連敗を喫した。さらに、ここまでリーグ戦全試合に出場していたDF丸橋祐介が累積警告で出場停止となってしまった。
▽今節は、丸橋を欠くことで、左サイドの攻守のコンビネーションに不安を抱えて臨む。さらに、直近5試合の得点数は6。しかし、第25節のFC東京戦で4得点を記録しており、残り4試合では得点数が2とリーグ2位の攻撃力が発揮されていないのも気がかりだ。優勝争いに生き残るためには3連敗を喫することは許されない。対戦相手が同じく高い攻撃力を誇る川崎Fだけに、複数得点を奪って勝利し、再び勢いに乗りたい。
【予想スタメン&フォーメーション】
◆川崎フロンターレ[4-2-3-1]
(C)CWS Brains,LTD.
GK:チョン・ソンリョンDF:エウシーニョ、奈良竜樹、谷口彰悟、車屋紳太郎
MF:森谷賢太郎、エドゥアルド・ネット
MF:家長昭博、中村憲剛、長谷川竜也
FW:小林悠
監督:鬼木達
▽システムは常用の[4-2-3-1]。負傷離脱となった大島の位置には、森谷が入ることになりそうだ。また、MF阿部浩之が前々日の練習から欠席しており、左サイドハーフにはMF長谷川竜也を配置すると予想する。左サイドバックには日本代表に選出されたDF車屋紳太郎が入るだろう。1トップには14ゴールで得点ランキング3位のFW小林悠が務める。
◆セレッソ大阪[4-2-3-1]
(C)CWS Brains,LTD.
GK:キム・ジンヒョンDF:松田陸、山下達也、マテイ・ヨニッチ、田中裕介
MF:山口蛍、ソウザ
MF:水沼宏太、山村和也、柿谷曜一朗
FW:杉本健勇
監督:尹晶煥
▽C大阪も同じく[4-2-3-1]を採用。丸橋の位置にはターンオーバー時に左サイドバックを務めていたDF田中裕介が入ることを予想する。右サイドハーフには前節1ゴールを記録したMF水沼宏太が、1トップには16ゴールで得点ランキング2位のFW杉本健勇が務めるだろう。
【キープレーヤー】
◆MFエドゥアルド・ネット(川崎フロンターレ)
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▽川崎FのキープレーヤーにはMFエドゥアルド・ネットをチョイスする。大島という相棒を失った大型ボランチが森谷とどのようなコンビネーションを見せるか注目だ。まずは、持ち前のボール奪取力でチームに落ち着きをもたらし、攻撃陣を援護したい。◆MF山村和也(セレッソ大阪)
(C)J.LEAGUE PHOTOS
▽連敗脱出へカギを握るのはMF山村和也だ。チームの攻守を支えるアタッカーも左ヒザ内側側副じん帯損傷から復帰した第25節のFC東京戦から3試合ノーゴール。先制ゴールを挙げた前回対戦の再現で決定力不足に陥りつつあるチームを助けたい。◆古巣対決に燃えるC大阪の二人が川崎Fに牙を向く!?
▽ポイントロスの許されない一戦で、ベストメンバーを組むことができない両者。それでも、ここ数試合での調子が良く、チームの充実度も過密日程の中で少人数を入れ替えながら戦い続けてきたのを見れば、川崎Fの方がやや分がありそうだ。
▽しかし、C大阪には、古巣対決に燃える杉本、田中がいる。2015年に川崎Fに所属していた杉本は、今シーズン16ゴールを記録し、日本代表デビューも飾った。成長した姿をゴールという形で見せたいはず。一方、田中は今シーズン、先発回数はわずか3回。そんな中、丸橋の出場停止もあり、等々力での出場が濃厚となった。強力な攻撃陣を封殺し、アピールできるか。優勝争いへの重要な一戦は、30日の19時にキックオフを迎える。
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