【日本代表コラム】積極果敢なチャレンジを
2015.08.06 14:00 Thu
▽過密日程、疲労、選手の発掘、といった要素から、全選手の入れ替えも予想された韓国戦だったが、日本代表はGK西川、DF遠藤、森重、槙野、MF山口、FW永井の6選手が北朝鮮戦に引き続き先発した。チームのバランスを大きく崩したくなかったこともあるとは思うが、北朝鮮戦でやられた形を“復習”しておきたいとの考えもあったのではないだろうか。
▽対する韓国は、初戦の中国戦から8選手が入れ替わるなか、長身(196㎝)のFWキム・シンウクが先発。これ以上ない復習の場になるかと思われた。しかし、攻撃はキム・シンウクに当てるというより、ピッチをワイドに使いながら両サイドから崩そうとする形が多く、日本としては逆に助けられた部分もあったように思う。ただ、その中でもキム・シンウクは存在感があり、マッチアップする機会の多かった槙野は終始苦戦を強いられた。
▽しかし、槙野は苦しみながらも身体をしっかりと寄せ、ゴールから遠い位置ではよりアグレッシブにタイトなマークを見せるなど、簡単にはプレーをさせなかった。それは森重も同様で、PKを与えたあとも気持ちを切り替え、最後まで集中力を切らせることはなかった。もちろん、ファウルで止めるしかない状況も多く、よりシンプルにキム・シンウクの高さを使われていたら厳しかったかもしれない。それでも良いチャレンジであり、及第点を与えてもいい内容だったと思う。
▽その一方で、攻撃の形をつくることは“ほぼ”できなかった。山口のチャレンジが実を結んだが、あの内容で「よく得点を奪えたな」というのが率直な感想だ。「まず韓国のオフェンスをしっかりとブロックしてから前に出るよう伝えた」という指揮官の言葉も影響したのか、北朝鮮戦の悪夢が脳裏をよぎったのか、最終ラインの位置が低く、それにつられて中盤も下がるため、ボールを回収する位置が必然的に低くなった。そして、クリアしたボールや繋ごうとしたボールがことごとく拾われる。特に序盤はその繰り返しだった。
▽結果、なかなかハーフウェイラインを越えられず、最前線にボールを収められる興梠を起用しながら、ボールが入らない時間が続いた。当然、守勢となり、フィニッシュまで持ち込むことなどできない。シュート自体が数えるほどだったが、その厳しい状況の中でも、興梠の足元にボールが入れば収まって起点となったし、倉田の献身性と確かな技術や、藤田の危機察知能力と球際など、新たな戦力候補の光る部分も見られた。
▽残すは、開催国である中国との対戦のみ。今度は中3日と、コンディションを整える時間が多少ながら与えられる。過去2戦に比べれば、より良い状態で試合に臨めるだろう。ここまで出場機会がない選手も起用されるはずだ。韓国戦では、相手の力量に加え、初戦の負け方が良くなかったことも影響してか、消極的なプレーが散見された。しかし、自身の価値をアピールするまたとない機会でもある。ミスを恐れない積極果敢なチャレンジで、海外組を脅かすようなプレーを見せてもらいたい。
《超ワールドサッカー編集部・平野由倫》
▽対する韓国は、初戦の中国戦から8選手が入れ替わるなか、長身(196㎝)のFWキム・シンウクが先発。これ以上ない復習の場になるかと思われた。しかし、攻撃はキム・シンウクに当てるというより、ピッチをワイドに使いながら両サイドから崩そうとする形が多く、日本としては逆に助けられた部分もあったように思う。ただ、その中でもキム・シンウクは存在感があり、マッチアップする機会の多かった槙野は終始苦戦を強いられた。
▽その一方で、攻撃の形をつくることは“ほぼ”できなかった。山口のチャレンジが実を結んだが、あの内容で「よく得点を奪えたな」というのが率直な感想だ。「まず韓国のオフェンスをしっかりとブロックしてから前に出るよう伝えた」という指揮官の言葉も影響したのか、北朝鮮戦の悪夢が脳裏をよぎったのか、最終ラインの位置が低く、それにつられて中盤も下がるため、ボールを回収する位置が必然的に低くなった。そして、クリアしたボールや繋ごうとしたボールがことごとく拾われる。特に序盤はその繰り返しだった。
▽結果、なかなかハーフウェイラインを越えられず、最前線にボールを収められる興梠を起用しながら、ボールが入らない時間が続いた。当然、守勢となり、フィニッシュまで持ち込むことなどできない。シュート自体が数えるほどだったが、その厳しい状況の中でも、興梠の足元にボールが入れば収まって起点となったし、倉田の献身性と確かな技術や、藤田の危機察知能力と球際など、新たな戦力候補の光る部分も見られた。
▽とはいえ、倉田は攻撃面で違いとなる“プラスアルファ”を見せてほしかったし、藤田はボールを受ける動きや縦への意識がもう少しほしかった。また、興梠もシュートまで持ち込む場面を作れず、海外組を脅かすようなパフォーマンスだったとは言えないだろう。それは、指揮官から大きな期待を寄せられているMF柴崎やDF太田にも言えることだ。彼らにはもっとチャレンジしてほしかった。
▽残すは、開催国である中国との対戦のみ。今度は中3日と、コンディションを整える時間が多少ながら与えられる。過去2戦に比べれば、より良い状態で試合に臨めるだろう。ここまで出場機会がない選手も起用されるはずだ。韓国戦では、相手の力量に加え、初戦の負け方が良くなかったことも影響してか、消極的なプレーが散見された。しかし、自身の価値をアピールするまたとない機会でもある。ミスを恐れない積極果敢なチャレンジで、海外組を脅かすようなプレーを見せてもらいたい。
《超ワールドサッカー編集部・平野由倫》
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