プレミアリーグU-11が切り開く新時代。幸野健一が語る育成・DX・スポンサーの融合

小学5年生年代を対象にした全国リーグ「プレミアリーグU-11」が、新たなフェーズに入る。2026年4月からSCOグループが冠スポンサーに就任し、公式アプリの運用もスタート。2015年の創設から約11年。約1.1万人が参加するリーグは、試合のあり方だけでなく、育成そのものの考え方にも変化をもたらしてきた。なぜ今、仕組みをアップデートするのか。創設者・幸野健一氏に、その意図を聞いた。

目次

“試合に出られない子”をなくす挑戦

--プレミアリーグU-11は、どのようなリーグなのでしょうか?

2015年にスタートした、小学5年生年代の全国リーグです。今は39都道府県に広がっていて、約1.1万人の選手が参加しています。年間で5000試合くらい回しているので、規模としてはかなり大きいリーグになりました。

もともとは、自分がヨーロッパで見た育成環境が出発点でした。あちらはリーグ戦が当たり前で、毎週試合があって、ホーム&アウエーで2試合あるから、その都度振り返って、また次に向かう。そのサイクルがずっと続いていく。

日本はどうしてもトーナメントが中心で、負けたら終わり。その1試合にすべてをかける構造になりやすい。そこに違和感があった、というのが最初ですね。

--リーグ戦にこだわった理由は?

シンプルに言うと、試合数です。試合をやらないと、うまくならない。これはもう当たり前の話なんですけど、日本はその“当たり前”が構造的に担保されていなかった。

トーナメントだと、今日負けたら終わりですし、同じ相手ともう一度やる機会もない。でもリーグ戦なら、負けた相手ともう一回やれるし、その間に修正もできる。そこが大きいです。

--3ピリオド制も特徴的です。

15分×3ピリオドで、全員が最低1ピリオドは出場する仕組みにしています。これは結構シンプルな話で、「試合に出ることが一番の成長機会」だからです。どれだけ練習しても、試合に出ないと身につかない部分は多い。

実際に、このリーグを始めてから「うちの子が初めてちゃんと試合に出られるようになった」という声をたくさんいただきました。そういう意味でも、この仕組みには大きな価値があると思っています。

--全員出場ルールを導入した背景は。

小学生年代は、うまい・下手というより、成長の早さに左右されることが多いんです。体が大きい、足が速い、それだけで試合に出られるケースもある。でもそれって、数年後には逆転することも普通にある話です。

逆に、小さい、遅いという理由で試合に出られない子は、サッカーを辞めてしまう可能性がある。それはすごくもったいないことです。だからこそ、出場機会はルールで担保したほうがいいと考えています。

--育成の枠を超えた意味もありそうです。

最終的には、サッカーを続ける人を増やしたいんですよね。

プロになるのは一握りですし、そこだけを目指す構造だと、どうしても途中で辞めてしまう人が増える。でも、本来はもっと長くスポーツに関わったほうがいい。

子どもの頃から続けて、大人になってもやる。それが当たり前の社会になれば、結果的にいい循環が生まれると思っています。

アナログな現場をアプリでDX化する

--今回リリースされた公式アプリについて教えてください。

これまでリーグ運営は、かなりアナログな部分が多かったんです。選手登録も紙、試合結果も現場で記録して、それを本部が入力するという形でした。

それをすべてデジタル化します。登録から試合当日のメンバー提出、結果の反映まで、すべてアプリ上で完結する仕組みです。

--現場の負担も変わりそうですね。

そうですね。単純に楽になる部分もありますし、それ以上に「価値を可視化」する意味合いが大きいです。

これまで少年サッカーは、試合結果やデータが蓄積されにくかった。でもこれからは、その場で結果が反映されて、誰でも確認できるようになる。

この違いは大きいと思います。

--アプリはどのような機能を持っているのでしょうか?

個人のサッカージャーニー機能として、試合記録がDX化されることで、出場試合数、ゴール数、勝利数、初ゴールの日、自分の振り返りメモ、歴代マイシューズ、写真や動画のアップができるようになっています。

--ただのツールではない、と。

そうですね。単なる管理ツールだと、どうしても使われなくなるので。

日常的に触る場所になることで、コミュニティとしての価値も出てきますし、その中で情報も流れていく。そういう循環をつくりたいと思っています。

--海外の影響もあるのでしょうか。

はい。ドイツの「Fussball.de」のような仕組みは非常に参考にしています。プロからアマチュアまで、すべてのデータが一元管理されている。

日本はまだそこまでいっていないので、まずは自分たちのリーグからやっていこう、という考えです。

なぜSCOはプレミアリーグU-11を選んだのか?

--今回、SCOグループが冠スポンサーに就任しました。

4月からリーグ全体のスポンサーとして参画していただくことになりました。

タイミングとしても、リーグの規模がある程度広がって、次のフェーズに入る段階だったので、大きな後押しになると思っています。

--どのような接点があったのでしょうか?

SCOグループは、オーラルケアの市場を広げるというビジョンを持っていて、子どもたちに習慣をつくるという点で、我々の取り組みと非常に親和性が高かった。

サッカーを通じて子どもたちと接点を持つ我々と、子どもたちの生活習慣にアプローチしたいSCOグループ。その方向性が一致した形です。

--スポンサーとしての価値はどこにありますか?

プレミアリーグU-11は、すでに全国に広がっていて、約1.1万人の選手と、その保護者を含めると約3万人のコミュニティがあります。

つまり、明確なターゲットにリーチできるプラットフォームなんです。そこにアプリが加わることで、さらに接点が増える。

スポンサーにとっても、単なる露出ではなく、実際の生活に入り込む形で価値を提供できるのが大きいと思います。

--今後の展望について教えてください。

今回のスポンサー契約とアプリリリースは、あくまでスタートです。

競技、教育、テクノロジーを融合させて、次世代の育成リーグをつくっていく。そのモデルが確立できれば、サッカーだけでなく、他のスポーツにも展開できる可能性があります。

最終的には、「誰も取り残さないスポーツ環境」をつくること。それが僕の一番の目標です。

取材・文=北健一郎

以下、公式サイトのリリース

一般社団法人プレミアリーグU-11(代表:幸野健一)は、2026年4月より、新たに株式会社SCOグループ(代表:玉井雄介)がリーグスポンサーに就任することをお知らせいたします。

これまで本リーグの成長を支えてくださった多くのパートナー企業の皆さまに、心より感謝申し上げます。プレミアリーグU-11は、これまで築いてきた基盤を大切にしながら、今後もリーグの発展と育成年代の環境向上に取り組んでまいります。

プレミアリーグU-11は、小学5年生年代を対象とした全国規模のリーグ戦として2015年にスタートし、現在39都道府県・約1.1万人の選手が参加し、年間約5千試合を行う日本最大級の育成年代リーグへと成長してまいりました。「より多くの試合機会を」「選手の主体性を育む」という理念のもと、日々活動を続けています。

新たにスポンサーとして参画するSCOグループとは、「子どもたちの可能性を最大化する」という価値観を共有し、リーグのさらなる成長と進化を目指してまいります。

さらに2026年度より、プレミアリーグU-11公式アプリをリリースし、運用を開始いたします。試合結果の可視化や選手データの蓄積、保護者・指導者・選手をつなぐ新たなプラットフォームとして、リーグの価値向上と育成環境のアップデートを推進していきます。

プレミアリーグU-11は、「日本から世界へ挑戦する選手の育成」というビジョンのもと、競技・教育・テクノロジーを融合させながら、次世代の育成リーグとしてさらなる進化を続けてまいります。

プレミアリーグU-11について

  • 設立: 2015年
  • 目的: U-11世代のサッカー選手に年間を通じた質の高いリーグ戦を提供し、選手育成および競技力向上に貢献する。
  • 主催: 一般社団法人プレミアリーグU-11
  • 主管: 都道府県実行委員会
  • 公式アプリ:https://app.pl11.net
  • Youtubeチャンネル: https://www.youtube.com/@pl11

SCOグループについて

SCOグループは、「テクノロジーで『105年活きる』を創造する」をビジョンに掲げ、歯科医療の未来を支える次世代の運用オペレーションシステムの開発・提供を行っています。全国の歯科医院に対して、キャッシュレスの導入支援、業務効率化、医療機器の調達支援など、多角的かつ実践的なソリューションを展開することで、歯科医師や歯科衛生士、スタッフが患者さんのためにその専門性を最大限に発揮できる環境づくりを支援しています。さらに、スポーツへの参画や支援活動にも積極的に取り組み、人々に“いきがい”や前向きな生き方を届けることで、心と身体の両面から健康を支える持続可能な社会の実現を目指しています。

SCOグループ会社概要

関連リンク

新スポンサーにSCOグループが就任。 公式アプリもリリースし、新時代の育成リーグへ。

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超ワールドサッカー編集部
海外リーグ、Jリーグを中心に日本代表、なでしこなど、幅広いファン層が訪問するサッカー情報サイト「超WORLDサッカー!」。 記事数はサッカーメディアで圧倒的トップで移籍情報は、国内ではJ1からJ3まで、海外では欧州5大リーグにとどまらずフリークが求めるリーグやチームまで網羅。 ピッチ外の出来事も豊富に取り揃え、24時間365日、最新のサッカー情報を配信中。
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