W杯3カ月前の最終サバイバル。欧州遠征で森保ジャパンに招集したい選手たち|GK&DF編

2026年北中米ワールドカップ開幕まで、残された時間は多くない。森保一監督率いる日本代表にとって、3月末に予定されている欧州遠征は本大会メンバー入りを占う重要なシリーズとなる。

主力の顔ぶれは固まりつつある一方で、ポジションによっては激しいサバイバルが続いている。ここで結果を残せるかどうかが、そのまま“北中米行きの切符”につながる可能性も十分にあるだろう。

そこで今回は、現在のパフォーマンスやクラブでの状況、代表チームの編成バランスを踏まえ、今シリーズで招集される可能性が高い、あるいはアピールの場を与えるべき選手たちをポジション別にピックアップ。まずはGKとDF陣から見ていく。

目次

■GK:最後の1枠を巡る争い

GK:小久保玲央ブライアン

超WORLDサッカー! W杯3カ月前の最終サバイバル。欧州遠征で森保ジャパンに招集したい選手たち|GK&DF編

生年月日:2001年1月23日(25歳)
所属クラブ:シント=トロイデンVV(ベルギー)
25/26リーグ戦成績:28試合31失点(クリーンシート7試合)

3つ目の枠を懸けた、ラストチャンスだ。森保一監督は、鈴木彩艶(パルマ)、大迫敬介(サンフレッチェ広島)をコンスタントに招集しており、コンディションに問題なければ2枠は埋まっていると言えるだろう。残り1枠を射止める選手に注目が集まっている中、2025年に序列を上げたのは早川友基(鹿島アントラーズ)だった。2025年11月の2試合に小久保は初招集されていたが、ゴールマウスに立つことはできず。昨年にJ1のMVPを受賞した27歳が2試合とも守った。

A代表デビューに備える状況が続く小久保だが、決して彼らに劣っているわけではない。むしろ身長193cmは、前述したGKの中で最も高い。リーチを生かしたダイナミックなシュートストップが持ち味で、ハイボール処理や守備範囲の広さは、押し込まれた状況でのセットプレーでもチームを助けるはずだ。

今季のベルギーリーグでは開幕から先発出場が続いており、28試合で31失点はリーグで3番目に少ない数字。昨シーズン残留争いに直面したチームが現在(3月13日時点)3位につけているのも、抜群の身体能力を誇る最後の砦が力を発揮しているからだ。

国際経験が豊富なところもワールドカップを戦う上で頼もしい。U-16から世代別代表の常連として海外遠征も多く戦ってきた。2024年にはパリオリンピックでグループリーグの全3試合に出場している。自身のキャリアとしても、柏レイソルU-18からベンフィカU-23に加入し、海外でのプレーは6年目となった。それに加えて、明るい性格でムードメーカーを担えるところも差別化ポイントだ。

最終試験の場となる3月シリーズでアピールチャンスを獲得できるか。欧州での経験を重視する森保監督の意向に当てはまる存在だけに、A代表デビュー戦でのパフォーマンスやチーム内での振る舞い次第で、下剋上を起こせるか。

■DF:序列を揺るがす“逆転候補”

DF:安藤智哉

超WORLDサッカー! W杯3カ月前の最終サバイバル。欧州遠征で森保ジャパンに招集したい選手たち|GK&DF編

生年月日:1999年1月10日 (27歳)
所属クラブ:FCザンクトパウリ (ドイツ)
25/26リーグ戦成績:8試合

5大リーグでの自己研鑽を披露する時がきた。安藤智哉は2026年1月1日にアビスパ福岡からFCザンクト・パウリに移籍し、活躍の舞台をドイツ1部に移した。今シリーズに招集されれば、初めて海外組として日の丸を付けることになる。

所属チームは残留争いを戦う厳しい状況にある。だが、それは試合中に守備機会が多いということ。頼りになるDFとは、能力の高い相手選手を止められる選手であり、厳しい状況でもなんとか守り切れる選手でもある。“修羅場”と向き合い、くぐり抜けてきた経験が対応力を養うのだ。そういう意味では、日本人DFの中で最も濃密な時間を過ごしていると言えるだろう。リーグ戦では押し込まれる時間帯も多く、しかも残留を懸けた緊迫感のある状況でのプレーだ。そして、その舞台は5大リーグである。“世界で戦えるDF”へ進化するために、急速に経験値を獲得している。

J3のガイナーレ鳥取から一段ずつキャリアアップしてきた27歳は、世界トップレベルに臆することなく自分の力を発揮している。190cm87kgの体躯は、日本を飛び出しても全く引けを取らない。これまで所属チームのサポーターの心をわし掴みにし、対戦相手に恐怖を与えてきた空中戦の強さは健在だ。ロングボールを跳ね返して起点を作らせず、セットプレーでは両チームのゴール前で大きな存在感を放つ。試合最終盤になれば、スコアに関係なく、CKをはじめとしたセットプレーが増える。日本が1点を奪いたい時、日本が1点を守り切りたい時に力を発揮できる選手の存在は、指揮官の采配に幅と厚みをもたらす。

現にE-1終了後の招集では、2025年11月のボリビア代表戦に75分から出場している。それ以外でプレー機会を得られていないことが、本大会メンバーが“狭き門”であることを暗示しているものの、当時は国内組だった。今は違う。瞬く間にドイツで自身の存在を認めさせたように、日本代表での居場所を確保できるか。アピールチャンスは少なく、W杯は約4カ月と迫ってきているが、短くも濃いドイツでの3カ月の集大成を示すことができれば、一気に門が開けてくるかもしれない。

DF:菅原由勢

超WORLDサッカー! W杯3カ月前の最終サバイバル。欧州遠征で森保ジャパンに招集したい選手たち|GK&DF編

生年月日:2000年6月28日 (25歳)
所属クラブ:ヴェルダー・ブレーメン(ドイツ)
25/26リーグ戦成績:23試合4アシスト

真価を問われる時がきた。2025年8月に菅原由勢はイングランドからドイツへと戦いの場を移し、ヴェルダー・ブレーメンの一員となった。サウサンプトンでの経験を糧に、ブンデスリーガという新たな刺激の中で自己研鑽を積む25歳にとって、今回の3月シリーズはW杯本大会のメンバー入りを決定づける、文字通りラストチャンスとなるだろう。

ドイツでの日々は、菅原をよりタフなDFへと進化させている。ブレーメンでは加入直後から右サイドの主力として定着。攻守の切り替えが速く、激しいデュエルが求められるリーグの特性は、長年課題としてきた守備強度の向上に格好の環境となっている。強靱なフィジカルを持つ欧州のウインガーと毎週のように対峙し、残留争いも意識する重圧がかかる局面で「守り切る」経験を積み重ねている。それは、かつて攻撃力のみがクローズアップされていた菅原が、守備においても計算の立つ“戦えるSB”へと脱皮した証でもある。

最大の武器である精密な右足のキックも、より研ぎ澄まされている。精度の高いクロスやセットプレーのキックは、拮抗した展開を一振りで打開できる威力を持つ。特に今季のリーグ戦で見せている4アシスト(3月15日時点)という数字は、勝負所での勝負強さを裏付けるものだ。また、3バックと4バックを併用する現在の日本代表において、右サイドの全ポジションを高い次元でこなせる柔軟性は、過酷なW杯本大会を戦う指揮官にとってこの上なく心強いはずだ。

アジアカップ以降、代表での序列低下という苦い経験も味わった。しかし、その悔しさを胸にスケールアップを図ってきた。欧州主要2リーグを渡り歩き、逆境を跳ね返してきた自信が一挙手一投足に漂っている。W杯まで約4カ月。ドイツで証明し続けてきた「個」の価値を、今度は日の丸を背負って示す番だ。この3月の2試合で再び右サイドの支配権を奪い返せれば、北中米への門は一気に開けてくるに違いない。

author avatar
超ワールドサッカー編集部
海外リーグ、Jリーグを中心に日本代表、なでしこなど、幅広いファン層が訪問するサッカー情報サイト「超WORLDサッカー!」。 記事数はサッカーメディアで圧倒的トップで移籍情報は、国内ではJ1からJ3まで、海外では欧州5大リーグにとどまらずフリークが求めるリーグやチームまで網羅。 ピッチ外の出来事も豊富に取り揃え、24時間365日、最新のサッカー情報を配信中。
目次