2026年7月に行われた北中米ワールドカップ後、初の代表活動に臨んでいるサッカー日本代表。上田綺世や久保建英、堂安律をはじめとする常連メンバーに加え、初招集の松木玖生、次世代を担う塩貝健人や後藤啓介とフレッシュなメンバーが揃う中、1年ぶりに名を連ねた相馬勇紀も、“リスタート”を切った。
【9月28日(月)キリンチャレンジカップ2026/日本代表 2-1 ベネズエラ】
2022年のカタールワールドカップに続く2大会連続でのW杯出場を目指していた相馬だが、長引く怪我の影響もあり、北中米大会はメンバー外に。今回招集されたメンバーでは「気づけば上から数えて2番目の年齢になってしまった」と本人も驚きを口にしていた。
9月28日に行われたキリンチャレンジカップ2026の第2戦・ベネズエラ戦では、1トップに後藤啓介、2シャドーに佐藤龍之介と代表デビューを飾った齋藤俊輔といった若武者たちが揃う中、左ウイングバックの位置で約1年2カ月ぶりに先発出場。近い距離でプレーする左シャドーの齋藤とは、プレーが途切れた際にこまめにコミュニケーションを取りながら、試合の中で修正を図るなど、年長者らしい振る舞いを見せていた。
ただ、それ以上にプレーから感じられたのは、若い選手たちに負けない「ギラつき」だった。
開始5分には、鎌田大地からの横パスを受け取り、斜めのパスを差し込んでチャンスを作る。続けて獲得したコーナーキックのシーンでは、跳ね返りを相手が回収しようとしたところに迷わずプレスをかけてボールを奪い、この日最初の枠内シュートを放ってベネズエラのゴールを脅かした。
「初出場の選手だったり前にいた若い選手たちには、やりたいことや、自分の特徴をどんどん出してくれたら。あとは後ろに任せてといった声かけはしていました。ただ自分も結果を狙ってたので、積極的なプレーは意識してました」
前線のメンバーが代わった後半には、左サイドの1対1で相手を引きつけ、仕掛けると見せかけて伊東純也へマイナスのパスを供給。上田綺世の同点ゴールの起点となった。
1試合を通して積極的な仕掛けを見せ、守備でもボールを追い続けた相馬。その姿からは、次世代の成長を支える年長者であると同時に、個人としても再び代表に定着を目指す”チャレンジャー”としての姿勢がにじんでいた。
そんな相馬は、尊敬する大先輩の名前を挙げながら、あらためて来年控えるアジアカップ、そして自身2度目のW杯出場に向けての意欲を語る。
「ピッチ内に関しては、いつ代表に入ったか、いつのW杯に出ていたのかは関係ないと思っています。なぜなら僕たちは長友佑都選手っていう、素晴らしい見本になる選手を見てきたし、どんな時もギラギラしている彼の姿を、よく覚えています。だから自分もピッチ内でもどんな時も全力でやるっていうことはそうですし、そういうピッチ外で初めての選手がなじめるようにやっていければ」
9月30日には同じFC町田ゼルビアに所属する望月ヘンリー海輝の追加招集も発表され、連携面での向上も期待される。来年のアジアカップ、そしてその先にある自身2度目のW杯へ。29歳のアタッカーは、若い選手たちに囲まれながらも、決して一歩引くことなく、再び代表の座をつかみにいく。
取材・文=青木ひかる

