
▽ヨーロッパ主要リーグの移籍市場締切日に繰り広げられる駆け込み移籍を、臨場感溢れる形で各国メディアがこぞって中継する移籍市場の一大イベントだ。
▽過去にはFWズラタン・イブラヒモビッチとDFファビオ・カンナバーロのユベントス同時加入(2004年夏)や、DFアシュリー・コールのアーセナルからチェルシーへの禁断の移籍(2006年夏)、FWフェルナンド・トーレスのリバプールからチェルシーへの電撃移籍(2011年冬)など、多くのビッグディールが成立している。

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▽近年はFFPの導入や経済不況によって、各クラブが計画的な補強プランを準備しているため、デッドライン・デイでのビッグディールは少なくなってきている。それでも、2013年夏の移籍市場ではMFガレス・ベイルのレアル・マドリー移籍とMFメスト・エジルのアーセナル移籍。2014年夏の移籍市場では、FWラダメル・ファルカオのマンチェスター・ユナイテッド移籍とFWダニー・ウェルベックのアーセナル移籍など、いくつかの重要な移籍が成立している。
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▽とりわけ、デッドライン・デイに気合いを入れるイギリスメディアは主要空港と各クラブのトレーニング施設の前に記者や中継車を張り込ませるなど、駆け込み移籍を徹底報道。さらに、イタリアやスペインでは移籍証明書の手続きを行うリーグ機構の動きを監視している。(書類の不備や時間外に間に合わなかったことで、移籍が取り消されるケースが毎年起こっている)▽また、ソーシャルネットワークサービス(SNS)の発達したここ最近では、ネット上に一般人が撮影した選手の移動中の画像やなりすましアカウントによる誤情報が飛び交い、一種のカオス的な状況を生み出している。
▽年々、盛り上がりの度合いが縮小傾向にあるデッドライン・デイだが、選手やクラブ、メディア、ファンと、サッカーに関わる様々な人たちの人間模様が、わずか1日に凝縮されるイベントは他にはないはずだ。
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