【リーガエスパニョーラ・シーズンプレビュー】新シーズンも3強の争いに変化なし

▽2016-17シーズンのリーガエスパニョーラが8月19日(金)に開幕を迎える。昨シーズンは、シーズン終盤までもつれ込んだレアル・マドリーとアトレティコ・マドリーのマドリッド勢との熾烈な争いを制したバルセロナが、最終節で2連覇を決めた。

▽今夏にはコパ・アメリカ・センテナリオ、ユーロ2016の2大ビッグイベントが開催された影響で多くの代表選手を抱えるビッグクラブにとっては、主力のコンディションの維持が重要となる。それでも、新シーズンのリーガのタイトル争いをリードしていくのは、永遠のライバルであるバルセロナとレアル・マドリー、ここ数年闘将シメオネ監督の下で力を付けるアトレティコ・マドリーの3強となるはずだ。また、その3強を除くオトラリーガでは、日本代表MF清武弘嗣の加入したセビージャや昨季4位のビジャレアル、捲土重来を図るバレンシアなどが覇権を争うことになる。

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◆編集部予想
◎本命:バルセロナ
○対抗:レアル・マドリー
▲3番手:アトレティコ・マドリー
☆注目:セビージャ
△連下:ビジャレアル、エスパニョール


◆3連覇のカギは“MSN”依存からの脱却~バルセロナ~

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▽優勝の本命は、2連覇中の王者バルセロナだ。“MSN”の愛称で知られるFWメッシとFWルイス・スアレス、FWネイマールという世界最高のクラックが並ぶトリデンテの破壊力を武器に、圧倒的な攻撃力でここ2年の間、リーガのトップに君臨しているバルセロナ。だが、その“MSN”の疲労がピークに達した昨シーズンの終盤には公式戦で連敗を喫するなど、改めて“MSN”への極度の依存を露呈する結果となった。

▽したがって、3連覇を目指す新シーズンに向けての最重要課題は、“MSN”依存からの脱却だ。だが、今夏の移籍市場では彼ら3人のバックアップを担う“第4のFW”探しに着手も、有力候補に挙がっていたFWガメイロやFWビエットの獲得に失敗。開幕時点で補強は進まず、このままマーケットが終了すれば、若手FWムニルやMFアルダといった現有戦力での穴埋めを余儀なくされるはずだ。

▽“第4のFW”探しに苦戦する一方で、“MSN”依存脱却へのもう1つの策であるバルセロナ伝統の中盤主導のフットボールへの回帰に向けては、今夏にMFデニス・スアレス、MFアンドレ・ゴメスらを加え、中盤の選手層に厚みが増した。ここに休暇を早めに切り上げて、プレシーズンに積極アピールを続けるアルダらが、MFイニエスタとMFラキティッチのレギュラーコンビに良い形で絡めれば、“MSN”の負担軽減にも繫がるはずだ。

▽守備面に関しては、正GKブラーボの去就やDFダニエウ・アウベスの後継者問題という不安はあるものの、DFディーニュとDFユムティティの新加入フランス代表コンビの加入や、右サイドバックへの本格コンバートとなるMFセルジ・ロベルトが早い段階でフィットすれば、大きな問題とはならないだろう。

◆継続路線は吉と出るか、凶と出るか? 試されるジダン体制2年目~レアル・マドリー~

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▽シーズン途中に就任したジダン監督の下でチャンピオンズリーグ制覇に成功したレアル・マドリーだが、国内では2011-12シーズンの優勝を最後にバルセロナとアトレティコの後塵を拝し続けている。5年ぶりのリーグ制覇を目指すジダン体制2年目のレアル・マドリーだが、毎年主役の座を担ってきた移籍市場では、ユベントスからFWモラタを買い戻した以外に新星MFアセンシオをエスパニョールから復帰させただけで、獲得の噂されたFWレヴァンドフスキ、MFポグバら大物の獲得を見送るなど、静かな夏を過ごしている。

▽FWベイル、FWベンゼマ、FWクリスティアーノ・ロナウドの“BBC”を筆頭に、MFモドリッチやMFクロース、DFセルヒオ・ラモスなど各ポジションに世界最高峰のタレントを抱えているだけに、補強の必要性はないという意見もあるが、新戦力の補強によるポジション争いなどの刺激がなければ、選手たちのモチベーションに悪影響を及ぼす可能性もあるだけに、今夏の動きはある意味、ギャンブルともいえるだろう。この継続路線が吉と出るか、凶と出るかはシーズン終了後にわかることだが、ジダン監督により大きなプレッシャーがかかることは間違いない。

◆主力残留に好補強で3年ぶりの戴冠の可能性も~アトレティコ・マドリー~

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▽奇跡の優勝を果たした2013-14シーズンから3年連続で優勝争いに絡むなど、バルセロナとレアル・マドリーに肩を並べる存在となったアトレティコは、3年ぶりの覇権奪還に向けて好位置に付けている。

▽昨シーズンのCL決勝敗退後、辞任の可能性を示唆したシメオネ監督を始め、多くのビッグクラブから関心を集めるFWグリーズマンなど主力の慰留に成功したクラブは、逆に両サイドバックのバックアッパーを担うDFヴルサリコ、新たな崩しの切り札、MFガイタンの獲得に成功。また、グリーズマンへの依存が顕著だった前線では、FWジエゴ・コスタの買い戻しに失敗したものの、バルセロナの獲得候補にも挙がっていたFWガメイロを引き抜くなど、好補強が目立った。

▽スーパースター揃いの2強に比べ、タレントの質は決して高くないが、戦術面や人心掌握面で2強の指揮官を上回る闘将シメオネ監督が、例年通りうまくチームをまとめられれば、3年ぶりの戴冠の可能性は十分にあるはずだ。

◆オトラリーガを制し、CL出場権を手にするのは~セビージャ、ビジャレアル、バレンシア~

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▽異次元の強さを誇る3強の優勝争いと共に注目を集めるのが、3強以外での覇権(CL出場権)を争うオトラリーガ。昨シーズンは、攻守に完成度の高いフットボールを展開したビジャレアルが、オトラリーガの覇者となったが、新シーズンも白熱の争いが期待される。

▽オトラリーガ優勝の本命は、移籍市場の主役となった新生セビージャ。例年、多くの選手が入れ替わるセビージャだが、今夏の移籍市場ではパリ・サンジェルマンに旅立ったエメリ前監督に代わって、サンパオリ新監督が就任。また、ヨーロッパリーグ3連覇に貢献したMFバネガ、MFクリホヴィアク、FWガメイロ、闘将DFコケら主力が退団。その後釜に清武やMFフランコ・バスケス、MFガンソ、FWビエット、FWイェデルら複数の攻撃的なタレントが加入しており、ここ数年で最も大きな変化を迎えている。直近のスーペル・コパでは、サンパオリ新監督の戦術の浸透が遅れていることを露呈する戦いぶりとなったが、ポテンシャルは高いだけにチーム作りを急ぎたいところだ。

▽昨季のオトラリーガ覇者のビジャレアルは、シーズン開幕前に選手との軋轢が噂されたマルセリーノ前監督が電撃解任され、後任にエスクリバ監督が招へいされるなど、クラブ内のごたごたの影響が気がかりだ。補強に関してはDFバイリー、GKアレオラ、デニス・スアレスが抜けたものの、FWパトやMFロベルト・ソリアーノ、MFチェリシェフなど実力者を迎えており、前線に関しては戦力値を上げている。ただ、長期離脱のFWソルダードとコンディション不良のFWバカンブ不在のシーズン序盤の戦いが、鍵となっていくはずだ。

▽これまでの実績を考えれば、バレンシアも有力候補の1つだが、昨シーズンにCL出場権を逃した影響でサラリーキャップを制限する必要があり、今夏の移籍市場ではMFアンドレ・ゴメスをすでに放出し、FWアルカセルやDFムスタフィ、GKジエゴ・アウベスにも放出の可能性が出てきている。今夏の補強ではFWナニ、MFメドラン、DFモントーヤを獲得したものの、他クラブに比べて選手層に不安を抱えている。

◆多士済々の新指揮官たちに注目~エスパニョール、グラナダ、マラガ~

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▽今夏の移籍市場では選手と同様、指揮官の移動も目立った。前述したセビージャのサンパオリ、ビジャレアルのエスクリバを始め、エスパニョールには前ワトフォードの指揮官、キケ・フローレス、グラナダには前ラージョのパコ・ヘメス、マラガには名将ファンデ・ラモスが新指揮官に就任。また、デポルティボも前エイバルのガリターノを招へいしている。

▽その中で最注目は、アトレティコやバレンシアでも優れた手腕を発揮していたキケ・フローレス率いるエスパニョール。中国系企業に買収されたエスパニョールは、今夏にMFレジェス、MFフラード、MFピアッティ、FWレオ、DFデミチェリス、MFハビ・フエゴを獲得するなど、近年稀にみる積極補強を敢行。この補強に加え、リーガを知り抜くキケ・フローレスの就任でCL出場権争いに絡む可能性が出てきている。

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超ワールドサッカー編集部
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